姉が止まった─のも数秒、スカートを揺らし、ゆっくりと迫ってくる。  
「して……あげる」  
─聞いてねぇ!?─  
「ちょ、姉ちゃん、ほら、き、着替るから、人の話を聞こぅおっ!」  
 ベットに押し倒された。  
 上気した頬、姉の息が荒い。その息が俺の顔を撫でる。その顔は可愛いくて…  
─な、何を考えてる?俺は!?あ、姉なんだぞ─  
 俺に覆い被さったままの姉の顔が迫ってくる。  
 押し退けるのは可能。だが、姉に対して暴力まがいの事はしたくない。  
「ほ、ほらっ!飯でしょ!?飯!!起きる!起きるかぁ……」  
 止めれ無かった。唇同士が接触し、姉の舌が俺の口内に入ってくる。  
「…んっ……はぁ…あ……うんっ…は…ぁん……」  
 姉の胸が俺の胸の上で形を変える。その横に手が置かれ、そのまま腹、臍とゆっくり這うように動かされる。そして─  
 姉はさっきなんと言った?  
『してあげる』  
 そういう知識を持っていて言っているなら…  
─ヤバい─  
 この調子だと、あと数センチでズボンの中にまで手が来る。それだけは…  
 必死に両手を使い、ズボンを押さえる。が、数秒遅かった。手首までがズボンの中に入れられていた。  
 トランクスの中に入らなかったことを安心するべきか?   
もちろんこの間も、姉の舌が口内を這い回っている。口内にある唾が自分の物なのか、姉の物なのか、もう分からない。  
 
 姉がズボンの中の手を動かし、トランクス越しに俺のモノに触れる。  
「く……ぁ…うっ……ね…ぇ……ちゃ…」  
 姉の細い指が俺のを……トランクス越しとは言え、その感触と温度が伝わってくる。  
 正直に言えば…気持ち良い……だが、相手は姉だ。声など出せるものか。  
「…はぁ…ぁあ…うぅん……」  
 姉は俺の口内に唾を流し込み、俺の唾と混ざった物を吸い上げる。  
「ん……ぷはぁ………はぁ…はぁ…」  
 姉が口を離した。銀の糸が姉の口から俺の口に垂れる。  
「……こんなに…大きいんだ……」  
 俺のモノを撫で回しながら言う。  
「ちょ…あぁ……だめ……だって」  
「………」  
 まるで俺の言葉に反抗するかの様に、姉は手を止めない。  
「…あぁっ……ぐっ…あ、ほ…ら……好き…な奴…いる、んでしょ……」  
 言っていたはずだ。『好きな人がいる』と。  
「……うん」  
 姉の手が止まった。  
「じゃあ……こんな  
「好きだもん」  
「…ぁ……え?」  
「……好きなんだもん……好きになっちゃったんだもん……」  
「な……にを」  
「………鈍い」  
 また唇が触れた。今度は触れるだけの、しかし、優しい─キス…?─  
 離れた。  
 姉の顔が目前に。その顔はまるで、散歩のときに見た夕日の様に赤い。  
「お姉ちゃんが弟を……君を好きになっちゃいけないの?」  
 
「……な…」  
「……言っておくけど、もちろん家族として、じゃなくて、男と女として、だからね」  
「だ、だって……姉弟じゃ…」  
「好きになっちゃいけないの?姉が弟を」  
「それは…」  
 分からない。家族だから?姉弟だから?  
「私は好きだよ………愛してるし…愛されたいとも思ってる」  
「………」  
─冷静に、冷静にだ─  
 人が人を好きになるのは道理。それを止める権利はドコに?  
 例外は有るのか?無い?  
「は、初めてだって……あげたいし……」  
「……はい?」  
─何を言って─  
 言うや俺のモノを再び撫で始める。掌で筋を撫で、指が玉を揉む。  
「なっ!?…あっ…くぅ」  
「……こういう事も………し、したいし…その、えっ…と……して…もらいたいし…」  
 何を言ってらっしゃるのかな?我が姉は?  
 出来れば全力で問いたいのだが、状況がそれを許してくれない。  
 姉に押し倒されて、キスされて、更にはアレまで触られている?  
 いや、どんな状況だよ?  
 だが、俺の胸中を知るよしもなく、姉は手を動かす。  
 撫でる、といってもおっかなびっくり、の様であるし、動きも明らかにぎこちない。  
 初めて。と言うのは本当の様だが、喜んだり出来るものか。  
 
 俺だって、その、童て……である。姉の経験がどうだろうが、いつまでも耐えれはしない。  
 姉が手を滑らせ、指で筋を撫で、掌で先端を包む。  
─暖か…い─  
「凄い……熱くて…ビクビクしてる……気持ち……良いの?」  
 姉の荒い息が顔に当たる。それは熱を持ち、俺の鼻孔を甘くくすぐる。  
─駄目だ─  
 相手は姉だ。それなのに俺は感じている。  
 姉の赤い顔が近付いてくる。それを、止められない。  
「…ん……ぁ…」  
 唇が再び触れ合い、姉が俺の下唇をあま噛みしてくる。  
 舌が入れられる。歯茎を舐められ、唾が流し込まれ、唾を吸い上げられ、舌を絡めて─  
「っ……く…ぁ」  
 そこまでが限界だった。  
 我慢出来ず、トランクス越しに姉の掌に出してしまった。  
「あ……あぁ…凄い…勢い…」  
「はぁ……はぁ…」  
 姉はトランクスをつまんで、俺の精液を絞りとる。手をズボンから抜き、絞りとったものを……舐めた。  
「な!?……姉…ちゃん…それは…」  
 その姉は、とても妖しく……美しかった。  
「…………ぁ………」  
 姉の動きが止まった。  
 自らの行動がかなり恥ずかしい事に今気付いたのか、今まででもう充分に赤い顔が、更に紅潮していく。  
「ご、ごめん!!あの、その、ご、ご飯出来てるから!!ごめひゃう!?」  
 ベットから飛び跳ねて下がる。その際に床にあった毛布を踏み足を滑らせ、尻餅をつく。  
 スカートが捲れ、姉の下着が見えてしまう。それは明らかに濡れて─  
「はぅ!?だっ、駄目!!」  
 毛布を投げつけられた。視界が奪われる。  
 ドアを開閉する音が聞こえる。部屋から出ていった様だ。  
「……どう…するかな…………」  
 

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