今日は紅い満月…
彼奴に出会った夜もこんな月の夜だった。私の足下で伸びをしている黒猫…リウに出会ってからの私はこの世界の『裏側』ってやつを知ってしまった。
「考え事か、雫?」
「リウ…。何で私だったの?」
猫が喋るなんて非常識にはもう慣れた。だって私は…
魔法使いだから…
―朝―
トーストの芳ばしい匂いと珈琲の白い湯気。私は高校の制服に身を包み朝食を食べる。私が朝の一時を過ごしていると寝室のドアが開く音が、
「おはよう。雫」
「おはよ、リウ。今日はミルク温める?」
自分でやる、と黒猫のリウが冷蔵庫を見つめる。冷蔵庫が独りでに開き牛乳が空中を滑るようにリウの元へ、ご丁寧にお皿もついてきた。リウは自分の朝食を用意しながら
「昨日は危なかったな…どうしたんだ雫?」
リウのお説教…朝から勘弁してもらいたい。私にも調子の悪い時くらいある。
「別に…勝てたから良いじゃない」
「…あのなぁ、雫。敗けるって事は…」
「学校行って来る。リウ、戸締まり宜しく」
「お、おい雫…」
私は鞄を持つと玄関に向かって歩く。後ろからリウの声と溜め息が聴こえたが気にしない。無視して玄関のドアを開ける…
朝の陽射しが私の目に映りこんだ。
「朝は苦手だな…太陽なんて無くなれば良いのに」
―くだらない…
先生の授業に学友とのお喋り…私には要らない。
早く終れ…
刻よ走れ…
早く…速く…太陽よ沈め…夕闇よ…夜よ…はやく私の元へ…今日も私に闘いを…
触手共との闘いを…
―夜―
「雫…どうした?最近…」「リウ。五月蝿い。」
来た。私の獲物…。触手の波動…。愉しい、私の心を震わせる。触手共との舞踏会…
「来るぞ!触手だ!」
「わかってる。狩りの時間よ」
私は手に魔力を込めると空中から鎌を取り出す。具現化した触手に踊りかかる。鎌に薙払われ触手が空を舞う。今日は数が多い久しぶりに楽しめそう
「あははっ、皆殺しよ。もっと…もっと出てきなさい!」
「おい!雫。何言ってる…」
リウが私に鋭く瞳を向けた瞬間―
リウの身体が弾き跳ばされた。地面に叩きつけられ遠くで微かに身体を震わせている。
「リウ!大丈…」
油断。最悪のタイミングで私は後ろを振り向かえってしまった。両手両足を触手に絡め捕られ身動きを封じらる。圧倒的な力で引きずられ魔力を集中する暇もなく触手の現れた空間―
空中に開いた穴の中に私は投げ込まれた…
「くぁ…触手が絡みつく…乳首駄目ぇ…引っ張らないでぇ…あんっ…そこは…」
穴の中は地獄だった。触手の住処…何万もの触手がうごめき、私の身体に絡みつく。触手からの拷問。地獄は始まったばかり…
服なんて瞬間的に溶かされた。私の身体にまとわりつく触手…ヌメヌメして気持ち悪い。乳首とクリトリスを細かい毛の生えた細い触手が摩耗していく…
「んん…ふぁ……気持ち…いい……んぁ…だめ…イキそっ…何っ?ぐぇぇ…」
触手がいきなり私の首を絞め上げる。凄い力…息が…死ぬ…でも乳首が…クリトリスが…気持ち良いよ…
「ぐぇ…かはぁ…辞め…ひぅ…ふひぅ…あぁぁぁ…」
舌が自然に唇から垂れ、頭の中が真っ白に…気持ち良いよぉ…死ぬほど気持ち良い。ううん、私このまま殺される。私はオシッコを垂れ流し意識も無く…すると
「ゲホゲホ……首絞めるの…辞めたの?…あぁ…クリトリスらめぇ…イクぅ!」
首絞めを解放され私はクリトリスからの強烈な快感でイってしまう…しかし休む間もなく触手がまた首筋に這う。怖い…首絞めないで苦しいのと気持ち良いのがごちゃごちゃになる…助けて
「くひぅ…くひぅぅ…首絞めな…グェ…」
首絞めと乳首クリトリス責めを二十回も繰り返されると私は…
首絞めてぇ…気持ち良いよぉ…オシッコ漏らしながらイクの気持ち良いぃ…
と触手におねだりしてしまう
「あれ?今度は腋に…あははっ…くすぐったい…駄目…あはっ…辞めて…あんっ…触手がお尻の穴に…駄目そこは!…あははっ、らめぇ…」
強制的は笑いでろれつの回らない私に触手はお尻の穴を責めたてる。感覚が狂う。苦しいのが気持ち良い…くすぐったいのが気持ち良い…頭が変になるよ。
―どのくらい時間がたったの…1日?一週間?それとも…まだ数時間…?
「たすけへぇ…くるう…しずくだめになっ…ぐぇ…首絞めきもちいぃ…あひゃぁ…くすぐり好きぃ…」
私はただ首を絞められるだけでイク…
くすぐるだけでイク…
完全に調教されちゃった…
あとは……
「早くオマンコしてぇ…しずくをだめにしてぇ〜!」
触手は私のおねだりに反応したのか、オマンコに男性器を模した触手をねじこむ。私はリズミカルな煽動に甘い声を響かせた。
―しかし、四方から鞭状の触手が迫り激しく打ちつける。私の身体全体にミミズ腫れが飾り付けられた。
「痛いっ!痛っ…あんっ…らめぇ…らめぇぇ…イク…しずく堕ちちゃうぅぅ…」
グチュグチュ…
もうだめぇ…何も考えられない…考えたくない。オマンコ気持ちいいよぉ…死ぬまでこうしていたい…
パキッ…
ピキピキッ…
アハッ…雫をもっと苛めるてぇ…狂わせてぇ…幸…
バキーン!
触手地獄に破裂音が響きわたった。触手達が明らかに動揺し私から離れ、個体を形成しはじめる。
「雫っ!大丈夫かっ!」
私は声のした方へ気だるく顔を向ける。そこには、見知らぬ美女が立っていた。全身黒づくめ、長い黒髪をたなびかせ地獄を叩き割った穴から軽やかに私の元に降り立つ。
「誰?」
「説明は後!今は逃げるぞ」
言うが早いか、私を抱え謎の美女はもと来た穴に身を滑らす。現実世界に戻ると穴を魔力で塞ぎ汗を拭う。
「間一髪!…雫。平気か?」
「…もしかして…リ…」
私はこの時、意識を失った…
気が付いたらベットの上。隣には、多分リウだと思う美女が仁王立ちで立っていた。明らかにキレてる…
私は寝た振りをしようとしたら…
「雫っ!起きてるだろ!全く、あれほど敗けたら…」
「説教しないでよ…私…私…ふぇぇん…怖かったよぉ、頭が変になりそうで…気持ち良くて…」
途端、リウは優しく私の頭を撫で抱き締めてくれた。いい匂い…安心できる…
「傷は治して触手の毒気は抜いたけど暫くは、ゆっくり休みな」
「うん…ありがとう…」
「はぁ…まったく。半年貯めた魔力がパーだよ…まっ、雫が無事で良かった」
「ごめんなさい…あの…後…リウの変身ついでに…」
「何?」
私は太股を擦りながら
「リウ…Hしよ?」
「……しょうがないわね…」
夜は好き…今日は初めて人の姿のリウに抱かれる…
猫の時の舌も好きだけどね。まどろみながら私は窓から入り込む月の光を片手で掬った…
【終り】