「ねえ、知ってる?゙ひもえだ様゙って………」  
休み時間も終わりそうな前、突然そう言いだしたのはクラス一のお喋り、夕子だった。  
「何?その変な名前」  
「うちの学校に伝わる七不思議の一つよ。知っといた方が身のためだと思うけどな〜…………」  
周りにいた子達はゾクッとして、話をよく聴こうと集まっていく。  
「いい?………あたし達5年生は全7組あるけど、その奥には理科室と器具がある理科準備室があるじゃない?」  
うんうん、というようにみんな頷く。ただならぬ様子を感じ、男子も結構寄ってきたようだ。  
「その理科準備室に入った事ある人、いる?」  
「夕子、理科室にあるだけの器具でいつも先生は実験やるから準備室には入らないように言ってるから…………」  
「そう、そうなのよね。だから誰も入らない」  
男子の中には入ろうとした時、怒られた奴がいたが何か関係してるのだろうか?  
「あの中にはこの学校…………いえ、この地域に昔から住む妖怪を封じてるらしいわよ?」  
「それが………ひも………ひも………」  
「ひ・も・え・だ・様。ここは古びた神社の横にあった塚を壊して作ってあるの…………その塚には生け贄を昔は捧げてたらしいわ」  
生け贄…………という言葉にみんな焦りを感じた。恐がってるのを表に出したくないからだ。  
 
「色んな経緯があって次第に行われなくなって…………でも学校が作られてからの3年間、行方不明になる子が6人ほどいたらしいわ」  
「もしかして、準備室に入ったの?」  
夕子はニヤッと笑ってさらに場を引き立てる。  
「そう…………。ついに学校は霊能力者を呼んで封じたらしいけど、その子達は結局見つからなかったわ」  
ざわざわと静かに響く。いつの間にか教室にいる子全員が寄ってきていた。  
「ひもえだ様はそれ以降も開けてしまった生徒を引き込んで…………食べてしまった………その度に封じられたらしいけど」  
「それで…………助かる方法はないの?」  
ピンッと反応して夕子はさらに話を進める。  
「引き込まれて助からなかった子はいたみたい…………その子はビー玉を持ってたからよ」  
「ビ、ビー玉??」  
意外な回避方法に驚く一同。  
「それは水晶に似ているから………ひもえだ様が封じられていた塚には水晶があったらしいしね」  
「それで…………」  
 
゙キーンコーンカーンコーン゙…………  
 
そこでチャイムが鳴り響き、先生が入ってきたので子供達は自分の席に着いた。  
 
 
やがて授業も終わり、週2のクラブ活動に入る。理科室を使う生物研究クラブには藤宮 澪(みお)は夕子の話が気になって仕方がなかった。  
「あそこに………いるんだよね………」  
「澪、夕子の話を気にしてんの?」  
「だって…………恐いじゃん………千代は恐くないの?」  
馬鹿らしい、と言った風な素振りを千代は見せた。  
「恐いよ?。でも、そんなのいるわけないじゃん。仮にいても開けなきゃいいだけよ」  
 
確かにそうだが、不安が取れなかった。  
「はい、じゃあメダカを水槽に戻して」  
観察に使っていたメダカを入れる子供達。これが終われば、後は帰りだ。  
 
゙ガッシャーン、パリィィン゙  
 
教室みんなの視線が一点に向けられた。  
「あ…………やっちゃった…………」  
澪はついつい落として水槽を割ってしまった。メダカは他の水槽に移したが、掃除を命じられてしまった。  
 
 
「ごめんね、澪………」  
「しょうがないよ。もともとあたしの責任だし………塾あるんでしょ?」  
「本当にごめんね…………バイバイ!!」  
「うん。バイバイ…………」  
結局一人でやる羽目になってしまった。他のクラスの子を巻き込むわけにはいかないし、しょうがない。  
「はぁ…………」  
「ん?澪…………何やってるの?」  
「あ、龍也(たつや)君………」  
声をかけてきたのは片思いをしている龍也だった。彼はバスケクラブに所属していて、人気も高かった。  
「手伝おうか?」  
「え!?い、いいよ!!」  
「でも…………」  
「あたしは大丈夫だから…………」  
「そうか?」  
龍也は後退りを感じたが、帰る事にした。  
「じゃあ…………そうだ、これあげるよ」  
そう言って渡されたのはお守りだった。  
「これ………」  
「あ………いや、この間のクッキーのお礼………じゃあ………」  
そう言って、龍也は走っていってしまった。  
「……………馬鹿バカバカバカーー!!どうして手伝って、て言わなかったんだろ?」  
 
水を雑巾で吸い上げきると終わったのでランドセルを背負い帰ろうと理科室から出ようとした、その時、  
 
ヴゥゥ……………  
 
「!!?」  
ビクッとして振り替えると別に何もない。何もいない。でも、確かに…………  
「…………あれ?」  
何でもないのに足が勝手に理科室へ向けられた。  
「体が…………勝手に…………だ、誰か………」  
そして、準備室に入るためのドアの前に立つ。  
「いや…………手がぁ…………」  
ノブに触れ、回してしまう。その瞬間、中から幾本もの紐状の触手が現われ、澪を縛り上げてあっと言う間に中へ引き込んだ。  
「きゃああぁぁーー!!」  
そして静かに、ドアは閉まっていった。  
 
 
「うう〜………いや、放して!!」  
足と腹が縛られ、身動きが取れない。部屋にはまだ数十…………いや、百を超えるであろう触手がウネウネと動いていた。  
「そなたが新しぎ供え゙か…………」  
低い声がした。澪はジタバタと体を揺さ振るだけで、聴こうとはしていなかった。  
「久々の子じゃ…………可愛らしい顔じゃのう………愛でてやろうぞ………」  
その体は幾本もの触手が木の枝のようにわかれている。ゆえにひもえだ様という名前なのだ。  
「きゃ………やめて…………」  
くねり、と一本の触手が足を伝ってスカートの中へ入っていく。  
「ひゃ…………」  
さらにもう二本が服の合間から上半身の皮膚をさか撫でる。もう膨らみ始めてる胸を優しく揉んでいく。  
「あぁあん…………」  
澪は初めてくる感覚に戸惑いを感じつつ、必死に触手を払おうとするが何の効果もない。  
 
「ふむふむ、まだ未経験のようじゃな。やりがいがあるわい…………」  
上下ともに服と下着を取り外し始める。上はゆっくりと、下は素早く脱がす。ランドセルは即座に飛ばされ、澪はその裸体を現した。  
「きゃ…………あたし………もういや!!」  
ドアに向かいたいが足が縛られていては動けるはずもない。  
「どれ?ほぉ〜…………美しい体付きじゃ………」  
脇や足の裏などを擦られていく。が、くすぐったいわけではない。触手の先には口のようなのがあり、舐められているようで気持ち悪かった。  
「あぁん…………や………ふぅ………」  
いいように体をいじられて、澪は悲鳴には違いないがその中に色気が入った声を混ぜ始めた。  
「ぅあ………ひゃう………」  
顔が赤くなっていく。触手の口が乳首を舐めているようで、どんどん澪もひもえだも息使いが荒くなっていく。  
「では…………そろそろ…………ご馳走といこうかのう………」  
触手を3本ほど毛も生えぬ股のたてすじに配置させ、すぅ〜となぞる。ビクッ、と体を動かし、澪は硬直したように固まる。  
「そこ…………やだ…………」  
それを聴いたら、今度は触手を女陰の中へそっと入れていく。一本ずつ、丁寧に。  
「ああぁぁ………うひゅ………」  
もぞもぞ、と頂点に辿り着くとその場所を撫で始める。  
「いや…………うん…………はぅぅ………」  
涙を零していた。澪にとっては悲しみや痛みで泣いてるわけではないが、とにかく泣くしかなかった。  
「おほほ〜…………いいのぉ〜」  
だが涙ですら興奮材料でしかなかったようで、今まで以上の数の触手で体を撫で舐め始める。  
「いやぁ………家に帰してよぉ…………」  
認めたくなかった。悟られてはいけなかった。自分がこれに快楽を感じてしまうのを。  
「ほほほ〜………」  
 
仕上げの時間。゙あるもの゙を触手の奥から出し、女陰の周りを触り始める。  
「え…………ひゅ…………」  
今までより太い。澪は本能的にそれが何なのかわかってしまい、暴れ始める。  
「きゃああぁぁーー!!それだけはやめてーー!!助けて!!」  
しかし、既に開かれた女陰はその゙もの゙の侵入を許してしまう。  
 
゙ビクン゙  
 
体が跳ねた。涙が一気にあふれ出てきた。  
「あう…………」  
グイッと奥へ入り、また入り口まで持ってきてまた奥へ…………何回も繰り返される。  
「う、ひゅ…………ひぁ…………ひ、ひ………」  
ひもえだとともに腰が動く。それにある種の快楽がまとわりつく。  
「あぁぁあーー!!うは…………うぅぇ〜うん…………」  
いつの間にか手はひもえだの゙もの゙…………陰茎に手を伸ばしてぐっと押し込ませる。  
 
ドピュ、ヒュピャア、ドジャ  
 
大量の白い液体が陰茎から出て、女陰からも漏れてきた。  
 
 
「う…………う………」  
涙が止まらない。そんな時、龍也の顔を思い出す。  
「あたし…………あたし…………」  
 
キラッ  
 
「??」  
ランドセルの奥から何か転がってきた。  
「!!?それは…………ぎゃあーー!!」  
ひもえだは苦しみ、悶えはじめ、やがて消え去っていった。  
 
気がつくと、暗い理科室の中裸で倒れていた。澪は急いで服を着ると学校を走って出た。  
「はぁ………はぁ………」  
ここまでくれば安心だ。しかしなぜ、帰ってこれたのだろうか?  
「このビー玉…………もしかして…………」  
さっき龍也に貰ったやつだ。あの中に入っていたようだ。  
「ん?手紙…………?」  
 
――クッキー、美味しかった。また作って――  
 
素直に喜べる気分ではないが、彼のおかげで澪は助かった。  
 
 
翌日、理科準備室のドアが開かれていたので教師達は慌てたが、中には何もなかったという。いや、古びた赤いランドセルが数個あったという。  
「夢だったのかな?」  
澪はそう思うことにしたかったが、裸だったのは…………  
「ねえ、話って………」  
「もう来てくれたんだ…………あたし、あたしね………」  
 
―完―  
 

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