長らく平和が続いていた王国に ある日 魔族が攻め込んできた 。  
 緒戦は魔族が優勢に戦いを進めたが 王国もほどなく持ち直し 戦況は膠着し  
た 。  
 物量では圧倒的に勝っていながらも 質のバラつきが激しかった魔族は 弱小  
な末端戦力を王国領内に 大量に潜入させ 後方かく乱を行わせた 。  
 それに悩まされた王国は 対抗手段として 「ゆうしゃ」の名の下に民間から  
義勇兵を募り これに遊撃の任を与えた 。  
 
 
 ゆうしゃは草原を歩いている。  
 と、突然何かに足を取られた。バランスを崩して倒れ込むが、柔らかい何か  
がそれを受け止めた。  
「ン……、ナニ……?」  
 どこからか声が響くと共に、透き通った液体が辺りの地面から吸い寄せられ  
るようにして集まり、みるみるうちに人間の女性の形を成した。  
 ゆうしゃがつまずいたのは昼寝をしていたスライムだったのだ。  
 ゆうしゃは慌てて腰の剣に手を伸ばした。が、すかさず手を伸ばしたスライ  
ムに腕を絡め取られてしまった。決まった形を成さないスライムの手はたちま  
ち腕伝いに這い上がり、皮の鎧の内側まで侵入してきた。ひんやりとした感触  
に脇を撫でられて、ゆうしゃの口から小さく悲鳴が漏れた。  
「ニンゲン……、ゴハン……」  
 うわごとのように呟きながら、スライムはゆうしゃの背中に張り付き、その  
まま上体をうつ伏せに押し倒してしまった。ゆうしゃはほとんど身動きが取れ  
なくなった。  
 自由を奪われたことで、ゆうしゃは自分の肌を冒していく存在をいっそう強  
く意識することになる。冷たい感触が男でも敏感な頂まで至り、ゆうしゃの体  
がぴくりと跳ねる。  
「ココ、違ウ……、ドコ、ドコ?」  
 人が手探りで物を探すように、ゆうしゃの体をスライムの両手が這いまわっ  
た。こみ上げる何かを堪えるようにして、ゆうしゃは歯を食いしばった。冷た  
いものが表面を伝っているのに、体の奥底はじわじわと熱く沸きあがっていく。  
 ゆうしゃはなんとか逃れようともがいたが、不利な姿勢で固められた体はろ  
くに動かすことができなかった。  
「ン……、コッチ、カナ?」  
 しばらく上半身を這い回っていたスライムの手は、やがて骨盤を見つけると、  
ついに下半身への侵入を開始した。焦らすようにゆっくりと、しかし確実に広  
がっていく冷たい感触。  
 まるで自分が少しずつ裸にされているような錯覚に囚われて、ゆうしゃは屈  
辱から思わず涙を流した。首筋に寄り添っていたスライムは目ざとくそれを見  
止めると、肩越しにそっと寄り添ってきて、舐め取るようにしてその雫を吸い  
取った。  
「ヘーキダヨ……怖クナイヨ……」  
 それが本来の意味での優しさだったかどうかは知れない。が、少なくともゆ  
うしゃはその言葉を受けて、無意識のうちにいくらか気を許してしまった。張  
り詰めていた糸が緩むと、体の奥底で抑圧されていた炎がじわじわと勢いを増  
していった。  
 
 結果、スライムがようやく至った時、そこは既に熱く立ち上がりつつあった。  
「見ツケタ……、ゴハン……ゴハン……」  
 カタコトの人語が、いくらか喜色を帯びていた。ゆっくりとしていたスライ  
ムの活動が少しだけ活発になり、ゆうしゃのそこはたちまち例のひんやりとし  
た感触に包まれた。突然の刺激に、ゆうしゃの口から不覚にもうめき声が漏れ  
た。  
 スライムは少し時間をかけてそこに自分の体を十分に集めると、それを波打  
つように蠢かせて、ゆうしゃのそれを刺激し始めた。  
 揉むような動きに導かれて、ゆうしゃの皮に包まれたそれが敏感な場所を曝  
していく。スライムは肉茎全体をすっぽりと包んだまま、弄ぶように刺激し続  
ける。  
「ゴハン、出シテ……、ゴハン……」  
 スライムの不思議な声音が、その色気の無い内容に反して、いくらか昂ぶり  
を思わせる何かを帯び始めた。初めは優しく舐め取るような動きだったのが、  
いつしか渦を巻くように荒々しい動きとなっている。  
 不意に、ゆうしゃの背筋を電撃のような感覚が走った。勝手に反応した体が  
びくんと跳ねる。興奮の余り体を揺すり始めたスライムの体が、ゆうしゃの不  
浄の穴を掠めたのだ。刺激は定期的に訪れ、そのたびにゆうしゃは堪えられず  
に体を跳ねさせた。  
「来テ……、ネェ、出シテ……ッ、ゴハン……」  
 揺するだけだった動きは、やがて体全体を使った躍動へと移って行った。背  
後から覆いかぶさられたゆうしゃは、ちょうど女性が後背位で突かれるような  
格好になった。  
 頭の片隅で理性が屈辱に憤るが、それもすぐに背筋の電流が真っ白く塗り替  
えてしまう。いつしかゆうしゃはだらしなく口を開き、涎と吐息を漏らしてい  
た。分身は既に限界を越えて張り詰めている。  
 躍動するスライムは意図せずしてゆうしゃの全身を撫ぜていて、それがゆう  
しゃに包まれている安心感と摩擦による微弱な快感を高めている。  
 ほどなく、彼の分身の膨張は、包み込むスライムの水圧を凌駕し――彼女の  
体内に怒涛のごとく欲望を吐き出した。  
 
 
 王国の中心である王城 。  
 十四人目のゆうしゃの任命式を執り行う国王の傍に 一人の側近が駆け寄っ  
た 。  
 一言二言 言葉を交わした後 国王は軽く眉を顰めたが すぐに表情を整え任  
命式を終えた 。  
 
 その後 玉座にて 。  
「おお ゆうしゃ よ 。死んでしまう とは 情けない」  
「いえ、死亡の確認は取れていません。MIAです」  
 家臣の冷静な 突っ込みに どちらも変わらぬ と 国王は答えた。  
「対象は城下の宿屋を出発したのが最後の記録です。  
 北西に広がる草原地帯を縦断中、力尽きたものと思われます」  
「警備 を 強化 せねば ならん な 。  
 巡回 の 当番表 を 改めろ 。城下へ の 侵入 は 決して 許さぬ よう」  
 国防大臣は 短く応えた。  
 国王は視線を逸らし 物憂げなため息をつく。  
「国を 守る ためとは いえ うら若き 者 たち が 命 を 散らして いく の  
 を 見る のは やはり 心が 痛む 。一刻も 早く この 戦争 を 終わらせた  
 い もの だ な 」  
 国王の言葉に応える者は居なかったが その場に居る全員が 黙しながらも  
同意していた。  
 四月の上旬 。 春の息吹を横目にしつつ 王国の春はまだ遠い 。  
 

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