「さあってとお。それでは、お目々洗いましょうかあ。ちょっと痛い思いをしますけど、
放っておいたら、もっと痛い目に遭っちゃいますからねえ」
などとはしゃぎ声をあげながら、夕那は洗眼場へと駆けて行った。
……夕那よ、プール端では走るんじゃない。
「ううん、ここもやっぱり背が低いですねえ。………しょ…っと……」
体を思い切り折り曲げながら、必死に水を目に届かせようとする夕那。
そのたびに、小さい水着からはみ出さんばかりのお尻が、ぷるぷる揺れ動いている。
これはこれで……いいシチュエーションかも……。
「ひ、ひゃっ!?」
俺は、夕那のお尻をそっと撫で回した。途端に夕那は身をすくめ、声を裏返させる。
「と…敏則さあんっ……」
さらに俺は、左手でお尻を撫で回したまま、右手を伸ばして夕那の胸を軽く揉んでみた。
抵抗の声をあげ、俺の手を掴もうとする夕那だが、目を閉じたままなせいか、手つきがおぼつかない。
「あ…ああっ……そ、そこは…あ…あんっ……」
今度は、撫で回していたお尻から手を離し、夕那の下腹部へと手を伸ばした。
たちまち、夕那は体をよじらせ、甘い声を漏らし始める。……何だかこの反応、久しぶりかも。
「んん? そこはどうしたのかな? 何だかこの辺が、硬くなってきたみたいだけど?」
「は……あ…ああ、んっ……そ…それはあ…ああんっ」
胸の頂を指で挟みこみながら、夕那の耳元でささやいた。
そこはすでに、水着越しでもはっきりと、硬くなっているのが分かる。
夕那は、裏返った声で必死に答えようとするが、声が声になっていなかった。
……ううむ、相変わらず敏感な体、だ。
「さて、と。こうしたら、どう……かな?」
「ふああっ! と、敏則さあんっ!」
俺は夕那の水着の裾部分を掴み、そのまま真上に持ち上げた。
股間に水着が食い込み、夕那は腰を引きながら上半身を仰け反らせる。
「どうしたんだい? こんなに大きな声をあげちゃって」
「あっ! ああっ! と、敏則さん! そこ、そこはあっ!」
水着を掴んだまま、手を左右に揺さぶりながら、夕那に問いかけてみる。
俺の声が聞こえているのかいないのか、あられもない声で悶え続ける夕那。
「そこ? そこだけじゃ、何を言ってるのか分からないよ?」
「だ…だって敏則さん! あっ! ああっ! あああん……んぐ…ぐうっ……」
両手の動きはそのままに、夕那の耳元でつぶやく。
もはや夕那は、自分の力だけで立つことも出来ずに、俺に体を預けて悶えるだけだった。
そんな姿がとても愛おしくて、俺は思わず夕那のくちびるを奪っていた。
「ん……んんっ…夕那。愛してる……愛してるよ………」
「……と、敏則さん……夕那も…夕那も、敏則さんをずっと、ずっと愛してます……あ、ああんっ!」
長い長いくちづけを終え、お互いに愛の言葉を交わし、しっかりと抱きしめあった。
「夕那………いくよ」
俺は自らの服を床に敷いて、その上に夕那を寝かせた。……プールの床はデコボコで痛いからな。
「………はい、敏則さん……で、でも…この格好のまま……?」
「ああ……俺が、このままシたいんだ……」
怪訝そうな顔をして、夕那が俺をじっと見つめる。そう、夕那は水着姿のまま、だった。
………たまには、こうでなくちゃ、な。
「……もうっ、敏則さんのエッチ。…………いいよ……キテください……」
俺は夕那の頬に優しく手を添え、じっと目を見つめながらささやいた。
夕那は、右手で俺の頬を軽く引っぱたきながら呆れ顔でつぶやくが、
そのまま俺の頬を優しく撫でながら、顔をほんのり赤らめて、ゆっくりと両足を開き始めた。
さらに残った左手で、水着の裾をずらし、自らの秘所を露わにさせる。
「ゆ……夕那………」
「……敏則さん………あ。で、でも」
夕那の思いもよらない行動に、俺は思わずゴクリと生唾を飲み込みながら、上半身を起こした。
「で、でも!?」
が、俺をじっと見つめながら、夕那は口を開いた。
俺はドキドキしながら、夕那の次の言葉を待つ。………何だ? 何なんだ?
「…………。お尻は……お尻はダメですからね?」
「は、はイ!?」
くちびるを尖らせてつぶやく、夕那の言葉に、思わず声が裏返る。
……実はまったく考えていなかったとは、言えなかったりするし。
「あ〜っ。敏則さん、やっぱりそんなこと、考えていたですねえ?」
「え!? な、なな!? そんなワケ、ないだろう!?」
夕那はにやりと微笑みながら、人差し指をピシリと突きつけてきた。
心の動揺を抑えようと、俺は必死に夕那の言葉を否定しようとした。が、
「むう〜。隠す気ですかあ? じゃあ今日はここまでで、止めちゃいましょうかあ?」
「い……いやその……えー……嘘です。考えてました」
くちびるを尖らせ、ゆっくりと両足を閉じる夕那。観念した俺は、素直に自供した。
………ここまで来て放置ってのは、正直ツライぞ。
「まったくう、隠そうとしてもダメですよお。夕那、敏則さんのウソ、すぐに分かっちゃうんですからあ」
「そ……そなの?」
俺の自供を耳にして、夕那はにぱっと白い歯を見せて微笑む。
その口から、思いもよらない言葉が出てきたのを耳にして、俺は固まってしまった。
ちょ……ちょっと待て! 何で簡単に分かってしまうんだ!?
「ええ。でも、どうして分かるのかは、ヒミツですからねえ」
「あ……う………」
動揺している俺を面白そうに見つめ、人差し指をチチチと振りながら、ウィンクする夕那。
もはや俺は、夕那に返す言葉さえ見つからなかった。……何だか、思い切り手玉に取られてるような。
「うふふっ。まったく、いくつになっても子供ですねえ、敏則さんって」
「えっと……その………」
「でもそこが、敏則さんの可愛いところ、なんですよねえ。………ん…んんっ……」
両手で、俺の頬をピタピタと引っぱたきながら、夕那は呆れ顔でつぶやいた。
目を泳がせ、オロオロしている俺を見て、夕那はさぞ楽しそうに微笑みながら、
俺の後頭部に両手を回したかと思うと、くちびるを重ねてきた。
「ん……んふ…んんっ…」
「うん……っ……んっ、………ん……」
くちびるの隙間から、夕那の舌が潜り込んできて、そのまま俺の口の中をチロチロと舐めまわす。
俺は夢中になって、自らの舌を夕那の舌に絡ませていた――
「ゆ、夕那………」
「………さ、敏則さん………」
くちびるを離した俺は、目の前の娘の名を、ポツリとつぶやく。
夕那は多少潤んだ瞳で、俺を見返しながら先ほどと同じように、片手で水着をずらして、
自らの両足をゆっくりと広げる。露わになった夕那の秘所は、ヒクヒクと震えていた。
まるで、男を受け入れる準備は、既に整っていると言わんばかりに。
俺は上半身を起こし、痛いくらいに勃ちあがったモノを、夕那の秘所に押し当てた。
「いく……ぞ?」
「……………」
俺の言葉に、夕那は顔をほんのり赤く染めながら、無言でコクリと頷く。
………ううん。いつ見ても、この初々しい反応がたまらない………。
「………んっ……っ……」
「…あ、ああ……あっ………」
俺は夕那の中へ、モノを潜り込ませた。途端に快感が背筋を駆け抜け、反射的に声が漏れ出す。
夕那もまた、体をビクンと震わせながら、あえぎ声を漏らしていた。
その声に合わせるように、俺はゆっくりと腰を動かし始めた。同時に淫猥な音が辺りに響く。
「…ゆ……夕…那……」
「と…敏則さ……ん…あ、ああっ! ああんっ!」
夢中で腰を動かし続けながら、俺はうわ言のようにつぶやく。
夕那は俺の名を呼びながら、堰を切ったように甲高い声で喘ぎだした。
俺は腰を動かし続けたまま、夕那にもたれかかり、しっかりと抱き締める。
「ああっ! ああ、あああっ! あはあんっ! と、敏則さん! 敏則さあんっ!」
「ゆ…夕那……愛してる…愛してるっ……ゆ…夕那……夕那っ……ん…んふうっ……」
俺の背中を抱き締め返し、甲高い声で喘ぎながら、俺の名を呼び続ける夕那。
そんな夕那がたまらなく愛しくて、俺はすべての思いを込めて、夕那のくちびるを奪っていた。
「ん……んふっ………。と…敏則さん……敏則さん! 夕那…夕那、もう……もう!」
「ゆ…夕那……お、俺も…ゆ…夕那……夕那っ……」
くちびるを離すと、夕那は俺をじっと見つめながら叫び声をあげる。
その目にはじんわりと、涙が浮かんでいた。
限界が近づいてきた俺もまた、涙で目を滲ませながら、腕の中で喘ぐ最愛の女性の名を口にしていた。
「と、敏則さん! 敏則さあんっ!!」
「夕那! 夕那っ!」
お互いの名を呼び合いながら、俺たちは二人揃って絶頂に達していた。
「……………ねえ、敏則さん」
「何だい、夕那?」
俺たちは、二人で肩を寄せ合いながら、じっと星空を眺めていた。
「あのお星様、見えますか?」
「え? あ、ああ。よく見えるよ」
夕那は星空の中、ひと際明るく輝く星を指差し、俺に尋ねてきた。
勿論、俺の目にもしっかりと映っている。
「じゃ、じゃあですね。その隣で小さく輝くお星様も、見えますか?」
「ん? えっと……ああ、どうにか、ね」
次の言葉に、俺は必死に目を凝らした。確かに、その星の隣に、小さく輝く星が煌めいていた。
よくあんなの見えたな。視力なんぼだよ? 正直、言われなければ分からなかったぞ。
……そういえば、大昔はどこかの軍隊だかが、ある星が見えてるかどうかを視力検査代わりにした、
とかいう話があったっけか。
「ううん。どうにか、ですかあ。………でも、ちゃんと敏則さんにも見えるんですね。よかったです」
「よかった?」
夕那の言葉の意味を分かり損ね、俺は思わず問い返していた。
「はい、よかったです。ちゃんと見えててくれて。
だって夕那、あのお星様みたいに、ずっと敏則さんと一緒にいたいですから。
でも、見えなかったら隣にいても、気づかれないですよね?」
「そんなことない……そんなこと、ないよ………」
くりっとした目で俺を上目遣いに見つめながら、夕那はにっこりと微笑む。
俺は夕那の意味深な言葉に一瞬ドキリとしたが、すべてを振り切るように首を振りながら、
夕那の肩をしっかりと抱き締め、そっとくちびるを重ねた――