11月20日  
ラボT−EN003地区で大規模な爆発事故が発生。テロか実験失敗か詳細は不明だが、  
俺はその周囲の警備にいた、という理由で、俺は北区刑務所病院に連行され監禁されることになる。  
まあ、部外者侵入は容赦なく射殺するようなこの厳重に過ぎる大規模施設のことだ。  
何かやばいもんでもこしらえてて、それが漏れるのを恐れてのことだろう。  
こういう場合最も想像つくのはバイオハザード系、細菌兵器か毒物か。  
いずれにせよこんな監禁状態におかねばならぬほどの代物であることは確かっぽい。  
即効性の毒なら、監禁されるまでも無く俺は最悪の苦悶の末間違いなく死んでいただろうが。  
どうやら幸い、というべきかどうか、俺はこの通り五体無事だ。  
まあ遅効性で惨たらしい死に方をする細菌も開発されてるようなご時世だ。  
まだまだ油断はできないけどな。  
まあ焦ったところでせんはない。今日はもうこれ以上何事も起こることは無いだろう、  
ゆっくり寝て明日に少しでも備えておくか。  
 
11月21日  
定期的な時間とともに自動配給される食事と、  
自動診察システムにより体をいじられる以外は、  
全く変化を見せる事の無い病室。ひどく退屈だ。  
あの夜から一夜明けたが、自分で言うのもなんだが体は全く異状が無い。  
むしろ昨日より元気な位だ。  
とりあえず欠かせた事の無いトレーニングを自らに課す。  
今日は輪をかけて退屈なため、通常の3倍をノルマとする。  
 
11月22日  
今日はあいにくの雨、といっても今の俺には関係はないか。  
相変わらず、心配していた異常とか変化とか、全くなし。  
今日もまた、日課であるトレーニングをこなす。  
通常の6倍にまでノルマを課す。  
奇妙なことに、これ程やってもまるで疲弊を感じない。  
まさか、これがあのラボの開発品の諸症状って訳じゃあるまいなあ。  
 
11月23日  
朝っぱらから、妙に俺は興奮していた。  
内から、強力な高ぶりが発せられるような感じがする。  
時が経てば収まるだろうと、我慢をしていても状況は変わらない。  
少しでも抑えようと、毎日のノルマを10倍にまで増やす。  
おかしい、この異常な高揚感と、明らかに人間の域とは思えない持久力。  
どうやら、俺にも何らかの感染または効果があったということは間違いない。  
一体、ラボは何を研究していたというのか。  
 
11月24日  
興奮がものすごいことになっている。  
時々、自分が自分で無くなるような感覚に襲われる程だ。  
もう一つの日課であるこの日記も、いずれ書くことすらままならぬ事になるのか。  
俺はこの感覚に覚えがある、食欲でもない、破壊衝動でも無い。  
これは、性欲だ。  
分かったからといって現状の打破を図れる訳ではないが、  
とりあえず目の前の高揚を抑える、もっと簡単な方法だけは分かった。  
久しぶりに「その用」でトイレに駆け込んだら、  
とんでもない量が出やがった。クソッタレが。  
 
11月25日  
一体ラボは、何のつもりでこんな研究してやがるんだ。  
細菌兵器で人間総ポルノ化?まさかな、冗談にも程がある。  
興奮はますますひどいことになっていて、  
自分の「処理」だけではどうしようも無いところにまできている。  
こうして日記を書いている今も、思い返す事も筆を運ぶことも、やっと、だ。  
目の前に女がいたらやばいことになってるな。冗談抜きで。  
 
11月26日  
体中がやけにざわざわし、全身かきむしってもかきむしってもおさまらん。  
腕を見ると、なんか関節やら形状やら、腕としてありえない事になってやがる。  
まさかと思って全身を見ると、やっぱり足も同じ事になってやがった。  
とんだバイオハザードだ。俺は化け物になっちまうのか。  
まだ日記が書ける位の思考は残ってるみたいだが、それもいつまでもつかな。  
 
11月27日  
病室−つうかほとんど独房だが−の外が何やら騒がしい。  
窓の外を見て見ると、防護マスクを被った白衣の奴らが、  
同じくマスクをつけた警備隊を従えて慌ただしく動き回っていた。  
頑丈なドアだが、それでもなんとか発せられる声は聞こえる。  
「予想以上の暴走」「第三病棟パージ、もうこの施設は」  
「被害状況確認」「最悪の事態が」  
聞き取れたこれらの断片と声の必死さ加減により、  
病院でただならぬ事態が発生している事だけはわかる。  
暴走?まさか、俺のような症状の奴が原因でここまでの騒ぎか?  
まさかな。到底信じられん。  
 
11月28日  
昨日の騒ぎから一転、今日は静かだった。いや、静かにすぎた。  
いつもの食料配給や身体検査すらない。一体どうなってやがる。  
病院そのものが停止してるのか。  
化け物化は日に日にすすんでやがる。  
高ぶりがまたひどい。無性に女が恋しい。  
まあこんな化け物にすすんで抱かれるような女なぞまずいないだろうが。  
 
11月29日  
今日も昨日に同じ。何もない。まず食い物がこない。  
いくら化け物になったとしても、これじゃ飢え死にだ。  
だが食欲どころか、俺は今女に対して飢えている。  
やばい。やばいくらい女がほしい。  
体中が熱い。ひどく熱い。これはきっと高ぶりの熱だ。  
だめだ。今日は寝れない。あつい。  
 
11 30  
結局ねれなかった。あつい。たかぶる。  
あまりにもひどいので出たくなり、ドアをたたいた。しつこくたたいた。  
そしたらドアがへこんだ。  
おれやばい。この力はなんだ。  
 
11 3 1   
ドアをたたく。ますますどあがへこんだ。  
あつい、たかぶる、女ほしい。  
ドアたたく。どあへこむ。  
 
1 1  
おんな いい  
 
 

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