雑木林の中、獣じみた悲鳴がこだまする。  
「はひ…ィィ はひイイ! ッッ! ンがアアアアアアアアアアアアアァァアアッ!!」  
ソレは自分を運んだ揺り篭から十分に成長した体を乗り出した。  
8つの眼球が見つめる眼下にはベットタウン。  
ソレは本能に従うまま、近くの民家に忍び寄る。  
 
「ただいまー 」  
美樹の日課は決まっていた。帰宅したら自室に行き制服を脱ぎ、ポニーテ―ルにしている  
黒髪をおろす、何気ない日常だった。  
「おかえり。美樹、お母さん買い物に… もう、落ち着きが無いんだから」  
桜子はあきらながらもエプロンを掛けショートカットに似合う服を選びお出かけの準備をしていた、何気ない日常だった。  
 
「あー今日もよく勉強し、キャっ!」  
部屋で背伸びする美樹に突然なにかが覆いかぶさってきた、押し倒されうつ伏せになった美樹は何事かと振り向くが…  
「いたた、なーに? ……え? ヒッ! キっ ムグッ! グゥーーッ!」  
居たのは美樹の上半身ほどもある見たこともない蟲だった。蟹の様な足が6本と8っの目、  
柔らかそうに蠢く茶色い腹、蜘蛛の下半身にナメクジをくっ付けたような化け物が背中に圧し掛かっているのだ、生理的嫌悪から悲鳴を上げた美樹の口を化け物が吐き出した粘液が塞いだ。  
「ムゥ――――――ッ! ンン―――!!」  
(いやぁぁ!! 何、なにこれぇっ! 背中に! 気持ち悪い、ひぃぃぃっ!!)  
混乱して必死で暴れる美樹を蟲は素早く手足を粘液で床に貼り付けていった。  
美樹はもはや図鑑にあるようなにされた哀れな標本になっている。  
 
蟲の行動は本能が命令するまま、一切の無駄が無かった。  
美樹のショーツに下半身を潜り込ませ、ぬるぬると舐めまわすように美樹の肛門をなぞる。  
「ンム――! ムウウウウ!!」  
(イヤイヤイヤァ! こいつお尻に入ろうと…! 助けて!お母さん、だれかぁぁ!!)  
下半身に力を入れ挿入を拒む美樹に蟲はすぐさま対応した。  
その子供の腕ほどもあろうかという前足2本をおもむろに突きいれたのだ  
「ムゴォォォ!! ぎィィィィィィイイイ!!」  
蟲に容赦など無かった。前足で美樹の肛門をこじ開け、巨大な舌のような下半身をその中に根元まで滑り込ませ、次の瞬間、野球ボール大の卵を猛烈な勢いで注入し続けた。  
 
ボリュッ!ドズッ!  
「おぐぇぇぇぇぇ……!!! ムグオオオオォオォオオっッッ!!」  
(死ぬ、死ぬぅっっ!! お腹がやぶれ、ぎひいぃぃぃー!!)  
グブリュッズブブッル!  
(だずげでぇぇぇっ あぎゃあああぁっ! だずけてっ! うぐえぇぇ…)   
 
 
「美樹―、おかーさん買い物に行ってくるから留守番お願いねー」  
二階に向け桜子は告げると返事が無いのも気にせず出かけていった。  
「ム、グォ、ォ… ォォ…」  
白目を向き、涙と鼻水を垂れ流し、下腹部を歪に膨らませ失神する美樹がいる  
1部屋だけの地獄を残して。  
………………  
……  
…  
どのくらい時間が経ったのだろう、己の腹の中が蠢くのを感じて美樹は目を覚ました。  
「えっ…あ、あ、おね、お願い、夢よね?こんなの、ひっひっ、うう…」  
どこへ消えたのかあの化け物の姿は見えない。  
ただ呼吸のためか口の粘液は溶かされていたが四肢は動かず、何より下腹部の中で何かが  
動いている恐怖は意識を覚醒させたことを後悔させた。  
「ひ、いいぃぃぃっ!いや、いやぁぁ!なに!なんなのよぉっ」  
頭をよぎるある想像、ソレを振りほどこうと暴れる美樹に黙れとばかりにドスン!と腸内から衝撃が響いた。  
「うぐぅえっ! げぇぇぇ…… ぐ、苦しい… ぐっ、うがぁぁぁあああ!!」  
続いて自分の内臓を許容範囲を超えた何かがズルリと移動する痛みが襲う。  
腹を食い破られる!そう思った瞬間またもや腸内を押し広げながら進む蟲。そう、せっかくの苗床を壊すようなことはこの生き物はしなかった。  
ズルリ、ズルリと内臓の痙攣を無視して無理矢理出口へと向かう幼蟲に美樹は翻弄され続けた。  
「うげぇ!ひっひ…ぐぇぇぇ! うぅ…おぁぁぁぁ……! や、やめへぇ、もうやめへ……おなかぁ、やぶれちゃふぅ……!あ、あぉぉぉぅ!」  
蟲が他の卵を掻き分け進むたび美樹の腹はボコボコと脈打ち、その苦しみの凄まじさを物語るが、美樹はそこに目を向ける余裕は無く、眼は虚ろで涎を垂らしながら妊婦のような呼吸を繰り返しているばかりだった。  
「あ、がぁ……ぐぅぅ! で、るぅぅ、出るぅっっ! ハヒッ!ハヒッ! おぁあああ……っっ」  
遂に蟲は肛門にまでたどり着いたが、幼生とはいえその大きさをバレーボールほどありどう考えても出れるようなサイズではない、そこで蟲は恐るべき行動に出た。  
「ひきゃあっつ!? な、なにぃ? もう、もう許して…、助けてぇ… えぁ? き、きゃぁぁぁああ! ひいいいいいぃっ!」  
なんとか首を動かして後ろを向いた美樹は青ざめた悲鳴をあげた。  
己の尻から異常な長さの蜘蛛の足が出てその柔らかい臀部を掴んでいる。  
「やだやだやだぁ!あ、ああ! また、またでるぅ! でるぅっ ひいいい!」  
ジュポッっと音を立て二本目の節足が肛門を飛び出した。今度は一本目とは逆の方向の尻肉をわし掴みにして固定する。  
「た、助けて、お母さんお母さん…ヒィっ!ま、また…うぉぉおおおえっっ!」  
ズポッ!三本  
ボジュッ!四本……  
 
 
「う…、げぇ…、あ、が、あああ…」  
ついに蟲は甲虫めいた足全てを美樹の肉穴から突き出し柔らかに形を歪ませる尻肉を鷲掴みにしていた。  
親のものよりも小さいがその太さは赤子の手ほどもあり、美樹の肛門はみっちりと広げられ、本来なら腸壁が見えるはずだが今はそこには母体から這い出そうとしている蟲が顔を覗かせている。  
 
   
「はがああああぁぁぁ……ッ、かはっ、あ……ぐぅ……ッ……ぎいいいいいい!!」  
 
 

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