前回の出動より一日後…三人は多目的会議室にて講義を受けていた。  
何故こうなったか、それは本日の朝に遡る  
 
 
 
今日も三人は食堂にて朝食を共にしていた。もはや朝の恒例行事である  
先日は出動と戦闘、事後処理に追われさらに帰還後に訓練を行った為に疲労が溜まったのか、三人とも若干テンションは低めだ  
「アカネ、霞、今日は訓練は無しだから」  
「え!?なんで?」  
「今日はデスパイアの生態を研究している人が来るから特別講義だそうそよ」  
「講義ですか〜。これなら疲れないですみそうです〜」  
「そうね、昨日は少しハードだったから骨休めにはいいわね」  
「よかったです〜…………?アカネちゃんどうしたの???」  
「う〜〜ボク勉強は苦手なんだよ〜」  
うな垂れるアカネ、それを笑う二人。なんとも平和な日常の一コマ  
 
 
 
場所は変わって多目的会議室…名前の通り会議に使われたり今回のように講習会など用途は様々だ  
『おはよう、エンジェル部隊の方々。私はデスパイア研究機関のレベッカ・ロッカ。』  
挨拶したのは20代後半の知的美人と言う言葉がぴったりな白衣を着た女性。自然と背筋が伸びる  
「はっ!!こちらエンジェル部隊小隊長吹雪玲奈であります。」  
「同じく隊員花菱アカネです」  
「同じく月影霞です」  
三人とも敬礼。レベッカの出す雰囲気に緊張したのか形式ぶっていた。  
『堅苦しいのはここまでにしましょう。それじゃ授業を始めるわよ』  
表情を崩しながら少しおどけるレベッカ、どうやらあまり堅い人ではないようだ。三人も安心したように肩の力が抜ける  
こうして話は冒頭へと戻ることとなる  
 
 
 
『未だデスパイアについては解っていないことが多いわ。目的も発生源も不明、解ってるのは彼らの栄養源と繁殖方法ぐらいよ』  
講義が始まりメモを取る霞、真剣に聞く玲奈、解っているのか解っていないのかアカネ。それぞれの性格が現れている  
『まず栄養源としては固体別に分かれるわね。でも共通しているのは栄養を摂取する過程で女性を襲うこと…』  
皆の顔が険しくなる  
『一つは女性の膣内分泌液……要するに愛液を栄養とするタイプ。これらは下級のデスパイアに見られる傾向ね…』  
表情を一つも変えずに淡々と話すレベッカ。だが三人は少し恥ずかしそうだ  
『もう一つは女性の魔力を吸収するタイプ。中級以上はこちらと思ってくれていいわ。一般人が持っている魔力は微量よ、だけどエンジェルが持つ魔力は強大で彼らにとっては魅力的なの  
 だからエンジェルは負けられないよ』  
「先生!!質問です。」  
『何かしら?えっと…アカネさん』  
「最初の…その…あ、愛…液…を吸収するのは解るんですけど、魔力はどうやって吸収するんですか」  
必要だったとはいえ淫語の発言に顔を赤らめる  
『いい質問ね…それは女性が絶頂を…つまりイクとデスパイアが魔力を吸収可能な状態になるの。一般人は一回で尽きちゃうぐらいだけどエンジェルは別。  
 クリスタルの身体保護機能のおかげでどんな責め苦にも身体は耐えちゃうから』  
レベッカの発言はどんどん過激になっていく  
『それに合わせてエンジェルが絶望したときの魔力は彼らを強化することも解っているわ、これがエンジェルを優先的に犯す理由。  
 ……魔力を吸われなければ、イかなければいいなんて考えも捨てて頂戴。彼らの陵辱は強力なんてものじゃない。直に体中の穴に突っ込まれて蹂躙されてしまうから』  
アカネの顔がさらに紅くなる。玲奈もなんだかソワソワしており、霞にいたっては下を向き完全に赤面状態だ  
『デスパイアの栄養に関してはこのくらいね…それじゃ本番の彼らの生殖に移るけど皆大丈夫?』  
朝に骨休めにいいとか言ったやつは誰だ?この講義は訓練よりもキツい…  
 
『デスパイアの生殖は大きく分けて二つ……分裂型と卵生型よ』  
『分裂型に関しては気にしなくていいわ…これは成長したら細胞分裂のように二つに分かれるの…強さも半分だけどね』  
『問題は卵生……だけどその前に彼らの精液について解説しておくわね』  
ピンクな雰囲気の三人に構うことなく解説を続ける  
『まず彼らの精液はヒトの卵子とは受精不可能よ…これは覚えておいて。つまり大量に膣内射精されたとしても孕む心配はないわ』  
当然のように発せられる淫語にもレベッカの表情は崩れない  
『ただそれは今現在のこと。彼らが進化すれば受精も妊娠も可能になるかもしれない…だからできるだけ膣内は避けて頂戴』  
それでも律儀にメモをとる霞、残り二人は完璧に挙動不審だ。  
『では卵生による繁殖だけど、少し長くなるから覚悟してね』  
 
―――戦慄―――  
 
『卵生は分裂と違って強さが半分ということが無いので危険よ。さらに子供は親に比べて進化する可能性があるの……卵生のメリットはこのくらいかしら』  
『彼らの卵はエンジェルの子宮や腸内で孵るまで育てられる……何故ならエンジェルの魔力が卵の成長に必要だからよ』  
『卵が孵るまでの期間は固体によって異なるというくらいしか解っていないわね。』  
『大きさも固体によって色々、小さいのはイクラぐらい、大きいのはテニスボールくらいの物まで報告されているわよ』  
『これらの卵はデスパイアの持つ輸卵管を通してエンジェルの子宮内や腸内に産み落とされるの。この輸卵管は透明や半透明であることが多いらいしいのから、参考にして頂戴』  
『それから彼らに卵を産み付けられた後は輸卵管の換わりにデスパイアの輸精管…要するにチンポを差し込んで射精されるのがほとんど。これで妊娠完了となるわ』  
「せんせ〜い…対処法はないんですか〜〜?」  
必死にメモを取っていた霞が顔から湯気を出しながら手を挙げる。空気嫁とか聞こえてきたような気がするがとりあえず無視  
『対処法?どの段階かしら?』  
「え〜っと……その、に、妊娠……してから…です……」  
頭から湯気が見える状態にて質問する。もう限界かもしれない  
『それに関しては大丈夫よ。卵が孵る前、出産の前までに救出されればの話だけど…』  
『それはね……ヒトの精液を注入するの、そうすれば相殺することができるはずよ。救出されたときに頼べば精液が支給されるはずだから処方するといいわ………でも彼氏がいるなら頼んだほうがいいかもね……フフ』  
 
『と、今回の講義はこんなところね、質問が無ければ終わりにするわよ』  
そこにはノックアウトされた三人がいた…  
『それじゃここまで!今回得た知識が無駄になることを祈ってるわ』  
レベッカが部屋を出て行きエンジェル達は取り残された。  
「アカネちゃん……恥ずかしかったね……」  
「うん……でもボク達には必要な知識なんだよね…」  
霞はうなずく……そう…いつ彼女らが講義の話のような状況に陥るか分からないのだ。  
「それじゃ行こっか…玲奈さん!行きましょうよ」  
「………………………………………」  
返事が無い…どうやら玲奈のダメージが一番大きかったようだ  
 
 
 
 
 
その日の彼女らの日誌が空欄な理由を知るものは少ない…………  
 
 

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