ピロロロロロロ、ピロロロロロロ。
元旦の夕方、テレビを付けたままうたた寝していた俺は、いきなりの電話の音で目が覚めた。
「ふあ〜あ。……もしもし?」
軽く欠伸をしながら、電話に出てみると――
『もしもし、敏則さん?』
「……あ、夕那か。どうしたんだ?」
巫女のバイトに出ていた夕那からだった。寝起きでぼうっとする頭を軽く振りながら、問いかける。
『えっとですねえ……アルバイトなんですけどお、もうあがっていいそうなんで、帰りますねえ。
それで、コンビニかどっかで、何か買って帰ろうかと思うんですけどお……』
「そっか、そうなんだ……いいよ、俺が今からそっちに向かうよ」
『え? い、いいんですかあ?』
言葉とは裏腹に、夕那の声のオクターブが明らかにあがった。
「ああ。正月なんだし、たまにはどっかに食べに行っても、いいんじゃないか?」
『うっわ〜、いいですねえ。それじゃ夕那、着替えだけして、神社で待ってますですねえ』
「ああ、それじゃあな」
電話を切った俺は、急いで身支度をして、自宅を後にした――
神社に到着し、石段を登って境内へと足を踏み入れた俺は、ざっと辺りを見渡す。
そこは、つい先ほどまで雪が降り続けていたおかげで、すっかり雪化粧で覆われていた。
ただ拝殿へと真っ直ぐに伸びる道と、すぐ横の事務所の周りだけが、
参拝客たちの足跡によって、ところどころ土が露出している。
だが、足跡の持ち主たちである参拝客は、見渡すところ誰もいない。
やはり田舎だけに、昼間のうちに参拝を済ませてしまったのだろう、と思う。
「敏則さ〜ん! あけましておめでとうございま〜すっ!」
そんなことを考えていると、背後から俺を呼ぶ声が聞こえる。
振り返ると、にっこりと笑みを浮かべている夕那が手を振りながら、こちらへ向かってきていた。
「ああ、あけましておめでとう、夕那。……って、お、おいっ!?」
夕那の元気いっぱいの新年の挨拶に、俺も軽く笑みを浮かべながら返したが、
不意に夕那に右腕にしがみつかれ、驚きの声を漏らしてしまう。
「さ。早速初詣しましょっ、ね?」
「ん? あ、ああ」
戸惑う俺を他所に、夕那はいつもの上目遣いでこちらを見上げながら、体を預けてくる。
俺は夕那に引っ張られるように、賽銭箱のほうへと歩き始めた――
「じゃ、まあ早速……」
賽銭箱の前に立った俺は、懐からお金を取り出し、賽銭箱へと放り込んだ。
パン パン
拍手を打ち、手を合わせたまま頭をさげ……
「あ〜っ。敏則さん、それじゃダメですよお」
「へ? な、何で……?」
……ようとしたところで、夕那が俺の袖を引っ張りながら、くちびるを尖らせる。
「神社では、二礼二拍一礼って言って、2回お辞儀をして2回拍手を打って、
最後にもう一度お辞儀をするんです。手を合わせたままお辞儀をするのは、お寺さんですよお」
「そ、そうなのか?」
「そうですよお。ほら、あそこにも書いてあるじゃないですかあ」
得意げに腰に左手を当て、チチチッと右の人差し指を振りながら、そのまま神社の柱を指差す夕那。
そこには確かに、『二礼二拍一礼』と書いた御札が張ってある。
「あ……ほ、本当だ」
「でしょお? さ、もう一度お参りなおし、です!」
俺のつぶやきに、夕那は満足げに笑みを浮かべ、ガラガラと鐘を鳴らしはじめる。
……それはそうと、神社の中に向かって指で指し示したりするのは、問題無いのか……。
「じゃ、すみませ〜ん。お先に失礼しま〜すっ!」
「ん、どうもお疲れ様。また明日、ね」
「あ……お、お疲れ様……」
初詣を終え、授与所の前を通りがかったとき、夕那が元気いっぱいに、
授与所の中の巫女さん達に向かって声をかける
中には二人巫女さんがいて、一人はにっこりと微笑みを浮かべながら、軽く手を振ってきたが、
もう一人の巫女さんは、歯切れ悪そうに返事をしたかと思うと、
まるで、こちらから顔を背けるように、向こうを向いてしまった。
……ちらりとしか見てないし、気のせいかもしれないが彼女、どこかで会ったことがあるような……?
「敏則さん? どうしましたかあ?」
「え? ……あ、い、いや。なんでもないよ」
思わず立ち止まって首を傾げていると、夕那が同じように小首を傾げながら、
俺の顔を覗き込むようにして、問いかけてきた。
そんな夕那の仕草に思考を寸断された俺は、もう少しで何かを思い出せそうな気がしていたが、
思い出すのをあきらめ、軽く首を振りながら、ふたたび歩き始めた。
「で、何を食べるんですかあ? 夕那、お腹ぺっこぺこですよお」
「そう……だなあ。とりあえず、町の中でもブラブラしながら考えようか?」
神社の石段を降りながら、夕那は俺の腕にしがみついたまま、目を輝かせながら問いかけてくる。
俺は石段を踏み外さないように、足元に細心の注意を払いながら、返事をした。
「そうですねえ、そうしましょう。……ふふふっ、久しぶりに敏則さんとデートですうっ」
「お、おい夕那っ、石段ではしゃぐと危ないってっ!」
こぼれんばかりの笑顔を見せ、無邪気にはしゃぎ声をあげる夕那に、
多少の照れを感じた俺は、半ば誤魔化すように夕那に向かって叫んでしまう。
「デートっ、デートっ、敏則さんとデートです〜っ♪」
夕那は、そんな俺の考えなど意にも介さず、気分よさそうにスキップしながら、ひたすらはしゃいでいた。
そんなわけで、二人で町の中を歩き回ってはみたものの、どこの店もシャッターが下りている。
かろうじて、駅前にあるコンビニが開いているくらいだった。正月はきっちり休む、さすが田舎である。
「う〜ん、どこも開いてない……か」
「まあ、正月ですからねえ。しかたないですよお」
妙に感心しながらぼやく俺に、相槌を打つ夕那。
「あ、でもあそこは開いてますですよ?」
と、夕那が俺の腕を引っ張りながら、道路の向こう側を指差す。
その先には、いかにも高そうな寿司屋の暖簾に冬の風物詩、ふぐの提灯がぶら下がっている。
「え? あ、あそこ……?」
……た、確かに営業中だが、正直言って財布の中身が……。
「嫌……ですかあ?」
「あ…い、いや。正月だし、たまにはいい、かな…?」
逡巡する俺を見て、軽く眉をひそめながら、上目遣いに小首を傾げる夕那。
そんな小悪魔のような夕那の表情に、逆らう事など出来る俺では無かった。
「で、ですねえ。花嫁さん、すっごく綺麗な人だったんですよお」
「へえ、そうなんだ」
ふぐ刺しをパクパク食べながら、夕那は満面の笑みで語りかけてくる。
……よく考えたら、こうして二人で外で飲んだり食べたりすることって、今までほとんど無かったっけか。
俺は酎ハイを煽りながら、夕那の話に耳を傾けつつ、そんなことを考えていた。
「それで夕那……美由樹さんにも、同じ事言ったんですねえ。そしたら美由樹さん………」
「そしたら?」
と、そこで夕那は不意に顔を伏せ、箸を置いたかと思うと両手を頬に添え、口ごもってしまう。
気になった俺は、思わず身を乗り出して夕那の次の言葉を待った。
「………ゆ、夕那もいつかは、って……」
しばらくの間、夕那は両手に頬を当てたまま、じっと黙り込んでいたが、
やがて目だけを俺に向けて、ぽそぽそと喋りだす。
その顔は、まるでゆでだこのように、真っ赤に染まっている。
「へえ……。で、夕那は、なんて答えたわけ?」
「そ、それは……そのう……お、乙女の秘密ですっ!」
「あ……そ、そっか……」
俺が笑いながら問いかけると、夕那はしどろもどろになっていたが、不意に叫び声とともに箸を取り、
ふぐ刺しを猛烈な勢いでかき集め、一気に頬張り始めた。
「もぐ……んぐ…ごく……っ。おじさんっ、これ、お代わりくださあいっ!」
あっけに取られる俺を他所に、ひれ酒とともに、ふぐ刺しを飲み込んだ夕那は、
そのまま店の大将に向かって、ふぐ刺しのお代わりを注文しだす。
……その所業は、果たして乙女と言っていいものかどうなのか……って、財布の中身、足りるだろうな?
「ただいまあ。ふ〜う。ふぐ料理なんて、生まれて初めて食べましたあ。美味しかったですねえ」
「あ、ああ……そだね」
玄関を開け、誰もいないはずの部屋に向かって、挨拶をする夕那は、
振り向きざまに俺に向かって、こぼれんばかりの笑顔を見せる。
だが俺は、財布の残りを思い出し、虚ろな笑みを返すのが精一杯だった。
……次の給料日まで、禁酒禁煙か……。
「さあってとお。今、お風呂の支度……と、敏則さん?」
「もう疲れた……。用意できたら、起こしてよ……」
夕那は腕まくりしながら、俺に声を掛けてくるが、気力体力ともに疲れていた俺は、
そのまま絨毯の上に、ゴロリと横になった。
「はあい、わっかりましたあ」
俺の心中を知ってか知らずか、夕那はピシリと敬礼をしたかと思うと、
風呂場ではなく隣の寝室へと行ってしまったが、枕と布団を手にして戻ってきた。
「……しょっと。それじゃ、ゆっくり休んでくださあい」
「あ……ありがと」
と、夕那はにっこりと微笑みを浮かべながら、俺に枕をあてがい、優しく布団を掛けてきてくれた。
……まあ、これはこれで、悪くない、かな?
そんなことを考えながら、いつしか俺は、深い眠りについていた――
「……ん? ゆ、夕那っ!? 何やってんだっ!?」
下腹部に妙な刺激を感じて、目が覚めた俺は、思わず叫び声をあげていた。
バスタオル姿の夕那が、俺のモノを咥えこんでいたのだ。
「ん、んふ……あ、お、おはほうでふ……とひのりさん……っ」
俺が目を覚ましたのに気づいた夕那は、モノを頬張らせたまま目だけをこちらに向けて、
にっこりと笑いかけてきた。
「ちょ、ちょっと夕那…っ、ううっ……」
上半身を起こして夕那を止めようとするが、左手で袋を撫で回され、
右手でモノをしごかれる刺激に、思わず仰け反ってしまう。
「だあってえ。敏則さんったら、こっちだけは起きっぱなしだったんですからあ」
そんな俺を見て、夕那は舌先でチロチロとモノの先端部分を舐めまわしながら、呆れたようにつぶやく。
「い、いや。そ、それは――あうっ」
――疲れすぎると、勝手に勃ってしまうんだ――と言おうとしたが、言えなかった。
夕那の舌先が、モノの先端から続く筋の内側をほじくるように、潜り込んでくる刺激がたまらなかったのだ。
「敏則さん、昔言ってましたよねえ。男の人が、おちんちんをおっきくさせるのって、
目の前の女の人が、好きで好きでたまらないからだ、って」
夕那はモノから口を離し、しごいていた右手の動きも止めたかと思うと、
左手の人差し指で、モノの先端をツンツンと突っつきながら、懐かしい目をして小首を傾げる。
「って、そ、それは……っ……」
……確かに、そんなことを言ったかも知れないが……すべてがすべて、そうとは限らないわけで。
「あ……。敏則さん、まさかとは思いますが……夢の中で浮気してたりとか、してないですよねえ?」
言葉を詰まらせる俺を見て、何を勘違いしたのか、夕那は眉をしかめて咎めるような口ぶりで、
左手の親指と人差し指とで輪を作ったかと思うと、ゆっくりとモノの先端にかざしてきた。
……ちょ、ちょっと待てっ! それは正直シャレにならんっ!
「う、浮気とかじゃなくって……」
「ん。それなら全然オッケーです。……っ、んふ……んっ」
俺が必死に否定の言葉を口にした途端、ころりと表情を変えた夕那は、
にっこりと笑みを浮かべたまま、再び俺のモノを根元まで咥え込んできた。
「くっ……。ゆ、夕那……」
不意をつく刺激に、思わず腰が引け、あえぎ声が漏れ出してしまう。
「……っ、ん、んんっ…………。敏則さん……何だか夕那も、たまらなくなってきましたあ」
と、モノから口を離した夕那は、甘えた声でつぶやきながら、俺の顔をまたぐようにして、
いわゆるシックスナインの体勢になったかと思うと、再びモノをしごき始めた。
「うぐ……夕、那…っ……」
快感に震える俺の目の前で、夕那のお尻がゆらゆらと揺れている。
その中心には、いつみても処女と見まごうような、慎ましやかな夕那の秘所がある。
時々、夕那の動きに合わせるかのように、スジがほんの少しだけ開き、
割れ目からピンク色の秘肉が姿を見せるのが、またたまらない。
「あ、ああんっ……と、敏則さあんっ……」
夕那のお尻を両手で押さえつけたまま、そっとスジに舌先を這わせた。
たちまち、夕那は悶え声とともに、お尻をよじらせようとするが、
俺は委細かまわず、そのまま舌先を秘所の中へと潜り込ませてみた。
「あ……ああ…と、敏則さ……っ……はむ……んっ……」
「ん……んむ…ゆ……夕那……っ」
外見とは裏腹に、秘所の中は既に熱い蜜であふれ、ちょっと舌で秘所を押し広げてみると、
途端にとろりとした蜜が、秘所から漏れ出してきた。
夕那は艶っぽい声をあげながらも、モノを口に含ませ、ゆっくりと頭を上下させる。
モノから伝わる快感を、必死に誤魔化すように、俺はただひたすら、
あふれ出した蜜に舌先を這わせ続けていた。
「ゆ……夕、那……」
しばしの間、お互いの敏感な場所に舌を這わせあっていたが、
先に弄られていたせいか、こちらのほうが先に限界が近づいてきた。
……だ、だがこのまま、このまま夕那より、先にイッてしまうのは……っ……。
快感に痺れながらも、妙なプライドが芽生えてきた俺は、そっと夕那の秘所から舌を離した。
「あ……と、敏則さん?」
刺激を中断されたせいなのか、夕那が怪訝そうな声をあげ、ゆっくりとこちらを振り返った。
その表情は、やはり愛撫を中断されたせいなのか、明らかに不満の色が見て取れる。
そんな夕那が、こちらをじっと見つめている中、俺は両手で夕那のお尻をそっと押し広げ、
秘所の上にこっそりと咲いている、菊門にそっと舌先を当ててみた。
「えっ!? と、敏則さんっ!? あっ!」
途端に全身をビクリとすくませ、俺の舌から逃れようと腰をよじらせる夕那。
だが、俺は夕那の腰をしっかりとつかまえ、さらに菊門の周囲を舐めあげる。
「と……敏則さん、ダ、ダメですう……あ、ああ…っ、あ……あんっ……」
今度はつぶやきながら、こちらへと手を伸ばしてきたが、俺はその手首を掴みあげながら、
濡れそぼっている秘所へと導くと、自分から指を割れ目の中へと押し入れ、うごめかせ始めた。
目の前で見る夕那のオナニーと、秘所から響くくちゅくちゅという音に興奮してきた俺は、
指で菊門を押し広げつつ、舌先をすぼませて、菊門の奥へと舌を潜り込ませていった。
「あっ、敏則さんっ! ゆ、夕那、もうっ、もうダメえっ!」
体を俺に押し付けつつ、叫び声をあげる夕那。同時に、握り締めていた俺のモノを、激しくしごき始めた。
「っ、ゆ……夕那……っ」
夕那の菊門を攻めることで忘れかけていた、モノからの刺激を思い出し、下半身がビクリと跳ね上がる。
だが、夕那がしっかりと俺の体にしがみついているため、逃れることもままならない。
「は! あ、ああーっ!」
「うっ! ううっ!!」
やがて、夕那がひときわ高い叫び声とともに、俺のモノをぎゅっと握り締めたとたん、
俺のモノはビクビクと震えながら、白濁した液体を宙へと迸らせていた――