雲一つない、快晴の日曜日。あたいは猫ニャン2人を連れて公園に遊びに来ている。  
もちろんパパ代わりのアイツも一緒だ。家族揃ってのお出かけって訳だ。  
あぁ?テメエ勘違いすんじゃねぇぞ?猫ニャンを遊ばせたいから来ただけだ!  
別にアイツと一緒にいたいとかじゃねぇからな?ヘンな事考えやがったら明石海峡に沈めっぞ!  
 
 猫ニャンと一通りの遊びを終えたお昼時、  
あたいは朝5時に起きて作ったお弁当箱を広げ、アイツに食べさせる。  
……う、美味いといってくれんのか?不味いなんて言いやがったら紀伊水道に沈めっぞ!  
あたいの苦労して作ったおにぎりに手を伸ばすアイツ。  
あたいはそれを猫ニャン2人をギュッと抱きしめて見守る。  
アイツが不恰好なおにぎりをパクリと一口食べた。思わずゴクリと唾を飲み込むあたい。  
 
「……うん、とっても美味しいよ!縁さんって料理が上手なんだね」  
「お、おおおお口におあいしましたでございましたでしょうか?」  
「この麦茶も作ってくれたんだ?」  
「ハ、ハイ!そうでございますですよ」  
「……縁さんいったいどうしたの?言葉遣いがヘンだよ?」  
「うっせぇバカヤロウ!せっかく5時に起きて作ったんだ、卵焼きも食えよ!」  
 
 あたいが作ったお弁当をパクパク美味しそうに食べるアイツ。  
ちくしょう、いったいなんなんだ?  
メシ食ってるアイツを見てるだけで何でこんなに顔が緩んじまうんだ?   
 
「あ〜、とっても美味しかったよ。縁さんって料理上手なんだね?」  
「お、おう!あたいにかかりゃ料理なんざちょちょいのちょいだ」  
「ははは、そうなんだ?じゃあ次のデートの時もお願いしようかな?」  
「おう、任せときな!このあたいがしっかりと作って……で、でぇと?」  
「うん、そうだよ。次はどこ行こうか?ショッピングや映画館でのデートはもうたくさんしたしね。  
縁さんはどこに行きたい?美味しい料理を御馳走になるんだ、どこでもいいよ」  
 
 は、はぁぁぁ?ショッピングや映画館でのデートだとぉぉぉ?  
じゃ、なにか?この間まであたいをつれてぶらぶら歩いたり、  
映画見たりしてたのは……で、でぇとだったのか?今日のこれも……でぇとなのか?  
 
「縁さん?いったいどうしたの、顔真っ赤だよ?」  
「う、うっせえ!テメエ、でぇととか軽々しく言うんじゃねぇ!  
だいたいでぇとってヤツは最後にチュっとかがあるんじゃねぇのか?  
チュウもしねぇでいい加減なこと言ってたらドーバー海峡に沈め……」  
 
 でぇとという言葉に混乱したあたいは何を言っているのか分からなくなった。  
ぎゅ……そんなあたいをアイツは温かく、大きな胸に抱きしめた。  
なんだ?いったいなんなんだ?急にアイツがあたいを猫ニャンごと抱きしめてきやがった。  
……抱きしめてきただとぉぉぉ?  
 
「て、てめえ急になにすんだ!あんまフザケて……」  
 
 突然の事でパニくるあたいに、アイツの真剣な顔が近づく。  
何だ?いったい何が起こる?体中に緊張が走る。……ちゅっ。  
突然唇に感じた甘い感触。アイツの熱が唇から体中に広がり、あたいの熱になる。  
あたいは目を見開いたままあいつに唇を奪われた。……奪われたあぁぁぁ?  
 
「……ん。ゴメン、縁さんがあまりにもかわいいから我慢できなくなったんだ」  
 
 あ、あれか?今されたのは『きす』とかいうヤツか?  
 
「急にキスなんてしてゴメン。けど僕は本気で君の事好きだから」  
 
 え〜っと、きすってヤツはレモン味とかじゃねぇのか?味なんかしなかったぞ?  
 
「形だけの付き合いなんてイヤなんだ。君と本当の恋人になりたいんだ」  
 
 けど甘い感じはした。これが『きす』なのか?あ、あたいがコイツとついに『きす』しちまったのか?  
   
「縁さん……君は僕の事どう思ってるの?  
君が付き合うのがイヤだと言うのならキスをした責任、どんなことしてでも取るよ」  
 
 確か『きす』したら次は『えっち』なんだよな?ど、どうしよう?あたい綺麗な下着つけてないぞ?  
え〜っと、今日の下着は確か猫ちゃんプリントの……ふ、ふっざけんなよ!  
 
「ダ、ダメだ!ダメに決まってんだろうが!てめぇあんま調子こいてっとマジ沈めんぞ!」  
「そ、そうなんだ、やっぱり僕なんかじゃダメなんだ。  
無理やりキスなんてしてゴメン、償いはなんでもするよ」  
「て、てめぇ急に『きす』なんかしてきやがって……この子達がビックリするだろうが!」  
 
 あたいは腕の中でもがいてる猫にゃん達をアイツに押し付ける。  
 
「あたいはやられっぱなしは気に食わないんだ!やられたら10倍にして返す、それがあたいの流儀だ!」  
 
 猫にゃんを押し付けられて驚いているアイツの胸倉を掴む。  
殴られるとでも思ったのか、驚いて目を瞑るアイツの唇めがけ………ちゅっ。  
 
「こ、これでおあいこだ!今日はこれで許してやるけどな、今度勝手にしてきたら倍にして返してやっからな!」  
「え、縁さん……僕なんかでいいの?」  
「あぁ?てめぇはさっきから何グチャグチャと言ってんだ?  
……決めた、今度のでぇとはテメエの部屋だ。この子達に暴れまくってもらうかんな!」  
 
 あたいは猫にゃん達を奪い取り、逃げるように走り去る。  
やっちまった……ついにあたいは『きす』をしちまったぁぁ!  
しかも2回もだぜ?世の中ひろしといえど、2回もしてるヤツはそうはいないだろ?  
 
 
 走って家へと帰ると、マサが『お嬢、顔真っ赤ですぜ?なんかいいことしてきたんですかい?』  
なんてふざけたことを言ってきた。ムカついたから、とりあえずは庭の池に沈めておいた。  
てめえ今度は黒海に沈めっぞ!  
 
   
 その日の夜、マサからとんでもない事を聞いちまった。  
な、なんで男の部屋に女が行くことがえっちする事になるんだ?  
ど、どうしよう?落ち着け、落ち着けあたい!とりあえずは……下着を買いに行くか?  
 
 

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