「はあ……はあ、はあ…はあ……よい……しょ、っと……」
「はあ……あ……か、髪の毛に……」
肩で息をさせながらも、ゆっくりと俺の上から体をどかす夕那。
射精後の、このまま眠ってしまいたいような、けだるい気持ちを懸命に抑え、
上半身を起こしながら夕那を見ると、俺が暴発させた白濁液が、
夕那の黒い髪の毛を汚しているのが目に入った。
「……しっかたないですねえ。また、お風呂に入りなおさなきゃ。敏則さん、一緒に入りましょうか?」
「え? あ、ああ……」
夕那は白濁液で斑になってしまった髪の毛を、軽く摘まみあげたかと思うと、
俺に向かって軽く片目を閉じながら、微笑みかける。
口調こそあっけらかんとしているが、どことなく誘いかけるような微妙な微笑みに、
胸を射すくめられたような感覚を覚えた俺は、思わず反射的に頷いていた。
「……ふ〜うっ。さ、敏則さん。背中流してあげますから、こちらへどうぞお」
「あ…う、うん……」
俺の白濁液で汚れてしまった髪の毛を洗い終えた夕那は、一息ついたかと思うと、
ボディーソープで泡立てたスポンジを握り締めながら、湯船に浸かっていた俺に声を掛けてきた。
さっきまで垣間見えていた優艶な様子は微塵も無く、まるで無邪気な子どものような表情だった。
そんな夕那を見て、どこか拍子抜けしたような、思わず反省したくなるような、
微妙な気持ちになった俺は、曖昧に頷きながら湯船からあがり、椅子へと腰掛けた。
「じゃ、流しますねえ」
「ああ」
俺が返事をするかしないかのうちに、夕那はスポンジで俺の背中をゴシゴシ擦り始めた。
「……しょ、っと。どうですか、敏則さん? 強かったり弱かったり、しませんか?」
「いや、丁度いいよ、夕那」
と、何回か背中を往復させた手を止め、夕那は俺に問いかけてくる。
強すぎず弱すぎず、丁度いい力加減に、俺は夕那のほうを振り返りながら、そう答えた。
「そうですか。それはよかったです。……それじゃ、頭でも洗っててくださあ……あ、あらっ」
俺の返事に気をよくした夕那は、にぱっと笑みを浮かべたかと思うと、
シャンプーのボトルに手を伸ばし、俺に手渡そうとしてきたが、
手が滑ったのか、風呂場の隅まで転がっていってしまった。
「す、すみません敏則さん。あれ、とってくださいですう」
「ありゃりゃ。ちょっと褒めるとすぐこれなんだから……」
バツの悪そうな顔で、シャンプーボトルを指差す夕那。
思わず大げさに肩をすくめ、苦笑いを浮かべた俺は椅子から腰を浮かし、
四つんばいの姿勢でシャンプーのボトルに手を伸ばした。
「な、ゆ、夕那っ!?」
が、次の瞬間、俺は思わず叫び声をあげていた。
不意に夕那が、四つんばいになった俺の両足に、絡みついてきたからだ。
上半身を捻り、後ろを仰ぎ見てみると、真面目な表情の夕那がおずおずと、
俺の尻へと顔を近づけてきたのがわかった。
「えっと……ん、っ……」
「ゆ、夕那!? ま、まさ……あく! ……ゆ、夕、那……」
さらに、お尻を広げられたかと思うと、菊門に何か柔らかいものが触れる感触が伝わってきた。
思わず腰を引かそうとするが、両足にがっしりとしがみつかれ、動かす事も出来ない。
「ん……んふ、ん……っ…」
「ちょ、ゆ、夕那……あっ、ああっ」
菊門に触れた柔らかいものが、菊門を押し広げ、中へと潜り込んでこようとしている。
上半身を捻った姿勢のまま、夕那に向かって抗議の声をあげようとするが、
その途端に感じる、股間の袋を細いもの2、3本でつつつっと撫で上げられる感触と、
ぬるりとした何かが、モノを優しく包み込むような柔らかい刺激に、上半身が仰け反ってしまい、
抗議の声どころかあえぎ声が口から漏れ出し、全身から力が抜けてしまう。
「んむ…っ、ん……んふっ……」
力が抜けた隙を突くように、ついに柔らかいものが、菊門の奥へと潜り込んできた。
排泄時に感じる、快感ともいえる微妙な感覚と、袋やモノから伝わる快感に溺れそうになりながらも、
わずかに残った理性が夕那を押しとどめようとして、右手を夕那の頭へと伸ばそうとする。
「ゆ、夕那っ? あっ、ああっ!」
しかし、力の入らない姿勢だということもあり、簡単に右手を掴みあげられたかと思うと、
そのまま勃ちあがっている自分のモノへと押し当てられてしまった。
さらに、菊門の中の柔らかいものが、上下左右に小刻みに動き始める感触を覚えたとき、
ほんのわずかに残っていた俺の理性は、完全に消え失せていた。
「あ、あ、ああっ……ゆ、夕那……」
俺は自らのモノを握り締め、必死に手を上下に揺さぶり始めた。
途端に、目から火花が飛び散るような刺激が、快感となって俺の全身に襲い掛かる。
「ああっ、夕那…夕那あ……」
虚ろな目で口をぽかんと開け、舌をだらりと伸ばしながら、俺は夢中でモノをしごき続ける。
もちろんその間にも、袋と菊門からの刺激はおさまることは無かった。
いや、それどころか、むしろ激しくなってきたかもしれない。
「夕那っ、夕……那っ……」
目からは涙があふれ、口からはだらしなくよだれを垂らしながら、
ただひたすら、消え入るような声でつぶやき続ける。……もう、もう……限界、だ……。
「イ、イクッ! イクうっ! ゆ、夕那ああっ!!」
やがて、今まで経験したことがない、眩暈がするほどの激しい快感の中、
俺は絶叫とともに全身をガクガク震わせながら、床に向かって白濁液をぶちまけていた。
「はあ……はあ、あうっ………はあ…はあ……はあ…、はあ……」
「ああ、汚いですよお、敏則さあん。そんなふうに這いつくばったりしたらあ」
射精の勢いが弱まった頃、菊門に潜り込んでいた柔らかいものが、ようやく引き抜かれた。
何ともいえない快感と脱力感に襲われ、肩で息をさせながら、床へと這いつくばってしまう。
夕那があきれたような声で、俺の肩を揺さぶり、半ば無理矢理起き上がらせようとしてくる。
……そんなふうも何も、だ、誰のせいで、こんなふうになったと思っているんだ……。
「ゆ……夕那……」
「えへへっ、さっきのお返しです。これでおあいこ……きゃっ、と、敏則さんっ!?」
フラフラになりながらも、どうにか上半身を起こして涙まみれの目で夕那を見た。
夕那はこちらに背を向けて、しゃがんだ姿勢でシャワーを浴びていたが、
俺の声に振り返り、こちらに向かってペロリと舌を出してきた。
そのときの、夕那のあまりにもあっけらかんとした表情を目にした瞬間、
胸の奥から言い知れぬ感情が湧き出してきた俺は、気がつくと夕那を背後から抱きすくめていた。
「と、敏則さ……あ、あむ……んむ、んっ……」
夕那は身をよじらせ、抵抗の声をあげようとするが、くちびるを塞いで舌を潜り込ませると、
途端におとなしくなったかと思うと、自らの舌を俺の舌へと絡ませてきた。
「ん…んむ、んふっ……んんっ…」
「……んっ、ん……んっ…んっ!? んふっ、んっ、んんっ」
舌を絡みつかせながら、右手で軽く夕那の胸をまさぐってみると、途端に夕那の鼻息が荒くなりだす。
「ん…っ、と、敏則さ…だ、ダメ、ですよお……さ、さっき、で、おあい、こおっ!」
くちびるを離すと、夕那が眉をしかめながら、俺に向かって途切れ途切れに抗議の声を漏らしだす。
だが俺が、夕那の秘所へと左手の指を潜り込ませると、夕那は脚を閉じ合わせながら上半身を反り返らせ、
つぶらな口からこぼれていた抗議の声が、甲高い悲鳴交じりのそれへと変わる。
「あっ、ああっ、ああんっ! ああっ!」
夕那の胸から右手を離し、必死に脚を閉じ合わせようとする、夕那の右の膝裏へと肘を通し、
片足だけを無理矢理広げさせながら、秘所へと潜り込ませた指をうごめかせた。
夕那は震える手で、俺の左手を掴みあげようとするが、その手には力が全然こもっていない。
「おあいこ、ねえ……。俺はここで止めてもいいんだけど、
夕那のココは……そうは言ってないんじゃないのかなあ?」
指を秘所から激しく出し入れさせながら、夕那の耳元でそっとささやいた。
――言っている俺自身もまた、指の動きとともに夕那の秘所から響き渡る、
くちゅくちゅと湿った音を耳にしているうちに、あたかも秘所そのものが俺を求めているような、
そんな錯覚に陥っていたのだが――
「そ…そっ、そんなああっ、ああっ! と、敏則さあんっ! ゆ、夕那、夕那あああっ!!」
その夕那はと言えば、顔を真っ赤にさせて弱々しく首を振りながら、否定の言葉を口にしていたが、
秘所の上にちょこんと顔を出している、充血した肉芽を親指と人差し指で軽く摘み上げてみると、
夕那は全身をビクビク震わせながら、股間から黄金色の液体を迸らせ始めた――
「あ……あ、と、敏則さん……」
しゃくりあげる顔を両手で覆いながら、消え入るような涙声でつぶやく夕那。
勢いは収まったものの、未だに夕那の股間から液体がチロチロとあふれ、太腿を伝っている。
「ゆ、夕那……」
「敏則さん……は、恥ずかしいですう………」
俺は初めて目にする放尿シーンと、子どものように泣きじゃくる夕那を見て、
ほんの少しだけ罪悪感が湧き上がるとともに、心臓の鼓動が痛いくらいに高まっていった。
「恥ずかしい……ねえ。でもさあ……」
「あっ! 敏則さんっ!?」
言いながら、再び夕那の秘所へと指を潜り込ませた。
夕那はたちまち、腰砕けの姿勢になりながら、涙にあふれた目をぱっちりと見開いて、俺を見上げる。
「……ほうら。この、ねばねばしたのは、さっきのおしっこ……じゃあないよね?」
俺は秘所から指を抜き、夕那の眼前へとかざした。俺の指は言葉どおり、ねばねばした液体にまみれ、
液体で出来た透明な細い糸が、何本も床へと向かって垂れ落ちていく。
「と……敏則さあん…っ」
両手で握りこぶしをつくり、口元を押さえながらいやいやと首を振る夕那。
くりくりっとしたその目からは、大粒の涙がポロポロとこぼれ、頬を伝って流れ落ちている。
……もう限界、かな?
「夕那……今度は……い、一緒に……」
そんな夕那を目にして、急に罪悪感が強くなってきた俺は、すでに二度果てたにも関わらず、
痛いくらいに勃ちあがっていたモノを、夕那の秘所へと擦りつけながら、耳元でそっとささやいた。
「……………。で、でも……」
「でも?」
夕那は無言でコクリと頷いたが、恥ずかしそうに俺の顔を見上げながら、ぽそぽそとつぶやく。
無意識のうちに、腰をゆっくりとうごめかしながら、夕那の口元へと耳を近づけた。
「ゆ、夕那……あ、ああんっ……と、敏則さんの…あっ、ああっ……ほうを向いて………その……」
腰をもぞもぞとよじらせ、艶っぽい吐息混じりに夕那は言葉を続ける。
俺は返事の代わりに、夕那をそっと抱きしめ、くちびるを奪っていた。
「い……いくよ、夕那」
「は、はい……」
椅子に腰掛け、両足を広げた夕那の秘所へと、モノをあてがい、震える声で問いかける。
夕那はとろんとした表情で俺を見つめながら、ゆっくりと頷いた。
「………っ!」
「はあ……! あ…敏則さん……っ!」
夕那がコクリと頷くのを見て、俺は夢中でモノを夕那の中へと潜り込ませる。
既に今までの行為で、あふれんばかりの蜜をたたえていた夕那の秘所は、
難なく俺のモノを飲み込んでいった。
それと同時に、言葉にならないくらいの快感が全身を包み込み、思わず息を詰まらせてしまう。
「あ、ああっ……夕那っ……」
「と…敏則さん……敏則さん……んむ…っ……」
俺は左腕を夕那の腰に回し、右腕で夕那を抱き寄せながら、ゆっくりと腰を動かし始める。
夕那はそっと、俺の背中へと両腕を回してきたかと思うと、軽く耳たぶに歯を立ててきた。
次の瞬間、まるでそれが何かのスイッチだったかのように、俺の腰の動きは激しくなっていった。
「ああ……いい、夕那……夕那……」
「敏則さん……あっ、ああっ、ああっ!」
お互いを呼び合う声が、少しずつ甲高くなっていく。
さらに二人が交わっている場所からも、腰の動きに合わせてぐちゅぐちゅと、湿った音が聞こえる。
まるで、俺たちの喘ぎ声には負けてられない、とでも言っているかのように。
「夕那、イク、イクぞ夕那、夕那ああっ!」
「と、敏則さんっ! 夕那も、夕那もおおっ! 敏則さああんっ!!」
それからほどなくして、俺たちは全身をビクビク震わせながら、揃って絶頂に達していた。
「はあ……はあ、はあ…はあ…」
「……はあ、はあ、はあ……はあ」
俺たちは絶頂に達してからも、繋がった姿勢のままで、しっかりと抱きしめあっていた。
こうしていると、お互いの胸の鼓動を感じ、ひとつになっているように感じられるからだった。
「敏則さん……」
「ん? な、何?」
と、夕那が小首をかしげ、いつもの上目遣いで、俺に話しかけてきた。
どことなく非難じみた口調の夕那に、まるで心臓を鷲掴みにされたような感覚を覚えながら、返事をする。
「また……また中に、出しちゃいましたねえ……」
「あ……そ、それ、は……」
小首を傾げたまま、くちびるを尖らせてつぶやくように言葉を続ける夕那。
俺は言葉を詰まらせ、ぽかんと口を開けて夕那を見つめていた。
……そういえば、そんな話をしていたばっかりだったが…今回は、夕那も了承していただろ?
「ふふっ、でもいいです。子どもが出来ちゃったら、責任とってもらいますからっ」
「え? そ、それって子どもが出来なかったら、責任とらなくていいってこと?」
しどろもどろになっている、俺の鼻先に指を突きつけ、にぱっと微笑む夕那。
だが俺が、疑問に思ったことを口にすると、見る見るうちに夕那の顔が真っ赤に染まっていく。
「………。も、もうっ、何を言ってるんですかあ! 敏則さんの意地悪っ!」
「お、おいおい冗談だよ、夕那…って、う、うわあっ!?」
ゆでだこのように顔を赤らめながら、両手で俺の胸をポカポカと叩き始める夕那。
苦笑いしながら、返事をしていた俺だったが、不意に夕那が全体重をこちらに傾けてきて、
バランスを崩した俺は床へと倒れこんでしまった。
「夕那、決めました!」
「え? な、何を?」
図らずも、騎乗位の体勢になった夕那は、握りこぶしを作りながら、大きく頷く。
「このままじゃ夕那、敏則さんに捨てられそうなので、一日でも早く、子どもをつくりますっ!」
「ちょ! ゆ、夕那! 俺が夕那を捨てるはず、ないだろっ!」
そう宣言したかと思うと、夕那はゆっくりと腰を上下に動かし始める。
再び下腹部を襲う快感に震えながら、俺は夕那に向かって叫んでいた。
「……………本当ですか?」
「ほ、本当だって! 信じてくれよっ! そ、それどころか……」
夕那は腰の動きを止め、俺の顔を覗き込むようにして、問いかけてくる。
こちらをじっと見つめる夕那の、いつになく儚げな表情を目にして、
痛いくらいに胸の鼓動が高まるのを覚えながら、俺は必死に何度も頷いて返事をしていたが、
思い切り恥ずかしいことを言いそうになってしまい、思わず口ごもってしまう。
「……それどころか、どうしたんですかあ?」
「あ………そ、その……。俺のほうこそ、ゆ、夕那にずっとそばにいて欲しい……離れて欲しくないん、だ」
だが夕那が、そのひと言を聞き逃すはずもなく、ゆっくりと体を俺にもたれかかせてきたかと思うと、
小首をかくんと傾けながら、いつもの上目遣いで聞き返してきた。
ピッタリとくっついた夕那の体から、トクントクンと胸の鼓動が響くのを感じながら、
覚悟を決めた俺は、それでも顔をまともに見ながら言うのが、たまらなく恥ずかしかったため、
夕那をそっと抱き寄せて、耳元でささやくように答えた。
「…………………………………」
俺の告白を耳にした夕那は、軽く体を起こしたかと思うとひと言も喋らずに、じっとこちらを見つめてくる。
そんな夕那の視線に、耐えることなど出来るはずもない俺は、思わず顔を背けてしまう。
「…………………わっかりましたあ。夕那も、敏則さんから絶対に、離れたくないですっ!」
「夕那……ずっと、ずっと愛してる……っ……」
と、夕那は不意にいつもの笑顔に戻ったかと思うと、迷うことなく俺の首筋にしがみついてきた。
俺は声を震わせながらも、夕那をしっかりと抱きしめ返し、そのまま口づけを交わしていた――
おしまい。