「おい、起きろ」  
耳に響く無粋な声、相手を気遣う要素など微塵も感じられない。  
その不快な声によりアカネは目を覚ます  
 
『う……ん……』  
 
目を開ける前に少しだけ記憶を整理してみた。  
確か…強力なデスパイアを三人で撃破して…その後みんな捕まって…抵抗したけど殴られてそれから…  
ここでアカネの記憶は途絶えている。先ほどの声の主はデスパイアとみて間違いないだろう  
「目覚めてるんだろ、さっさと起きろ!」  
 
ドガッ!  
 
『つっ!!…』  
目を瞑っていたので分からないが、恐らく触手の一撃によりアカネは仰向けに転がる  
どうやら敵は紳士的に振舞うつもりはないようだ  
顔を顰めながら彼女は初めて目を開ける。  
 
『ここは…………きゃ!』  
目を開けて周りを見回すも即座に手足に絡みつく触手。  
一瞬にして自由を奪われたアカネは拘束者に目を向ける  
『デ、デスパイア…!』  
目の前にいる異種生物は同じ悪魔のような人型の形状をしているものの、下半身は完全に触手の束によって構成されている。  
もちろんアカネを拘束する触手もその中から出されていた。  
アカネは異種の敵を精一杯の強気な視線で睨み付ける。例え効果が無くとも魔力の切れたアカネにとっては唯一の抵抗だから  
例えそれが虚勢であっても…  
 
『な、何をする気…なの…』  
 
彼女の表情や視線は強情であっても言葉の端に恐怖を隠し切れない。  
それを感じ取ったのかデスパイアはその邪悪な表情を更に歪ませる  
アカネが恐怖を感じるのも当然だ。  
怪物に対する根本的な恐怖、手足に巻き付く触手の嫌悪感、そしてデスパイアがこれより齎す(もたらす)恐怖…  
 
「何をするって?…決まってるじゃないか」  
 
獲物ににじり寄る様に多数の触手を左右にいやらしく振りながらアカネの身体に近づく。  
だがワザと触手を肌に這わせるに留め、敢えて彼女の恐怖感を煽っていく  
 
『ひっ!!……や、やめてよ…』  
 
つい先程まで彼女にあった攻撃的な仮面も本物の恐怖の前には脆くも崩れ去る。  
歯の奥は振るえ頬は引き攣り目尻には涙も溜まり始めた。  
デスパイアはアカネの怯え具合に満足したのか触手の動きを一旦止め、声を…いや、宣言を発した。  
 
 
「エンジェルとの子作りさ…」  
 
 
『い、いやぁーーーーーー!!!!!』  
アカネの悲鳴がゴング代わりとなり触手達が侵攻を開始する!  
両足にそれぞれ絡みついた触手が左右に開く。  
それと同時に彼女のスカートが簡単に破り取られて下半身は最後の砦を残すのみ。  
対して腕に巻き付く触手はそのままデスパイアの手元に引き寄せられる。  
するとアカネは前方に膝を突いて倒れこむ形となる。  
結果的に彼女はうつ伏せ状態で膝を立て、下着に包まれた尻を高く突き出す格好となってしまった。  
その恥ずかしい体勢に気付いて身体を動かそうとするも、いち早く触手が膝や腰や肩に回ってそれを許さない  
 
『やだっ!!…子作りなんてっ!…卵なんて要らないっ!!』  
 
感情のままに叫ぶ。もう強がりや使命感とか反抗など関係ない  
アカネにあるのは異種生物強制妊娠という彼女の尊厳を完全に無視して踏み躙る行為を回避したい一心のみ。  
デスパイアの繁殖方法は分裂か卵生。だがエンジェルを用いた繁殖方法となれば答えは一つだけだ。  
 
だがしかし、ここでデスパイアは意外な発言をするのであった。  
 
 
「卵?あいにく俺は卵は作れないんでね…」  
 
 
どういうことだろうか?  
もしそれが本当ならばこのデスパイアは分裂型に分類される筈だ。  
彼らの繁殖にエンジェルは必要ない  
 
『ど…どういうこと…?』  
 
聞かずにはいられなかった  
 
「分裂型でもな、エンジェルを孕ませたい願望があるわけよ。」  
 
何のコトか分からない。  
その時、混乱するアカネの視界に他の触手達とは明らかに形状の異なる触手が映ったのだった。  
 
『な、ナニそれ……ま、まさか、ソレで…』  
 
その触手は太い一本の触手の表面から無数の極細触手が隙間無く生え揃い、その一本一本が独立した生物の様に蠢いている。  
形状を例えるならば化学の実験で用いる試験管専用のブラシと言ったところだろうか…  
 
「ご名答、コイツでどう犯れば孕むのか…お前の身体を調べさせて貰うぜ」  
 
言うや否や下着の側面と股下部位が紙の様に一瞬で破り取られる。  
すると未だ濡れるどころか触れられてもいない秘部と窄まりがデスパイアに晒された。  
 
『やだ…そんなの無理!!入るわけない!』  
 
一度貫かれたといえどもアカネの膣は広くない。むしろ狭い  
一般的な男根よりも二周りは太い触手に加えて表面の極細触手分を考慮すれば受け入れは不可能なのが容易に理解できる。  
 
『お願いだから!!何でもするから!!…ヤメて!』  
 
無理とは分かっていても、聞き入れられないのは分かっていても懇願し、  
逃げられないとは分かっていても彼女は尻を左右に動かして極悪な触手から遠ざけようと必死になる。  
だが、そんな行為も周りから見れば雌が尻を振っているようにしか見えないのが皮肉だった。  
 
そうやって逃げれたのも僅か数秒のみ。直ぐに触手は入り口に触れる  
そしてデスパイアは愛撫の「あ」の字も行わずに無理矢理、力ずくで、有無を言わさずに突入を開始した!  
 
 
ごりゅ!!…ぐりりゅ…グググググニュ!!  
 
 
『いだい!いだいいだい!!ムリだってば!絶対ムリーーーーー!!!』  
 
アカネの肉壁が触手の侵入を全力で拒むものの、突撃兵の勢いは止められる物では無い。  
無理な挿入に下腹部が軋みを上げる。  
 
『裂ける!裂けるぅーーーー!もう、やめてよぉ!!!』  
 
あまりにも大きすぎる激痛にアカネは腰を動かして楽なポジションを探すのだが、根本的にモノが大きいので意味を成さない。  
指先も震えて、ただただ痛みを堪えるのみ。涙は堰が崩壊したのか止まる様子が無い。  
「流石にキツイな…」  
デスパイアも潤滑油が無くて苦しいのか言葉を漏らす。でも止めるようには全く見えない  
 
ずりゅ…ズブブッ!……ゴブ!!  
 
一体何処まで奥深く容れるのだろう…  
尤も、アカネは自分は何処まで占領されているかも分からない状態だが  
 
「ふう、やっと子宮口まで着いたぜ」  
 
なんと彼は膣の最奥、へのゲートまでたどり着いていた  
ここで一旦侵攻は止まる。と同時に幾らかアカネの負担が減少した  
 
『くぅ…し、子宮口……?』  
 
下腹部に鈍痛の響く中で聞こえた言葉を確認するように呟くアカネ。  
だが、それは新たな痛みの始まりだ  
 
ズグリュリ!!!!!!  
 
『がぁあぁあああああーーーーーーーーー!!!!』  
 
恥も外聞も無い。ただ悲鳴という名の音を発するしかない  
身体を裂かれるような痛みと身体に杭を打ち込まれたような痛みが同時に襲い掛かる。  
その出鱈目な衝撃にエンジェルという強靭な肉体を持ってしても一時意識を手放さざるを得なかった。  
 
『ぐ…あぁ……』  
意識を取り戻すも未だ下腹部は鈍痛を生み出し続ける。  
アカネは気付いているだろうか。これだけの陵辱を行ってもデスパイアの責めは途中なのだ  
「さて、準備完了。早速調べさせて貰うか…」  
その一声を境にアカネのナカに入り込んだ触手が活動を開始する。  
軸となっている触手は動かないものの、極細触手が媚薬粘液を吐き出しながら一斉に動き出したのだ  
 
にゅるにゅにゅにゅんりゅるるるるる!!  
 
『ああぁぁあぁあ!!動いてる!ナカで…ダメ……嫌ぁ!』  
先程の拷問とはうって変わって苦痛ではなく快楽を与える動きとなっていた。  
だが、それはデスパイアが彼女の身体の内部を調べる際に生まれる副産物、  
デスパイアに愛撫しているという意識は無い  
 
ぬりゅにゅにゅるくちゅにゅる!  
 
『ふぁぁあ!…ダメ、そんないっぺんに…んひぃぃぃん!!』  
子宮壁を膣道を容赦なく弄繰り回す触手群。  
極細がヒダの内側から子宮内部まで同時に丸洗いするかの如く撫で回す  
もう媚薬粘液は完全にアカネの膣壁に浸透し尽くしているのだ。  
『だめぇ…もうだめぇ…おかしくなっちゃうぅ』  
極悪な痛覚から極楽な快感へ。  
本当は1人のエンジェルとして感じてはいけないのだ。それを考えると痛覚に塗れて居た方が楽だったかもしれない  
アカネの快楽に対する抵抗力など今押し寄せている快楽の前では全く問題にならないのだから…  
 
チクッ  
 
『いつっ…な、なに!?何をしたの…』  
突然の小さな痛み。細い針で浅く突かれたようなソレはアカネの内部…下腹部の辺り  
そう、子宮の辺りからだった。  
「言ったろ、隅々まで調べるって。子宮の更に奥までやらないとな」  
子宮の奥、それは卵子の歩む道  
その先には卵子の貯蔵庫である卵巣が…  
『やだっ!…もう…もうやめてぇ!…』  
遂に極細触手は最奥の卵巣まで辿り着く。もう言葉では言い表せない敗北感、失望感、悲壮感  
 
くちゅくちちゅる…んちゅう…  
 
内部で極細触手が作業を継続している。もうアカネのナカで犯されて、蹂躙されていない所は存在しない。  
それから少しして全ての触手が一旦動きを止める。どうやら調査は終了したらしい  
「ふ〜ん、内部に魔力が常に循環してて受精だけは防いでるみたいだな。」  
結論を出すデスパイア。彼らを研究している機関なら喉から手が出るほど欲しい情報だろう。  
だが、それを知るのはデスパイアのみという皮肉  
 
『終わった…の…』  
やっと陵辱が終わった。後はこの触手が膣から抜かれれば一先ずの休息が得られる。  
 
ほんの少しでいいから安らぎが欲しかった…………でも  
「それじゃ、射精させてもらうから」  
 
ぐにゅるるじゅちゅちゅちゅりゅ〜〜〜!!  
 
『はぁうぅぅぁあああ!!そ、そんなぁ!!』  
再び…いや、以前よりも活発に動き回る触手とソレに生えた極細触手達。  
一瞬気を抜いたアカネの神経は不意打ちを受けて直ぐに振り切れる  
「ああ、触手全部から射精するからそのつもりでな」  
触手全て…それは彼女の膣に打ち込まれた柱だけでなく、枝分かれした無数の触手も該当するということだ  
『えっ!?…無理!!壊れる!そんなの絶対コワれちゃう!!!』  
 
じゅるじゅぷにゅちゅじゅちゅぐちゃずちゃ  
 
加速する触手、昇るアカネ、近づく終焉…  
『あっ!…いやっ!…ん!…ダメッ…これ以上…は…』  
自分のナカで蠢く触手の幾つかが細かく振動し、何かを堪えるような動きをしていくのが分かる。  
その【準備の整った】触手は着々と数を増やしている。  
まるで何かをタイミングを合わせるように  
『ま、まさか…い、いっぺんに!?!?…ダメッ!!…あぁ…ああ!!…く、来る!来ちゃうぅぅうう!!』  
アカネが恐怖の声を上げると同時に全ての触手の発射準備が整う。  
一斉に開かれる射精口。一斉にデスパイア本体から触手に送り込まれる液体  
そして遂にデスパイアは己の触手を通して欲望という名の白濁を放出したのだった!!  
 
どっっっっぴゅるるるるる!!!どばびゅるっっっっぷ!!!ぶびゅゅゅゅゅゅ!!  
 
『がぁぁあああっぁあああああぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!』  
一瞬にして意識を刈り取る一斉射撃!!  
全ての触手から放たれる精液。さながら零距離でのショットガンだ  
白濁量も凄まじく、一瞬だけアカネの下腹部は大きく膨らむ。  
その直後、胎内部の高水圧が触手との結合部にほんの僅かな隙間を作り出す。  
そして、その小さな逃げ場から先を指で潰したホースの様に弧を描いて放出される邪液  
 
 
もう無理だ。意識なんていらない――  
どうせまたコイツの慰み物になるんだろう―――  
 
そんな諦めの感情を抱いてしまった瞬間、アカネは天使としての資格を失った…  
後に残るのは抵抗する意思の失われたデスパイアの地獄の責めに耐えうることのできる少女  
 
 
 
 
後編に続く  
 
 

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