この姿にされてからどれくらい経ったのだろう。もう日を数えることも止めてしまっていた。
犬のようで、人のようで、そのどちらでもない人外の生き物の姿。
こんな姿で世間に出られるはずもなく、私は私をこんな姿にした「御主人様」の下に身を寄せている。
御主人様に「飼って」もらわなければ社会的に生きていけないこの状況。
私は捨てられないように、御主人様の言うことを全て聞いて、躾てもらって、ごほうびをもらって…
…気がついたら、「社会的に」だけではなく、肉体的にも精神的にも、御主人様なしではいられないようになっていた。
首輪の鎖がじゃらりと鳴る度に、恥ずかしさを感じると同時に胸の奥がきゅうんとする。
今日の「躾」の舞台はワゴン車の後部荷台。
ドアの取っ手や座席の下などを通した縄で縛られ、
抵抗もできず恥部も隠せない格好で床に仰向けに転がっている私の視点からは、
角度的に空しか見えず、周りの様子もここが何処なのかもわからない。
御主人様は私の毛並や肌が傷むことを嫌うので、ごつごつした床に毛布を敷いてくれてはいるが、不安は抑えられない。
秘所に生温かくぬるぬるしたものが塗りつけられる。薬…じゃない、油…?それもどうやらバター…ってまさか…
車体側面の扉が開く。座席の陰になって外はほとんど見えないが、何か大きな生き物の影。
次の瞬間、大型犬が座席を飛び越え私の目の前にその姿をあらわにし、私はひっ、と息をのむ。
私と違い、元人間という雰囲気ではない普通の犬は、バターの匂いに惹かれて私の秘所を嗅ぐ。
そこに荒い鼻息がかかる感触にびくんと耳を震わせる私を気にも留めず、犬はべろりと私の秘所を舐め上げた。
「や…ッ!」
「あまり大きな声を出すと、人に見られちゃうよ」
御主人様の言葉に、悲鳴をあげかけた口をつぐむ。
犬の舌は容赦なく私のそこを撫で回し、私は必死で嬌声をあげそうになるのをこらえる。
御主人様は私のこの痴態を前に、何時の間にかビデオカメラを回し始めていた。
「やめ…ッ、くぅん、こんな、こんなの…ぉんッ…い…やぁ、っ…とっちゃ…やぁ…!」
でも、そんな精一杯の拒絶の言葉を、私の体はあっさり裏切っていた。
犬の舌の感触に思わず浮かせてしまった腰。
その腰と床との隙間の窮屈な空間で、尻尾が、ぱたぱたと揺れている。
…私…わたし、悦んで、る…
這い回る舌の刺激、見られているという羞恥心、それに……雄犬の…匂い…
自分のそこが、バターや犬の唾液とは違うモノで濡れてくるのがわかる。
……ああ、そっか…わたし…めすいぬ…だもん、ね…
雄犬も雌犬の匂いがわかったらしい。口を離して、私の上に覆い被さる。
縛られて動けず、仰向けのままの私の胸の上、ちょうど左の乳首が前足で踏みしだかれて
「くぅん…!」
と鳴き声みたいな甘い声をあげてしまった。
腰に、何か熱いモノが押し当てられて……
「さ…犬同士、仲良く、ね」
御主人様の声が胸をきゅうん、とさせる。
ああ、もう自分では、この首輪を、外せそうに、ない。
〜犬のしつけ方 そのH〜
人間だけじゃなく、他の犬とも遊ばせて、「自分は犬なんだ」ということをきちんと自覚させるようにしましょう。