山の頂上。  
そこには普段は見かけないような植物が茂り、手が届きそうなほど近くに空と雲の心地よいコントラストが漂っている。  
年間恒例行事である、登山研修。  
山に登って弁当を食い、ふもとの街で観光をして帰るだけのこの「研修」とやらのために、  
はるばる隣県までバスを貸し切って向かうのはいかがなものかと俺は常々思っていたが、  
山頂での壮大な景色を前に、これなら悪くないかと感じていた。  
とは言え、山頂での自由行動の時間はわずか30分。  
昼飯を食べてしまえば、残る時間などそうそうある訳もなく、この絶景ともお別れの時が近づきつつある。  
そろそろ時間かな、と思い、大きく深呼吸をして清々しい空気を吸う。  
――さあ、張り切って山下りと行きますか。  
弁当の空箱を片付け、カバンを片手に勢いをつけて立ち上がる。  
と。  
頭に衝撃を感じ、思わずバランスを崩して倒れる。  
「尻餅ついてないでさっさと降りる準備しなさいよ、馬鹿祐樹」  
衝撃を感じた辺りを見上げると、見慣れた顔があった。  
 
俺は神崎祐樹。特に目立つ事はしていないはずだが、  
目の前のコイツには妙によく突っかかられる。  
川澄直。俺の頭があった位置の数十センチ上方に、  
腕を突き出して仁王立ちしている女――女といっても、あくまで生物学的に見た場合――が、ソイツだ。  
「人が大自然の息吹を味わっている時に、どうしてこう粗暴な真似をするかな」  
「大自然の息吹はいいけど、アタシ達置いてかれちゃってんのよ!」  
久しぶりの清々しい気分に、冗談っぽく返してしまい、それがコイツをますます怒らせたらしい。  
「ほら、ちゃっちゃと立つ!なんとか最後尾に追いつくわよ!アンタのせいで遅れたんだから!」  
「わーったわーった、じゃ、ひとっ走り…ん?」  
その時俺は、視界の端に何か動くものを捉え、自然と目がそちらに行ってしまった。  
「ちょっと、どこ見て…っきゃぁぁぁっ!?」  
裏声をさらに2,3回裏返したような悲鳴がこだました。  
 
俺の視界の端で動いていたモノは、蛇だった。  
俺も爬虫類とはあまり親交を深めたくはない。アイツはその傾向が強すぎるようだが。  
ともあれ、アイツは悲鳴をあげながらあさっての方向へ駆け出してしまった。  
「川澄――、……クソ、仕方ないな」  
アイツが走り去った方向は、本来のルートとは微妙にズレた方向だったが、追わないわけにはいかない。  
慌てて走り出すが、遠目に背中が見えるだけ。  
どうやら、全力疾走で坂を駆け下りたため、止まれなくなっているようだ。  
「畜生……!」  
俺は一瞬迷った後、同じ斜面に足をかけた。  
 
「直ー!どこだー?」  
慎重に坂を下りたためか、見失ってしまったらしい。  
恐らくこの周辺にいるはずだが、姿が見えない。  
しばらく名を呼んでいると、チラリと白い色が見えた。  
その色を目指して草むらを進んでいくと、やや開けた場所で小さくなっている直を発見した。  
「直!大丈夫か?」  
俺の姿を見るや、泣き出しそうな安堵の表情を浮かべてこちらに顔を向ける。  
「お、遅いわよっ…」  
震える声で、それでも強がりを言ってくる。  
普段の俺ならば「探してやったんだから礼ぐらいあるだろ」とでも言うところだが、  
小さくなって震えている直の様子を見ると、とてもそんな気にはなれなかった。  
「…とりあえず、ケガはしてないか?」  
「大丈夫……、痛っ」  
立ち上がろうとして、そのまま直は座り込んでしまった。  
 
「見せてみな」  
「だ、大丈夫よ…」  
その言葉を無視して足首の辺りを見てみると、結構な切り傷が出来ている。  
「見てるほうが痛くなってくるような切り口だ…。おい、消毒するからちょっと腰下ろせ」  
「え…ちょっと、待って…」  
ケガのせいだろうか、普段とは違って弱々しい声が返ってくる。  
その間にも、俺はカバンから消毒液とガーゼを取り出す。  
一番ラクそうな保健係を選んだのは幸いだった。  
山頂で汲んだ岩清水をペットボトルから傷口にかけて、汚れを除く。  
「……っ!」  
直が痛みに歯を食いしばっているのが、顔が近くにあるせいでよくわかる。  
水の冷たさで痛みが緩和されたのか、はぁはぁと荒い息をつく。  
「ちょっと痛いけど、ガマンしろよ…」  
薬が傷に触れた途端、激痛が走ったのだろう、小さな呻きが耳元で聞こえた。  
「くぅ・・・っ、ぅ・・・っ!」  
気持ちは分かる。切り傷に消毒薬を塗る痛みは並大抵のものではない。  
「大丈夫か?」  
 
心配して顔を覗き込むと、直は涙を浮かべていた。  
きつく閉じた目から、じわりと涙が溢れる様子。  
それまで、「涙」と「川澄直」は俺の仲でかなり遠い位置にあったのだが。  
俺は、何も言えなかった。  
しばらく沈黙が続き、それを俺が破る。  
「・・・歩けるようになったら、とりあえず先に進もうな」  
「・・・・・・」  
直は無言で立ち上がると、よろめきながら歩き出した。  
俺は、慌てて消毒薬をしまうと、直を追いかけた。  
 
 
歩き出して数時間。辺りは段々と暗くなってきた。  
一応は山を下るように歩いていたのだが、直を追いかけて闇雲に走り回った時点でもう道が分からなくなっている。  
そう寒い季節でないとは言え、冷え込みも厳しくなってきた。  
夜になる前に出来るだけ山を降りておかないと―そう思った矢先に、  
「ねえ、ちゃんと降りてるんでしょうね?」  
と、背中を叩かれた。  
「っ・・・、今考えてんだよ」  
「え?ぁ・・ご、ごめん」  
いつになく素直に謝る直。素直なのはいいことだが、やはり違和感がある。  
「なんだよ、妙に素直だな?」  
「そんなわけ・・・ないでしょ」  
直は何故か頬を赤らめて否定する・・・まさか。  
「もしかして、お前・・・」  
「ち、違っ・・・」  
直の発しようとした言葉を遮って言う。  
 
「足の傷から雑菌が入ったか?」  
「・・・・・・」  
「そのせいで・・熱があるとか・・・あれ?」  
先程とは微妙に違った意味で顔を真っ赤にしながら拳を握り締める直に、  
俺は自分の発言が的外れであることを悟らされた。  
「この・・・、馬鹿祐樹ー!」  
腕を振り上げて直が追いかけてきた。どうやらコイツ、もう足の傷は治ってたらしい。  
 
「はぁっ、はぁっ、はぁ・・・」  
闇雲に走るのも二度目。もう帰り道は完全に見失った。  
俺は荒い息をつきながら、草原で肉食獣から逃げるシマウマの気分を満喫していた。  
そこへ、肉食獣の直がやってくる。  
「ホント、持久力ないわねー・・・」  
こちらも同じ距離を走ったはずなのに、少し息が乱れているだけでついてきている。  
 
「・・・っるさいな、俺は、短距離型なんだよっ」  
そう。魚で言えば白身魚だ。白身魚は旨いんだぞ。  
「はいはい。で、これは何だと思う?」  
直が指差した先には、古びた小屋があった。  
「・・・山小屋?」  
 
偶然にも山小屋の前に出てきてしまった以上、ここに留まるのが得策だろう。  
もう、気軽に山道を歩ける時間帯ではない。  
「しっかし幸運だな。SFかファンタジー小説の主人公みたいだ」  
「・・・恋愛小説じゃないんだね」  
「あ?悪い、聞こえなかった」  
「なんでもない」  
それなら、本当になんでもないんだろう。直の「なんでもない」は昔から、本当になんでもないことばかりだ。  
猟師が時たま使う小屋なのだろう、古くはあるが、泊まるには不便はない。  
ランプの燃料も予備があったし、少しだが常備薬もあった。  
 
直が缶詰を見つけたので、1つずつ食べることにした。  
昼飯も結構食べたせいでそう空腹というわけでもなかったが、  
直が「鯖の水煮だけは自分のものだ」と強く主張したのには驚いた。  
「一体、何がお前をそんなに鯖に執着させるんだろうな」  
「別にいいじゃない。そこに鯖があるから、って奴よ」  
「明確なまでのパクリじゃないかよ」  
「別にいいじゃない・・・っくしゅんっ」  
直が小さなくしゃみをした。  
「大丈夫か?」  
「だ、大丈夫・・・っくしゅん」  
なんだか大丈夫ではなさそうだったので、乗り出して直の顔を覗き込んでみる。ちょっと赤い。  
「ねぇ、あんまり女の子の顔をじろじろと・・・あっ」  
直が何か言いかけるのと同時に、俺の手が直の額に添えられる。  
「・・・やっぱり、熱があるな。顔も、さっきより赤くなってる」  
「・・・じろじろと・・見る、のは・・良くないんじゃないかなぁと・・・」  
 
言い終えた後も、真っ赤な顔のまま口だけをぱくぱくと動かしている直。  
「マズイな。熱のせいで朦朧としてないか?」  
「・・・・・・」  
返答はない。これは恐らく、緊急を要する事態だ。  
俺はただちに直の体を支えて立たせ、ベッドの脇に座らせた。  
「ゆ・・・祐樹?」  
「ほら、いいからベッドに入れって」  
「馬鹿・・・」  
俺の看病欲に火がついてしまったのだった。  
 
幸い、風邪薬が棚に備えてあったので、それを飲ませた。  
疲れもあるのだろう、直はすぐに眠ってしまった。  
もう一度、直の額に手を当てる。  
安らかな寝息に合わせて上下に動いているが、ぐっすりと眠っているので触っても気付かない。  
熱も下がりつつあるし、やることもないので俺も寝てしまっていいのだが、  
直の寝顔を眺めていると、そうする気にはなれなかった。  
 
恐らく、俺の心の底で抑圧されてきた看護スピリッツがここぞとばかりに眠気を圧倒しているのだろう。多分。  
ロウソク一本だけの、薄暗い部屋。  
時計もないから、聞こえる音は夜の自然の音くらい。  
目に入るものは直の寝顔だけ、  
耳に入るものは直の寝息だけ。  
いつのまにか、目の前の寝顔を食い入るように見ているのに思い当たり、  
誰もいないのに時計を見たりしてごまかす。  
そんな繰り返しで、時間が過ぎていった。  
 
何時間経っただろうか。  
もしかしたら、少しくらい居眠りしたかもしれない。看護スピリッツだって無限ではないのだ。  
ふと思い立って、また熱を測ってみる。  
直の額に手を当てて、自分の体温と比べて。  
厳正なる審査の結果、平熱と診断された。熱さえ下がればとりあえず安心だろう。  
 
「これも俺の素晴らしき看護スピリッツの賜物だな」  
誰にともなく呟くと、小さな、押し殺した笑い声が聞こえた。  
「何言ってんの?バカじゃ・・・ないの」  
「・・・起きてやがった」  
風邪薬の副作用でまだ眠いのだろう。声がとろんとした響きを帯びている。  
その声を聞いた途端、俺は胸の辺りに熱いものを感じた。  
俺も鈍感ではない(と自負している)、それがどういったものかは判る。  
普段なら胸のうちにしまっておくはずのそれも、暗い部屋に二人でいるとそうはいかない。  
「なあ、オマエって結構・・・可愛かったんだな」  
「え、え・・・?な、何言って・・・」  
「ホント、何言ってんだろうな・・・俺」  
別に、直に向けて言ったわけではない。  
だが、普段なら気恥ずかしくてとても言えないことも、この雰囲気の中ではいくらでも口にできてしまう。  
「お前さ・・・大人しくしてりゃ、結構可愛いんだなって言ったんだよ」  
「は・・・? だから・・・、何言ってんの・・・っ!」  
 
顔を真っ赤にした直の表情が、面白いようにころころと変わる。  
「あぁ、ほら・・・落ち着けって」  
体から落ちた毛布を直し、まだ口をぱくぱくさせている直を、そっとベッドに戻らせる。  
「あ・・・っ・・」  
毛布が体に掛かった瞬間、直の口から声が漏れた。  
「っ・・どこ、触ってんのよ・・」  
「あ・・ゴ、ゴメン」  
「っ・・・」  
どうやら変な所を触ってしまったらしい。ベッドの上で、そっぽを向かれてしまった。  
それからしばらく、二人とも押し黙ってしまった。  
どれくらい経った頃か、直が突然、ぼそりと呟いた。  
「祐樹・・・寒くないの?」  
「ん・・・、あぁ、命に別状があるほどじゃないかな」  
とっさにそう答えてしまったが、実を言うと中々に凍える。  
再び直が黙り、それにあわせて俺もなんとなく黙る。  
 
「あっ、あのさ!」  
急に、直が早口でまくしたて、語尾に行くにつれて弱弱しい声になっていく。  
「さ、寒いなら入ってきてもいいから入ってきたら・・・・・・、どう?」  
申し出そのものはこの室温では実に有難かったのだが、  
前もって考えておいてから言ったような早口ぶりが妙に可笑しくてそれに苦笑して答える。  
「どう、と言われてもな・・・」  
「何笑ってんのよ・・・入れたげないわよ?」  
ああ、そいつは困る。何しろ俺の内なる痩せ我慢の精霊様は凍死寸前、ここで機嫌を損ねて熱的死を迎えるのは頂けない。とりあえず適当にごまかしつつ謝罪を試みる。  
「悪い悪い。嬉しくてな」  
「・・・ぇ、えっ?」  
「いや、実は結構寒くてさ。命に別状がありそうだったから」  
こうなったら痩せ我慢も何もないと、寒かったことも正直に話してみたのだが逆効果だったようで、引っ叩かれてしまった。  
 
「この、変態馬鹿!」  
「変態を追加するな!」  
子供の頃と変わらない調子で取っ組み合いを始める俺達。男の俺が最終的にいつも力負けしてしまうんだが。  
「うっさい、祐樹の赤色酸化チンポ!」  
「そ、それでも女かお前!ていうか誰のが赤色酸化だ、この・・・二酸化貧乳!」  
例年通り、この言葉で直の何かがスイッチオン。  
「こ、・・・この・・・!う、うっさいっ!うっさ・・・」  
いよいよもって殲滅戦仕様に切り替わらんばかりの直に向かって、ちょっとしたイタズラを仕掛けてやる。  
「隙ありっ」  
胸タッチ。  
「ひゃっ?!」  
小さな胸に手を添えたまま、ああ、少しは成長しているんだなどと妙な感慨を覚える。  
「あ、でも俺が最後に確認したのは6歳の時一緒に入ったきりだから発育してて当然か・・・」  
「ぁぅ・・・は、離せっ・・・」  
困ったような表情で、直が文句を言ってくる。  
 
そういえば、風邪薬の副作用で眠いのだろうか、さっきから目元がとろんとしている。  
そんな状態で取っ組み合いの喧嘩なんかしたせいか、顔が真っ赤だ。  
「直も成長したんだなー・・・」  
言いながら、無意識的に直の胸に添えた手をもぞもぞと動かす。  
普段尻に敷かれてきたお返し、などという感はない。ただ、目の前で真っ赤になって縮こまってるコイツが妙に可愛いだけだ。  
「んっ・・ちょっ、何考えて・・・」  
「いや・・・単に可愛いなーとか思っただけだ」  
「え・・・っと、・・・その、ぅん・・」  
ごく自然に言ってしまった俺の言葉と、直の反応を境目として、冗談のつもりだった愛撫は、どうやら本気にならざるを得なくなってってしまったようだ。  
俺は、直の体を静かにベッドに寝かせた。  
 
「ぁ・・っ!や・・・ぁん」  
こうなってみると、直はとてもとても可愛かった。  
時々びくっと反応して恥ずかしがる時も、普段と変わらぬあの反抗的な表情が見え隠れして、それさえも可愛く思えるのだ。  
そんな直の表情を見ると、俺はちょっと意地悪なことをしたくなって、  
「服、自分で持ち上げててくれるか?」  
洋服のすそを直自身の手に握らせてそう囁くと、直はちょっと迷った後、おずおずとその手を持ち上げた。  
震える手で服をたくし上げている直の顔は、俺の下半身に対して絶大な影響をもたらした。  
先程までは服の上から触るだけだった胸を、今度は直接に弄り回す。  
「ひゃぁっ・・・」  
一度だけ声を上げたあとは、思いのほか自分の声が響いて聞こえたのか、必死にこらえている。  
指先で触れるだけの愛撫から、段々と気分が乗ってきて舌まで使うようになって声を我慢するのが辛そうだったので、  
「声・・別に我慢しなくてもいいよ?」  
「ゃ・・・やだぁ・・・っ・・」  
「俺だって直の声、聞きたいしな」  
「ば、馬鹿・・・ぁっ・・・!」  
 
熱に浮かされたような声で、弱く抗議の声を上げる直。  
「さて・・・直、どんな感じ?」  
「ぇ・・どんな感じ、って・・?」  
胸への侵攻を一旦止めて、直の顔をじっと見る。  
「わ、わかんないよぉ・・・変な感じ・・」  
言葉の端々とか表情に、媚びるようなものが見える・・・などと、自惚れてしまいそうになる。  
それくらいに、普段の直とは違って見えた。  
「じゃぁ・・・直は、俺のこと好きか?」  
人間、精神状態如何ではどんな科白も口にできてしまうらしい。  
「す、好き・・だよ・・・?」  
「そっか・・・。俺も直のことは・・・好き、だな。今更だけど」  
「こんなこと、好きでもないのにされたらやだよ・・・」  
どういうわけか未だに服をたくし上げた格好のまま直が言う。  
それに気付いた俺は、更に意地悪をする。  
「さて・・・さっきから続きが欲しそうな格好してることだし、そろそろ続き・・・いくぞ?」  
「・・・っ!そ、そんなこと・・・っ!」  
「思ってない、ってか?」  
「・・・・・・っ・・もう、したいならすればいいでしょ・・・」  
「じゃ、遠慮なく」  
俺達は、遭難中だということも忘れて夜遊びに興じた。  
 
 
 
翌朝。山の中では朝から鳥の鳴き声が絶え間なく聞こえる。  
昨夜の行為で腰が立たなくなった直は、俺に肩を借りて、それでも難儀そうに山を下っていた。  
「腰痛いー・・・祐樹のせいだからね!」  
辛うじて見覚えのある場所にたどり着いた俺達は、そこから皆の元へ歩いていくことにした。  
夜更かしをしすぎたせいで、歩き始める頃には日がだいぶ昇ってしまったが。  
「んなこと言ったってなぁ・・・。あんな可愛い声で誘われたら仕方ないだろ?」  
「ばっ・・・!なんでそういうことっ、言うかな・・・」  
「どうせ誰も聞いてやしないだろ?あの声で『もっとぉ・・・』って囁かれたときはかなり来たな、正直」  
「うっさい!黙れ!・・・みんなの前で言ったら容赦しないから!」  
腰の痛みに顔をしかめる直をおんぶしてやろうかどうか迷いながら、俺は山を降りた。  
 

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