「ひくっ……敏則…さあんっ……」  
「お、おい夕那……」  
クリスマスの夜、二人でケーキを食べながら、軽くシャンパンで乾杯した、まではいいのだが……。  
「敏則さあん……夕那、クリスマスプレゼント買うの、すっかり忘れちゃいましたあ……ひっく……」  
「わ、わかったよ、仕方ないじゃないの」  
顔を真っ赤にさせて、とろんとした目つきで俺ににじりよる夕那。  
……まさか、こんなにアルコールに弱いとは、思っても見なかった。  
いくら幽霊だとは言っても、実年齢は……だろうしな。  
でも、俺が夕那くらいの年の頃はシャンパン程度で、ここまで酩酊にはならなかったがな。  
「だから……今日のところは……夕那で…我慢してくださあいっ……ん…っ、ん……」  
「ん、んっ……」  
俺の首筋にしがみつきながら、くちびるを寄せてくる夕那。  
夕那から、シャンパンの香りに混じって、ほのかに香水の甘い香りが漂ってきた。  
「きゃっ、と……敏則さあん……」  
「ゆ、夕那……愛してるよ、夕那……んっ……」  
そう思った次の瞬間、まるで香水の香りに誘われたかのように、俺は気がつくと夕那を押し倒していた。  
……もっとも今日は、久々に夕那を抱こうという下心は、最初から持っていたわけなのだが。  
何せ、前に夕那を抱いたのは夏のことで、しかも学校で宿直中に、だからな。  
あれ以来、すっかりご無沙汰になってしまったわけだし、今日はとことん……。  
 
「あっ……敏則さん……」  
ブラウスのボタンを、胸の辺りの一個だけを外して、隙間から手を潜り込ませた。  
「あ、あれっ? 夕那、ブラジャーなんて、していたんだ……」  
「……そ、そうですよお。いつか言ったじゃないですかあ。まだまだ成長期なんだって……あんっ」  
胸を覆う下着の感触に、思わず声を漏らした俺に、夕那はくちびるをとがらせて抗議する。  
……そういえば、前に夕那を抱いたときも、そんなことを言ってたっけか。  
「ご、ごめんごめん。じゃあ実際に、どこまで成長しているか、確かめさせてもらおうか?」  
「……っ、あっ、ああっ……」  
軽く夕那に詫びながら、ブラジャーの隙間へと手を潜り込ませ、胸を軽く撫で上げてみる。  
すると夕那は、ピクンと軽く体を震わせて、可愛い声をあげだした。  
「うん、感じやすさは変わってないみたいだな?」  
「…あっ、そ、それ…は、あ、あっ……っ……」  
すでに、すっかり硬くなっていた乳首を、指と指の隙間に挟めて軽く揺さぶると、  
夕那はうわずった声を漏らし続ける。……この反応、本当にたまらないな……。  
「んじゃ……こちらは…っと」  
「ああっ! と、敏則さんっ!」  
もう片方の手でスカートをめくり上げ、下腹部に指を這わせる。  
途端に、夕那は目をぱっちりと見開き、叫び声をあげだす。  
「と…敏則さ…っ! は…あ……っ、あ……あっ……」  
さらにパンティの上から、秘所にあたる部分をなぞりあげると、夕那は体を仰け反らせた。  
興奮してきた俺が、ひたすら胸と秘所に添えた手を動かし続けると、  
夕那は下半身をもぞもぞさせながら、手の動きに合わせるかのように、甘い吐息を漏らし続けた。  
 
「はあ…はあ……あ、ああ…と、敏則さんっ……」  
肩で息をして、焦点の定まらない目で俺をじっと見つめる夕那。  
すでにパンティは、夕那自身からあふれる蜜で、ぐちょぐちょに濡れている。  
……そろそろ、いいかな?  
そう思った俺は、上半身を起こして、夕那のパンティをゆっくりと脱がせながら、  
自らもズボンとパンツを膝まで下ろし、いきり立ったモノを露わにさせた。  
「夕那………」  
「あっ! と、敏則さん! ちょ、ちょっと……!」  
モノを夕那の秘所にあてがい、ひと息に中へと潜り込もうと思った瞬間、  
不意に夕那の目に生気が戻り、両手で慌てて、俺の腰を押さえながら言った。  
……何だ? 何があった!? 今夜は、無理にお尻を奪おうとは考えていないぞ!?  
 
「………ええっと、確かこの中に……あ、ありましたです!」  
「へ? そ、それって……」  
戸惑う俺を他所に、夕那は床に転がっていた巾着に手を伸ばし、ゴソゴソと何かを取り出そうとする。  
やがて顔をパッと輝かせ、巾着から抜いた、その手にあるものは………。  
「そう、避妊具です!」  
夕那は、くりっとした目で俺をじっと見つめながら、にっこりと微笑んだ。  
……そ、それにしても、ゴ…ゴムって………。  
「避妊は大事です! 子どもが出来ちゃったら、どうするんですかあ?」  
「こ、子どもって……」  
「夕那、確かに敏則さんとの子どもが欲しいですけれど、今はまだ早いです!  
敏則さんも、家族3人を養う余裕なんて、まだ無いですよねえ?」  
唖然としている俺を見て、夕那がピシリと俺の鼻先に避妊具を突きつけながら、言葉を続ける。  
 
……確かに、前職での貯金があるにはあるが、将来何があるか分からないのだから、  
おいそれと手をつけるわけにはいかないし、教師になって日は浅いから今の収入は少ないし、  
まったく、痛いところを付くな……って、よく考えたら、家計簿付けてるのは夕那なんだから、  
家計がどういう状況なのか、俺に聞かなくてもよく分かるだろうに。  
……ああそうか。だからこそ家族計画を考えての、避妊具の勧めなのか……。  
まったく、見かけによらず、意外としっかりしてるよな……。  
 
「はい、それじゃ早速、着けてくださいっ」  
「………えっ?」  
夕那の声がして、現実に戻ってきた。夕那は避妊具を握らせようと、俺の手を握り締めてきた。  
……ちょ、ちょっと待て。正直に言うが、俺は避妊具の着け方を知らないんだが。  
もちろん、使ったことが無いわけじゃないのだが、そのときはいつも、相手が着けてくれたわけで……。  
 
「どうしましたかあ? 敏則さん?」  
「え…あ、その……」  
例の上目遣いで、俺をじっと見つめる夕那。その目には、多少疑問の色が浮かんでいる。  
……ん? ちょっと待てよ?  
「つーか夕那、お前酔ってないだろ」  
「あ、バレちゃいましたかあ。しっかたないですねえ」  
俺は感じた違和感を、そのまま口にした。  
すると夕那は悪びれる様子も無く、ペロリと舌を出しながら返事をしてきた。  
……よ、よし、こうなったら。  
「じゃあ夕那。お前が着けてくれよ」  
「え?」  
「言い出したのは、お前が先だろ。酔ってるフリして騙した罰だ、お前がコレを着けるんだ」  
「……あ、あのう。夕那、コレ使ったことないんで、上手く着けれる自信が無いんですけどお……」  
自分のモノを指差しながら、夕那に命令する俺。夕那はくりっとした目を、  
さらに大きくぱっちりと見開いたかと思うと、そっと小さく挙手をしながら小声でつぶやく。  
……ああ。確かに、最初に夕那を衝動的に押し倒してしまったときから、いつも生挿れ中出しだったよ。  
「大丈夫だって。とゆうか、やれ」  
「は……はあい、わっかりましたあ」  
俺は胡坐をかいて、夕那に向かって腰を突き出しながら、あくまで命令口調で言った。  
……実際のところ、装着方法を知らないからなんて、口が裂けても言えないしな。  
夕那は、名指しされた生徒みたいに、緊張そうに返事をしたかと思うと、  
ゆっくりと上半身を起こしながら、ゴムの包装をビリビリと破き始めた――  
 
「じ……じゃあ、着けます」  
「あ、あア……」  
おずおずと、上目遣いに俺を見つめながら、モノに手を添える夕那。  
俺は出来るだけ、平静を保つように鷹揚に返事をしていたが、  
やはり内心が現われたのか、声が裏返りかけてしまった。……おい、落ち着け、俺!  
 
「……よ、よい…しょ……っと。……あ、あれ?」  
夕那は右手で俺のモノを握り締めたまま、モノの先端にあてがったゴムを、  
左手の親指と人差し指で、挟むようにして伸ばそうとしているが、上手くいかずに戸惑っている。  
……というか、これはこれで、擦れて気持ちイイのだが。……だが、それにしても……。  
「な、なあ……子どもに靴下を履かせるように、してみたらどうだ?」  
……モノを握り締めるんでなくて、両手でゴムを持ってみたほうがいいのかも。  
そう思った俺は、四苦八苦している夕那の頭を撫でながら、声を掛けてみた。  
「あっ……そうですねえ、さすが敏則さんです」  
夕那は、ぱっと顔を上げて、目からうろこが落ちたような表情を見せながら、ポンと手を叩く。  
「ちょ、お、おい、夕那!?」  
が、予想もしなかった夕那の行動に、俺は思わず声をあげてしまった。  
「えっと……こうすれば………」  
夕那は、いきなり俺の背後に回ったかと思うと、左右の手でゴムをモノに沿って、引っ張り始めたのだ。  
……いや、確かにそうすれば、いいのかもしれないけどさ……。  
「……っと、これで、いいのでしょうかあ?」  
モノがゴムに完全に覆われたのを確認した夕那は、ゴムから手を離し、  
背後から俺に抱きつきながら、上目遣いでこちらを見つめてきた。  
その表情はまるで、出来上がった宿題を教師に添削してもらうのを、  
今か今かと待ち望んでいる、生徒のようなそれだった。  
「ん? あ、ああ。いいんじゃないか?」  
俺は誤魔化すように、肩をすくませながら、鷹揚に答えた。  
 
「さ……敏則さん………」  
「あ、ああ……」  
ブラウスのボタンを外し、スカートをめくりあげながら、ゆっくりと両足を広げる夕那。  
はだけた胸元の奥でブラジャーがズレて、胸の頂が見えそうで見えないのが、たまらない。  
さらに、自ら大胆な格好をしてきたにも関わらず、頬を赤く染め上げている姿が、またそそられる。  
俺はかすれた声で頷き、夕那の秘所にモノをあてがい、ひと息に突き立てた。  
「ん……っ」  
「ああ……夕那…」  
夕那はぎゅっと目を閉じ、押し殺した悲鳴を漏らす。  
生での挿入とは、一味違う感触に戸惑いながらも、  
久々に、夕那と繋がったという事実と嬉しさが俺を支配し、夢中で腰を突き動かさせる。  
「と、敏則さん……あ、ああんっ…あっ! ああっ! ああんっ!」  
俺の抽送を始めると、夕那はたちまち、甘えたあえぎ声を漏らし始めた。  
 
「……ゆ、夕那……夕那っ…も、もう俺……」  
「あっ! あああっ! ゆ、夕那も、夕那も、イッちゃう! イッちゃううっ!」  
抽送を開始して、さほど経っていないのに、早くも限界が近づいていた。  
それはどうやら、夕那も同じだったようで、必死に俺にすがりつきながら、甲高い声をあげ続ける。  
……お互い、久々だったし、それはそれで致し方ないかもしれないが。  
「あっ、あっ! ああっ! ああーーっ!!」  
「……くっ、う…うくうっ……!」  
夕那の絶頂に達した声が、まるで何かの合図だったかのように、  
俺は全身を痙攣させながら、あっさりと夕那の中で果ててしまっていた――  
 
「あ、ああ……ゆ、夕那……」  
「敏則さん………」  
絶頂に達してからしばらくの間、俺は身動きひとつ出来ずに、夕那に覆いかぶさっていた。  
そんな俺の頭を優しく撫で上げながら、夕那が耳元でささやく。  
だが俺は、夕那の呼びかけにも気づかないくらい、絶頂の余韻にのんびりと浸っていた。  
 
「………敏則さん」  
「ん、な、なんだい?」  
俺が気づかなかったのに業を煮やしたのか、今度は軽く耳に歯を立てながら、呼びかけてきた。  
その声にほんの少しだけ、有無を言わさぬ圧力を感じた俺は、慌てて夕那を見つめ返す。  
「敏則さんもゴムの着け方、知らなかったんですねえ」  
「え? ナ、なにヲ言ってるんダ!?」  
夕那は俺の顔をじっと見つめ、不意に悪戯っぽく微笑んだかと思うと、なじるように言った。  
核心を突かれた俺は、驚きながらも必死に否定した。が、動揺のあまり、声が裏返りまくっている。  
「とぼけてもダメですよお。前にも言ったでしょお。夕那、敏則さんのウソは、すぐに分かるんだって」  
小首をかしげながら、嬉しそうにウィンクする夕那。  
……う。そういえばそんなこと、いつかも言っていた気がする。これは、観念したほうがいい、よな。  
「……………………はい、そのとおりです。知りませんでした」  
「……んっ。素直に認めたから、今日はこれで許してあげます。……愛してますよ、敏則さん」  
俺が頭をさげると、夕那は俺の頭を引き寄せ、軽くくちづけをしたかと思うと、にぱっと微笑んだ。  
……やれやれ……俺は夕那から、一生離れることが出来ないのかも、しれないな――  
夕那にいいように手玉に取られ、また、手玉に取られることを、  
心のどこかで嬉しがっている俺がいることに気づき、そんなことを考えていた。  
 
 
「いただきま〜す」  
月曜の昼、俺は職員室で、夕那の手作り弁当を広げていた。  
生徒たちは、既に先週末で冬休みに入っていたが、俺たち教師は残務処理があったため、  
学校に来ていたのだ。……まあ、師走というくらいだしな。  
 
『この、都会の片隅で、世にもおぞましい事件が起きました。  
この路地の、奥の空き地で、ホームレスの男性たちが、何者かに、惨殺されていたのです――』  
「まあ、この年の瀬に物騒な、ねえ?」  
「そうですねえ。この村は平和そのもので、よかったですよ、まったく」  
と、職員室で放送していたテレビで、芸能キャスターが仰々しい表情で語っていた。  
同僚の教師たちが、お茶をすすりながら、感想を述べている。  
……まったく、メシ時にそんな話題を放送するかよ。  
俺はそんなことを考えながら、テレビを何とはなしに聞いていたが、  
次の言葉を耳にして、思わず固まってしまった。  
『――しかも、この場所は、今年の夏、少女が父親に、暴行された挙句に殺害され、  
その遺体を、放置されていた場所でも、あったのです――』  
「まあ、何か関係でも、あるのかしらねえ?」  
「そうですねえ。どうなんでしょうか、まったく」  
『――事件を目撃したと思われる、やはりホームレスの男性は、  
現在、ショックからか、口が聞けない状態にある、とのことです――』  
「まあ、恐ろしい。どんな殺され方だったんでしょう、ねえ?」  
「そうですねえ。あまり想像したくない出来事ではありますがね。まったく」  
相変わらず同僚たちは、のんびりと感想を話し合っていた。  
だが俺の耳には、半分以上届いてはいなかった。  
――父親に殺されて、遺体を放置された――このひと言が、俺の心に深く残っていた。  
そう、この弁当の作り主である夕那のことが、嫌でも連想されたのだ。  
 
 
「やれやれ、結局こんな時間、か……」  
結局、仕事が一段落ついたのは、すっかり日が暮れてからのことだった。  
ま、明日から休みだし、たまには夕那と二人で、どこかに遊びにでも行くとするかな?  
そんなことを考えながら、俺は家の中に入り  
「な、なんだあっ!?」  
思わず大声をあげていた。そこには、巫女姿の夕那がいたからだ。  
「あ、敏則さん! お帰りなさいです!」  
「……ど、どうしたんだ、その格好?」  
にこやかに出迎える夕那を、俺は呆然と見返した。  
「これですかあ? 今年、二人で一緒に、初詣に行きましたよねえ?  
あの神社で、巫女のアルバイトをすることにしたんですよお。似合いませんかあ?」  
「な…なんでまた?」  
夕那の突然の宣言に、俺は目を丸くさせていた。……いや、似合ってはいるけど。  
……というか”あの神社”に初詣行ったあとに、えらい初夢をみてしまった覚えがあるのだが……。  
「えっとお、これからのことを考えて、せめて少しでも、家計の足しになればと思ってえ。  
それに、敏則さんが仕事で頑張っているのに、私だけ家でじっとしているのもなんですしい」  
「ううん……そんな、気にするほどの、ことでもないのに……」  
人差し指を顎に当て、軽く首をひねりながら答える夕那。思わず俺は、反射的にそうつぶやいていた。  
「……それとも敏則さんは、夕那がアルバイトをするのは、反対ですかあ?」  
「え? あ、い、いや。そんなことないよ。夕那がしたくてするのなら、何も問題はないさ」  
俺のつぶやきに、夕那は首を反対側に捻り、必殺の上目遣いでこちらを見つめてきた。  
この目をされると、俺は夕那に逆らうことなど、できなくなってしまう。  
……まあ、夕那も家でじっとしているより、どこかで何かしていたほうが、いい気晴らしになるだろうしな。  
 
「そうですか、じゃあ大丈夫ですねっ! でも、袴って初めて着ましたけど、何だか歩きづらいですねえ」  
夕那は俺の返事に満足したのか、にぱっと微笑み、両手を広げながらゆっくりと歩き出す。  
確かに慣れてないせいか、足取りがおぼつかない。しかし、それにしてもこれは……。  
「な、なあ夕那。巫女の衣装って、その一着だけなのか?」  
「?? いいええ、洗い替えということで、もう一着用意してくれましたけれど、どうかしましたかあ?」  
きょとんとした表情で、俺の質問に答える夕那。……そうか、ならば。  
「きゃっ!? と、敏則さんっ!?」  
次の瞬間、俺は夕那を抱きすくめたかと思うと、ゆっくりと床に押し倒した。  
目をぱっちりと見開き、俺をじっと見つめる夕那。その表情は驚きと戸惑いの色に染まっている。  
「ゆ…夕那……このまま、しようか?」  
「と、敏則さ……な、何を言って……んふ……ん…っ……んんっ…」  
俺の申し出に、夕那は慌てふためいていたが、  
押し倒した姿勢のままくちびるを奪うと、夕那はそっと目を閉じ、俺の背に手を回してくる。  
俺は、そんな夕那をしっかりと抱きしめ返し、しばしの間、じっと体を重ね続けていた――  
 
「……んふ…っ、と、敏則さん……」  
「ああ……夕那……」  
くちびるを離すと、とろんとした目つきで夕那が俺の名を呼ぶ。  
上半身を起こした俺は、羽織に手を掛け、ゆっくりと胸元を広げた。  
すると、この前見たようなブラではなく、幾重にも巻かれたさらしが姿を現した。  
「なあ…こんなことして、きつくないのか?」  
夕那いわく、『まだまだ成長過程にある』胸を圧迫しているさらしを見て、思わず問いかけてしまう。  
「え? ……少し。でも平気です」  
「そ、そうか……。じゃ、じゃあ、緩めてやらないと、な………」  
夕那は、ほんのり顔を赤く染めながら答えた。そんな夕那の仕草に興奮してきた俺は、  
まるでどっかのエロオヤジみたいな台詞とともに、さらしを脱がしにかかった。  
「……と、敏則さん……あっ」  
脇のところで、さらしを留めていた安全ピンをそっと外し、夕那の上半身を抱き起こす。  
驚きの声を漏らす夕那に構わず、そのまま胸を覆っていたさらしを、ゆっくりと解いていった。  
「……ん。ちょっと赤くなっちゃってるな」  
「敏則さ…あ、あんっ。あっ、あ…あ、ああっ……」  
結構きつく締められていたのか、さらしの痕が胸に赤く残っていた。  
俺が指先で、軽くなぞってみると、夕那は途端に甘えた声を漏らしだす。  
そんな夕那の声に操られるかのように、俺は夢中で夕那の胸を揉み続けた。  
 
「あんっ……と、敏則さん………」  
ふたたび夕那を仰向けに寝かせ、今度は袴の中に手を潜り込ませてみた。  
太ももに触れた途端、ピクリと全身を震わせ、声を漏らしながらも、ゆっくりと両足を開き始める夕那。  
「さて。それじゃ、こちらは………」  
俺は夕那の下腹部へと手を伸ばし、もう片方の手で袴を捲り上げ……  
「………って、お、おい夕那」  
「………え? ど、どうか、しましたかあ?」  
思わず呆れ気味に夕那に声をかけていた。夕那が不安げな表情とともに、俺をじっと見つめる。  
「あ、あのさ……片方の裾に、両足いれちゃってるよ?」  
「え? ………あ、ああっ」  
俺は、足が入っていないほうの裾を、ヒラヒラと掲げ、苦笑いを浮かべながら夕那に教えた。  
……確かにこれじゃ、歩きづらくもなるよなあ。  
夕那は一瞬、きょとんとした表情とともに、目を丸くさせていたが、俺が掲げていた袴の裾を見て、  
状況を理解したのか、ゆでだこのように、顔を真っ赤に染め上げていった。  
「ははっ。でも、ま、このほうが脱がしやすいから、いっか」  
「と、敏則さん……」  
俺はパンティに両手をかけながら、夕那の耳元でそっとささやいた。  
そんな俺の言葉に、夕那は目を潤ませながら、つぶやきを漏らす。  
「それとももしかして、こうするのが狙いだったの?」  
「! も、もうっ! 敏則さんの意地悪っ!」  
が、続く俺の言葉に、夕那はふたたび顔を真っ赤にさせたかと思うと、  
俺の胸元を両手でポカポカと叩きはじめてきた。  
「痛っ、ちょ、冗談だって夕那」  
「ふん。敏則さんったら……ん、っ…」  
俺が苦笑いを浮かべながら謝ると、夕那はポカポカを止める代わりに、  
頬っぺたをぷくりと膨らませ、くちびるをとがらせる。  
そんな夕那のくちびるをふさぎながら、俺は両手で夕那のパンティをずりおろしていった。  
 
「ん……ふっ、夕那……」  
「あっ……と、敏則さん……」  
くちびるを離して上半身を起こしながら、ゆっくりと夕那の両足を広げる。  
夕那の秘所は、処女みたいにピッタリと閉じあわされ、まるで一本のスジのようだった。  
「…っ! あっ、あ…ああっ、あんっ!」  
そのスジをつつっと舌でなぞり、そのまま先端にちょこんとあるクリトリスを軽く咥えてみた。  
すると夕那は全身をくねらせながら、甘い声をあげだす。  
「あふっ! あっ、あっ、ああっ!」  
さらに俺は、両手で閉じあわされた秘所を押し広げ、その中へと指を潜らせた。  
中はすでに、熱い液体で満たされていて、興奮した俺は、自然と指の動きが早くなってしまう。  
「あっ! ダ、ダメ! 敏則さん! も、もう夕那! 夕那!」  
夕那が上半身を弓なりにさせながら、甲高い声をあげだす。  
それでも俺は、夕那への愛撫をやめることは出来なかった。  
「あ、ああ、ああっ!!………」  
俺が軽くクリトリスに歯を立ててみると、夕那は四肢を突っ張らせながら、絶頂に達してしまった。  
 
「ゆ……夕那……」  
絶頂に達して、ぐったりとしている夕那を見下ろしたまま、俺はズボンとパンツをおろした。  
露わになったモノは、夕那の艶姿に興奮して、完全に勃ちあがっている。  
「あっ……と、敏則さん……。あっ! ああっ! ああっ、あああんっ!」  
夕那は虚ろな目つきで俺を見返し、つぶやき声を漏らす。  
俺はおもむろに、夕那の秘所にモノをあてがい、一気に押し入った。  
途端に、夕那の目がぱっちりと見開き、口からはあえぎ声が漏れ出す。  
「と、敏則さ……あ、あはっ! あっ! ああんっ!」  
「ゆ…夕那……。愛してる…愛して、る……っ……」  
一度絶頂に達したばかりで、敏感になっていたせいか、夕那はたちまち絶叫に近い嬌声をあげる。  
俺はまるで、夕那の嬌声に操られているかのように、ひたすら腰を動かし続けながら、  
うわ言のように声を漏らしていた。  
「くっ……う、ううっ!」  
「あ、ああっ、ああーーっ!」  
ほどなくして、俺はあっさりと絶頂に達し、夕那の中へと精をほとばしらせていた――  
 
「もうっ、敏則さんたらあ。ちゃんとゴム付けてくださいって言ったのにい」  
「あ、あはは」  
頬っぺたをぷくりと膨らませながら、抗議してくる夕那に、俺は笑って誤魔化した。  
……正直、生挿れ中出しのほうが、気持ちよかったりするしな。  
「笑ってる場合じゃないですよお。本当に子どもが出来ちゃったら、どうするんですかあ?」  
「ん。人生、何が起こるか分からないんだし、なるようになるだろうさ」  
夕那は中腰になり、袴をたくし上げかと思うと、股を広げて下腹部に力を込めながら、俺をなじり続ける。  
俺は夕那の股間から、糸を引いてしたたり落ちる精液を、ぼんやりと見つめながら答えた。  
……冷静に考えてみれば、人間と幽霊の間に、子どもが出来ることもないだろうし。  
「も〜う、敏則さあん。そんな行き当たりばったりじゃあ、これからが大変ですよお」  
精液がこれ以上出てこないのを確認し、股間をティッシュで拭いながら、夕那の説教は続く。  
「大丈夫だって。夕那が、俺のそばにいてくれる限り、な」  
「と、敏則さ……っ、ん……っ……」  
夕那をそっと抱きしめ、耳元でささやいた。たちまち夕那の顔が真っ赤に染まる。  
俺はしどろもどろになっている、夕那のくちびるをそっとふさいだ。  
……そうさ、夕那がそばにいてくれるなら、俺は何があったって、頑張ることが出来るのだから――  
 
「……んっ。あ、そうだ、敏則さん」  
「なんだい、夕那?」  
くちびるを離した夕那は、思い出したかのように、俺に話しかけてきた。  
「大晦日の晩って、泊まりになっちゃうんだけど、いいですか?」  
「へ? 神社に? 何でまた?」  
夕那の申し出に、俺は目を丸くさせた。  
……確かに、元旦は忙しくなるだろうけれど、別に夜中は誰も来ていなかったじゃないか。  
「えっとお。大晦日の日に、あの神社で結婚式をあげる人が、いるそうなんですよお。  
で、次の日は朝早くから、初詣のお客さんで賑わうので、すっごく忙しくなるみたいなんですねえ」  
「ふうん、そっか。じゃあ俺たちは、三が日が終わってから、ゆっくり初詣をすることにしようか?」  
「あ、そうですねえ。……もちろん二人一緒に、ですよね?」  
「ああ、もちろんさ」  
夕那は俺の言葉に目を輝かせながら、例の上目遣いでじっと見つめてくる。  
俺はそんな夕那の視線に、吸い込まれるように返事をしながら、ふたたびくちびるをふさいでいた――  
 
続く  
 

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