「ご主人様……。」
深夜、人気の無い廊下を渡り こっそりと主人の部屋に忍び込む。
屋敷内の他の住人には知られていないとは思うのだけれど
執事さんあたりは気が付いているかもね……。
お咎めが無いのは黙認か……戯れと思われているか……。
誰も知らない私の密やかな楽しみ。ご主人様の寝顔を眺めること……。
端整な顔立ちのご主人様の寝顔には彫像のような美しさがある。
「誰にも渡したくない……。」
そう願っても、何も行動できない私。出来ることといえば、こうして寝顔を見つめるだけ……。
いま、この瞬間だけは私だけのもの……。
そっと髪を撫でる。そうっと唇に触れる。
「はしたない女になってはいけないでしょうか……」
寝顔に問いかけて……そうっとキスをする……。
「おやすみなさい。ご主人様。」
続きは夢の中で……。