病院でのリハビリ話  
 
人間社会に我々触手の存在が根付いて随分になります。街中に、家庭に、学校に、様々な  
触手たちが住んでおり、今や我々触手は人間にとってなくてはならないパートナーに  
なりつつあります。  
 
さて、それでは今回は病院で働く『私』の生活を紹介いたしましょう。  
 
私たち触手には様々な能力があります。中でも重宝されているのが接触した人間の治癒力を  
促進する能力です。私はそうした能力を買われて病院勤務となっております。もっとも  
人間に言わせると『飼育』だそうですが。  
まあそのようなことは大したことではありません。私は人間のために働き、  
そして人間から栄養をもらう、重要なのはそこなのですから。  
仕事相手が幼い少女ならなお良し、です。  
そういえば看護士の岩井によれば今日の仕事は交通事故に遭った少女のリハビリだとか。  
今日は楽しい一日となりそうですね。  
 
午後1時、私はリハビリルームで二人の人間を待っていました。  
一人は看護士の岩井、彼は私の世話と私の関わる治療行為に関する責任者です。  
そしてもう一人、今回の仕事相手の少女。事前に聞かされていた情報によると名前は三木春菜、  
小学5年生。二ヶ月前の交通事故によって歩く事が困難となり、リハビリにもやる気を見せず  
車椅子生活を続けているとか。  
今回の私の仕事は、触手特有の痛みを伴わないリハビリで彼女が自分の足で立てるように  
することです。今までに触手との直接の接触は無いそうなので、私が彼女のはじめての相手と  
いう事です。初めての触手体験、素晴らしい物にしてあげないといけませんね。  
 
1時を3分ほど過ぎたところで、ドアが開けられました。  
いつもどおり温和そうな顔の岩井と、車椅子に乗った少女、春菜です。  
入院生活が結構長い割には、肩まである黒髪からはつややかな輝きが失われていません。  
おとなしそうな人相から判断するに、あまり気が強いほうではないのでしょう。  
彼女は私の姿を見て怪訝そうな顔をしています。  
 
言い忘れていましたが、私の外見は全長1メートル程の肉塊から海草のような形状の、  
緑色で幅広かつ薄っぺらい触手が無数に生えた形状をしています。触手を一斉に動かすと  
初見の人間は大変気味悪がるので、なるべくじっとして彼女の嫌悪感を誘わないように  
するあたり、私は実に紳士的といえるでしょう。  
 
「それじゃあ春菜ちゃん、リハビリを始めようか」  
「え?あの…これがそうなんですか?触手ってもっと赤くってうねうねしてるような…」  
「まあ触手にもいろんな種類があるからね。  
彼は春菜ちゃんの知ってる赤いタイプとは違うけど、能力は折り紙付だよ。  
今までたくさんの人を救ってきたうちの病院の頼れる仲間さ」  
「へえ…」  
 
触手である私を仲間と言い切る、岩井のこういうところに私は好感を持っています。  
 
「あの、ところで…やっぱり服を脱がなきゃダメですか?」  
 
大抵の人間は裸になることを恥ずかしがります。彼女も例外ではないらしく、  
服を脱ぐ必要性について問いただしたい様子です。  
 
「うん、脱いでもらわないといけない。恥ずかしいだろうけど我慢してくれるかな?  
その分リハビリ自体はすごく楽だし、治癒も早いから」  
「…分かりました」  
 
まあ治療と言う事である程度は納得していたのでしょう。  
特に食い下がる事もなく春菜は裸になることを受け入れた様子です。  
彼女が病院着のボタンを外そうとしたところで、  
 
「あ、ちょっと待って…ゴーザ、ここから先は頼めるかな?」  
 
岩井が私の愛称であるゴーザという名を呼び、こちらを向きます。  
まあ確かに、この先の手順はよく分かっています。  
私は触手の一本を縦に曲げて肯定の意を示すと、ずりずりと床を這い春菜へと近寄っていきました。  
 
「ひゃっ」  
「ダメだよ春菜ちゃん。彼は君の足を治してくれる大切なパートナーなんだから、  
そんな風に怖がっちゃ」  
「ご、ごめんなさい…」  
 
私の動く姿に少々驚いたようですが、岩井の言葉を受けて春菜は素直に私への謝罪を示しました。  
好感の持てる態度です。どうやら彼女の治療は優しく、念入りにしてあげなければいけませんね。  
まずは緊張をほぐしてあげるとしましょう。  
私は触手を一本伸ばし、彼女の右手にそっと触れました。  
 
「うわっ、あったかい…?」  
 
そのまま握手をするように彼女の手に巻きつけ、優しく撫でてやります。  
余談ですが、触手の体温は種によって様々です。私は人間に触れることが多いため人肌程度の  
温度を維持していますが、水中生活をする触手などはもっと低温である事があるようです。  
一見植物的な色の私が熱を持っていることに彼女は驚いたのでしょう。  
 
「それじゃあ春菜ちゃん、後はゴーザに全部任せてればいいから。体を楽にしてるといいよ。  
僕は別室でモニターしてるから」  
 
そう言うと岩井は部屋を後にします。  
春菜もあらかじめ手順は聞いていたのでしょう、特にあわてることも無く私のほうに目を  
向けると、少し恥ずかしそうな表情で、  
 
「ええと…お願いね、ゴーザ」  
 
そう言いました。  
 
本日の仕事は足のリハビリ。まずは彼女の体をリハビリができる状態に持っていかなくては  
いけません。最初に私は、彼女の右手に巻きついた触手から媚薬成分を含む体液を分泌しながら、  
ゆっくりと彼女の右手を舐めていくことにしました。  
 
「んん、ちょっとくすぐったい…」  
 
彼女は軽く右手を引きますが、歩く事はできず車椅子はロックされた状態、伸ばした触手が  
すぐに彼女の右手を捕らえます。さらにもう一本触手を伸ばし、左手も同じように舐め回します。  
そしてもう一本、今までのものよりやや肉厚で幅のせまい触手を彼女の顔に差し向けました。  
 
「なんかゴーザ、甘い匂いがする」  
 
丁度人間の舌の太さに近い触手を眼前にした春菜の感想は、私の特徴を的確に現していました。  
私の体液はパイナップルに近い芳香を持っており、呼吸によって吸い込むだけでそれなりの  
媚薬効果を発揮します。また含有する糖とアミノ酸の関係で若干の甘みを持っており、  
小さいお子さんでも抵抗無く口にするようになっています。  
 
ちゅるん。  
「うひゃ!」  
 
唇を一舐めすると、彼女は思わず悲鳴を上げてのけぞりました。  
さらに数回口元を軽くつついてやると、彼女は何をすべきか気づいたようでした。  
 
「あ、こうするんだよね」  
 
このあたりのことも事前に岩井から聞いていたのか、彼女は口を開け、  
そっと舌を突き出しました。本当に素直でいい子ですね。  
私の末端が彼女の舌に触れると、一瞬体を強張らせましたが彼女はそのまま舌を  
突き出したままにしました。彼女の小さくて可愛らしい舌に私の触手を巻きつけ、  
さらにその先端を彼女の口内に優しく差し込みます。  
 
「ん、んんっ!んふうっ」  
 
クチュクチュと、粘膜の擦れる音が部屋に響きます。さながらディープキスのように  
彼女の舌と私の末端を絡ませ、体液を口内粘膜に擦り込み、また嚥下させていきます。  
初めての経験に最初は目を白黒させていた彼女ですが、やがて媚薬が効いてきたのか  
うっとりとした表情で私の末端を味わうようになりました。  
ちなみに私の体液には媚薬以外にも様々な栄養成分のほか、人間の体を健康に  
する薬効成分がたくさん入っているので飲むだけでもかなり体にいいです。  
入院患者に与える事もしばしば―――それはさておき。  
 
とろんとした視線に上気した頬、  
脱力した体、いい具合です。本格的な愛撫にとりかかるとしましょう。  
私は細い触手を数本伸ばすと、それをマニピュレーターのように使って病院着のボタンを  
上から外していきました。袖を通しボタンで留めるだけの簡素な構造の衣服の下から、  
春菜の柔らかそうな肌が姿を見せます。ささやかな胸のふくらみを覆う布は無く、  
また彼女の最も敏感な部位を覆う布は小さくパンダが印刷された物でした。  
 
「らええ…はうかひい…!」  
 
やはり恥ずかしいのか手で胸を隠そうとしますが、彼女の両手は私の末端に掴まれており  
それを実行する事はできません。しばしじたばたと身をよじっていましたが、  
舌と口内粘膜を愛撫していると再び彼女の体から力が抜けていきます。  
 
「あ…ああ…ん…」  
 
車椅子に座ったままではこれ以上脱がす事ができないため、触手を数十本同時に動かし  
彼女の全身に巻きつけて華奢な体を持ち上げ、私のほうに引き寄せていきます。  
そのまま病院着を外し、さらに歳相応の可愛らしい下着を一気に引き下ろしました。  
 
「あったかい……」  
 
触手を全身に巻きつけているので体を冷やす事はありません。それに裸にしてすぐに  
全身に巻きつけたので恥ずかしいとは思っていないのでしょう、今度は特に抵抗のそぶりを  
見せず私に体を預けたままです。  
しかしいつまでも宙吊りではいけないので、私は奪い去った衣服を丁寧にたたんで  
車椅子の背にかけると、彼女の体を私の本体である『肉塊』の上に乗せ、  
リクライニングシートを倒したとき位の角度で横たえました。  
体液も十分飲ませたと感じたので、口に入っていた触手も引き抜きます。  
 
「あ…」  
 
ちゅぽんと音を立てて引き抜いたとき、春菜は残念そうな表情をしました。  
そんな顔をしなくとも、これからもっと気持ちのいいことをしてあげますよ。  
 
まずは小手調べから。全身を緩く包む触手表面から体液を分泌させ、  
全身にくまなく塗りつけていきます。  
 
「や、やあ!何これ!?全身ぬるぬるで…背筋ぞくぞくするう!」  
 
わざわざ自分の感じていることを実況してくれています。  
そういえば近年の小学校で配布されているマニュアルでは  
『触手に絡まれたときは言葉でちゃんと意思を伝える』と記述されているそうですね  
。触手というのは基本的に気のいい奴らが多いので、「胸をいじって欲しい」  
「もっと激しく」といった要望を伝えればそれを実行してくれるし、  
どういった感触を味わっているのか伝えてくれればそれに応じて責めのパターンも  
変えられるので、意思表示というのはとても大事なわけです。  
ああ、ちなみに「放して欲しい」といった要望を口にしてはいけません。  
我々触手は嘘が嫌いなのです。少し愛撫すればすぐにもっとして欲しいと言い出すのに、  
自分に正直にならずに解放を要求するような嘘吐きにはお仕置きが実行される事も  
あるので、触手に絡まれたときには注意してくださいね。  
 
話がそれました。学校で学んだ事をちゃんと実践する彼女の姿勢に、  
私の中で彼女に対する好感度がますます上がっていると言いたかったのですが。  
 
「体ぽかぽかして…!ぬるぬる…うう、変、変になるう!」  
 
帯状の触手で私の体液を舐めるように擦り込み、手足の指や耳、乳首といった先端部、  
突起部には細触手を幾重にも絡めてにゅるにゅるとした刺激を与えてやります。  
既に媚薬成分が作用したのか肌を紅潮させ、快楽という未知の感覚に体を震わせます。  
 
「ああ、ああんん!なんかくる、きてるう!」  
 
絶頂が近づいているのが彼女の様子から分かります。私は最後の一押しをするため、  
太さ1ミリ程の細触手を数本、彼女のクリトリスへと触れさせました。  
充血してもなお小さく、包皮をかぶったままの女性でもっとも敏感な部位。  
その内部の本体と薄い皮の間の隙間に、細触手を潜り込ませ軽く擦ってやります。  
 
「ひあっ、あ、ああああああああ!!!!」  
プシャァ―――……  
 
今まで誰にも触れさせた事はなく、その様子から外気に触れたことですらないで  
あろうその部分への接触は少女の体を容易く絶頂へと導きました。  
体を大きくのけぞらせて痙攣させ、さらには尿も漏らしたようです。  
暴れてずり落ちないように触手をしっかり巻きつけて固定しておく事にしましょう。  
 
「ああ、あ、あああ……」  
 
放尿が止まったのと同じくらいに、春菜の体から力が抜け、ぐったりとなってしまいました。  
いまだ私の末端を挿入していない彼女の秘部には尿以外の粘液もみられ、  
幼い入り口をぱくぱくと物欲しそうにひくつかせています。  
 
私の体液の摂取と性的快楽、これだけでも新陳代謝を活発にし治癒速度の上昇、  
抵抗力の増大などの効果はありますが、今回重要なのはここからです。  
立てない人間を立てるように、歩けるようにするための肉体の修復、  
今後のリハビリへの意欲増進、これこそがキモです。  
これから使用するのは私をその辺の触手とは一線を画す存在にした能力である、同化。  
私の一部を患部と同化融合させた上での高速治癒、そして患者の意志ではなく  
私の意志で患部を動かし、様々な行動が可能となるまで筋肉の機能を回復させるのが  
私のリハビリです。  
私は他の触手と違う2本の紫色の細い触手を出し、その先端を左右の太ももの根元に  
当てると、そのまま彼女の足の中へずぶずぶと侵入させました。  
 
「えっ?あ、ああ!?あああ―――!!!」  
 
足に走る異常な感覚に、朦朧としていた彼女の意識は強制的に現実へと引き戻されたようです。  
患者の肉体に損傷を与えることなく細胞レベルで溶け合いながら肉体の深部へと  
入り込んでいく私の末端。  
この同化という現象には、体の表面を撫でたり肉穴をほじるよりもずっと強い快感を受けますが、  
その分効果も飛躍的に大きいのです。  
 
「うあああ、足!足が!熱いよ!」  
 
まあ最初は快感を快感として認識できませんが、直になじんできます。  
そうなれば間断なき絶頂感が彼女を天国へと導くでしょう。  
 
「溶ける!溶けちゃう!!私の足が、足が、ああああ!!」  
 
春菜の体が激しく跳ねました。どうやら再び絶頂に達したようですね。  
 
「うああ、またくる、くるううう!!うああああ!!!」  
 
悲鳴に近い叫びを上げる春菜の両足を内部からチェックすると、  
右足は筋肉の断裂だけですが左足は神経と腱にも損傷が見られました。  
まずはこれをきれいにつなぎ合わせてあげなければいけませんね。  
本来神経に直接触れると言う行為は激痛を伴いますが、私が同化した場合はそうではありません。  
一切の痛みを消去して、神経から直接叩き込まれる快感で塗りつぶす同化系触手特有の  
麻酔をかけながら、私の触手を人間の神経同様の形態に変化させ、  
神経をきれいにつなぎなおします。  
さらに、接続した触手をカテーテル代わりにして私の細胞を彼女の中に送り込み、  
太ももの筋肉を私の細胞との融合体で満たしていきます。  
これで準備は完了。  
 
「あ、ああう…」  
 
連続絶頂を緩めてやると、少し楽になったのか大きく息をつきます。  
触手に包まれた彼女の全身は、噴き出した汗と私の体液でびしょ濡れになり、  
股間からは愛液がだらだらと流れ出しています。恍惚と言う線を大きく越え前後不覚なほど  
とろけきった顔には、涙とよだれがたっぷりついています。いい顔ですね。  
でも、まだまだこれからですよ。  
 
私が触手から信号を送り込むと、彼女の右足が大きく跳ね上がります。  
 
「はあっ!?」  
 
一瞬何が起こったのかわからない様子の春菜。  
しかし一秒にも満たない瞬間に、他者の意思で『足を動かした』ことによる衝撃が  
脊髄を上り、脳に到達し。  
 
「んひいいいい!!」  
 
そして彼女の思考回路には右足を運動させた実感と、それに伴う快楽が送り込まれます。  
さらに左足も同様の運動。  
 
「うああ!!あし、きもちいいいい!!!」  
 
運動機能が回復してるのは確かめました。次は地面に立たせてあげます。  
体に巻きついた触手を支えとしながら、私の送り込む命令によって春菜の足は  
ゆっくりと前へと進み始めました。  
 
「あ、歩いてる!?私、歩けてるう!!?んひいいい!!」  
 
機能しなかった自分の足がしっかりと歩を進めていることに感動したのも束の間、  
今彼女の足にかかる負担は全て快感として変換されています。  
 
「あ、あしいい!あるくのきもちいいい!!!!」  
 
喉がかれたり、意識を失ったりしないように時折私の体液を飲ませながら、  
快楽漬けの歩行訓練を午後4時まで続けました。  
 
体液を飲ませたり接続部から栄養をたっぷり流し込んであげたため、  
体力を消耗しきって気絶するような事もなく最後までリハビリを続ける事ができ、  
私としてもいい仕事をした実感があります。  
そして、汗だくになった彼女の体をブラシ状の触手できれいに磨き、  
水分を丹念にふき取って脱がせた服を着せてやり、車椅子に座らせて終了です。  
もっとも、股間だけはいくら拭いてもきりがないのでほどほどにしておきましたが。  
 
とりあえず基本的なダメージはほぼ完治しました。あとは私の組織片が彼女の  
肉体組織に完全に同化してしまうまでに足を使った運動を繰り返す事です。  
そうすれば通常の数倍の速度で筋肉が増殖し、事故の前と同様の運動能力を取り戻せます。  
そうそう、私の組織片が足に残っている間は足を動かすたびに快感が走りますので、  
これ以降リハビリの時間がきっとお気に入りになりますよ。それではお大事に。  
 
私は車椅子を押す岩井の背中を見送りながら彼女が健康になることを祈りました。  
 

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