「ハヤト……くん。興奮……しちまったかい?」
「え? ええっ!?」
秀人さんたちと別れたワタシは、ハヤトくんの肩を抱いて、そっと聞いてみた。
ハヤトくんは、あからさまに動揺している。
「ふふっ……無理することは無いさ。……ほうら……こんなにしちゃってさ……」
「う、うあっ! き、貴代子おねえさん!?」
ワタシは、ズボン越しにハヤトくんの股間を優しく撫でまわした。
予想通り、ハヤトくんの"男"の部分は、すでにカチカチに硬くなっていた。
腰を引いて、抵抗の意思を見せるハヤトくん。……これはこれで、イイかも……。
「アイリスさんの体を見て、興奮してしまったんだろ? ……いいさ、ワタシがなだめてやるよ」
「き! 貴代子おねえさん! な、何を!? ああっ!?」
言うや否や、ワタシは戸惑うハヤトくんの、ズボンのチャックを開け、パンツごと一気にずりおろす。
同時に、重力に逆らってピンと上を向く、ハヤトくんのアレが姿を現わした。
「貴代子おねえさん……あ、あああっ!!」
いつも見る裕二のアレとは違って、ハヤトくんのアレは、先端まで皮に覆われ、毛も生えていなかった。
ワタシは親指と人差し指で、そっと皮をつまみあげ、根元に向けて引き下げた。
するとピクピク震える、ピンク色の亀頭が姿を現わした。
ハヤトくんは腰を引き、涙声になっている。……少し、やりすぎたかな?
「な、なあ……やっぱり、やめようか………?」
「え? あ……い、いや…つ、続けて……」
上目遣いに、ハヤトくんの顔を見つめながら問いかけてみた。
ハヤトくんは、天を見上げ、恍惚とした表情を浮かべていたが、
ワタシの質問に顔を真っ赤にさせ、慌てて震える声で弱々しく答えた。
「あ……ご、ごめん………じゃ、続けるよ……ん…んんっ………」
「うああっ! ああっ! き…貴代子おねえさあんっ……」
質問の内容と問い掛け方が、ハヤトくんの男としてのプライドを著しく傷つけていたことに、
ようやく気がついたワタシは、詫びの言葉を述べながら、ハヤトくんのアレを根元まで咥えこんだ。
「んぐ…ん……んんっ……」
「ああっ! あっ! ああっ!!」
ゆっくりと、頭を前後に動かしてみる。もちろん、舌先はアレに絡ませたままで。
ただそれだけのことなのに、ハヤトくんは身じろぎしながら、可愛い声で喘ぎはじめた。
「んふ……ん…んっ……」
「あ……あ…ああ…あっ……」
亀頭部分だけを咥え、舌先を鈴口に押し当てる。そのまま、右手で軽くアレをしごいてみた。
ほんの少しだけ苦味を感じる液体が、鈴口から次々あふれ出し、ワタシの舌を刺激している。
ハヤトくんは腰砕けの姿勢になり、両手でワタシの頭を押さえ込んできた。
そんなハヤトくんを支えるように、気がつくと、ワタシは左腕をハヤトくんの腰に回していた。
「はあ…はあ……ん…んん…んっ……」
「あっ……ああ…貴代子おねえさん! あ! ああっ!! ああっ!」
一旦、ハヤトくんのアレから口を離し、そのまま横から咥え、顔をゆっくり左右に動かしてみる。
さらに、空いた右手でアレの下にぶらさがる袋を、軽く握り締めてみた。
握り締めた途端、袋の中の玉がキュッと縮こまった、ような気がする。……何だか、面白いかも。
そう思ったワタシは、アレを舐めまわすのも忘れ、夢中でハヤトくんの玉を、こねこねと握りまわす。
ワタシが面白がっているのを他所に、ハヤトくんは腰をよじらせて涙声で悶えていた。
「んぐ……んぐ……ん…んんっ……」
「うあ…あっ……ああっ……き、貴代子おねえさん! ボク、ボク…で…出る、出ちゃうよおっ!」
再び、ハヤトくんのアレを根元まで咥えこむ。もちろん、右手でハヤトくんの玉を、こね回したままで。
「! むぶ! ぐ……ぐう…っ……」
その途端、ハヤトくんは我慢の限界に達したのか、震える声で叫び声をあげた。
同時に、玉がキュッと縮こまったかと思うと、アレがビクンと脈打ち、
ワタシの口の中に、苦みばしったハヤトくんの精液があふれ出した。
「ぐ…う……ぐう…ごく…ん…ごく……」
ハヤトくんのアレは何度も脈打ち、次々と精液をほとばしり続ける。
ワタシは顔を前後に動かしながら、必死に咽喉を鳴らして精液を飲み下していた――
「……ハヤトくん……き、気持ち…良かったかい……?」
「う…うん……と、とっても……」
草むらにへたり込むハヤトくんの肩を抱き、ワタシは微笑みかけた。
ハヤトくんはズボンを上げるのも忘れ、肩で息をさせながら、ガクガクと頷く。
ワタシは、そっとハヤトくんのおでこにキスをした。……マズイな。クセになってしまうかも……。
などと考えていると、ハヤトくんがぱっと顔をあげ、ワタシの顔を上目遣いにじっと見つめてきた。
「き、貴代子おねえさん! こ、今度はボクが……その……えっと……」
勢い込んでワタシに話しかけてきたが、段々声が尻すぼみになっていく。
ふと見るとハヤトくんのアレは、一度果てたにも関わらず、早くも勃ちあがり始めていた。
「なあ、ハヤトくん。キミ、筆おろししたこと、あるのかい?」
「え? ええっ!? …………………」
ワタシの問いに、ハヤトくんは目を剥かんばかりの勢いで、驚きの表情を見せていたが、
顔を背けて、無言で頷いた。………ここまで来たら、一緒だよな。
「そっか……。ワタシでよかったら、筆おろしさせてやるけど、どうだ?」
「……え? ええ? そ、それって………」
背けていた顔をあげ、ワタシをじっと見つめるハヤトくん。何だか、信じられないものを見た表情だ。
やっぱ……いきなりじゃ、引かれるかな?
「それとも……ワタシが初めてじゃ、嫌か?」
「…………そ、そんな……嫌だなんて……。ボ、ボク…実は、貴代子おねえさんに、
初めて出会ったときから…その……ん…んぐ…っ…んんっ……」
首を傾げながら問い掛けると、ハヤトくんは、千切れんばかりに首を横に振りまわしながら答える。
何て可愛いんだ、このコは。そう思ったワタシは、気がつくとハヤトくんのくちびるを奪っていた。
「……それじゃあ、ハヤトくん。………おいで……」
「う……うん……」
ワタシはショーツを脱ぎ捨て、草むらに横たわり、ハヤトくんに微笑みかけた。
ハヤトくんは、ゆっくりとワタシの両足を広げ、その間に座り込んだ。
「……え…えっと…その………」
「さあ……ハヤトくんの立派なおちんちんを、ワタシのここに……」
座り込んだはいいが、何をしていいのか分からずに戸惑うハヤトくんに、
ワタシは自らの両手で割れ目を押し広げ、ハヤトくんを誘った。
ああ……ワタシは…ワタシは、こんな小さな男の子に、自分の全てを晒して喜んでいるんだ……。
不意に理性的な感情がワタシを襲う。……でも、でもこれは…相手がハヤトくんだから……、
ハヤトくんだからこそ、ワタシは全てを晒しているんだ………決して誰でもいいわけじゃない……。
言い訳じみた感情が沸き起こり、理性を振り払おうとする。
事実、ワタシはハヤトくんに魅かれていた。あのとき、『兄の仇を追いかける』と宣言したハヤトくんは、
確かにブルブル震えていた。実際、仇が討てる力があるとはとても思えなかった。
だがそれでも、勇気を振り絞って強大な相手に、敢然と立ち向かう行為そのものに、
鬼であるワタシは、強く魅かれていた。ハヤトくんについていったのは、そういう理由もあった。
そのハヤトくんに、ワタシは男としての悦びを教えようとしている………。
そう思うだけで、ワタシのアソコは、いつの間にやら熱く疼きだしていた。
「き……貴代子おねえちゃん……い…いくよ………」
「あ、ああ…………」
ハヤトくんの声で我に返った。ハヤトくんは期待に目を輝かせながら、
右手で自分のアレを握り締め、左手でワタシのアソコの位置を確認している。
ワタシは軽く頷きながら、自ら両足を大きく広げ、ハヤトくんが入ってきやすいようにした。
「……ん…ああっ!」
「んんっ!」
アレの先端が、ワタシの中に入り込んできた。
それだけで、ハヤトくんは上半身を仰け反らし、あえぎ声を漏らしていた。
「うああ…あっ……ああっ…」
「……んっ……あ、はああっ……」
ずぶずぶと音を立てて、ハヤトくんがワタシの中に入り込んでくる。
体がどんどん熱くなり、頭の中がだんだんぼやっとしてきた。
「あっ…ああ……ああっ……」
「…あっ……。どう、ハヤトくん? 気持ちイイ?」
やがて、根元まで入り込んだかと思うと、ハヤトくんはおもむろに、腰を前後に動かし始める。
虚ろな目で、歓喜の声をあげるハヤトくんを見て、思わずワタシは感想をもとめていた。
「あ、ああっ……熱くって、ヌルヌルして……凄い…凄い気持ちイイ……あ、あ……んっ…んんっ……」
喘ぎ声を混じらせ、ハヤトくんは素直に感想を述べたかと思うと、ワタシのタンクトップに手を掛ける。
あっと思う間もなく、剥きだしになったワタシの胸に、ハヤトくんが吸いついてきた。
「……あんっ…あ…ああ、ああっ! あああん!」
その途端、全身を痺れるような快感が襲い、ワタシは絶叫に近い喘ぎ声をあげていた。
「んぐ…っ…んっ……」
「はあっ! ああっ! あんっ! あ、ああっ! あああっ!」
ハヤトくんはパンパンと音がするほど、激しく腰を打ちつけながら、舌と手でワタシの胸を味わっていた。
すでにワタシは、ハヤトくんに筆おろしをさせてあげる、などという余裕は完全に消えていた。
今はただひたすら、ハヤトくんの行為に身を委ねるしかなかった。
「あっ! ああっ! き、貴代子おねえさん! もうボク、出ちゃう! 出ちゃうよおっ!!」
「…あっ! あんっ! イ、イイッ! イッちゃうっ! イッちゃううっ!!」
ハヤトくんが絶叫すると同時に、お腹の奥に何か熱いものが、流れ込んできたような感覚を覚える。
同時にワタシは、ハヤトくんの愛撫と交わりによって、絶頂へと押し上げられていた。
「き……貴代子おねえさん………」
目を覚ましたワタシを、心配そうにじっと見下ろすハヤトくんの顔。……そ、そういえばワタシ!?
今自分が置かれている状況を思い出し、顔どころか全身がかあっと熱くなる。
ハヤトくんに、筆おろしをさせてあげるなどと言い出し、あまつさえ自ら快感を貪り、
挙句は失神してしまったのだ。恥ずかしさのあまり、ハヤトくんをまともに見ることが出来なかった。
思わず、ハヤトくんから顔を背けるように、上半身を起こす。
「あの……ボ、ボク、初めてだったけど……凄い、気持ちよかったよ……。
どうもありがとう、貴代子おねえさん……」
だがハヤトくんは、ワタシの背中に抱きついてきて、恥ずかしそうにつぶやいた。
「い、いや、ワタシは……その……。ハ、ハヤトくん!? いったいどうしたんだ!?」
ワタシは、しどろもどろに返事をしていたが、肩に置かれたハヤトくんの手を取った瞬間、
その手のあまりの冷たさに驚き、ハヤトくんのほうを仰ぎ見た。
「い…いや……だ…大丈夫……何でもな………わ、わわっ!?」
「何言ってるんだよ? どこをどう見ても、大丈夫じゃないじゃないか? 何があったんだ?」
心配するワタシを他所に、ハヤトくんはワタシから手をぱっと離し、二、三歩後ずさりながら答える。
ワタシはハヤトくんを、逃げられないようにしっかりと抱きしめ、さっきよりも強い口調で問い詰めた。
「それが……その…元の姿に、戻るだけだから………」
「も、元の姿!? な、何で!?」
観念したのか、ワタシの腕の中でハヤトくんは、ぼそぼそとつぶやく。
驚いたワタシは、ハヤトくんをこちらに向かせながら、その意味を尋ねた。
「ちょっと……"力"を使いすぎちゃったから………」
「使いすぎた……って、まさか…まさか、ワタシのせいで………」
ハヤトくんが言う"力"とは、鎌鼬3兄弟の末っ子としての、癒しの力だった。
ワタシは先ほど、アイリスによって半死半生の怪我を負わされたが、
ハヤトくんがその"力"を使って、回復してくれていたのだ。もしあのとき、ハヤトくんがいなかったら、
今頃ワタシや秀人さんたちは、いったいどうなっていたことか……。
でも…でもそのせいで、今の姿を失ってしまうなんて………。
「そんな……そんなこと、ないよ。貴代子おねえさんは、ボクの頼みを聞いてくれて、
兄ちゃんたちの仇を取るの、手伝ってくれたんだから、それを手伝うのは当たり前でしょう?
それに…元の姿に戻るってだけで、別に死んでしまうわけじゃないんだから、
しばらくじっとしていれば、またいつか、この姿に戻れる日が来るよ」
「ほ……本当か?」
「うん、本当だよ。だから…だから、心配しないで」
「そうか……分かった……。その日を…待っているからな……ん…んっ……」
にっこり微笑むハヤトくんに、ワタシも笑みで返しながら、そのままそっとくちびるを奪った。
不意を突かれたハヤトくんは、顔を真っ赤に染め上げ、おずおずとワタシの背中に手を回してきた。
しばらくの間、そうして抱き合っていたが、段々ハヤトくんの体が小さくなってきた。
やがて――ワタシの腕の中では、一匹のフェレットが「クー、クー」と鳴いていた。
――数日後――
「じゃ、行ってきま〜す!」
「千奈美ちゃん、夕方までには帰ってくるんですよ」
「は〜い!」
元気よく出掛けようとする千奈美に、雪枝が声を掛けてくる。
千奈美は、雪枝の言葉に素直に頷き、玄関の扉を開けた。
「あ、千奈美ちゃん。丁度いいところに! 実はうちに、いいものがあるんだけど、見に来ないか?」
「も〜お、貴代子お姉さん、それじゃ誘拐犯の誘い文句だよ〜?」
外に駆け出そうとする千奈美とばったり出会った、買い物袋を抱えた隣人の貴代子が手招きをする。
だが、千奈美は眉をしかめながら、小首を傾げた。
「はははっ、確かにそのとおりだ。……で、どうする? 見に来るかい?」
「うんっ! おっじゃまっしま〜っす!」
そんな千奈美を見て、苦笑いを浮かべながら玄関のカギを開け、再び千奈美を誘う貴代子。
今度は、千奈美は元気一杯な声で頷きながら、貴代子の家へ入っていった。
「いいもの、ってのは、これなんだけどさ……」
「うわあっ……ねえ、貴代子お姉ちゃん。このコ、ここで飼うの?」
部屋の奥のケージに入っている、フェレットを指差す貴代子。
千奈美は歓声をあげ、ケージの前へ走りよって、貴代子のほうを振り返った。
「ああ、まあな」
「いいなあ〜、いいなあ〜。私、こっちの家に住もうかなあ?」
千奈美はケージの前でコロンと横になり、頬杖を突きながら、ポツリとつぶやく。
「コラコラ、そんなことくらいで家族を捨てるんじゃない。遊びたくなったら、いつでも来ていいから」
「ホ、ホント!?」
呆れながらつぶやく貴代子の言葉に、千奈美は目を輝かせて振り向いた。
膝から下を、パタパタと上下にせわしなく動かしながら。
「ああ。もちろんさ」
「わーいわーい! ………で、このコ、お名前は何て言うの?」
「ん。クーちゃんさ」
「クーちゃんか〜。よろしくねっ、クーちゃん!」
千奈美は満面の笑みを浮かべながら、ケージからクーちゃんを取り出し、軽くキスをした。
クーちゃんは、まるで照れくさそうに首を軽く振りながら、「クー、クー」と鳴いていた――