「…そうだな。自己紹介がまだだったか」  
 俺は蹴倒されて仰向けになり、かろうじて肘で上体を起こし、その女を見上げる。  
「にゃ、にゃーーー!!」  
 俺を守ろうとして女に飛び掛ったノアは、首を片手で掴まれて持ち上げられ、宙を泳いでいる。  
 …ここで初めて気がついた。ノアって背中にアルビノコウモリみたいな羽があるのな。しかも二枚じゃねえ、四枚。  
抱えて歩いているときは仰向けに持っていたから手が当たってもおかしくないのだが、何故気がつかない、俺。  
肩の高さに背骨から左右に生えている。そして同じく腹筋と同じ高さだろうか、そこからも少し下を向いて生えており、  
それが暴れる手足とともにハタハタと動く姿は駄天使の逆、そうドジ悪魔ちゃんみたいな?  
 なんて危機的状況ほど思考が明後日に期待を寄せる自身を再確認していると、  
女性はワゴンサイズの部屋を夜風から守るカーテンを、ちび白竜を掴み上げるのと逆の手で払う。  
 
 …白い髪。キリっとした顔立ち。ヘアバンのようなもので額から髪を上げ、左右に分けている。  
そして、皮のような軽装の鎧…ゲームでしか見た事無いやつ…を着込んでいた。  
腰のベルトには、何本もの鞘に納まった、柄の無い真っ白な小刀がいくつも刺さっている。  
 ついでに言えば、草原で俺の喉を冷やしたあの巨大な白剣は、部屋の奥に転がっていた。  
 
「地方特殊治安部隊、部隊長カナ。隊長と呼べ。奴隷」  
 小難しい単語を並べられても困る。…奴隷?  
「そうだ、ヒト。私達ネコは、生まれながらにヒトを支配する権利がある」  
 女性…カナとか言ったか、このアマは俺の人生におけるあらゆる権利を一行で否定した。  
…ん、ネコ?  
「…貴様の目はどこに着いている? 耳だ、耳。私の耳を見ろ」  
「に゛ゅ〜!」  
 ノアに腕を噛まれてもまるで痛くないかのように話し続けるカナ。  
 耳ってアンタ、そんなもんピアスか羽根突きの敗者的勲章にしか特徴付けられない場所を…  
えーと、コスプレ? アキバ近い? そのヘアバン。  
「アキバとは何だ? 悪いが、地で生えている。後で触らせてやる」  
 おお、そりゃどうも。俺は犬とか猫とかカワイイ動物の耳に目がない。あと肉球もな。  
 
「まあ、話が長くなるから、シながら説明するか」  
 おお、ついに尋問が拷問になるのか。でも俺を絞るくらいならミカンの皮絞ったほうが有益な気がする。  
「そうだな。イヌ避けにはなるやもしれん」   
 我が家のトイプードルがコタツのミカンに興味を持って匂いを確かめては  
情けない声を出して飛んで逃げたことを思い出し、イヌって柑橘系に弱いとか脳みそを無駄遣いしていると  
 
 すとととん、と乾いた音が、俺の周囲からほぼ同時にして、  
それが衣類の端をあの腰に刺してあったナイフで俺を昆虫標本のごとく留めたと理解するのにしばらく要した。  
「天、地、猫。解毒逆行」  
 カナは聞き取りづらい何かを発音し、  
 ぐっと、体が重くなる。ああ、さっきの気を失ったときと同じ感覚だ…  
「はにゃぅ!?にゃぅ…ぅぅ…」  
 ノアも俺と同時に、全身を一瞬震えさせ、首をつかまれたまま人形のように動かなくなる。  
 …何あんた、魔法使い?  
「正解。最初にお前を眠らせた毒を復活させた。喋れる程度にな。貴様、意外と飲み込みが良いな」  
 ありえねー。  
「それが常識な世界だ。我々から見れば、魔法なしで生活する貴様らがありえない」  
 ああ、カニバルな人々の言い分もそんなんだろうなぁ。食われる方は蹴り倒してでも逃げるべきだが。  
「蹴られたくないもんでね」  
 なるほど。  
 
 …俺、危機的状況であるほど対応がアレだな。死にたがってるよな。達観してるみたいな?  
 
「さて、私が気になった点はだな」  
 へい、身包み剥がれて全身麻酔状態なんで何でも聞きますよ。  
でもミゾオチ踏むのは止めてくださいませんか。  
「まず、お前が主人がいないクセにこの世界で生きていたこと。  
 あそこの平原は野竜が出る。地元の住民ですら恐れる。  
 一般人は数秒でエサになるからな」  
 聞いちゃいねぇ。  
 腹筋を踏んだまま、カナは姿勢を低くして仰向けに倒れた俺の目の前に迫る。  
「そして、この子をお前が抱いて歩いていたこと」  
 ずいと動けないノアを俺の目の前…頭の上に突き出す。  
 よく見ると気を失っているのではなく、発声すらできないだけで  
泣き出しそうな丸い目が俺のほうを見つめている。  
「お前がこの世界に来たばかりで、『かわいい』とか適当なことを考えている場合じゃないだろう」  
 いや、そーなんだけど。  
「もっと自分の状況を認識しているはずだ。お前は十分冷静に振舞っている」  
 どっちかってーとパニック過ぎて考えるの放棄してると言うべきか。  
 
「最後に、この子竜自体。これは人造生物だ。それが…その卵がそのへんに落ちているワケないだろう」  
 …待ってくれ、人造生物?  
「そうだ。普通のヘビの変種かと思ったが、唾液の成分が異なる」  
 どう異なる。  
「催淫性物質。端的に言えば『ホレ薬』」  
 はぁ?  
「寝かすために悪戯…じゃない、私の毒を口移しで飲ませようとした。  
 そのとき、この子の唾液を私も飲んだが、その効能を確認した」  
 …哀れなノア、いっそのこと俺が生まれたての時に食っちゃえば良かったのか?  
「それも正しかっただろうな。この子は、生まれて初めて見た人に『恋』をして、忠誠を誓うタイプらしい」  
 マジかよ。そりゃ俺を知ったその時からノアの地獄に音楽が絶えないのなら、一生物だな。  
 
「さて、最後に、個人的な意見…命令だが」  
 へい、何でしょう。  
「催淫性物質で、私の体が火照っている。お前、静めろ」  
 はぁ?  
「貴様らヒトは、我々獣人の『オトナのオモチャ』だからな。お前の役割を果たしてもらおう」  
 にっと、持ち上げたノア越しに、白髪の女が笑う。  
そして、またさっきの魔法と似た言葉を呟く。  
「天、地、猫。破衣」  
 その刹那、俺の衣類が派手にはじけ飛ぶ。  
のおおお!?俺は数秒間の間にイリュージョナルに裸だ!  
 ざんねん!わたしのはだかはみられてしまった!  
とやたら難易度の高いRPG系ゲームの死亡フラグを思い出すと  
「む…案外普通だな」  
 何を見てってかナニを見て言われてるんですね。軽くショック。  
「まあ、合格点だな」  
「にゃ…にゃぁ…!」  
 ノア、そうかお前に見られてしまったのか、俺の裸体。そして死にたい。  
「…朝まで寝かせるつもりで毒を流したが、また解毒されたか。  
 対応速度が異常に早い、やはり普通じゃないな」  
 ああ、俺の知らないところで二人は人外してるのね。  
「このまま、また寝かせるのも芸がないか…」  
 ふむ、と俺の顔とぶら下がったノアとを見比べて、  
 すっと、俺の視界からカナが消える。  
ほとんど動かない体だが、力を振り絞って首を持ち上げて、下半身を見る。  
 
 俺の足元に仁王立ちしながら、ノアの両足を掴んで宙吊りにして…  
「ふあ…あぁ…!?」  
 カナの舌は、ノアの幼い縦筋を捕らえている。  
まるで主人に足から捕まったニワトリのように持ち上げられ、  
逆さ釣りのまま俺に見せ付けるように、舌をスリットに押し込んでいく。  
反対の手でカナ自身の着衣…皮の鎧を解いて行く。  
「にゃ、にゃああぁぁ……!!」  
 いや、おい、ちょ、ノアに何を…!?  
「何って、慣らしてやってるのさ。生まれたてなんだろう?」  
 幼女に変なこと教えるんじゃねぇ!ってか何でノアに!?  
「にーにー!にーにーぃぃ!!」  
 俺の事を叫びながら、抵抗できないノア。  
とりあえずこのアマをぶん殴りたいのだが、痺れる体は見ていることしかできない。  
 …そして俺を呼びながら、涙を目に浮かべるノアと、  
淫悦の表情で幼女の割れ目を開いていくカナを見て  
俺の股間は情けなくも反応してきた。  
「おぉ、起てばそれほど悪くもなさそうだな♪」  
 上半身を脱ぎ終え、胸をこぼすカナ。小ぶりでその…微乳だった。  
 上機嫌な目付きでこちら…のイチモツを見ながら、その舌は執拗だった。  
こいつ、舐めながら話すなんて器用なことできるとは…慣れているのか?  
「うむ。女隊員ばかりだが、スキンシップは欠かしてないぞ」  
 ド外道だった。  
 
「あぅあ、あああ……っ!!!」  
 ノアは目を見開いて、がくがくと震え、くたっと抵抗を止めた。  
 ほぼ同時にカナが下半身のレザー装束を脱ぎ終える。  
…あそこの毛は剃ってあるらしい。  
「…達したか、こっちの準備は十分だな。」  
 一連の幼女と百合属性に不覚にも俺の体は、  
それを否定する頭と反して反り返っていた。  
「お前の準備もしないと、な…」  
「ぎゃむぅ!」  
 ぼとん、と乱暴に俺の胸の上に投げらてたノアが悲痛の声を上げ、へっちゃりと動かなくなった。  
…ノアのウロコは、案外暖かい。人肌と変わらないだろうか。俺の股間に腕を伸ばしているコイツよりは暖かそうだ。  
そしてカナは、獲物に飛び掛る寸前の猫のような姿勢で俺の股間部へと顔を近づける。  
 片手で俺の根元を掴み、ふんふんと鼻を鳴らして俺の匂いを嗅いでいる。…鼻先がモノにつんつん当たる。  
「ふぅん…童貞か」  
 うるせぇ。最近のいろいろと過程すっ飛ばしてベッドイン目指す男女が普通なこの社会が間違ってるんだよ。  
だから俺は高卒童貞彼女居ない暦イコールグレゴリウス暦だ文句あっか。  
 しかしまあ、興味が無いわけじゃない。無論ウホッでもない。  
そんな俺の聳え立っている我が息子に顔を押し付けて…舌を伸ばしているワイルドな女性に、  
興奮を覚えていることは事実である。  
 
「ん……まだ大きくなるかな……」  
 ざらり、とヤスリのような舌がカリ首を擦る。  
 スタンガンとか痛そうな経験はしたことないし、したくもないが、  
電撃が体に走るってのはこーいうことか。背筋からぐっと、何か快感が伝わってくる。  
前立腺液が麻痺した体で唯一元気なそこから溢れ出し、そしてカナが舌を這わせ上げる。  
潤った下唇が舌の後から付いて俺を撫ぜる感覚がする。  
「よし、なかなかイケそうだな」  
 唇を離して、少し頭を下げて俺の陰茎を見下ろす。  
「仕上げ」  
 ぐっと大きく開いたアゴで、それをくわえ込む。  
ズルリ、ズルリと舌が、俺を上顎に押し付けて、潤して行く。  
 …もう腰が抜けて声も出ない。  
 5、6巡ほどそこを絞ると、ぐぼり、と音を立てて口から抜き出す。  
月の光を受けて、輪郭が白く、亀頭が闇に浮かんでいた。  
 
「じゃあ、そろそろ本番でいいかねぇ」  
「はぅ…?」  
 そんな俺の様子を見ながら、カナは俺の胸の上でばたんきゅーして  
俺の腹筋上に愛液を零していたノアをむんずと掴み上げ、  
俺の肉棒の上に右手で羽交い絞めにして、持ち上げる。  
 …俺にとっては、二人は騎乗位。  
二人にとっては、ノアが上の背面座位。  
「にゃ…にゃぁ……!」  
「さあ、ご主人様のハツモノ頂いちゃいな♪」  
 そのままそっと、俺の剛直にノアを下ろして、  
俺はノアを貫いてしまった。  
「うにゃああぁぁーーーー!!!」  
 空に吼えるノア。雪色の割れ目から俺へ血が……蒼い血が……伝う。  
とてつもなくキツい締め付け。目がチカチカする。  
 
二名の童貞と処女喪失を観察しているカナは、  
右手だけで白竜の子を揺さぶりながら、  
逆の手で自らの溢れ出す蜜壷に指を入れ掻き回している。  
「いい見世物だ、あぁ男のハダカなんて十日ぶりかな、我ながら新記録♪」  
 こいつは男も女も食っちまうらしい。  
「ほら、忠実なシモベなんだろ? ご主人様を満足させてあげなよ、ノアちゃん?」  
「にゃ、にゃあああ、いや、いやい、いやい!!」  
 たとえお前の血が何色だろうと、舌ったらずだろうと、ノアに痛覚はあるようだ。  
…クソ、未経験の俺でも涙を浮かべて痛がる女の子を慰める自信はあるのに、  
この体は股間と頭部以外は、微動たりともしない…無念。  
 白い羽根の生えた幼女を、ぐっと持ち上げるネコミミ女。  
ずるりと引き抜かれ、しかし圧力で俺も引き上げられてしまいそうな感覚に襲われる。  
 
 猫女は白竜の子に、そっと呟く。  
「ご主人様、黙り込んじゃったねぇ? キモチヨクないのかな?」  
「…!?」  
 ノアがハッとしてカナを見つめ、すぐさま俺のほうへ振り向く。  
俺の表情はきっと地獄の底でも見たように虚ろだったのだろう、  
驚きの表情でこちらを見ていたノアの表情が、一瞬で悲しそうに変わる。  
 
 …ノアは、生まれながらにして俺に恋するよう作られているらしい。つまり、この状況は…  
 
 どすん、とノアが俺の剛直を飲み込みながら落ちてくる。  
いや、正確にはカナが押し込んだ。ノアの体重だと俺は彼女を貫けない。  
「ひぎぃっ…!!」  
 痛みに白竜の顔がまた歪む。しかし、先ほどとは異なり耐えている。  
がくがくと俺の上で震え、歯を食いしばりながら空を見ながら涙を目に溜めている。  
耐えていた体を落ち着けるためか、はふ、と一呼吸した後、幼女はこちらを見つめなおす。  
「…にーに、きもちいい?」  
 涙で潤んだ目がこちらを一心不乱に向けられ、呆けている俺に質問を出す。  
 …当然、既に俺の頭はお花畑に三回転半宙返りで頭からドボンと突入寸前なのだが、  
そこで幼女を貫いている背徳心が空中で俺の脚を掴み、急に地中から現れた羞恥心が受け止める。  
つまり、俺はフリーズしてしまう。  
「…にーに、ノア、きやい…?」  
 潤んでいた瞳の雫は今にも溢れ出しそうになり、  
それによる罪悪感殿が背徳心さんと羞恥心くんをバックドロップなさり、俺はふっきれお花畑にダイブした。  
 …キモチイイよ、ノア。  
「にーに!」  
 暗く闇に消え入りそうなノアの白い肌が、  
カーテンから入るスキマ月光にぱあっと照らされたような気がした。  
 
「はい、よくできましたー♪」  
 一瞬存在を忘れていたこのクソ猫は、  
お絵かき上手にできた幼稚園児を褒めるような口調で言い放ちつつ  
白い天使を俺の上で揺さぶり始めた。  
「にゃ、あ、あ、あ、あ!!」  
 どすん、どすん、と俺の竿半分で天井に達してしまうノアが息も絶え絶えに喘ぐ。  
その表情は、ほんの短時間の間に屈辱と悲嘆の顔から快楽と歓喜のものへと変貌していた。  
「にーに、にーにー!!」  
 その声も最初にカナに貪られていた震える声ではなく、  
暖かい何かを求める女性に変化を始めていた。  
「ほらほら、最後まであんたの『おにーちゃん』を満足させてあげなっ!」  
 親指以外を全て飲み込みその手を男児のセンズリのごとく  
激しくピストン運動させながら、ノアと俺の交尾を全力で進めさせるカナ。  
「にーに、にーちゃ! すきっ、すきっ!!」  
 …俺も好きだ、ノア…っ!  
もう頭の中は真っ白だ。そして、俺は完全な意味で童貞を喪失した。  
「にゃあ、あ、あああっあああ♪」  
 白濁を結合部から漏らしながらノアは俺と同時に達し、  
歓喜の雄叫び…メスだから雌叫び?を放ち、俺の上に崩れ落ちる。  
小さい体のため、繋がったまま失神しても俺のミゾオチまでしか頭が届かない。  
 
「さて、やっと私の番かな♪」  
 気を失ったノアを剥がし、俺の顔とノアの唇が重なる場所までどかし、  
ついにカナが俺の上に来た。  
 …すんません、楽しいもの見て心中お察ししますが、  
さすがに初心者が二連射はキツいと思います…  
「大丈夫だろ。この子の体液…しかも血液を直に浴びたんだぞ、お前のここは」  
 ああ、そういやノアの体からはエッチな気分になる液がしたたるんだっけな。  
自身のそれに酔っ払うため、最初に見た俺に恋をして付いてくるんだとか。  
 …そのノアを破瓜させて蒼い返り血を浴びたのは、俺の分身君。  
「感覚がないのか? まだ物欲しそうにヒクついてるぞ♪」  
 少しだけ回復した腕の力を振り絞り、視界を埋めるノアのやらかそうな顔を  
申し訳ないがすこし右にずらし、全力で腹筋して下腹部を覗く。  
 
 …その動作を終えたのは、確かに臨戦態勢を維持したままの肉棒を  
カナの濡れそぼった肉壷が咥え込む瞬間だった。  
「我慢できないよぉっ、こんな、こんなエッチなモノ見せられてぇぇっ!」  
 カナの体はノアのウロコ肌と異なり、まさに普通の女性だ。  
ただし、モデル雑誌における普通基準ランクの整ったラインをしている。  
「お前達、卑怯だぞっ!  
 生まれながらに愛されてて、しかも即日繋がってっ!」  
 悔しいがモデル顔負けの猫耳女は、俺の上で跳ねるように俺を沈み込める。  
 月明かりで見えてきたのは、赤いような茶色のような、  
全身をかけ巡る幾何学模様。イレズミであろうか…  
「お前らヒトなんか、ヒトなんか、  
 あたし達のオモチャでしかないクセにッ!」  
 キツいノアとは対照的に緩いが、それは優しく包み込むような包容力で、  
締めるのではなく包んで濡らし  
内壁は凶器のようだ。このヒダヒダが男を何人も昇天させたのだろう。  
「なのに、なのにあたしをこんなに焦らして!  
 濡れさせて!ひとりエッチさせて!」  
 俺はその全身を紋で包まれた女性の指、首、腰、股間も、すべてを観察してしまい、引き込まれる。  
 その間にも、…根元まで包み込まれて、そして初性交では無かった  
ひねりとか、圧力の変化とか、男慣れってこういうことか、ってのを実感させられて。  
「こんなに興奮させて、それであたしを満足させないなんて、許さないんだから!!」  
 憎たらしくも淫妖な猫の中に、二発目を放ってしまう。  
「にゃうぅぅ♪あったかぁぃ♪」  
 びくん、と冷たい風に吹かれていたようなカナの尾は、一瞬伸び切った。  
 はぁ、はあっ、と息を荒くする彼女は、射精直後で萎えてもおかしくないのに、  
変な成分でそれを許されていない俺の上でピストンを絞り続ける。  
 
「…ねえあんた、アズキ、本当に主人いないんだよね? そうだよね?」  
 ふっと、ああ、これそーいえば拷問だったと思い出す。  
「じゃあさ、あんたこの世界で、生きてけないよね。ヒト売りに捕まって、  
 次の環境が幸せかわかんないよねっ!」  
 休むことなく腰を前後させつつ、俺の上にかぶさってくるカナ。  
「あたしが、飼ってあげるよっ。毎日ごはんもあげるし、服もきれいなの用意してあげるし、  
 お小遣いで本とか買ってあげるし、ちゃんと世話をしてあげるからさっ!!」  
 白髪の美女がペッティング宣言。ああ、こんな憎たらしい感情を抱く前なら  
俺はホイホイついていった。間違いない。  
 …てか、どうも質問の方向性が拷問として間違っている気もする。  
「ノアちゃんも、ちゃんと幼児具とか買ってあげて!きれいにしてあげるからさっ!」  
 俺から見て顔のすぐ右前で幸せそうに気を失っているノアの横に、ずいと顔を進めてくる。  
…ああ、くそぅ、キレイだ。ワイルドな女性って好みだ。でも憎たらしいぞコンチクショウ!  
「ひとりじゃ、この世界じゃ、生きてけないでしょ? ノアちゃんも養ってけないでしょ?」  
 うぐ、確かにここは別世界と認めるべきだし、  
この女の言うようにヒトが奴隷ってのもマユツバじゃなさそうだ。  
「あんたは毎日、私とエッチしてれば、安全にしてやるからさぁっ!」   
 俺の胸に顔をぎゅっと押し付けながら、強気だった女性が腰を休めることなくどんどん崩れていく。  
 …ちょっと待て、俺じゃなくってもそのへんの別の男でもいいじゃんかよ。  
男の100人切りとかしてんだろ?誰でもいいんじゃないのか?  
「ムリだよぉ!この『永遠の初恋薬』に、私もかかっちゃって!  
 アンタ見てたら、もう欲しくてしょうがないのおぉ!」  
 ああ、だから『ノアの毒』ね…  
「よく出来たシモベだよ、敵まで魅了するなんてぇぇ!」  
 いや、それはアンタの自業自得な気もするが。  
「お願いだよぉ、一緒にいてよぉ、夜がさみしくなるよぉ!!」  
 
 天秤にかけたのは、俺の自由とノアの命。  
別に、さっき拾ったばっかの意味不明な生物に情をかける必要なんて、無いんだけど。  
スキになっちゃったからなぁ、兄としても、男としても。  
 ここで守れなくっちゃ、男が廃る。  
 守れる力もないし。  
 でも、一番の決め手は。  
 
「にー…ちゃ…すきー…」  
 ノアの寝言は、そりゃもう天使の勅命さ。  
 
 …俺とノアを養ってくれるって、本当か?  
「ちゃんとするよぉ…だから、だから、どこにもいくなよぉ!!」  
 何だかこのネコミミ女から、こんなにも熱烈アプローチを受けたら、  
どうにも傾いてしまう。悲しいかな男の性。  
 …分かった、お願いするよ。  
「にゃああっ♪」  
 …だけど、イキそうです。  
「にゃ、私も、イクぞっ、イク、あああっ…!!」  
 ドクン、ドクンと、精巣の底から最後の一滴まで送り出す。  
それと共にカナの膣はキツく締まり、一滴たりとも種子をこぼさまいと吸い付く。  
「はうあ、ああああん…っ」  
 全ての精液はカナに飲み込まれ、そしてぽつり、と呟く。  
「赤ちゃん、できちゃいそ…♪」  
 …非常に困る。  
「もぉ、雰囲気だせないヤツだなぁ…デキないぞ、ヒトとケモノの間には…ふぅん」  
 …非常に助かる。  
「あたしは寝る…アンタの寝な…ああ、逃げようとしたら…わかってるな?」  
 語尾がマジでした。  
 
 …確かにいろいろと契約して、俺は奴隷となる。  
仕事は、エッチ。  
報酬は、日々の安全と、お小遣い少々。  
 
 …唯一の契約違反は、隊員の朝食を毎日俺が作るハメになるって、ことだ。  
 

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