魔法の明かりに照らされた洞窟内部は高さが2メートル幅が4メートルほど、圧迫感はあるがペルテの身長では問題なく立って歩ける。
曲がり角に来る度に慎重に先を確認しながら進む。この洞窟は枝道が無いが複雑に曲がりくねりながら奥へ続いている。
(・・・ここ人口の洞窟だ・・・前大戦の遺構かな?)
洞窟は高低差も無く完全にフラットに均されていて壁面は所々崩れて地がむき出しになっているが継ぎ目なく組み合わさった加工石で組まれている。高度な文明と技術が入っている証拠。
・・・あれから既に10ヶ月近くが経過していた。周辺の生息条件に合う地域や洞窟などを一つ一つ調査確認して偶然に見つけた洞窟の一つだった。
暫く道なりに進むと人工的な石組みが唐突に終わり、その先には自然のままの洞窟が広がっていた。
「ここで建設が放棄されたのかな・・・」
ベルトで腰の後ろに回しているバックから、明かりの灯った木製のロッドを引き抜き石畳から土の地面に降りる。降りると石畳が丁度ペルテの腰ぐらいの高さになる。
(気がつかなかったら危なかったかも)
注意深く進みながらロッドの先端に灯された明かりをかざして奥の暗闇を確認する。
薄っすらと明かりが届くかどうかの暗闇に蠢くシルエットが見える。
(当たった!!居た!)
蠢くシルエットは何か重いものを引き擦る音を立てながら明かりの届く範囲にその身を晒した。
「えっ?!・・大きい・・・こんなになるなんて・・・」
恐怖に自然と足が後ろに下がる。明かりに照らし出されたワームの大きさは這っている状態でもペルテの股下までありそうだった。
素早く目線を回りに走らせてメスが居ないことを確認すると、腰のベルトを外してバックとロッドをそっと地面に置いた。
そしてポケットに入れたナイフの柄をあらためて確認すると。ペルテは賭けに出た。
「・・・んっ・・・こっち・・・」
ペルテは込み上がる恐怖に耐えミニスカートのサイドを捲くり白い下着に指をかけて震えながらも足元まで一気に引き下ろした。
そして左足続けて右足と下着を引き抜いてワームに背を向け四つんばいになり白い臀部をワームに晒す。
今一度スカートのポケットに忍ばせたナイフの柄を確認する。
このナイフには毒が仕込まれており飛び出し式の刃が深く食い込むと柄内に充填されている毒液が相手の体内に直接流れ込み絶命させる仕掛けが施されている。
正面切って戦うにはワームの外皮はあまりにも硬くペルテに勝てる自信も見込みも無い。
ワームを確実に仕留めるには硬い外皮に覆われていない腹側を狙うしかない。
ギルドの護衛は頼まなかった。ワームの存在を何故知っていたかなど自分の身に起こった出来事を調べられてしまう可能性があったからだ。
何をされたかを語るのも記憶を覗かれるのも少女にとっては耐えられるものではない。
”本当に馬鹿なことをしている”とも思うのだが・・・あんな事を話せと?それこそ死んでも嫌だった。
その代わりに例え刺し違えてでも殺そうと誓った・・・確実に刃を通せる場所は腹部。ペルテだから知っている確実な場所。
約一年前の出来事・・・自分を犯す行為に没頭するオスの、そのゼラチン質だけで出来ているかの様な薄っすらと内臓が透けて見える腹部。
拘束されワームの動きに合わせて揺れる視界の中。駆け上がる頭が狂いそうな快感と、自身の喘ぐ嬌声を遠くに感じながら”綺麗だな・・・”と見つめ続けていた・・・
だからこれは賭けだった、まず一つ目はクリアした。もしメスがいれば拘束されて前回同様何も出来ずに犯されるだけ・・・でもメスはいない。
後ひとつは、メスの産卵が行われていない状況で女性を襲うかどうかだった。成長具合と時期的には産卵期に入っているはずだが・・・
ワームが近付いてくる地面を擦る音が徐々に大きくなってくる。
ペルテは恐怖に震え出す体を必死に抑えて、目をきつく閉じる。見れば逃げ出してしまうかもしれないからだ。
近づいてくる音が止まった。
(っ!!)
直ぐ真後ろにいる。心臓が飛び出すほどの恐怖感でもはや逃げ出すどころか動く事も出来ない。
次の瞬間体の半分を喰い千切られるか膣に性器を挿入されるか・・・正直どちらも嫌だが目的達成の為には後者でなければならない。
ワームは大きく上半身を立ち上げ何の感情を現さない目で身をすくめているペルテを見下ろす。正確にはその晒された白い下半身を。
半透明の体を波打たせて腹の下周辺の体組織が3つに別れて伸びる。その伸びて触手化した部分でペルテの尻と腰を左右からがっちりと抱え込んだ。
「ひっやぁっ?!・・あんっ!!・・・」
お尻と腰の左右に冷たい感触が伝わりがっちり押さえ込まれる。そして内側にある繊毛を蠢かしいきなりペルテの股間を愛撫しだした。
「ぃやっ!あっ!・・・やめっ!・・・ひぃぁっ!!」
これで最後の賭けもクリア出来た。が・・・ペルテにそのことを考えている余裕は無かった。
触手内側にびっしり生えている細い糸の様な極細触手で尿道、膣口、肛門までを刺激する。
さらにクリトリスを掻き出され腰が抜けるような気持ち良さが這い上がって来た。
「あっ!!やめっ!!そこッだめッ!あっ、あうぁ、やぁ!・・あ、あ!、はぁ、あぅ・・ち、ちから抜けちゃ・・・うぁ・・・」
多数の細い触手が代わる代わるクリトリスに巻きつき弄りだすと、早くも膣奥から愛液が溢れ出して股間を濡らす。
「あぁっ!あッ、きぃ、きもち・・いい・・うぁ・・・あ!・・もう・・ぬれてぇ・・る?・・あ、いっ?ぃぃいゃぁ!!」
ペルテの膣口にワームの生殖器が捻じ込む様に入ってくる。ブヨブヨした半透明のペニスが蟲の体重によって徐々にペルテの体内に侵入する。
「いっいぁぁぁぁぁ!!・・・あぁぁっ!・・ああぁぁー!!・・・」
目を見開きおぞましい感触に耐える。
「・・・動かない、でぇ・・・だっ・・・だ・・めっ・・・」
蠢きながらお腹の奥に入ってくる。ワームの性器自体からも滑る体液が出てペルテが反射的に力もうとも一定のスピードで奥へと入ってくる。
「あん、あッ・・・ひぃッ!あっぁぁ!!」
(へ、変っ、こんな・・・に、感じるっ・・なん・・てぇ・・あたし、こんなにエッチじゃない、のに・・)
お腹の奥から送られてくる頭がおかしくなりそうな快感に全身を震えさせながら耐える。過去に幾度経験しても慣れることなど出来るものではない。
そしてワームの粘液には媚薬成分も含まれていて絶えず分泌されていた。
「いッ!・・・ハァ・・あ・・はァ・・・んぅ、あ、はぁ、うんっ、ぃやぁ、あ、あぅ、あっ、あっ」
額にびっしりと汗を浮かべお腹の中を這う気持ち悪い感覚と、その下腹部奥から直接頭の中に響く気持ち良いような期待感。二つの異なる感覚に気が狂いそうになりながらも震える腕を伸ばしスカートのポケットに忍ばせたナイフの柄を掴んだ。
(ま、不味い・・・あたまのな、か・・ち、チカチカして・・・おかしく・・なりそう)
ワームに気付かれないように四つん這いの体の下にナイフをゆっくりと持っていこうとした瞬間、ペルテの意志とは無関係に体が硬直した。
「あッ?!いやあああぁぁっ!!!」
ワームの生殖器がペルテの子宮口に届き、まるで舐める様にその場でぐにぐにと子宮口を弄りだす。
今まで耐えていたお臍の奥から伝わる気持ち良さ(気持ち悪さ)が意識の限界を超え体が浮くような感覚が襲ってきた。
「んっ!!・・・あっ!、あああぁぁーーッ!・・いゃッ!いゃぁぁーーーッ!!!」
快楽と拒絶が混ざった感情を叫ぶと我慢していた涙が高潮して赤く染まった頬を流れていく。
(うっ・・・やだぁ・・・いっちゃった・・・)
お腹の中に暖かい感触が広がった。
「え?!だ、出されてる? ・・・うあああぁぁーーッ!!」
出した精液をかき混ぜるようにゲル質のイボで表面を覆っている性器をペルテの膣内で円を描く様に動かしだす。
「いゃ、やめッ!!んあぅ、いぁ・・・だぁっ!あ、頭が・・変になるっ・・・んんぅ!!やぁだああぁぁぁぁ!!」
一度目の絶頂感が残っている状態の2度目の絶頂で頭の中が一瞬で熱くなり快感で意識が白く覆われた。
股間から勢い良く潮を吹き自分の内腿とワームの腹を濡らして地面に水溜りを作る。
「あっ、はぁ、はっ、はぁあぁ、あぁぁ・・・はぁ、あぁ・・・はぁ・・・」
荒い息遣いを繰り返す。もはや先刻まで自分が何をしようとしていたのか絶頂感に意識が持っていかれて考えられなくなっていた。
その気持ち良い余韻が残る意識に右手が何か硬いものを握っている感触が伝わる。
(・・・?・・あっ、ナイフ・・・だ・・・)
体の下で握っていたのはナイフだった、強烈な絶頂感のおかげで取り落とすどころか逆にきつく握り締めていた。
だがワームはペルテの行動などお構い無しに次の動作に入っていた。子宮口に密着したワームの性器先端部から幅2ミリに満たない管が伸びて子宮口内部に侵入した。
「いっがっぁ?!うあぁぁぁぁっ!!おッ・・・おなかっ・・・あつぅ・・いッ!!」
侵入した触手が子宮内部を這いずり回りながら溜まっていく。
「いやぁっ!!こ、腰・・と、とけちゃう・・・あっ・・・もう・・・いやぁだぁーーーッ!!」
そして細触手先端から子宮内部に直接精液を流し込み始めた。
「あっ?!・・・んんーっ!!・・・はあッ・あッ・あッ・・・んあぅっ! ・・・いぃやぁぁっ!!!」
お腹の奥に吐き出される精液の感触に涙を流しながらいき続ける。
真っ白になった意識で全身を細かく痙攣させながら舌を突き出し唾液の糸を垂らしながら喘ぐ。
ペルテはナイフの柄を握り締めながら絶頂の余韻に身を震わす。全力で走った後のような荒い息遣いを繰り返し肩を上下させる。
後少し腕を伸ばせば収納刃の先端を蟲の腹部に突き立て刃から流れる毒で全ては終るはずだった。
だが、震える腕はそのあと少しが動かせない。いや、そもそも何かを考える為の思考が飛んでしまっていた。
ワームの口から細長い舌が垂れ下がり、絶頂で軽く朱がさし汗がにじむペルテの首筋に巻き付いた。
「あぁっ・・・んんっ!」
首筋を舌が這う感触にぞくぞくとした快感が背中に走る。
そしてペルテの顔前面に回り込んだ舌は突き出し喘ぐ度に唾液が滴り落ちるペルテの舌にも巻き付いた。
「うっ?!いぁっー・・・ゃあんっ!あはぁ、あっああっ・・・」
ねちゃねちゃと舌を絡ませ合い涙に滲む瞳を蕩けさせ焦点の合わない視線を彷徨わせる。絶頂感が引かない、ペルテは左右に大きく足を開いた状態で腰を前後に揺すっていた。
(こ、こし、止まんない・・よ・・・き、気持ち・・・良すぎ、る・・)
朦朧とした意識でも自分が腰を動かしているのは分かった。止めなきゃとも思うが、自分の体なのに止め方がよく分からない。
ワームの極細の精管は一本ではない更に2本、4本・・6本と最初に子宮内に入った分を含めて計7本が出現してペルテの子宮内部と膣内を這いずり回る。
「あんっ!ああああぁぁーーっ!いやぁ、あっ!こし、壊れちゃう・・・ぃあっ!あっ!あっ!あッ!・・・」
度重なる刺激の追加で絶頂感は収まるどころか込み上げてくる快楽の波で頭の中がぐちゃぐちゃになりながらも”次”が近いことが分かってしまう。
そしてワームがセラチン質の下腹部をペルテの股間を呑み込まんばかりに密着させて来た。お尻にひんやりとした重みが圧し掛かる。
「ひゃッあっ?!!・・・ぁあッ!ぃあぁっ!・・・いやだっ!!ぁんッ!・・・もういやぁああああぁぁぁーーーーーッ!!」
さすがに一本以上は子宮内部に入り込めない残りの精管6本は、膣内でのた打ち回りながら射精を開始する。
(いぁあああぁーーッ!!だめッ!!・・やめッ・・てッ!! ・・・きぃ、きちゃうッ!!!)
ペルテの体は弓反りになり硬直する。瞬間、意識の全てが白く染まった。洞窟内にペルテの絶叫が響き渡る。
「ひっぁあああぁあぁ?!あぁああぁーーーッ!!あぁぁあああぁぁーーーッ!!!」
一瞬にして意識が飛んだ。今までとは比較にならない。
「・・・あぁっ、あ、はぁ、あぁ、はぁ、うぁ、あッっ、はぁ・・・はあ・・・うんぁ、ぅぁ・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
絶頂に達して意識が途絶えて・・・お腹の熱さで意識が引き戻されて覚醒した。
ペルテは過呼吸で肩を小刻みに上下させる、その股間からは膣内に入りきらない精液が多量に滴り落ちてさらに水溜りを大きくする。
涙と汗を垂れ流した顔を上げてほとんど泣いているような喘ぎ声を荒い息の間から漏らす。
「ぅう、ひぃッ、あ、あぁ、あ、あ、ぅあ、あ、ぇう、あ、・・・!!!!!!」
だが休ませてはもらえなかった。ワームの精管が動き始めたからだ。
(あああッ!!だ、だめっ、あたし・・、し、死んじゃう!!!)
咄嗟の恐怖心が快感と脱力感で震えることしか出来なかった腕を後方に力一杯押し込める。実際は5センチも動かしてなかっただろう。
ワームがペルテの股間に密着していなかったら多分届かなかった距離・・・だがそれで十分だった。
押し込めた腕に何か軽い手応えが返るとそれ以上の反動で仕掛けが作動して刃が深々とワームの腹に滑り込み毒液を送り込み始める。
それとほぼ同時だった、ワームは一瞬硬直したように動きを止めると。そのままゆっくりと横倒しになってガッシャと金属鎧を倒したかのような音と振動が洞窟内に反響した。
身をすくめたペルテは横に倒れたことに安堵した。この重量物が覆い被さってきたら圧死していたかもしれなかったからだ。
舌と首に絡まっていたワームの舌は倒れた時に抜けていた。そして四つん這いの格好から仰向けに倒れこみ乱れた呼吸を鎮める様に深呼吸を繰り返した。
(はぁ・・もう腕も足も・・・少しも動かせない・・・)
誰が見ているわけでもないが足に意識が向いたら急に恥ずかしさが込み上げてきた。仰向けで両足を左右に広く開脚したままだったのだ。
せめて足だけでも閉じようと痺れと虚脱感で言うことを聞かない体に意識を集中させる。だが左右の足を少し動かしただけで何かに阻まれて閉じられない。
(あっ、あれ??、足の間に?・・・お、お腹のなか・・・疼く・・・ッ?!)
じんじんと余韻の残る快感とは別の下腹部内の疼きに焦って何とか頭を上げて自分の下半身を確認すると・・・え?!・・一瞬何がどうなっているのか分からなかった。
ペルテの左横後方には壊れた置物のような黒々としたシルエットのワームが横たわっている。ゲル状の体も多量に殻から引き剥がされて散乱していた。
この状況で生きているはずはない。
「・・・ぇ??い、いやぁぁああっ!!・・抜けてぇッ、ああぁあぁぁ?!あ、あっ、いやっあぁぁぁーーッ!!」
突然細い触手がクリトリスに巻き付き腰から快感の波が上がってくる。
ワームの生殖器周りの体組織は他の部分より粘性と密度が高かった、体組織を破壊する毒液でもペルテの股間に張り付いた部分だけはそのまま残ったのだ。
「こ、こんなのいやぁ!!やだっ!お願いやめっ・・ぅんんッ!!許してぇーーッ!!いやゃーーーッ!!」
ただ泣き叫ぶ、もう終ったと安堵した心が踏み止まって耐えていた一線を壊してしまった。そこに洞窟に入ったときの気丈さは欠片もなかった。
年相応の少女が犯され媚薬によって与えられる快感と恐怖が混ざった瞳でただ泣き叫ぶ。
ワームの抜け殻に意思はない、ただ力尽きるまで生前に行っていた行為を反復しているに過ぎない。
それも強力な毒によって終ろうとしていた。子宮内に入り込んだままの細い触手が力無くだが無茶苦茶に内部に溜まったままの精液を掻き回し、膣内のゲル状ペニスは細胞崩壊で溶けながらも無数のイボがある表面を波打たせて膣内全てに刺激を与えて回転する。
「あああぁーーーっ!!もッ、もう、許してッ!!・・ぃ、いくッ!!ひぃっ!!いやあああぁあっーーーッ!!」
溶けたゲルが精液の代わりに下腹部に溜まり温かな快感が脳にまで突き抜けた。
すでに絶頂感を堪えられないペルテの体ががくっと痙攣し再び背筋が反る。そしてブーツの中の足の指を丸めて快感の波が過ぎるまで震えながら耐える。
「・・・ハァ、ぅうう・・・ぁはっ・・はァ、ぃぁ、ハァ・・・」
既に”抜け殻”の動きは止まっていた。ペルテはどの風景も捉えていない瞳から大粒の涙が流れるままに、意味の無いうわ言を繰り返す・・・
どれぐらい経ったのだろうか、のろのろと気だるい体を起こして泣き濡れた瞳で見渡す。まだ魔法の明かりは点いていた。
その明かりに照らされたワームの大きな殻を視界に認めるとびっくと体をすくめてまだ良く動かない手足をばたつかせて後ろの壁際まで下がる。
股間の抜け殻はすでに消滅して水溜りを更に大きく広げていた。ただ膣内に入り込んだ細い触手がそのままだったので両手を使ってゆっくりと引き抜く・・っんん・・子宮口を抜ける際に微かな快感が腰に響く、そして膣口からも抜けてペルテはやっと安堵のため息をついた。
衣服を整えるため背後の壁に寄り掛かりながらもふらつく足に力を込め何とか立ちあがると、ペルテの股間から多量の精液と体液が混ざった液体が内腿を伝って流れ出し、地面にまで届いて染みを作る。
その感触に涙を流しながらバックとロッドを拾ってもつれそうになりながらも壁を伝い歩き続けた。一秒でもあの場所から離れたいという一心からだった。
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あの後、体に目立っ変調は現れていない。
ペルテはモンスターの研究室に入るため魔道院に戻る準備をしていた。
モンスターに関しては民間伝承と個人研究がほとんどでギルドを含め今までこの手の総合研究はあまり行われていなかった。
だがこの5年間でモンスターによる人を襲う被害が急増。
中には伝承でしか伝えられていない種まで報告に上がっていた・・・
それを系統立てて分類整理する研究を行うのだ。
決断してからが早かった。恩師に連絡を取り自分も研究に加わりたいと伝えたのだった・・・
結果二つ返事で許可が出て来月から王都に戻ることになった。
ペルテがこの研究に関わる理由は一つ、自分の身に起こった被害を減らせる一助になればと言う気持からだ。
気分を変えるためにうーんと伸びをする。荷造りの為に屈んでいた背を伸ばし思う。
・・・必ずやり遂げよう・・・。
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