「なぁ…」  
「ん?」  
「これ、なんて料理?」  
「小龍包」  
「へぇ…、美味いな、コレ」  
「め、珍しいわね?あたしの料理を素直に褒めるなんて。  
ようやく○○もあたしの料理を素晴らしさに気付いたようね!」  
「うん、…て言うか、前々から気付いてた」  
「…どうしたの?やけに褒めるじゃない」  
「…俺らさぁ…付き合い始めて四年目だろ?」  
「まぁそうだけど…、どうしたの?急に改まって」  
「幼馴染みの間も含めたら、二十年間も一緒だったんだな…」  
「……」  
「いつも、お互い意地張って、どっちかが折れて。  
たまに喧嘩して、二人で謝り合って。  
付き合い始めてからは、二人で飯食って、二人で一緒に住んでる。」  
「…な、何が言いたいの?」  
「『ずーっと一緒だったから、ただ、居心地が良いから、一緒に居る』ってな幼馴染みの延長線上に居るんじゃないか?って思うんだ」  
「……」  
「だから、それを終わらせようと思うんだ」  
「……ぅ、ぅぁ…」  
(だ、ダメ、わ、別れるって言わないで…、言っちゃやだ…)  
 
 
 
「…結婚、してくれるか?」  
 
「ま、紛らわしい言い方しないでよ!  
ふ、振られる、かと、思った…ヒック…じゃない…」  
「わ、悪かったって、だから叩くの止めろ」  
「だ、だって…ヒック、アンタの、せいでしょ?」  
「わかった、わかったから泣き止め」  
「…ヒック…」  
 
「…で?返事は?」  
「……」  
「結婚するのか?しないのか?」  
「……い…」  
「い?」  
「いつまでも、一緒に、居てね?」  
「それはOKって事でいいのか?」  
「…うん」  
「…精一杯、大事にしてやる」  
 
「ねぇ、覚えてる?」  
「なんだ?」  
「本当に小さかった時の約束」  
「…覚えてなかったら、こんな風になってない」  
「二人で、せーの、で言おうか?」  
「いいぞ」  
「せーの」  
「「ずっといっしょ!」」  
 

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