むかしむかし。
あるところに九尾の狐が住んでおりました。狐は名をツクヨミと言いました。
ツクヨミは大層心優しく、その容貌もとても美しい物でした。
ツクヨミは自分の住処、お稲荷山を目指して帰路に付いておりました。
すると、鶴の苦しげな声が聞こえてくるではありませんか。
ツクヨミが声のする方へ行くと、一匹の鶴が罠に掛かって苦しんでおりました。
「なんと痛々しい。待っているのじゃ、すぐに助けてやる。」
ツクヨミはすぐに若い男の姿に化けました。
男もまた美しく、金色の髪が長く伸びています。
ツクヨミは罠を外してやると、鶴の傷を妖術で癒してやりました。
「これで良い。もう人間の罠になぞかかるでないぞ。」
ツクヨミは言い残すと、自分の家へ帰って行きました。
その夜。
扉を叩く音で眼を覚ますと、外に若く美しい女が立っておりました。
ながい黒髪は雪を孕み、所々が白くなっています。
女は、頭を下げてこう言いました。
「こんばんわ、わたしはちとせと申します。
突然の吹雪に見舞われてしまい、帰る事ができません。どうか一晩泊めて頂けないでしょうか。」
しかし、ツクヨミにはすぐにわかりました。
「隠すな、ちとせとやら。お主、私が助けた鶴であろう。」
「…お分かりですか、九尾の狐さま。」
「私はツクヨミだ。…立ち話もなんだろう、上がれ。」
ツクヨミはちとせを家に招き入れ、話を聞く事にしました。
ちとせは正座をしてツクヨミに言います。
「わたしを助けてくださったツクヨミさまに、
どうしても恩返しがしたくて…なにか、困っている事はありませんか?」
「ないな。私は見返りを求めてお主を助けた訳ではない、
気に病む事はないのだ。わかったのなら帰るがよい。」
「うぅっ………わたしには、家がないのです。吹雪で飛べないのです…。
わたしがここにいたら、迷惑でしょうか…。」
ちとせが上目遣いでツクヨミに言いました。
瞳にはうっすらと涙が滲んでおります。
「ぬ…っ…。そこまでは…言っておらぬ。
それに、一晩なら…泊めてやらん事もない。」
「本当ですか!有難うございます、ツクヨミさまっ!」
「ぬぉ!?急に抱きつくでない!」
かくして、ちとせを家に泊めることにしたツクヨミですが…
次の朝になっても、ちとせは帰る気配はありませんでした。
それどころか、一日中ツクヨミにべたべたべたべた…。
次の日も、また次の日も。
ちとせはツクヨミから離れようとはしません。
「どういうことじゃ、ちとせ。
私が泊めてやると言ったのは一日だけのはずじゃ、何故お主は一週間も私の家から出てゆかない?」
「だって…だって、ツクヨミさま…」
「だっても何もない、私に納得のゆく説明をしてみせよ」
ツクヨミはとうとう、ちとせを問い詰める事にしました。
ちとせは悪戯を叱られた童のように俯いています。
「わたし…は、ツクヨミさま…と…離れたく…ないん、です…」
「何?」
「わたしは、ツクヨミさまが好きです…!
お美しいところも、お優しいところも…!わたしを助けてくれた…その時から…。
ツクヨミさまと離れたくないです…!だから…わたし…」
やや呆気にとられながらも、ツクヨミはちとせの告白を受け止めました。
「わたしをお傍においてください、ツクヨミさま…。
迷惑にならないよう努力します、精一杯尽くします!だから…」
「もう、良い」
ツクヨミはちとせを優しく抱きとめました。
「すまなんだ、気付いてやれなかった。
お主が私をそんなに思っていたとはの…」
「いえ…いえ…、ツクヨミさま…」
「私も孤独は飽いた所じゃ、迎え入れようぞ。私も…お主と過ごしたこの日々、心地よかった」
「本当ですか…!」
「あぁ」
「嬉しい、ツクヨミさま…」
そのまま、二人はどちらからとも無く唇を合わせました。
ちとせは、ツクヨミの唇を積極的に啄ばみました。
ツクヨミは舌を絡め、ちとせに応えます。
そして、啄ばむ様だった接吻は、貪るように、淫らになってゆきました。
ツクヨミは、妖術で部屋を暖めました。そうして寒くないようにしてから、ちとせの着物を紐解いてゆきました。
その度、ちとせの美しい体躯が露わになってゆきます。
「美しい」
ツクヨミはちとせの乳房を手に取り、弄びます。
「あっ…」
先端の桜色の勃起にも刺激を与えると、ちとせは高く、か細い嬌声を上げました。
「ここが良いか?」
ツクヨミは反応を楽しむように執拗に勃起を攻め立てます。
「ふぁっ…きゃぅっ…ぁっ!」
「ふふ、硬くなってきておるぞ。感じておるのか?」
「んっ…はぃ…気持ち、いぃ、です…ツクヨミさま…」
ツクヨミは勃起の一つを口に含み、舌で舐めあげました。
「ひぅっ…ん…!あぁっ…!」
そのままツクヨミは乳を吸い出そうとうする赤子のように吸い上げます。
「ひゃあぁんっ…!」
ちとせは傷みと快感の入り混じった感覚に噎びました。
ツクヨミが既に潤ってきている蜜壷に触れると、ちとせの体躯が跳ねました。
ツクヨミはちとせの中に指を埋め、かき回します。
「ひぁっ!んぁあ!やぁあっ!」
「どうした、まさか初めてなのか?」
「はぁっ…殿方に触れてもらう機会など…ありませんでしたので…」
「…それは、大事に扱わねばな…」
ツクヨミはちとせに甘い接吻を施しました。
次いで、乳房の一つに口を付けます。
「っつ!?」
乳房に咲いた赤い花が、ちとせの目に映ります。
「こういう事もされた事がないのか?」
「は、はい。どういうものなんですか、それは?」
「これは、ちとせが私の物になったという証じゃ」
ツクヨミはそう言って、ちとせの胸から頬までをを舐め上げました。
「ツクヨミさまぁっ…!」
ちとせは感激に身を震わせます。
「私もこういう経験は少ないのでの…上手くできないかも知れぬが、許せよ」
ツクヨミはちとせの体躯を満遍なく嘗め回します。
頬、唇、首と降下してゆき、手や指、胸、臍、そして股間に顔を埋めました。
「ひぁっ…!?ツクヨミさま、そこは…!」
卑猥な水音を立てながら、ツクヨミが陰部を舐め回します。
陰核を覆い隠す包皮を上手く剥がし、ざらついた舌でそれを舐めあげると、ちとせの体躯は跳ねました。
「きゃうぅっ!あぁぅっ、くぅんっ…!」
そして舌を秘裂に合わせて這わせた後、ゆっくりと沈めてゆきました。
「はぁっ…んぅっ…ツクヨミ…さま…」
ちとせが足を閉じると、ツクヨミの頭が固定されてより深く舌が侵入してきます。
思いがけない快感に、ちとせは軽く達してしまいました。
ツクヨミは頭を上げ、口の周りの愛液を舐めとりました。
「はっ…はっ…」
「ちとせ、お主相当敏感なのじゃな…」
小さい爆発音がして、ちとせが驚き音のする方へ目を向けると、九本の尻尾がツクヨミの後ろに生えてきていました。
その尻尾を器用に動かし、一本は秘所を、残りの八本でちとせの身体を弄ります。
「きゃっ…はっ…」
「どうじゃ?」
「あっ…気持ちい…です…」
「ふむ、ではこれでどうじゃな?」
秘裂を撫でていた一本が、ちとせの中へと入っていきました。
柔かい毛の感触と、硬い尾の感触がちとせの体躯を支配します。
「んぁあっ!や、ぁ…」
「ふむ、これはまた違う趣があるな…」
「ひうっ!?ふあぁ!」
ツクヨミは尾が膜を破らないようにしながらも、ちとせの膣壁を撫で上げます。
感じたことのない感覚に、早くもちとせは溺れかけています。
「はぁっ…ツクヨミさま…わたし…もう…
辛抱…なりません…。…入れて、ください…ツクヨミさまの、を…ください…っ」
ちとせのお願いを聞き入れたツクヨミは、尾を引き抜き、妖術を用いてちとせの股間に触れます。
「はぁっ…ん…ツクヨミさま、何を…?」
温かい湯に浸るような感覚を覚えながら、ちとせがツクヨミに尋ねます。
「私の妖術じゃ、破瓜の痛みをなくしてやろうと思うてな」
「えっ…?」
「初めてなのじゃろう?私はちとせに痛い思いはさせとうない」
「…っツクヨミさま…!」
「さ、力を抜いて…。私に身を委ねるのじゃ」
「はい…」
ツクヨミは自身の物をちとせの秘裂に宛がい、一気に貫きました。
「ひゃあぁぁあん!」
襲ってきたのは、痛みではなく、快楽。
全く傷みの伴わない快感がちとせを襲いました。
「っ…辛くないか?」
「はいっ…大丈夫です…」
「動く、ぞ?」
ツクヨミが言い、腰を動かします。
「あぁっ!ふぁん!あっ、あぁっ!」
ちとせの膣は、容赦なくツクヨミを締め付けます。
卑猥な音が部屋に木霊し、ちとせを淫乱な気持ちにさせます。
「はぁっ、ツクヨミさまっ、ツクヨミさまぁっ!強く…激しく、突いてくださいっ…!」
「ちとせ…っ」
喘ぎながらに自分を呼ぶちとせが、ツクヨミはどうしようもなく愛おしくなりました。
ちとせの言う通り、ツクヨミは強くちとせを打ちつけ、膣壁を抉ります。
「うぁあっ!ツクヨミさまぁっ…!すごっ…い、気持ちいいです…!奥まで…っ当たって…っ!」
「ちとせっ…!私は…お主を、離しはしない…っ!」
「きゃうんっ!ふぁあっ、ツクヨ、ミ、さまぁっ!うれしっ、ですっ、あぁっ!」
ちとせを内部まで激しくかき回し、穿ち、貫くうちに、ツクヨミはちとせに今まで感じたことのない程の狂おしい愛を感じました。
ツクヨミの愛は自然に口をついて、ちとせは涙を流しながら嬌声を上げます。
「ふぁあんっ!ツクヨミっ、さまぁ!好き、ですっ…!、愛してますっ!」
「私、もっ…愛しておるぞ、ちとせっ…!」
「あんっ、ひあぁっ!」
「くっ…、もう、限界、じゃ…!」
「あぁっ!来てください、ツクヨミさま!わたしの中に、ツクヨミさまのっ…!いっぱい、だしてっ…!」
「っ…!」
「ふぁあぁあぁぁっ!」
ちとせが盛大に達し、ツクヨミは膣内に大量の精子を放出し、ゆっくりとちとせの中から引き抜きます。
「んぁっ…!」
ちとせは達したばかりで敏感になっているのか、可愛い嬌声を上げてツクヨミに抱きつきます。
「ちとせ……」
「大好き…ツクヨミさま…」
ツクヨミはちとせを寝かせてやり、自分もその隣に横になりました。
ちとせは疲弊していたためかすぐに寝息を立て始めます。
ツクヨミは抱きつかれたままの腕を外すこともできず、眠りに付くのでした。
<終>