―――茜色に染まる教室の中に、一人の少女がドアを開けて現れる。
くりっとした大きな目で自分の席の位置を確認して、そこに向かって歩き出した。
日焼けした褐色の肌、やや吊り目がちだが、目鼻立ちは整っている。
運動は得意な方だろう、制服から伸びるすらりとした手足からそれが伺える。
二の腕まで伸びた長い黒髪は、後ろで束ねられている。
少女の名は津嶋佐弥香、教室に忘れ物を取りに来たところである。
自分の机のところまで行き、その中を調べ始める。
「あったあった」
机から一冊のノートを取り出し、鞄の中に入れて、教室を後にする。
「も〜、何やってんのよお姉ちゃん」
教室から出てきた佐弥香を見て、ショートカットの少女、妹の友香が眉をひそめる。
姉よりもやや大きな目、小柄な体躯に白い肌、丸みを帯びた顔はまだ幼さを残していた。
「ごめんごめん」
「まったく、部活が休みだからって、ちょっと弛みすぎじゃないの?」
眉間に皺を寄せたまま、姉を睨みつける。
「そう言わないでよ。反省してます、以後気をつけます」
「ハァ〜、これじゃあ彼氏も大変だね」
やれやれ、と言った感じで肩をすくめ、溜息をこぼす。
「よ、余計なお世話」
「ところでお姉ちゃん、斎木先輩とはもうエッチしたの?」
「な、ななななななな……」
耳まで赤くなり、目を丸くしている姉を見て、友香はまたもやれやれと首を振る。
「まだっぽいね……あ、まさかまだキスもしてないとかはないよね」
「と、友香には関係ないでしょ! 大体、わたしと耕一はそんな……」
と、ここまで言ってハッと口を押さえる。
「へぇ……もう名前で呼び合う仲なんだ」
「あ、う、忘れなさい、今すぐに」
「あたし記憶力いいんだよね〜。
あ、でも何かおいしいものごちそうしてくれたら、うっかり忘れちゃうかも」
「なんでわたしがそんな……」
「あ〜あ、羨ましいなぁ〜、あたしもそんな風に呼べる彼が欲しいなぁ〜」
「分かった、分かりました、何でも言ってください」
うなだれる佐弥香とは対照的に、友香は満面の笑みを浮かべている。
こんなことも、普段と変わらぬ、平穏な日常の一コマであった。
ふと、佐弥香は窓の外に目をやる。
「何にしよっかなぁ〜って、お姉ちゃん聞いてるの?」
「……え? あ、うん」
怒気の混じった友香の声にも空返事で、まるで何かに魅入られたように、窓の外を見続けていた。
「もう、お姉ちゃん! さっきから何を……」
「ねぇ、友香、あれ、なんだろ?」
友香の言葉を遮るように、佐弥香は窓の外、古びた木造の建物の方を指さす。
その指先を追うように、友香もそこに視線を向ける。
「……旧校舎じゃん」
「違う、そうじゃなくて、あそこ……」
「どこよ? どうしちゃったのよお姉ちゃん」
「あそこ、二階の窓のところ、赤い光、見えない?」
姉の言葉に友香の顔から、血の気が引き始める。
「ち、ちょっと、やめてよ、多分夕陽の反射かなんかだって」
「違うわよ、そんなんじゃない、見えないの?」
姉の言葉に顔をしかめながら、再度旧校舎を見つめる。
「う〜〜〜ん、あっ! ひょっとして、あれ?」
佐弥香の言う赤い光、それを発見して、友香は身震いした。
木造の校舎の窓、その向こうの薄暗い空間に、煌々と灯る赤い光。
それは佐弥香の言う通り、そこに存在していた。
「な、何、あれ……?」
「分かんない、何だろ? 誰かいるのかな……」
「き、きっとそうだよ、ね、お姉ちゃん、はやく帰ろう」
その赤い光に、友香は言い知れぬ恐怖を感じ、姉の服の袖を引っ張る。
そんな妹のことなど、まるで意に介さぬように、佐弥香は黙って、その光を見つめ続けていた。
妖しく光るそれは、少しの変化もなく、そこに在り続けている。
一瞬、それを見続けている佐弥香の背筋に寒気が走った。
「……っ! 早く帰ろ、友香? ちょっと友香ってば」
妹の体を揺するが、その視線は留まったまま、微動だにしない。
先程の佐弥香と同様に、まるで魅入られたかのように、その一点のみを見続けている。
佐弥香もその視線を追い、再び旧校舎に視線を送る。
夕陽の赤とは別な、赤い異質な光。
まるで吸い込まれるかのように、意識がそれだけに向けられる。
視界がぐにゃりと歪み、暗転していく。
強烈な眠気に似た感覚に襲われ、ゆっくりと二人の意識が遠退いていった。
その中で、佐弥香は一瞬、赤い光が笑ったような、そんな気がしていた―――
―――朽ちた木造の教室。夜の闇の中で、二人の姉妹が眠っていた。
窓から射し込む光は淡く、痛んだ木製の床や机、椅子、窓枠と、少女達の肌を照らしていた。
室内には黒板と教壇、机や椅子が片隅に山積にされている。
その室内の中央に、身に着けているのは、黒い靴下と白いスニーカーだけになった佐弥香が、
手足を投げ出した状態で眠っている。
もう一方の友香も同じ姿で、少し離れた場所に横たわっていた。
「……う、ん………ん……」
姉の佐弥香が眠りから解放され、意識を呼び起こす。
周囲を見渡し、眠気の残る頭で、ここがどこかと言うことを考え始めていた。
カビ臭さの漂う空気を吸って、まどろんでいた意識が覚醒する。
「確かわたし……ここ、どこ? なんで、友香、友香?」
妹の名を呼びながら辺りを見回し、床に倒れている妹の姿を発見する。
ほっとしたのか、射し込んで来る光の方へと顔を向ける。
夜空に浮かぶ、僅かに欠けた月が、窓の向こうに見える。
体を包む寒気にふと、視線を下ろし、そこで初めて、自分が裸であるという事に気づく。
「え? あ、え……? なんで………ちょっ……なにこれ? なんで?」
床を這うようにして、寝こけている妹に近づく。
「ちょっと友香! 起きてよ、友香!!」
妹の名を叫びながら、必死に体を揺らす。だが、彼女が目覚める気配はない。
「ふふっ、ようやくお目覚めね」
待ち焦がれていたかのような女の声が、闇の向こうから響いてきた。
佐弥香は頭を上げて、眼前の闇を凝視する。
床の軋む音と共に、そこから周囲の暗闇と同一の黒のスーツを着た、長身の女がゆっくりと姿を現した。
闇に溶け込むような黒髪、それとは対照的な雪のように白い肌。
身を包む服装も相まってか、暗闇の中でそれは、より際だって見える。
切れ長の目は軽薄な印象を与えるが、顔立ちは恐ろしいまでに整っている。
高い鼻に流線的な顎のライン、妖艶さを醸し出す瑞々しい唇、かなりの美人と呼べるだろう。
服越しでも分かるほど迫り出した大きな胸に、細い腰、タイトスカートから伸びるすらりとした長い足。
街中で見掛ければ、モデルか何かと見紛うような、完璧なスタイルであった。
平時であれば、佐弥香はその姿を羨望の眼差しで見つめているだろう。
「だ、誰、ですか、あなたは? 何なんですか、一体……」
恐怖に震える声を聞き、肩口まで伸びた髪を掻き揚げ、眼を細めてニヤリと笑う。
「フフッ、さあ? 何かしらねぇ」
自分の体を見て口元を歪める女を、佐弥香は青ざめた顔で見つめていた。
突然訪れた予期せぬ事態、当然のことながら、佐弥香の頭は混乱していた。
裸の自分と妹、得体の知れない女、どことも知れぬ場所。
それらが頭の中でぐるぐると回る。
この時はまだ、あの赤い光のことまでは、考えに及んでいなかった。
「う、ウチに帰してください。わたしの家は別にお金持ちでもなんでもないんです、だから……」
女は少し呆れたように肩をすくめた後、口を開いた。
「なんか勘違いしてるみたいだけど、お金が目的じゃないの」
「え、あ、じゃあ、なに、を?」
「フフフ、それはね……」
声を弾ませて、女がゆっくりと佐弥香の元に歩み寄っていく。
「い、いや! 来ないで! こっち来ないで! 友香起きて、友香!」
妹の体を庇うように抱き上げ、大声で呼び掛けるが、友香が目覚める気配は一向にない。
女は少女達の傍らに立ち、その顔を覗き込む。
「ひっ!」
その視線が、二人の体を舐めるように見つめる。
褐色の佐弥香の体に残された白いスクール水着の跡、運動部に所属しているからか、無駄な肉の少ない、
健康的な引き締まった体をしている。
肉体的にはまだ幼さが残っているが、括れたウエストラインや、小振りだが形のいい胸の膨らみなど、
その身体には“女らしさ”も出始めていた。
友香の方は、日焼け跡などほとんどなく、胸もほぼ平らと言っていい、腰の括れもないに等しい。
こちらは姉よりもずっと、その幼さを残した身体付きである。
「……ちょっと未成熟な気もするけど、これでいいの?」
二人の体を見終えた後、女は誰もいないはずの暗闇に向かって問い掛ける。
その問いに、暗闇からの返事はない。
「……ふん。ねぇ、これからどんな目に遭うか、分かる?」
ククッと、心底楽しげな笑みを浮かべ、佐弥香の頬を指で軽くなぞる。
ビクリと体を震わせ、自分と妹の姿を見て、その体が震えだす。
「お、お願い……友香は、妹は助けてください、お願い、お願いします」
搾り出すように、震える声で女に懇願する。
「う〜〜ん、いい。その表情、とてもそそるわ」
が、女はまるで聞いていないかのように、満面の笑顔で少女を見下ろしている。
「あ、あの……」
「ん? ああ、妹さんね……そうそう、確認なんだけど、あなた達の名前って、佐弥香ちゃんと
友香ちゃんで合ってるわね?」
「どうして……」
「そんなこと、荷物を調べれば簡単に分かるわよ」
肩をすくめ、嘲るように笑って少女達を見下ろす。
自分達を見据えるその女の眼を見て、佐弥香の背筋に寒気が走る。
女の眼、自分を見つめるその眼は、明らかに人を見るようなものではなかった。
それは例えるなら、地面を這う虫を見るような、ちっぽけな存在をを見下している、そんな眼だった。
「ん……ん? あれ? あたし……あ、お姉ちゃん、なにしてんの?」
少しの静寂の後、もう一人の方がようやく目覚め、目を擦りながら辺りを見渡して、間の抜けた
声を出す。
「大丈夫友香!? しっかりして!」
「ん? あ、きゃっ! な、何で、あたし……お姉ちゃん?」
自分の身に起きた事態と、目の前の状況を理解しようと、思考を巡らせる。
見覚えのない場所、裸の自分、同じような姿で、自分を抱きしめながら泣いている姉、無表情で見下ろして
いる黒衣の女。
少なくともまともな状況ではない、と言うことだけは理解できた。
「おはよう、友香ちゃん。気分は如何?」
クスクスと笑い出す女。それを見る友香の顔には、明らかな恐怖が浮かんでいた。
「怖くて声も出せない? 可愛いものね」
その手が姉妹に伸びようとしたその時、佐弥香が妹を引っ張るようにして、出口に向かって
走り出した。
教室の扉まで後少しのところで、女の手が束ねられた佐弥香の髪を掴んだ。
「ああっ!」
「お姉ちゃん!?」
そのまま、女は佐弥香を自分の元まで手繰り寄せる。少女の苦痛に歪んだ顔を見ながら、ふっと、小さく
溜息をこぼす。
「いきなり逃げるなんてひどいわ、まだろくに話もしてないじゃない」
子供の戯れ事を諭すような、酷く穏やかな口調でそう言って、下唇を舐める。
「ま、そもそも簡単に逃がすつもりなんてないけどね」
そのまま佐弥香を床に引きずり倒し、友香に向かって歩き出す。
「ひぃっ!」
「それに、ここから逃げるなんて出来な……っ!」
女の歩みが止まる。見れば、佐弥香が女の足にしがみついていた。
「友香逃げて! 今の内に、早く!!」
「え、あ、お姉ちゃん」
必死の思いで女の足にしがみつくが、友香はただガタガタと震えているだけで、その場を動こうとは
しなかった。
一方の女は、そんな二人を交互に見やり、やれやれと言った感じで肩をすくめる。
「何それ、自己犠牲ってやつ? 反吐が出るわ」
嘲るような笑みしか浮かべなかった女の顔に、明らかな不快の色が浮かぶ。
少し身を屈めて、片手で佐弥香の首を掴み、持ち上げる。
「あっ! が……ぐぇ………かはっ」
掴む手に力が籠もり、佐弥香の細い首を絞め上げる。
足をばたつかせ、女の腕を叩いたり、引っ張ったりするが、首を絞める腕は微動だにしない。
それどころか、腕に籠もる力は徐々に増していく。
常人離れした握力で、佐弥香の細い首を絞める。首から伝わる苦痛と呼吸困難によって、手足が痺れ始める。
自身の首の骨がミシミシと音を立てるのを、佐弥香は身体で感じ取っていた。
「わあああぁぁぁーーー!!」
突然、友香が奇声を上げて女に向かって走り出した。
その手が女に触れるより速く、友香の首に女の手が掛かる。
「あが……かひゅっ、ぐぇ………」
姉と同じように、友香の体が宙に上がる。
「ンフフ、いい表情ね……」
女の腕に更に力が籠もり、二人の首を絞め上げていく。
ばたついていた手足からは力が抜け落ち、だらりと垂れ下がる。
呻き声はおろか、呼吸音すら聞き取れない。
目を見開き、舌は突き出されたまま、ただぶるぶると小刻みに震えているだけだった。
抵抗もなく、震えているだけの姉妹の身体。遂に二人の意識も落ちようとした、その時。
『ギュルルルルルルッ!』
突如、闇の奥から酷く耳障りな、異様な音が響き渡った。
現世に存在するどんな音にも該当しない怪音、それが響くのと同時に、女の手が二人から離れた。
「がはっ! げほっげほっげほっ、ぐぇ、うぷっ」
「ごほっ、かはっ、えふっ、ぅえ」
床に落ちて激しく噎せ返る二人。そんな二人を気にも留めず、女は背後を振り返り、大袈裟に手を広げる。
「やぁねぇ……殺しはしないわよ、ただちょっとおいたが過ぎたがら、お仕置きを、ね……」
闇と語り合う女を後目に、床を這うようにして、友香は姉の元へと向かう。
「ぉねぇちゃ……だいじょぶ………?」
呼吸は整っておらず、首の痛みも引いてはいないが、姉の肩に手を置き、その体を揺する。
「けふっ……かはっ………ハァハァ、友香……」
喉を押さえながら、妹の顔を見据える。
大丈夫だと言うことを伝える為か、その顔に弱々しい笑顔を作る。
そのまま、佐弥香はちらりとその視線を外し、女の方へと目を向けた。
「ひっ!」
途端に小さな悲鳴を上げ、驚愕と恐怖の色を浮かべ、ガタガタと震え出す。
尋常ではない姉の反応を見て、友香もまた、後ろを振り返る。
闇の中に、それは存在していた。
妖しく輝く大きな緋色の光、巨大な赤い眼が一つ、暗闇から二人を見据えていた。
『ギュルルルル……』
再び怪音が周囲に響き渡る。
「はいはい……もうちょっと遊びたかったんだけど、仕方ないわね」
くるりと女が振り返り、姉妹を見てニヤリと笑う。
「じゃ、真打ちのご登場……」
その言葉と共に、漆黒の闇から“それ”が、赤い光の主が、奇怪な音の正体が、ゆっくりとその姿を現した。
透明な粘液にまみれた緑色の球体状の体、大きさは傍らに立つ女の胴体より一回り大きく、どういう原理か、
その体は宙に浮いたまま、女の腰の高さで止まっている。
丸い体の中心に存在する、一つの巨大な眼、深紅の虹彩と漆黒の瞳孔は、周囲を包む闇とは対照的に、妖しく
光り輝いている。
瞼のないその異形の眼は、ただ真っ直ぐに姉妹達に向けられていた。
「あ………ああ……い、や、いやぁぁぁぁっ!!」
「きゃあああぁぁぁぁーーーっ!!」
単眼の異形を前に、どちらからともなく悲鳴を上げる。
それを聞いて、女は冷ややかに笑う。
「フッ、いつの時代も、人間の反応は変わらないわね……在り来たりと言うか、何と言うか。
ま、こんな変なのが出て来たら無理もないけど」
女は薄ら笑いを浮かべながら、傍らに存在している異形を見下ろす。
その視線を跳ね返すように、異形の眼がギョロリと動き、女を睨み付けた。
『ギュルル、ギュル!』
「おまえに言われたくない? 失礼ね、あんたよりは格段マシよ」
歪む女の口元から、先の尖ったピンク色の舌が、ズルリと女の口から伸び、蛇のように動く。
「……う、うあああああああああっ!!」
眼前の光景を目の当たりにして、叫び声と共に、佐弥香は妹の手を引っ張って走り出した。
「失礼しちゃうわ」
『ギュルッ、ギュルッ、ギュルッ』
不機嫌そうに眉間に皺を寄せる人外の女を、嘲笑うように異形は眼を細めて体を揺らす。
そんな怪物達の遣り取りになど目もくれず、二人は一目散に出口に向かう。
その姿を、二体の怪物は冷ややかに、いや、滑稽な物でも見るかのような、蔑んだ眼で見つめていた。
引き戸を開くと、その先には痛んだ木の廊下が見える。
ちらりと後ろを振り返るが、女も異形も、先ほどと違って、二人を追ってくる気配はない。
ふと、佐弥香の胸に、一体何故、と言う疑問がよぎるが、それを深く考える余裕はなかった。
妹の手を引っ張り、転がるように外へと飛び出した。
顔を上げた二人の目に飛び込んできたのは、先ほどと変わらぬ光景だった。
朽ちた木造の教室、カビ臭い空気、山積する机と椅子、それらを浮かび上がらせる淡い月の光。
そして、そこに佇む二体の異形。
後ろを振り返れば、開け放たれたドアと、暗い廊下があった。
再び踵を返し、二人はそこに飛び出す。
だが、彼女たちの目の前の光景は変わらない、何度も何度もドアを抜け、廊下を目指すが、決してそこに
至ることは出来なかった。
「何で……」
友香の口から、そんな疑問がこぼれる。それに答えるよう、女が高笑いを上げた。
「ここはね、私が創った特別な空間なの、一度入ったら二度と出ることは出来ない。
ま、簡単に言うと“結界”って奴ね」
楽しげに声を弾ませる女の言葉が、二人にさらに追い打ちをかける。
女の言葉は信じ難い物だった。
信じられるようなものでもない、だがこの場所が、先ほどの現象が、眼前の異形達が、その言葉が事実である
と言うことを物語っていた。
友香が力なく、その場にへたり込んだ。
「友香? 友香! しっかりして、友香!!」
妹の腕を引っ張るが、友香は動こうとはしなかった。
逃げることが出来ないと言う事実が、姉の呼び掛けに答える気力はおろか、立ち上がる力をも、彼女から
奪っていた。
絶望に打ちひしがれる妹を、佐弥香は悲しげな表情で見つめる。
そのまま顔を上げ、化け物達を睨み、近くにあった椅子を手に取る。
少女の行動を見て、人外の女は、哀しみとも落胆とも取れるような、深い溜息をついた。
それを合図にするかのように、佐弥香は椅子を振り上げ、奇声と共に怪物達に突進していった。
彼らを何とかすれば外に出ることが、逃げることが出来ると、そう判断したのだろう。
それ自体は間違いではない。
確かに彼らを滅ぼせば、この空間は消滅し、彼女達は元の世界に戻ることが出来る。
だが、それはあまりに無謀な判断だった。
妹を守ると言う想いと、異質な空間や化け物達の存在が、彼女から冷静さを奪っていたのかもしれない。
何の力も持たないただの人間が、彼らに打ち勝てるはずはないと言うのに。
少女を見据えていた女の双眸が赤く輝き、その瞬間、佐弥香の体がぴたりと止まる。
「あ? え……な、に………え?」
「勇ましいのは結構。でも、諦めなさい」
必死になって手足を動かそうとするが、佐弥香の体は椅子を振り上げた姿のまま、微動だにしなかった。
感覚はある、だがまるでその場に磔にされたように、指一本すら動かせない。
「お姉ちゃん……?」
姉の身に異変があったことを悟った友香が、不安げに声を上げる。
「フフフ、友香ちゃんも、いつまでもそんなとこいないで、こっちにいらっしゃい」
女の視線がもう一人の少女に移る。
座り込んでいた友香が、突然立ち上がり、ふらふらと歩き出した。
「友……香?」
唯一自由の利く頭を動かし、妹の姿を確認する。
自らの足で歩いてくる友香。だがそれが彼女の意志ではないことは、恐怖に引き攣る顔が物語っていた。
“これ”をやっているのが何者か、その答えは容易く引き出された。
妖しく輝く女の眼を見る姉妹の脳裏に、あの赤い光がよぎった。
自らの意志とは無関係に、振り上げた椅子を床に置き、一歩前へ出る。
「びっくりした? 私にはこんな力もあるのよ。他にも精神を操れたりするんだけど……」
『ギュルルル』
「最初から全部やっとけって? フフっ、それじゃあ有りもしない希望に縋って、右往左往する滑稽な姿が
見れないじゃない」
緋眼の異形を見下ろして、口の端を吊り上げる。
「それだとつまらないでしょ?」
その言葉を聞いて、怪物の眼が笑うように細められた。
人外の女が大仰に手を広げ、並んで立つ姉妹を指し示す。
「さ、お好きな方を……」
その言葉の終わりに、異形の丸い体に無数の突起が隆起し、それらが無数の触手となって、凄まじい速さで
立ち尽くしている二人の元へと伸びていく。
触手が友香の足首に巻き付き、そのまま異形の元まで引きずっていく。
「いやああぁぁぁぁ!! やめ、離してぇ! いや、やだよ、こんな……おねえちゃん、
たすけ………」
肉体への呪縛が解かれ、叫び声を上げ、必死に抵抗するが、次第にそれも弱まり、その小さな体が
触手に埋もれるのに、それほどの時間は掛からなかった。
「友香! 友香ぁぁぁーーー!!」
何度も妹の名を叫ぶが、蠢く触手の中から白い手が見えるだけで、その声に答える気配はない。
「う〜〜〜ん。必死の抵抗も虚しく、その白い柔肌を醜い化け物の触手に蹂躙される少女。
たまんないわ……」
「ひっ!」
いつの間にそこにいたのか、ジャケットを脱いだ女が、佐弥香の背後に佇んでいた。
「や、やめて、私はどうなってもいいですから、友香を、友香を助けてください!」
「そう言うわけにはいかないわね、あなた達二人はアイツの糧になって貰うんだから」
「あいつ? 糧?」
「そう、アイツよ。アイツは他の生き物の精気を糧にしてるの、何でも快楽の頂点に達したときのそれが、
最高に美味なんだってさ」
前方に存在する、蠢く触手の塊を指差しながら、楽しげに笑う。
「私はアイツから、生きる為の力を貰ってるんだけど……それより」
意地の悪そうな笑みを浮かべて、少女の体に手を廻し、首筋に舌を這わせる。
「ひぃっ!」
佐弥香は小さく悲鳴を上げ、ビクリと体を震わせる。
「あっちも始めてることだし、私も楽しませて貰おうかしら……」
女は顔を上げて、何かを招くように手を動かす。
すると、山積みなっていた机の一つが、独りでに動き出し、女の前に移動する。
佐弥香はふらふらと、机の上に自らの体を静かに横たえる。本人の意思とは関係なく。
女はその指を佐弥香の裸身に、水着の痕に添うように指を這わせる。
「瑞々しくて、生気に満ちあふれた肉体……ステキ」
感嘆とした吐息をこぼし、視線を体から少女の顔を移す。
恐怖に凍り付いた顔に、満面の笑みを向ける。
「怯えなくても大丈夫よ、すぐに、何もかもがどうでもよくなるから……」
囁くようにそう言うと、女は佐弥香の体に長い舌を伸ばす。
「いやぁっ! やめ、いや……だれか、たすけて………」
それから逃れようとするが、彼女の肉体はぬめった舌が這う感触を伝え、それに対する反射で僅かに動く
だけで、指先一つ動かせない。
そんな少女を嘲笑うかのように、人外の長い舌が、佐弥香の裸体を舐めまわしていく。
唾液で濡れた舌が蛇のように動き、太股、腹、胸元、首筋を這い、頬を流れる涙を舐めとる。
震える少女を見下ろし、女は下卑た笑みを浮かべていた―――
―――無数の触手の中にいる為、友香の全身はすでに粘液まみれになっていた。
髪の毛から足の爪先まで、異形の赤い眼光を反射して、それはきらきらと怪しく煌めいていた。
手足には触手が巻き付き、その自由を奪う。それ以外の触手は、探っているかのように、まだ幼さが残る
華奢な体を這い回る。
様々な形状の触手が、彼女の周囲で蠢いている。
太いものや細いもの、節のような凹凸があるものや、疣のような突起が幾つもあるもの。
ねとついた音をさせながら、それらが少女の体を撫で、這い回る。
「ん……く………うあ……い、や、お姉ちゃ、助け……」
気味の悪い感触に、身を捩らせて逃れようとするが、それもかなわず、粘液を塗りたくるように、柔らかな
肌の感触を味わうように、それが蠢き続ける。
「う、く、うう……」
歯を食いしばって耐え続ける友香の顔を、触手が撫で回す。
体に巻き付く触手によって、宙吊りにされた裸の自分の姿が、異形の眼に反射する。
自らを見つめる緋色の眼、そこに写る自身の姿態、友香の顔に羞恥の色が浮かぶ。
「い、いやぁ………見ないでぇ……」
それを見上げる異形の眼が歪み、少女の足に触手を巻き付ける。
「やっ、やめ、やめてぇっ! いや、やだ、やぁぁぁっ!」
かぶりを振って必死に抵抗してみせるが、触手は非力な少女を嘲笑うように、両足をMの字に開かせる。
頬を濡らす涙も粘液と混ざり、その痕跡を消していく。
露わになった恥部にイボイボの付いた触手が触れる。
ぴたりと、閉じられた秘裂をさするように、触手が上下に動き始める。
「え? あ、やぁっ! やめ、いゃんぐっ!? んん! んぅーーー!」
拒絶の声を発するために、大きく開かれた口に、太い触手が滑り込み、口内を満たす。
触手の放つ異臭を鼻先で感じ、顔をしかめ歯をたてるが、固いゴムのような弾力に押し戻される。
暖かな口内の感触を楽しむように、更に喉の奥へと侵入しようとする。
苦悶に歪む少女の顔を、異形の赤い眼が見つめ続けていた―――
―――ジュルリと、長い舌が佐弥香の体から離される。
全身を舐められ、涎まみれになった体は小刻みに震え、ヌラヌラと輝いている。
「くっくっくっ」
心底楽しげな笑みをこぼし、脱力した娘を見下ろす。
「もう、やめ………いや、ゆるし……」
途切れがちに発せられる言葉に、女は耳を貸さずに舌を佐弥香の秘部へと伸ばす。
「ひっ、やめっ! や、いやあああぁぁぁーーー!!」
びくんと体を震わせ、叫び声を上げるが、舌の動きが止まることはない。
秘唇に触れ上下に動き、時折、上部にある肉芽を、先端で小突く。
その度に少女は身を反らせ、与えられる刺激に反応する。
「ふっ、ん、っくあ、あ、ひっ!」
人外の呪縛によって、佐弥香の足は閉じる事すら許されず、なすがままの状態となっていた。
唾液でベトベトになった股間から、舌が離れる。
「これくらいなら大丈夫そうね」
女は不敵な笑みを浮かべ、スカートの裾を捲り上げる。
露わになった女の股間に、黒い下着からはみ出した本来存在しないはずの、赤黒い器官が佐弥香の目に入る。
男性器に似たその器官は、長さや太さは人のそれと大差ないが、奇妙な突起が無数に隆起して
いる。
ピクピクと脈打つその醜悪な器官が、性器であると、佐弥香は本能的に悟る。
もっとも、佐弥香が父親以外の男性器を見る事自体、初めての事だったが。
「ぁ、あ、うそ、いや、そんな……なんで……」
「フフッ、長生きの賜物かしら……なんてね」
引き攣った顔で、からかうように笑う女の顔と、股間に生えている醜悪な器官を交互に見つめる。
あるはずのない場所に、あるはずのない物が存在している。当惑する彼女の前に移動し、女は涎と粘液に
濡れた秘所に、自らのモノをあてがう。
「ひィッ!」
少女の身体が引き攣る。経験はなくとも、この状況で自分が何をされるかは、容易に想像できた。
「い、いや、無理、無理だよぉ……やめて、そんなの入んない」
震える、か細い声で哀願するが、女はそれを嘲るように鼻で笑う。
「大丈夫、このサイズなら余裕よ、余裕」
舌で佐弥香の顔を一舐めした後、ゆっくりと肉棒を埋めていく。
「あっ、く、う……が、ぎ、あああぁぁぁぁーーー!!」
少女の悲痛な叫び声が、室内に響き渡った―――
―――口の中に侵入した触手は、喉を押し広げ、更に奥へと入り込もうと脈打っていた。
膨らんだ喉は、触手の動きに合わせて脈打ち、元の形は失われていた。
「ぐ、ぐむぅ……うぶっ………うう、ぶぐっ、ぶぇ」
僅かにある隙間からは、苦しげな嗚咽と涎がこぼれ、頭を動かし逃れようとしてもなお、触手は口の中を
蹂躙し続けた。
喉奥で暴れる触手が、小さな口を完全に塞ぎ、呼吸はおろか、嘔吐物すら押し留められる。
聞こえていた呻き声も聞こえなくなり、触手により持ち上げられた体が痙攣を起こす。
意識が徐々に薄れかけた時、触手が震え、口内に大量の液体を放出した。
食道内に直接流れ込み、ゆっくりと触手が引き抜かれる間も、それは流れ続け、友香の意識を呼び戻した。
塞がれた口の隙間、鼻の孔から、白くねとついた液体が溢れ出す。
「がっ、がはっ、はっ、ごほっごほっ、うぶっ、ぅえぇぇぇ」
胃に流し込まれた液体を吐き出しながら、むせかえる友香の顔に、白く濁った液がぶちまかれる。
触手と違い、その液自体には匂いも味もなく、ねばついた感触だけが口の中と顔を伝う。
「う、あ……いやぁ……」
涙を流すその顔が次第に紅みを帯び、息が上がり始めた。
「あ? いや、な、に、これ……あ、熱い、あつ、んあっ!」
体の奥からこみ上げてくる熱、その意味も分からぬまま、少女は体をくねらせる。
紅潮し始めた体に、方々から白い液体が放たれ、粘液のかかった部分が熱く疼き始める。
股間をまさぐる触手の動きが強まり、そこから粘膜の擦れ合う音が響く。
初めて味わう、与えられる快感。それに身を任せそうになるが、かろうじて拒絶し続ける。
秘裂をこすっていた触手が離れ、突起のついた触手がその部分にあてがわれる。
友香が体を強ばらせるが、そんな事を意に介す様子もなく、触手はより強く少女の恥部を擦り始める。
「あ、ひ……や、あ、でちゃ、あ、うあああぁぁぁぁーーー!!」
絶叫と共に、股から黄色い水が周囲に降り注ぐ。
まるで笑うかのように歪んだ化け物の赤い眼が、その痴態を見つめていた―――
―――「あぐッ、あ、かッ、い、や、抜い、てぇ……」
「ん……く、きつ、力を抜いて、入らないじゃない」
人外の女は腰を掴み、佐弥香の体内にさらに深く、それを突き入れる。
結合部から流れ出る破瓜の血、そして苦悶に歪む少女の顔が、女を高ぶらせる。
まだ幼く、未開発なその部分では、女の醜い器官を受け入れるのは困難だった。
文字通りの、身を裂くような痛みに曝され、泣き叫び、赦しを乞うが、それは女の嗜虐性を悪戯に刺激する
だけだった。
「ふ、ん、やっぱり、処女だと、ここの締まり具合も、格別、ね」
「はっ、くひッ、いぎぁ、ひ、い、た、ひ、やめ……」
激痛のあまり、呼吸がままならなくなる中、絞り出すように女に懇願する。
そんな少女の願いなどを、人在らざる者が聞き入れるはずもなく、溢れ出る涙を舌で掬い、自らの分身を
さらに奥へと進ませる。
「まだ、半分も入ってないんだから、この程度で根を、上げないでよ……ん」
眉間に皺を寄せ、吐息をこぼしながら、片手で自らの豊満な乳房を弄ぶ。
「が、あ………っか……ぎひッ!?」
佐弥香の背が反り返り、甲高い悲鳴を上げる、それと同時に、女の動きが止まる。
女のモノが、少女の子宮口に達した瞬間であった。
「フゥ……まだ浅いわね、初めてはこんなものだったかしら……まぁ、いっか、それより。
キツキツね。すぐイッちゃいそう、フフフ」
「あぐ、ぃ、やぁ……こんな、ごめん、こぅ、いち……」
痛みと苦しみの中、恋人の名を口にする。
いずれ彼に捧げるつもりだったはずの純潔が、別なものに奪われたことを、体内で脈打つ異物がその事実を、
否応なしに知らしめる。
痛み、温もり、恐怖心や戸惑い、愛する者と一つに繋がる喜び、それを感じ、満たされるはずだった。
無論、それらは想像でしかない、だが現実に彼女が感じられたのは、苦痛と恐怖だけだった。
「こういち? こういちって言うのは、あなたの携帯にあったあの男の子かしら?
ひょっとして、彼氏?」
耳元で囁く女の言葉に、佐弥香の身体がビクリと震える。
その反応を見て、女は額に手を当てて天を仰ぐ。
「ああ、彼氏に悪いことしちゃったわねぇ、あなたの処女を奪っちゃって、フフフ、でもいいでしょ?
どうせもう、二度とここから出ることなんて、できないんだから」
シャツとブラジャーを脱ぎ捨て、豊満な裸体を少女の身体に密着させる。
女の腰が、ゆっくりと動き始めた。
「あぎッ! やめっ、動かな、きひっ!」
苦痛に歪む少女の顔とは対照的に、女の顔は悦に入った表情を浮かべる。
「いい……いいわ、んく、すごい、締め付けて……」
片手で自らの乳房を揉みしだきながら、もう一方の手で少女の胸の先端にある突起を摘む。
女の乳首は固くしこり、佐弥香を刺し貫いている陰茎の下に位置する女性の部分からは、
愛液が滴りだしていた。
ゆっくりとした動きで、佐弥香の体内を肉棒で抉る。
秘裂を押し広げ、白い肌に沈んでいく、純潔の血で汚れた赤黒い醜悪な器官。
それを拒絶しようとするが、自由の利かない体ではどうする事もできず、その体を蹂躙される。
下腹部からこみ上げる激痛と異物感。全身から脂汗が、目からは大粒の涙が溢れ、四肢は痙攣し、開かれた
口からは、断続的な呼吸音を漏らしていた。
手足を広げ、肉体を弄ばれるその様は、さながら、罠に掛かった哀れな蝶のようでもあった。
「あ……ん、ふあっ! いい、んぅ、くぁ、もう、イッちゃいそう」
「うあ……が、は、い、あ、助け、お母さ……」
快楽に震え、上気した顔を見せる女とは対照的に、ただひたすらに痛みに耐える佐弥香。
眉間に皺を寄せ、自身の女の部分を指でいじりながら、長い舌が少女の体、結合部から流れる血を舐め、
そのまま全身を這い回る。
異物を拒む肉の圧力、生暖かい体温、苦痛にゆがむ少女の顔、その全てを味わうかのように。
女の腰の動きが速まり始める。
「あぐっ! やぅ、あ、い、たい、いたいいたいいたい、やめっ、うあああっ!」
紅潮した顔で舌舐めずりをして、佐弥香の腰を掴み、さらに動きを速める。
「ん、あ、も、出そ、はあっ、イ、イクっ! イッちゃうううぅぅぅーーー!!」
「ひっ! い、いやあああぁぁぁーーー!!」
女の背が反り返り、突き入れた肉棒から、大量の体液が少女の体内に解き放たれた。
「あ……あ……い、や……な、かに………あつ、い……でて……いやぁ………」
目を見開き、震える佐弥香に、自身の体内で放たれる熱い体液の感触が、嫌でも伝わってくる。
苦しげに呼吸し、どこを見るでもない目からは、大粒の涙が止めどなく溢れる。
その彼女の上で、人外の女は恍惚の表情を浮かべ、絶頂の余韻に浸っていた。
だらしなく開いた口の端から涎がこぼれ、佐弥香の顔の上に滴り落ち、流れていった―――
―――絶頂の余韻に浸る間すら与えられず、触手の蹂躙は続いていた。
友香の体に降り注いだ白く濁った液体を、満遍なく塗りたくるように、無数の触手が這い回る。
「うあぁ、や、ぃや、なんか変だよぉ……」
体の奥底から湧き上がる快感に曝され、それを受け入れることも、拒絶することも出来ず、
ただ肉体を触手に蹂躙され続けていた。
恥部を擦る無数の突起がある触手が、さらに強く少女の敏感な部分を刺激する。
ビクリと友香の体が震え、嬌声とも、泣き声とも取れる嗚咽がこぼれる。
高ぶりの鎮まらない体を戦慄かせ、その刺激に耐える友香の苦しげな顔を、異形の眼が写し出す。
今まで秘部を擦るだけだった触手が不意に離れ、その先端がぴたりと閉じられた割れ目にあてがわれる。
「え? あ……な、に?」
突然変わった触手の動きに、友香の口から戸惑いの言葉が漏れる。
異形の眼が友香の顔を一瞥した後、その触手が少女の体内へと押し込まれ始めた。
「あっ! だ、だめっ! そんなの、や、いやっ! だめぇぇぇぇっ!!」
手足をばたつかせ、必死にその侵入を阻もうとする。
その行為が何なのかは理解できていた、そこを汚されるということが何を意味するのかと言う
ことも、知識として知っている。
それよりも、醜い化け物に自らの純潔が奪われると言うことが、耐え難いのだろう。
だが、体を触手で固定されている現状では、その抵抗も何ら意味をなさないものだった。
「あ、や、はい、て、や、あ、ぐ、あ、うあああぁぁぁーーーッ!!」
抵抗も虚しく、触手は少女の体内へと侵入を果たす。
いつか大好きな人に捧げようと、淡い夢にも似た理想を抱き、大切にしていた少女の純潔は、醜い触手に
よって無惨に散らされていった。
友香の膣内に侵入した触手は、まだ成熟していない少女の体内で暴れていた。
触手のイボイボが膣肉を掻き回し、破瓜を迎えたばかりの幼い性器をいびつに押し広げる。
全くの慈悲も優しさもない、無論、愛情など欠片もない、それは陵辱という名の捕食行為そのものであった。
痛みと圧迫感、それとは別の強い刺激が、友香の下腹部から全身に駆け巡る。
「あ、かはっ、はっ、ぐっ」
触手に付着する夥しい量の粘液と、それに混ざる少量の赤い血が、腿を伝い、触手が動く度にぬめった音を
奏で、ぞくぞくとした、寒気にも似た感覚が、友香の背筋に走る。
苦しげに漏れていた吐息が次第に熱を帯び始め、求めているのか、拒んでいるのか、友香の腰が前後に動く。
「んあ、くっ、ふあ、や、な、に、これ……ぁう、やだ、やぁ、へん、だよぉ」
破瓜の痛みも、異物感も、もはや感じなくなったのか、化け物の体液に汚れた体を紅潮させ、
その感覚の意味も分からず、何かに憑かれたように、触手の動きに合わせて腰を動かし、矯声を上げる。
不意に、体内に侵入していた触手が引き抜かれる。
「あうっ! ん……あ? え……?」
先ほどまで体を埋めていたモノがなくなり、戸惑いの声と共に、もぞもぞとせわしなく腰を動かす。
スッと、今度はのっぺりとした触手が友香の恥部に近づく。
その先端がまるで口のように開き、淫液に濡れる恥部に貼りつく。
「ひっ! うあああぁぁぁぁーーー! やっ、ひぅ、すわれ、て、だめっ、あ、なに、ひっ、
……っ!」
びくんと、体を反り返り、四肢がガクガクと痙攣する。
少女が味わう二度目の絶頂、性的快楽の極み、思考を吹き飛ばすほどの強烈な感覚。
頭では理解出来ずとも、肉体はそれを快楽だと認識しているのか、涙と涎、白く濁った液体にまみれた顔が、
恍惚とした表情を浮かべる。
だがそれも、次には苦悶の表情に変わる。股間に貼り付いた触手が、さらに強く膣から溢れてくる淫液を
啜り始めたのだ。
続けざまに与えられる強烈な刺激に、顔をしかめながらも、体はそれを求めるかのように、触手に下半身を
押しつける。
友香の股間から吸引の音が漏れ、触手との隙間から、化け物の体液とは違う粘液がこぼれ、床に滴り落ちた。
震える友香の体、尻の辺りを、先細りした蛸足のような触手が、菊座の周りを小突く。
「あ、なに? えっ、や、そんなと……こ、う、あ、あ、く、ああぁぁぁ!」
触手がゆっくりと、友香のアナルに潜り込み、腸内までも犯し始めた。
閉じられていたすぼまりを押し広げ、ゆっくりと、侵入していく。
触手が直腸を突き進み、さらに奥へと侵入する。だが、少女が感じているのは、痛みでも、異物感でもない、
排泄器官を犯される嫌悪感すらない。
与えられる人外の快楽が、それらを押し流していったのだ。
白かった肌は紅く高潮し、仰け反る体はぶるぶると震え、粘液で濡れた髪を振り乱し喘ぎ続ける。
脳裏に一瞬、姉のことがよぎるが、その思考も、押し寄せる快楽の波に流される。
まだ幼い小さな体は、おぞましい触手が与える刺激に、敏感に反応し、飲み込まれていった―――
―――佐弥香の膣内から肉棒を引き抜き、女は息をついた。
情欲に高揚した顔はそのままに、処女の血と自らの放った体液にまみれた、己が分身を見下ろしている。
縦筋でしかなかった秘所は元の形を失い、開かれた膣口からは、血の混ざった白濁液が垂れ流されている。
処女を失った痛み、純潔を汚された屈辱、逃れることの出来ない絶望。
それらに打ちひしがれ、声も上げずにただ涙を流し続けていた。
「ふふ、処女喪失の感想はどうかしら?」
舌なめずりをしながら、上気した顔を歪ませる。
「う……うぅ………あ……ひどぃ……こんな………いやぁ…………」
震えるか細い声を聞き、満足そうな笑みを浮かべて、そのまま視線を脇に逸らす。
そこに存在している、触手の塊をしばし見つめた後、再び眼下の少女を見る。
「あっちもまだやってるみたいだし、こっちも楽しみましょうか、今度は趣向を変えて……」
「ひっ、あ、い、いや、もう、いやぁ……」
「大丈夫よ、もう痛いのは無し、寧ろ気持ちよくなるから」
クスクスと笑いながら、佐弥香の目を見据える。
「ひょっとしたら、こっちの方が辛いかもね……」
少女の目を見ていた女の眼が赤く輝く。
その途端、佐弥香の体がビクンと跳ねた。
「ひっ!? あ? や、なに? あ、あつい、あついよぉ」
何かに抗うかのように身を捩らせ、髪を振り乱す。
紅潮し始めた全身から汗が噴き出し、乳房の上にある突起は固く尖り、小刻みに震えている。
不意に襲ってきた、体の奥から込み上げる熱と疼き。
性的興奮状態。
彼女はその感覚を知ってはいた、しかし、現在感じているそれは、今までの比ではなかった。
脳髄の奥から引き出された強烈なそれは、佐弥香の肉体と精神をじわじわと蝕んでいった。
「ひっ、あ、やあっ! あつい、あついぃぃ! いやああああぁぁぁぁーーー!!」
叫び声を上げ、かぶりを振りながら必死にその感覚に抗う。
そんな少女を嘲笑うように、女は不適な笑みを浮かべる。
「抵抗しても無駄よ」
女の手が佐弥香の内股をなぞりながら、その部分へと近づく。
先ほどの陵辱の傷跡が残る秘部、そこに若干の変化が生じていた。
破瓜の血に混じり、粘性のある透明な液体が溢れ出し、陰核は大きく膨らんでいたのだ。
「まだ触ってもいないのに……いやらしい子ねぇ」
「え? あ、なに? なにが……?! ひぃっ!!」
女の指が肉芽に触れた瞬間、小さな悲鳴と共に、佐弥香の体が跳ね上がった。
その様子を見て、女は指先で充血した敏感な突起を、執拗にこね回す。
「うぁっ! ひあ、あ、うくっ! やめっ! や、だめえええぇぇぇぇっ!」
叫び声と同時に、股間から黄色い液体が吹き出し、床に降り注いだ。
手についた尿液を払いながら、女は少女を見下ろす。
「やれやれ、お漏らししちゃうなんて。そんなに良かった?」
その問いに答える気力は、佐弥香には残されてはいなかった。ただ息を荒げ、頭の中では
その身に起きた事態を整理していた。
不意に湧き上がった興奮、与えられた強烈な刺激、意図せず込み上げた尿意、今も残る熱と疼き。
それらがぐるぐると頭の中を巡るが、その思考も次には遮断される。股の間に女の長い舌が
侵入してきたのだ。
「あ、やぁっ! いやぁぁ!」
ピチャピチャと水音をたて、小尿と粘液を舐める、そのねとついた感触に身を震わせる。
「ん〜〜〜なかなか」
満足げな笑顔で舌を上げ、涙に濡れる佐弥香の顔を見る。
「さて、じゃあまた楽しませて貰おうかしら」
舌舐めずりをして、少女の割れ目に再び張り詰めた肉棒を押し当てる。
「あっ! い、いやぁ! もういやぁぁぁぁーーー!!」
「フフフ、心配しなくても大丈夫よ。そのうち自分から求めるようになるから……ね!」
両手で腰を掴み、佐弥香の膣奥へと一気に肉棒を突き入れた。
「うあああああぁぁぁぁーーーー!!」
佐弥香の悲鳴、絶叫と言っていい叫び声が、室内に響き渡る。
それは、断末魔のそれに近いものであった―――
―――粘液に濡れて光る、友香の裸身を、二本の触手が這い回る。
ほかの触手とは違い、先がイソギンチャクのようになっており、その先についた幾つもの触手が、ほとんど
平らな友香の胸の先端にある、固く尖った突起に絡みつく。
乳房の先から走る、甘美な刺激に、喉を反らせ、熱い吐息を漏らす。
顔を上げた友香の前に、胸を弄んでいるものと同型の触手が現れ、顔に纏わりつく。
開いた口に、鼻の穴に、無数のミミズのような触手が入り込み、友香の息を塞ぐ。
「う゛ぇ、ぐぶ、ひゅぐっ、うぶっ……う……」
口とそれの間にある、僅かに開いた隙間から、苦しげな嗚咽がこぼれる。
微細な触手の一本一本が伸縮して、口内と鼻腔を満たしていく。
無数の小さな触手が口と鼻の中で蠢き、苦しみから逃れようともがくが、状況は変わらない。
窒息しそうなると触手が戻り、一呼吸すると奥へと進む。まるで、ピストン運動でもしているかのように、
その動きを続けていく。
息苦しさから、首を横に振る友香の両耳に、紐状の触手が触れ、そのまま耳の穴に入り込む。
その感覚も、少女にはこそばゆいような快感と変わり、味わっている苦しみを薄れさせていく。
耳の中で蠢く触手の音を、心地よいとすら感じ始めていた。
満足したのか、愛液を啜っていた触手が恥部から離れ、次は節のある触手がそこにあてがわれる。
濡れそぼった花弁を押し広げ、再び野太い触手が、友香の体内に侵入した。
「ひゅぐっ! んぶぅぅぅーーーー!!」
膣内に入り込んだ触手は、恥肉を掻き回しながらうねり、尻穴を貫いている触手は、太さを増して腸内を
蹂躙する。
胸に貼り付いた触手は、より強く乳房の突起を引っ張り、口と鼻になだれ込んだ触手の一部は、舌に巻き
付き、残りは喉奥を小突く、鼻腔を埋める触手は、さらに奥へと蠢く。
両耳を犯す触手は、波打つように出たり入ったりを繰り返す。
それ以外の触手も、友香の体を擦るように、全身を這い回り、それらのすべてが次第に速く、強くなって
いく。
絶え間なく与えられる快楽に、幾度も達しながら、まだ幼さの残る体をくねらせ、貪欲にそれを求め続ける。
胃液と糞尿が、注ぎ込まれる体液に混じり、床を埋め尽くす触手の上に滴り落ちる。
喘ぎ続ける少女の目には、緋眼の化け物も、醜い触手も映らない。
ただ、初めて味わう強烈な快楽に溺れ、よがり狂う。
それこそが、自らの歓びであるかのように―――
―――「んふぅ、一気に奥まで入っちゃった。フフ……どう? 気持ちいい?」
「……あ………は……かはっ、は、あ………」
女の言葉に答えることもできないのか、目を見開き口を魚のように開け閉めしている。
「本番はこれからよ……」
女はニヤリと笑い、腰を掴んでいる手に力を込め、腰を動かし始める。
先ほどのような、ゆっくりとした動きではなく、早さも強さも増していた。
その動きと共に、ねとついた水音が響き、女の動きをスムーズにしていく。
時間にしたらどれくらいか、およそ数分。苦しげに漏らされていた吐息が熱を帯び始め、痛みとも苦しみとも
つかなかった感覚が、徐々に明確な“あるもの”へと変化していった。
“快感”である。
「フフ、ちゃんと感じ始めたみたいね」
腰の動きを止め、歪めた口から舌を出し、佐弥香の小振りな胸の先端にある突起をつつく。
「ひうっ! あ、え? な、に、これ? いや……からだ、が」
胸の先端から与えられた突然の刺激に、戸惑いの声を漏らす。
今まで味わっことのない、強烈で、甘美な刺激に。
舌で少女の胸を舐め回しながら、少しだけ腰を引く。
「そろそろかしら」
少しの間の後、佐弥香の体内に収まっていた女の肉幹が、見る間に膨張し始めた。
「ひっ!? あ、う、そ、や、な、中で、大きく……な」
膨らむ肉棒は瞬く間に、少女の陰部を広げ、亀裂を隙間なく塞ぐ。
「あぐ、や、ひっ! さ、さけ、る……くひっ!」
「ん……きつ、ふぅ、これ以上は本当に裂けそうね。じゃあ、動くわよ」
その言葉と共に、肉棒を一気に奥まで突き立てた。
「ああああぁぁぁぁぁーーー!!」
佐弥香の絶叫が室内に響き渡る。女の腰が、再び前後に動き出す。
太さも長さも、最初の二周りは大きくなったそれで、少女の体内を抉り始める。
「ひぁうっ、ふぁ、広がって、お、おくまで、きてる、あ、だ、だめっ、こんな……」
「はあ、いい、いいわ、あなたの中、ギュウギュウ締め付けて、絡みついてくる」
快感に震え、眉間に皺を寄せ、下唇を噛みしめる。
女の女陰からは愛液が止めどなく溢れ、床を濡らしていた。
少女の胸と自らの胸を揉みしだき、その口から矯声を上げる。
それに呼応するかのように、佐弥香の口からもまた、声がこぼれ出す。
「んあっ、はぅ、や、ん、なんで、ひっ! や、やめっ、そんな、に、しない、でぇ」
喘ぎとも、苦しみともつかない、嗚咽。
しかし、佐弥香の全身はサクラ色に染まり、股間の辺りからはねとついた水音が聞こえ始めていた。
「下手に抵抗しない方がいいわよ。じゃないと……本当に壊れちゃうから」
「ひぃっ!!」
佐弥香が小さく悲鳴を上げ、喉を反らせる。
腰の動きが先ほどより速く、強くなって、少女の体内を掻き回す。
肥大した肉棒のせいで、佐弥香の下腹部は盛り上がり、子宮口を小突かれる度に仰け反り、四肢を震わせる。
口からは涎と共に、喘ぐような声を垂れ流していた。
「ん……ふ、ふふ、どう? 気持ちいい?」
「あう、ん、くひっ! やぅ、ふ、わ、わかんな、い、こんなの」
下腹部から全身に駆け巡る電流のような刺激を、快感として受け止めることができないのか、頭を振り、
それに抗おうとする。
しかし、女の掛けた怪異な力の影響だろう。
脳髄の奥から湧き上がってくる情欲は、いくら振り払おうとも彼女の心と体を包み、蝕んでいった。
醜悪な肉の器官が、少女の小さな子宮の入り口を小突く。
その度に四肢を引き攣らせ、込み上げてくる快感に身を震わせる。
「くあっ、ひぅ、あ、だ、めぇ、これ、いじょう、され、たらっ、おかしく、なっちゃ……」
「あ、あは、何を、言ってるの? まだまだ、これからよ」
女は笑みを浮かべ、荒い吐息の隙間から上擦った声で、佐弥香の耳元でそう囁いた。
子宮口を突き上げていた肉の棒が更にその奥、子宮内部へ入り込もうと、更に強く押し込まれる。
「あっ、やっ! そ、そんなとこ……がっ、あ、かはっ!………」
逃れようと身を捩る佐弥香の腰を掴み、子宮口を抉じ開けて、その小部屋へと侵入させる。
「は……あ……は、入った、ふふ、どう? 凄いでしょう」
「……ぐが…………か……は……あ……」
女の言葉に答えることも出来ず、佐弥香の口は魚のように、ただパクパクと動いているだけだった―――
―――幾度目かの絶頂を迎え、友香は体を弓なりに仰け反らせ、全身で快楽の余波にうち震えていた。
幾重にも絡む触手が、友香の肉体に快感を刻み、少女を悦楽の中に堕としていく。
腸の形が浮かび上がった腹に別の触手が近づき、その形に添うように腹を撫でる。
それにすら、友香の体は敏感に反応する。
膣内を犯している触手が子宮口まで達し、そこを舐めるように波打ち、入り口を抉じ開ける。
「ひぁうっ! や、やだ、おく、おくにきてる、やあああ、は、はいってくるぅぅぅぅぅ!!」
絶叫と共に股間から黄色い液体が噴き出し、友香は体を反り返らせ、ビクビクと四肢を震わせる。
盛り上がった腹部は触手に合わせて動き、少女の体にいびつな模様を浮かび上がらせる。
愛液と尿液、粘液にまみれた恥部に、紐のように細い触手が近づき、固く勃起したクリトリスに巻き付き、
絞め上げる。
「うあああぁぁぁぁっ! あ、ああああ! っきゃあああああああぁぁぁーーー!!」
ガクガクと頭を揺らし、叫び声を上げる。
激痛に近いはずのその刺激も、友香にとっては強烈な快感でしかない。
歓喜の涙を流し、涎と鼻水、白濁液にまみれた顔に恍惚の表情を浮かべる。
体内で擦れ合う触手の快楽が少女を何度も高みに昇らせ、果てることのない牝の情欲を掻き立てる。
触手の先端から白色の体液を浴びせられる度に、小さな体を震わせ、淫らに喘ぐ。
肉体を蝕むように、ネチャネチャと淫猥な水音を奏でながら、触手が体を這い回る。
二本の触手が、痛いほどに尖った胸の突起に伸びる。
触手の先端で一方を押しつぶし、こね回す。もう一方には巻き付き、上へ下へと引っ張る。
眉間に皺を寄せ、それらの快感に身悶えする。その鼻先に近づいて来た触手を、自ら口に含み舌を絡ませる。
胎内と腸内を蹂躙している触手の動きも、さらに激しくなっていく。
乱れた髪の貼り付いた顔は、悦楽の虜となり、歓喜に満ちた女の顔を浮かべている。
それはまだ幼さを残したあどけない少女とは違う、快楽を知り尽くした女の表情であった―――
―――子宮を押し広げ、肉壁を擦る異物がもたらす快感に、佐弥香は何度も絶頂に達していた。
呼吸がおぼつかなくなり、開いた口からは、だらだらと涎が垂れ流されるが、それを気にする
余裕は、もはや彼女にはなかった。
「あうっ、く、あ、い、ふあっ、ん、あ、や、う、はうっ、あ、やぁ」
佐弥香の股間から溢れ出した淫水が、太股を伝い、床に落ちる。
女の指が赤く充血した陰核を摘み上げた。
「うあああぁぁぁぁーーー!!」
背を弓なりに反らせ、絶叫と共に、股間から小水が飛び散り、女の下半身を濡らしていく。
「んふ……やだ、かかっちゃった」
台詞とは裏腹に、楽しげに声を弾ませ、痙攣している少女を見下ろす。
収縮し、痙攣する膣内の感触に、女は身を震わせ、腰の動きを速めていく。
肉棒を包む温かな秘肉を味わい、その先端を柔らかい子宮の壁に擦りつける。
自分の乳房を揉みしだき、秘部から溢れる愛液を指ですくい、舌に絡める。
甘美なる肉の味に酔いしれながらも、さらにそれを貪り続けた。
女の舌が伸び、結合部から溢れる愛液と、流れ出た尿液を舐めとり、それを佐弥香の口の中に押し込む。
「んぶっ! んむぅ! うぐ、む、ごぶっ、んぅーーー!!」
荒々しく呼吸をしていた口を、突然、熱くぬめった異物に塞がれ、恐慌状態に陥る。
喉を反らしてそれの侵入を阻もうとするが、伸びる舌にはなんの効果もなく、口の中をも蹂躙されていく。
口内に女の唾液と、自らが分泌した体液が広がる。
「どう、自分の味は?」
嘲るように笑う女の声を、頭の隅で聞きながら、込み上げる吐き気を堪える。
苦悶に歪む顔を、少しの間眺めた後、再び女が腰を動かす。
「ぐむっ! んぶっ、うぐ……おぶっ、んぐぅーーー!!」
激しく胎内を掻き回す肉棒が、口内で暴れる舌の動きと合わさり、佐弥香にさらなる快感を与える。
彼女が再び絶頂を迎えるのに、それほど時間はかからなかった―――
―――子宮の中で暴れている触手の先端が、幾重にも枝分かれし、数十本のそれが内壁を引っ掻くように、
胎内で蠢き始める。
一本一本がその柔らかな肉の感触を味わうように、ゆっくりとした動きで肉の小部屋を蹂躙していく。
「ひぃあっ! あ、ひっ、こんなっ、だめぇ! おかしくなっちゃうよぉぉぉぉ!!」
幾つもの小さな山を造る自らの下腹部を眺め、浅ましく矯声を上げる。
両胸に位置する淡いサクラ色の突起に、先端が蛭の口のようになった細い触手が近づく。
少しその部分を小突いた後、乳首にそのまま吸い付いた。
「ふああああぁぁぁぁ!! そんなこと、しても、あたし、おっぱいでないよぉ……ひぅっ!」
それでも触手は友香の乳房を吸い続けた。
強く、弱く、緩急をつけながら、少女の体に快楽を刻みつけていく。
喉を反らし、白く汚れた紅潮した体を痙攣させ、友香は再び絶頂を迎える。
肉体の主だった穴という穴全てを塞がれ、そこに大量の粘液を注ぎ込まれる。
その影響で、友香の腹部は妊婦のように膨れ上がり、触手が動く度にヴァギナとアナルからは白濁の液体が
溢れ出していた。
「ふあぅ……くひぃ! も、だめぇ、おなか、こわれちゃうよぉ……」
哀願するようなその声も、すぐさま淫らな喘ぎに変わってしまう。
体液を幾ら吐き出しても触手の勢いは止まらず、絶え間なく少女を犯し続けた。
「んぶぅ、ぇぐ、ぅむぅぅ、ぉご、ごぶっ! ぐ、ぶふっ、んはっ! ひっ、あ、かはっ!」
それでも尚、彼女は貪欲に快楽を求め、その肉体をくねらせる。
アヌスに挿入されていた触手が引き抜かれ、代わりに鱗のようなヒダが無数にある触手が挿入される。
それが腸内を前後に動く度に、ヒダが腸壁を引っ掻くように刺激する。
「うあああぁぁぁっ! す、すご、ひっ、こすれ、て、あ、くっ、くるっ! またきちゃうっ!」
触手の動きが激しくなり、友香を頂へと突き上げる。
「ひあああああああぁぁぁぁ! だ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
叫び声と共にビクンと体を震わせ、股間から小水が噴き出した。
間を置かず、痙攣している体に触手が群がる。
「ひぁ……や、やめ、もぅ……ほんとに………こわれ……ちゃ…………」
脱力し、倒れ落ちそうになる体を触手が抱え上げ、その四肢に絡みつき、肉の慶びを叩きつける。
口の中に放たれた異形の体液は、食道から胃へと流れ込み、体内を満たしていく。
「あ、うげっ、かはっ、くるし、ひ、も、やめ……ひぃっ!」
絞り出された言葉も意に介さぬように、触手の群は少女の肉体を責め立てる。
腹部を内側から叩くように動き、腸壁を掻くように波打つ。
肌を擦り、乳房を押し込み、引っ張る。耳の穴、鼻の穴、口の中で蠢く。
「んぐぅ、うむぅ……んぶっ! んはっ、ひぃあ! や! ま、また!」
触手が震え、一斉に白濁の粘液を吐き出した。
「くひっ! あ、ああああああああああああああ!!」
顔に、体に、体内に、大量の液体がぶちまけられる。
触手が引き抜かれた膣と菊門からは、今まで注がれた夥しい量の体液と共に固形物が溢れ出す。
友香は床に滴るそれを見下ろしながら、呆けたような表情を浮かべていた―――
―――異形の力に侵された体は、佐弥香にこの上ない快楽を与えていた。
強く、速く、子宮を突き上げられる度に絶頂を迎え、意識が途切れる。
舌で口を塞がれている為、声はおろか呼吸すらままならない。
それでも体は拒絶するどころか、快感を脳に伝え続けている。
意識的にか、無意識にか、口内を蹂躙する舌に、自らの舌を絡め、僅かに動かす事の出来る腰を、女の動き
に合わせてくねらせ始めた。
それに気付いた人外の女が、片眉を吊り上げた後、ニヤリと笑う。
太い舌で口を、長大な肉棒で膣を、自らの欲望の赴くままに、掻き回す。
女の舌が一気に喉奥へと滑り込む。
「っぶ! んぶぅっ、ぐぅ、ぅぶぇ、げぶっ……」
強制的に入り込む野太い異物が、佐弥香の喉を刺激して胃液が逆流し、鼻や口の隙間から噴き出す。
吐き出された胃液の苦さに、女は腰の動きを止め、顔をしかめて口中から舌を引き抜く。
口を塞いでいたものがなくなり、激しくむせながら、空気を肺に入れようと、犬のように呼吸をする。
舌に付着した胃液を、佐弥香の体に塗りたくりながら、両手で腰を強く掴む。
一呼吸置いて、女は一気に胎内の最奥へと肉幹を突き立てた。
「ぁがああああぁぁぁぁぁっ!!」
耳をつんざくような佐弥香の悲鳴が、室内に響きわたる。
腹部がいびつに盛り上がり、それの脈動に合わせて、ピクピクと脈打っている。
「ふあ、すご、絡みついて……名器ね、フフ」
楽しげな笑い声を上げながら、女は腰のグラインドを再開する。陰茎が胎内で膨張し、佐弥香の体を
内側から圧迫していく。
根本まで完全に佐弥香の体内に埋まり、胎内を無慈悲に抉り、掻き回す。
長い舌は、華奢な体から吹き出る汗を舐め、それを味わう。
少女の体は痙攣を繰り返し、魚のように口を開け閉めして、眼球はあらぬ方向を向いている。
幾度となく後頭部を机にぶつけているが、痛みを感じている余裕はない。
叫ぶ事も、逃れる事もできず、体内を抉られる強烈な快感に、髪を振り乱し、それに溺れていく。
佐弥香の体を舐め回していた舌が、首に巻き付き、締め上げる。
「がっ………げ、あ、が……」
「ん〜。しまるしまる」
大きく開いた口からは、呻き声はおろか、呼吸音も聞き取れない。
気管を押し潰すほど強く、細い首を締め上げていく。
膣内が収縮して、体内の異物を締め付け、女に快楽を与える。
「……っが………かはっ! げほっげほっげほっげほっ……」
佐弥香の意識が落ちそうになった頃合いで、舌が首から離れる。
舌舐めずりをしながら、噎せかえる少女を見下ろし、口元を歪ませる。
「う、ん、いい、素敵よ、もうイッちゃいそう」
女の手が佐弥香の腹の、盛り上がった部分に添えられる。
驚きの表情を浮かべる少女の顔を一瞥して、そこを上から押し込んだ。
「ぐぎゃあああぁぁぁぁんぐっ! んむ、んぶっ、んんーーーー!!」
叫ぶ口の中に、再び舌が入り込む。
外部から加わる圧力、内部から伝わる圧迫感、それが苦しみなのか、それとも快感なのか、
もはや、彼女はその判別すら出来なくなっていた。
終わりが近いのか、女の腰の動きは、より激しさを増していく。
押さえ込んでいる手に力を込め、更に強く胎内を圧迫する。
「んあっ! イクぅぅぅーーー!!」
「んぐっ! ぐぶっ?! んむぅぅぅーーー!!」
一気に子宮を突き上げるのと同時に、佐弥香の体の奥に、熱いほとばしりを大量に解き放った。
紅潮した裸身を反らせ、ヒクヒクと痙攣する結合部から、白く濁った体液が溢れ出る。
白目をむいて、失神している佐弥香の頬を舐めて、視線を脇に移す。
そこに存在している、触手の塊をしばし見つめた後、再度、眼下の少女を見る。
「……まだ二、三発はいけるかな?」
少しの間を置いて、佐弥香の額に手をかざす。
それと同時に、佐弥香の手足を縛り付けていた呪縛が解かれた。
今まで一定の高さにあった手足は、だらりと垂れ下がり、何の動きも見せない。
「初体験にしては、少々ハードすぎたかしら……」
笑いながら、女は再び少女の体に覆い被さった―――
―――濁った白色の液体に彩られた体を、弓なりに仰け反らせ、再度、絶頂を迎える。
絶える間もなく、押し寄せる快楽の津波。
狂死してもおかしくはないのだが、人外の女が創りだした結界の影響で、彼女の精神はかろうじて
保たれていた。
しかし、発散する精気を喰われ続けている為か、友香の体からは、次第に力が失われつつあった。
「はぐっ、く、ん、も、だめぇ、うあっ! や、くるし、ひっ、あがっ、こわれ、ちゃ、くひっ!
ゆるひ、っぐぅぅぅぅ!!」
強烈過ぎる快楽も、度を超せば単なる拷問に等しい。
荒い息の狭間から、途切れがちに発せられる言葉も、体内の触手によって遮られる。
触手に吊り上げられ、だらりと垂れ下がった手足が引き攣り、再び快楽の高みへと昇らされる。
少女が限界に来ているのに気付いたのか、白く汚れた友香の顔に、より深い緑色の、先の尖った
触手が近づく。
顔を上げて、友香は鼻先にいるその触手を、迷うことなく口に含み、舌を絡ませる。
咥えられた触手が震え、口の中に粘ついた液体を吐き出した。
そこから放たれた白い粘液は、今まで体の内と外に、浴びせ掛けられていたものとは、若干の
差異があった。
粘り気はなく、色は白よりも、むしろ銀色に近い、匂いはないが、少し味がある。
何より、それを飲んだ友香の体に力が甦り始めた。
言わば養分なのだろう、消耗した獲物に活力を与え、より長く精気を味わう為の処置と言える。
「ん……む、はあ、おいし、んあ、もっと」
その触手を再び口に含み、まるで乳飲み子のように、養分を飲み続ける。
それも、彼女には甘露水のように、甘く、美味なものに感じられているのだろう。
活力を取り戻した友香の体を、怪物は再び責め始める。
Mの字に開かれた下半身に、無数の触手が群がる。
すでに野太い触手に犯されている恥部に、それよりは若干細い、別の触手が内股を伝って近づく。
「はう、ん? や、だ、だめ、そんな、む、むり、むりだよ、そんなに入んない、っ!
んぐああああぁぁぁーーーー!!」
恥部を強引に押し広げ、二本目の触手が侵入した。
絶叫と共に、友香の体が跳ねる。
「あ、ひ、は、入っちゃった……あ、は、すごい、こんな………」
広がった自分のその部分を見つめ、笑みをこぼした。
おもむろに、腸内を蠢いていた触手が引き抜かれ、細めの三本の触手が、尻肉を揉むように、
臀部を這い回る。
肛門の皺をなぞり、一本、また一本と、友香のアナルに入り込む。
「あぎっ! ぎう、ぐ、あ、きひっ」
三本の触手は、別々の動きで、腸内を掻き回し始めた。
それとほぼ同時に、膣内の触手も動き始める。
「うああああぁぁぁっ! すご、ひっく、なかで、こすれ、てぇ、やあ! こわれるぅぅぅ!!」
ガクガクと体を震わせ、異形の与える快楽に悶える。
突き上げる触手の動きに合わせて、友香の腹部が隆起し、形を変える。
「あ、く、くるっ、おっきいのが、また、またきちゃうぅぅ。
だ、だめっ、あ、やああああぁぁぁーーーー!!」
背を反らせ、今までで一番大きな悲鳴を上げる。
力の抜け落ちた四肢に、まだ足りぬと、触手が刺激を与え、少女を呼び戻す。
それに呼応するように、友香の体が震え、それを求め始める。
再び活力を取り戻し、欲望の赴くままに快楽を貪り、歓びの声を上げる。
快感に咽び泣くその様は、情欲の虜となった浅ましい牝のそれであった―――
―――床の上に四つん這いになった佐弥香の膣口に、深々と肉茎が挿し込まれる。
「ふあああぁぁぁぁーーー!!」
開ききった秘部は、難なく女のモノを根本まで飲み込み、結合部からとめどなく溢れる愛液が、
淫猥な音を奏でる。
上半身が床に崩れ落ちるが、腰は持ち上げられたままである為、尻を突き出すような格好になる。
肉のぶつかり合う音をさせながら、女は腰を動かす。
舌先で固くなった乳首を小突き、押し潰し、片手で充血したクリトリスを、指の腹で撫でる。
「ひぅっ! あく、くるっ、また、なんか、くるぅっ!」
「こう言う時はイクッて言うのよ」
「え? あ、くふ、イ、あ、イク、イクイッちゃぁぁぁぁーーー!!」
ビクンと体を震わせ、快感の極みへと達する。
女の手が、絶頂の余韻に浸っている佐弥香の体を、背後から抱きかかえ、足を開かせる。
「ひぐ! うあ、や、こんなカッコ……」
その体勢のまま、間髪入れずに佐弥香の胎内を突き上げる。
両手で乳房を揉みしだきながら、ガクンガクンと揺れる背中に、舌を這わせ、何かを思いついたのか、
隣にいる触手の塊に眼を向ける。
微かに鼻で笑った後、対面させるように体を動かし、怪物に声を掛けた。
塊だった触手が引いていき、もう一人の少女、友香が姿を現す。
「姉妹のご対面よ、ほら、顔を上げて」
女の手が、佐弥香の髪を掴んで頭を上げさせる。
「友……香」
「お、姉ちゃん?」
二人の目が合った瞬間、佐弥香の顔が羞恥に歪む。
「い、いや、見ないで! 友香見ないでぇ!!」
「フフッ、いまさら恥ずかしがらないでよ」
腰を浮かせ、妹の目に写るように、さらに足を開かせる。
「咥え込んでいる様をもっとよく見て貰いなさい」
「いやああああぁぁぁーーー!!」
足を閉じようと、暴れる佐弥香を後目に、女は腰の動きを再開する。
再び快楽に飲まれそうになるが、視界に入る妹の姿がそれを押し留めていた。
女は笑みを浮かべ、野太い舌を下腹部へと伸ばす。
長い舌の先端が、佐弥香の剥き出しになった、陰核に触れ、こね回した。
「や、そこ、やめ、ひっ、イッ、あ、くああああぁぁぁぁーーー!!」
一際甲高い声を上げて、体を仰け反らせる。
「あ、ああ……やぁ、見ないで」
僅かに残っていた理性が、友香の姿を見たことによって甦ったのだろう。
羞恥に顔を真っ赤にして俯く佐弥香の瞳から、大粒の涙が流れ落ちた。
その涙を舌で掬い、より強く腰を突き上げる。
「はっく、んい、きゃう、ふああぁぁぁーーー!」
「締まりがよくなったわね、妹に見られて感じちゃった?」
「や、ち、ちが、ふあっ! ひぅっ、だめ、やぁ、感じちゃう、感じちゃうよぉぉぉーーー!!」
発せられた否定の言葉は、佐弥香自身の口で、すぐさま打ち消される。
刻まれた快感の爪痕は、甦った彼女の理性を容易く突き崩していく。
涎を撒き散らしながら、押し寄せる快感に、狂ったように悲鳴を上げる。
妹の視線を感じることで、佐弥香の情欲はさらに高ぶっていった―――
―――友香の目は姉の痴態に、釘付けになっていた。
小水を垂れ流し、醜悪なイチモツに貫かれ、よがり狂うその様に、長い黒髪を揺らし、悦楽に
震えるその肢体に、人ではない者に体を弄ばれ、快楽の虜となり、それに身を委ねる、妖艶な牝の姿に。
それに目を奪われていた友香の体が、突然持ち上がり、自らの恥部を突き出すような格好になる。
「くあっ! や、やあ! あぐ、んむ! ん、ぅうんぐ、むぅ」
抗議の声は、すぐさま触手によって遮られ、体の中で蠢く甘美な刺激よりも、羞恥心が先走る。
姉同様、友香もまた、佐弥香の姿を見たことによって、僅かばかり理性を取り戻してしまったようだ。
体を隠そうとするも、四肢に巻き付く触手がそれを許さない。
姉の視線が、自身の股間に向けられているのを、文字通り肌で感じ取っていた。
「すごい……あんなに、いっぱい………」
感嘆としたような吐息と共に、佐弥香のそんな言葉が耳に入ってくる。
「んぐぅ、うむ……ふぅん、んんっ!!」
羞恥に固まった体も、姉に見られながら迎えた絶頂を期に、再び快楽を求めてくねり始めた。
「んあっく、ふああぁぁっ! いぃ、よぉ……きもちい、ひ、ああああぁぁぁぁーーー!!」
体の奥底に注がれる体液の、熱い脈動と共に、涎を垂らしながら、立て続けに高みへと達する。
緑色の醜い器官に弄ばれながらも、悦楽に潤んだ瞳の先に、同じように喘ぐ姉の姿を見据え、
愛おしげに触手に頬ずりをした―――
――――佐弥香の耳に舌を這わせ、乳房を揉みしだく。
「ふあ、ん、くぁぁぁ、はぅ、やあ、い、ぃ、きもち、ぃいよぉ……」
その様を見て、女は薄ら笑いを浮かべ、そっと耳元で囁く。
「すごい乱れようね……こういち君にも見せてあげたいわ」
不意に恋人の名を告げられ、脳裏に恋人の顔が浮かび、佐弥香の顔が引き攣る。
「あ、や、だ、だめ、ぃや、も、やめて、いやあああぁぁぁぁーーー!!」
崩れかけた理性が再び甦り、女から逃れようと暴れ出す。
しかし、人外の手は佐弥香の体を捕らえたまま離さず、体内に深く突き刺さった陰茎も、抜けることは
なかった。
ふと、女の視線が異形へと向けられる。
その視線に気付くと、ニヤリとその眼が歪み、触手を伸ばし、女の方へと友香を運ぶ。
「うあ、や、こう、ぃ……たすけ、やだ、よぉ、こんな……」
「おねぇ、ちゃぁん」
妹の呼び声に、ビクリと顔を上げる。
目線の高さに、惚けた表情を浮かべる妹の顔があった。
上半身を突き出すような体勢で、体は宙吊り、股間は触手に繋がったままだ。
「あ、あ、友香……ひぅっ!」
再び女が佐弥香を突き上げる。
友香の顔が結合部までさがり、鼻先まで近づく。
「あ、は、すごい、おねぇちゃんの、ひろがって……」
野太いイチモツを咥え込み、開ききった秘裂を眺め、吐息をこぼす。
「うあ、ん、や、み、見ちゃ、だめ、友香、見ないでぇ……」
首を振って、足を閉じようと足掻くが、犯され続け、疲弊した体ではそれもままならない。
女の指が佐弥香の乳首を摘み上げる。
「ひぃっ!」
胸先から走る快感に、喉を反らせる。だが、頭に浮かぶ恋人の顔が、妹の姿が、それを受け入れさせない。
歯を食いしばって、耐え続ける佐弥香の耳元で、再び女が囁く。
「どうしたの? 気持ちよくない?」
「はぅ、あ、だ、だめ、だめなのぉ」
頭を振る少女を見て、女は視線を落とす。
「ねぇ、友香ちゃん。お姉ちゃん気持ちよくないんだって、困ったわねぇ。
じゃあ、ちゃんと気持ちよくなれるように、手伝ってあげなくちゃね」
女の手が佐弥香の股間に伸び、充血したクリトリスを剥き出しにする。
「舐めてあげて」
「だ、だめ、友香、今されたら、わたし、わたし……」
「おねぇちゃん、あたしがきもちよく、してあげるね」
友香の舌が剥き出しの肉芽に触れ、舌先で転がすように舐め回す。
「ひぃっ! あ、だ、だめっ! うあ、や、で、でちゃうぅぅ、だめぇぇぇぇ!!」
敏感な部分を刺激され、仰け反る佐弥香の股間から、黄色い水が噴き出した。
「んあっ! あ、あは、あつぅい、ん……んく、んく」
尿液を浴びる友香はそのまま股間に口を付け、それを飲み始めた。
「あ、あ、飲んで、る? 友香、だめ、そんな、あ、ああああああ……」
喉を鳴らして自分の尿を飲む妹、今も体内を抉り続ける長大な肉棒、肉体を舐め回す長い舌。
その背徳的な姿が、膣奥を擦る快感が、体を這う生温かな感触が、彼女から理性を、思考を奪う。
日常の風景、家族、友人達、そして恋人の顔、それら全てが白く滲み、塗り潰され、彼女の脳裏から
消えていった――――
――――再び友香の肉体を蹂躙し始めた異形に、女が声を掛けた。
異形の赤い眼が動き、女の姿を捉える。
『ギュル?』
「そろそろ交換しない? 佐弥香ちゃんもうこんなだし……」
床に倒れ伏している少女を指差し、おどけるように肩をすくめる。
四肢を痙攣させている以外は何の動きも示さず、開ききった秘部からは大量の白濁液が溢れ出し、
床に広がっている。
秘肉はめくれ、痛々しく腫れ上がり、かつての形状は失われていた。
目は有らぬ方向を向き、半開きの口からは舌と涎が垂れ、ただ呼吸を行っているだけだった。
『ギュルル……ギュルルルル』
「加減しろって? あんたに言われたくないわよ」
怒ったようにそっぽを向く女を、異形はやれやれと言った感じで眺め、倒れている佐弥香に触手を伸ばし、
代わりに友香を床に降ろす。
佐弥香の口に深緑の触手を滑り込ませ、口内に液体を放つ。
「んぶっ……ん、んん、んぐ」
再び活力を取り戻した佐弥香は、喉を鳴らしてその液体を飲み始める。
横たわる体に触手が巻き付き、自らの元へと手繰り寄せていく。
それを見届けた後、女は踵を返して、もう一人の方へと歩き出した――――
―――粘液にまみれた震えている体をくねらせ、女を見上げる。
怪物に注ぎ込まれた体液で、腹は妊婦のように膨れ上がり、開いた両穴からそれを垂れ流している。
「今度は私があなたを犯す番……しかし、ヒドいわね」
それを見下ろし、口の端を吊り上げると、仰向けになっている体の、膨らんでいる腹の上に
足を乗せる。
「あ……ぃ、や、やめっ………ぐぎああああああっ!!」
女の足に体重が掛かり、膨らんだ腹を押さえ込む。
友香の口から叫び声が上がり、下腹部から大量の濁った液体が吹き出した。
「あはは、でるでる、よくもまあこんなに出したもんね」
楽しい遊びでもしているかのように、声を弾ませ、足に体重を乗せていく。
膨らんでいた腹は、ほとんど元の状態に戻り、おびただしい量の液体が、床に広がる。
息を荒げ、焦点の定まらない目は、宙に投げ出され、どことも知れぬ場所を見つめている。
女の舌が、友香の恥部へと下りていき、体内に侵入する。
「ひっ! あ、うあ、や、ん、っああああ!!」
「へぇ、よくほぐれてるわね。これならすぐ入るかな……」
膣腔から舌を引き抜き、友香の片足を持ち上げて、そこに自らのモノをあてがう。
下腹部に触れる熱い感触に、ビクリと友香の体が引き攣り、視線を下ろした少女の顔が強張る。
「あ……や、いや、そんな、おっきぃの……むりだよ」
「だいじょうぶよ、お姉ちゃんは全部咥え込んだんだから」
友香の顔を舐めた後、一気に膣奥に突き入れた。
「ぐああああぁぁぁーーーっ!!」
触手より二回りも太い肉棒に貫かれ、少女の断末魔にも似た絶叫が、室内に響き渡った―――