居酒屋にて。
「かんぱーい!」
「かんぱーい!じゃねぇわよ。せっかく可愛い幼馴染が帰ってきたんだから、洒落たバーの一件も予約しなさいよ」
「お前ごとき、場末の居酒屋で十分。ってか、今日連絡寄越して予約が取れるわけないだろ」
「あぁもう、それくらいの気くらい利かせないと、彼女に逃げられちゃうよ?」
「いねぇよ彼女なんて。大体、職場の同僚なんてオッチャン・オバチャンばっかだってのに、出会いなんかあるか」
「逃げられる以前の問題かぁ。ま、この調子じゃ、出会いがあってもねぇ」
「そういうお前はどうなんだよ。大学の連中と合コンとかやるんだろ?」
「もうダメダメ。何度か行ったけど、ロクな男いないし、狙いつけても、他の子に持ってかれちゃうし」
「どうせ、一番人気のイケメンとか狙ってんだろ?やめとけよ、ちょっと可愛くても、お前の性格じゃ話にならん」
「へぇー、言ってくれんじゃない。その話にならん奴をお嫁さんにするんだーって嬉しそうに言ってたのはどこのどなただったかしら?」
「いつの話だよ!その言い方からすると幼稚園の頃か?んな約束、無いようなもんだろ」
「……もし、今でも本気にしてるって言ったら?」
「本気にしてるような奴は合コンになんか行きませんー」
「ちっ、あんたも成長したわね」
「はぁー、彼女欲しいなぁ」
「はぁー、彼氏欲しいわねぇ」
【続きません】