九尾の妖狐は妖怪の中でも最高位。  
その妖力は一妖狐を遥かに凌駕し、他を超越する存在。  
…の筈だった。  
 
「くっ…」  
「うふふ、油断したわね、ツクヨミ?」  
 
その九尾が、ただ一匹の化け猫に手が出せないでいる。  
化け猫は薄茶色のクセのある髪を書き上げ、妖艶に微笑んだ。  
 
「アタシ特性の麻痺毒よ。嗅ぐだけで動けなくなっちゃうの」  
「…何が目的だ?」  
「何って、ナニに決まってんでしょ。  
最近の若い化け猫は弱くてさ〜…アンタぐらいじゃないと…満足できないのよ〜…」  
「…っ!」  
 
股間を着物越しに触られ、ツクヨミの体躯が震える。  
 
「ほぉら、アンタも分かってたんでしょ?こんなに硬くしちゃって…」  
「何を…した?身体が…熱い……」  
「なぁに…ちょっとした催淫よ」  
 
そう言ってツクヨミの頬を撫でるのは、  
二股の尾を持つ化け猫、ミオ。  
ふくよかな胸と括れた腰、突き出た尻が魅力的な化け猫だ。  
ツクヨミは必死にこの場を脱出する方法を考える。  
 
「(転身の術で…駄目じゃ、こんな不安定な精神状態ではあの術は発動出来ぬ。  
狐火なら…出せるが、ミオを止める程の力は無い…どうする…)」  
 
いくら考えても答えが出る事は無かった。  
ミオは化け猫の中でも特に位が高い方で、妖力も侮れない。  
 
「うふふふ…どうせアンタの事だから、  
どうにかして逃げようと思ってるんでしょうけど…無駄よ、アタシが結界を張っといたから」  
「……」  
 
この一言はツクヨミを諦めさせるのに十分な効果を持っていた。  
ミオの結界術はツクヨミですら破るのは困難だ。  
ましてやこのような状態で破れる物ではない。  
 
「諦めた?それじゃあ始めましょう…」  
 
ミオの手がツクヨミの物を捉える。  
そしておもむろに其れを口に含み、舐めだした。  
生暖かい感触がツクヨミの物を包む。  
 
「ぁ…っ!」  
「んふふ…きもひいいれしょ?」  
「こ、の…ッ、痴女め…ッ…!」  
「最高の褒め言葉よ」  
 
始めは優しく包むように、直に前後に激しく、汲みだそうとするかのようにツクヨミを攻め立てる。  
ミオが上目遣いで此方を見上げた。扇情的な光景に高まる射精感。  
 
「…っく……」  
「なに?我慢してんの?出しちゃえばいいのに…」  
「…いくら貴様とは言え、女子の口を汚す趣味は無い……」  
「ひゃあ、立派立派。さすが妖狐の首領様」  
 
ミオがおどけて言う。  
でも…と目を光らせた。  
 
「これはどうかしら?」  
「ぁっ…!?」  
 
ミオがツクヨミの尻に指を入れた。  
直に前立腺を刺激され、さしものツクヨミでも身を震わせて白い液体を迸らせた。  
 
「んふふ…おいし…」  
 
口に付着した粘液を舌で舐め取るミオ。  
 
「き、き…貴様…」  
 
ツクヨミはミオの痴態と、尻に指を突っ込まれるという初めての屈辱に顔を真っ赤に染めた。  
 
「あぁん、もう…つれないのね、ツクヨミ」  
「何?」  
「普通はここで襲い掛かってくる物よ」  
「襲い掛かるも何も…ろくに体を動かせない私に、どうしろと……」  
「あっ…そっか!…うわどうしよ、アンタを捕まえてから先の事考えてなかった」  
「…馬鹿か」  
 
頭を抱えるミオと、呆れ半分に溜息を付くツクヨミ。  
 
「…そうだ!こうすればいいのよ!」  
 
いうなりツクヨミを押し倒すミオ。  
ツクヨミは受身が取れず、まともに背中に衝撃を食らう。  
 
「はぅっ!」  
「あ…ゴメーン」  
「ッ…げほっ、げほっ…」  
「と、とにかく、こうすればいいのよ」  
 
と、ミオは着物を肌蹴て全裸になり、ツクヨミのそそり立つ一物の上に跨った。  
ミオの秘所は既にずぶ濡れだ。  
 
「な…ま、まさか…」  
「アタシが襲っちゃえ〜!」  
 
一気に腰を沈め、奥まで貫かれるミオ。  
同時にツクヨミも戦慄く。  
 
「はぁああん!あ、あぁあ…」  
「くぁっ!?」  
 
ミオはツクヨミの圧迫感に恍惚の表情を浮かべる。  
そして腰を激しく振りたて始めた。  
 
「きゃあん!あっ、あぁっ!」  
「……っ!」  
「はぁんっ、イイ…ッ!ツクヨミ、アンタの…凄くイイよぉ!」  
 
森の静けさに淫乱な性交の音が溶け入る。  
ミオは淫らな腰使いで自らを攻め立て、絶頂へと追い込んでいく。  
 
「あァ!イクッ、イクゥッ!アタシ…ツクヨミのでぇっ…!イッちゃうよぉッ!」  
「ミオ…ッ…貴様…」  
「うぁっ!きゃあん!はぁっ!んぁあ!ツクヨミ…、アンタ…最高ぉ…!」  
「…っ!」  
「きゃあぁああぁん!」  
 
熱い欲望の塊がミオの膣内を汚す。  
その熱さにミオが嬌声を上げた。しかし…  
 
「ひゃあっ!?」  
 
ツクヨミは攻めを止めなかった。それどころか、下から激しくミオを突き上げる。  
 
「ひぅうっ!だ…めぇ、今は、ぁっ!感じすぎ…ちゃうっ…!」  
「快楽は貴様が自ら求めた物では無かったのか?」  
「そう…だけどっ、ひゃぁあん!!」  
「ならば文句は付けられまい?」  
「アンタ…まさか、毒…解け…」  
 
ミオは背中を反らせ、与えられる快楽に溺れながらも言った。  
 
「そうじゃな…動かしやすくなった」  
 
「貴様から与えられた屈辱…晴らしてくれる」  
「そ、そんなっ…!ひぁあん!これ、いじょう…されたら…アタシ、おかしくなっちゃ…!」  
「死にはしまい?」  
「死んじゃうーっ!」  
 
ミオは2度目の絶頂を迎える。  
しかし、ツクヨミの動きは止まるところを知らない。  
ツクヨミはミオの腕を掴み、狐の尻尾でミオの体躯を隅々まで撫で回す。  
乳房を締め付け、乳首を弄び、尾の一本を尻の穴に侵入させる。  
直腸に侵入してきた尻尾がツクヨミの一物と擦れ、予想だにしなかった快感をミオに与える。  
 
「ひぁああぁ!うぁっ、きゃぁああん!!いや、また…イッちゃうー!」  
 
膣壁が抉られ、子宮を突かれ、直腸の中で尻尾が暴れまわる。  
 
「んあぁぁあぁあ!」  
 
ツクヨミはミオの腕を掴む役目を尻尾二つに任せ、開いた手でミオの尻尾を掴んだ。  
 
「きゃあぁっ!」  
 
性交中の化け猫の雌は、尻尾が性感帯になるのだと…ツクヨミは心得ていた。  
二本の尻尾を両手で掴み、扱いたり強く握ったりと繰り返す。  
 
「だめぇ!しっぽ、やめてぇぇ!」  
 
上半身を起こし、ミオの唇を舌で舐める。  
 
「…頂くぞ」  
 
 
…ミオが解放されたのは、それから1時間後、何度となくイカされた後であった…。  
 
 
「ただいま」  
「あ、お帰りなさいませ、ツクヨミさま」  
「…よい香りじゃ」  
「はい、油揚げです。…?疲れておいでですか、ツクヨミさま?」  
「なに…猫を懲らしめてきただけじゃ」  
 
 
ミオはそれ以後、ツクヨミを二度と怒らせまいと心に誓ったのだった。  
 
<終>  
 

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