「かっなっちゃ〜♪」  
「っと…なぁに、日和?」  
 春の日差しが暖かい昼下がり、背中にくっついてきた幼馴染みで…その…彼女  
…の日和に、振り向かずに答える。  
「体育だよ、体育〜!」  
「分かってるわよ」  
 まだお昼休みも半ばだというのにはしゃいじゃって…  
「ほら、分かったから離れなさい」  
「佳奈ちゃも早く行こーよ!」  
「はいはい。行くのは良いけどそうやってくっついてたら着替えられないわよ」  
「あ、それもそーだねー」  
「全くもう…」  
 離れた日和を追うように振り返ると…  
「ひ、日和!?」  
「ふえ?」  
 そこにはスポーツブラとショーツだけの日和が首を傾げて立っていた。  
「そそそ、そんな格好でうろうろしてないの!」  
「え〜?どうせ周りみんな女子だし、ダイジョブだよ〜」  
「周りが女子でももう少し節度をもちなさい!」  
「ぶ〜…佳奈ちゃの固いも〜」  
 固いもとか意味が分からないことを言いながら、自分の席に戻って体操着を着  
始める日和。  
 全く…あの子は恥じらいや警戒心がないんだから…私の方が持たないわ…  
「って、な、何考えてるの私!?そ、そうよ、周りは女子ばかりなんだし、うん、大丈夫!」  
 自らに言い聞かす様に呟きながら、自分も着替えるために立ち上がる…が、目  
が日和のお尻から離れない…  
「………重症だわ…」  
 机に手をつき、がっくりとうなだれる。先日の一件以来妙に意識してしまって、  
近い内に日和曰くの完璧超人から転落しそうな勢いで挙動不審になっている。  
「……ま、それでもいっかぁ」  
 端から見たら独り赤くなったり笑ったり、独り言呟いたり…けれどそれも、君  
とならまた楽し、よね。  
「佳奈ちゃ〜!先行くよ〜!」  
「あっ!ちょっと待ちなさいよ!」  
 体操服とブルマを着込み、教室の入口でぶんぶか手を振る日和を呼び止め、私  
も慌てて服を着替え始めた。  
 
「いっくよー!魔球ひよちゃんボール3号!!」  
 黄色い声が飛び交うグラウンド、一際元気な声で意味不明な事を叫びつつ、そ  
の小さな体を目一杯使ってマウンドから白球を放り込む女の子。  
「きゃあ!無理よー!」  
 かなりのスピードでキャッチャーの構えた所へ飛び込むボールから一番遠いと  
ころに立ち、悲鳴をあげながら空振りする生徒。  
 どうみても女の子が投げるとは思えない速球で、ソフトボールと言うのに三振  
の山を築いているのは言うまでもなく、マウンドでブイサインを決めている日和  
その人だった。  
「目指すは江夏ー!」  
 マウンドで仁王立ちになり、拳を突き上げて叫んでいる。  
「…何訳分かんない事を言ってるのかしら」  
「佳奈ちゃ!!」  
 軽く素振りをして打席に向かう私をビシィッと指差して威嚇してくる日和に、  
背中から聞こえる味方チームの声援。  
「ここで会ったが赤城山だよ!」  
「百年目、でしょうが」  
「そうとも言う!」  
「そうとも、じゃなくて、そうしか言わないの!」  
 相変わらずの調子に思わず指差し返して叫んでしまう……って、いけない、私  
のスタイルが……慌てて咳払い1つ。  
「まぁ…チームのためにも、打たなきゃね〜」  
 実は私はスポーツも大の得意、日和を挑発するようにバットでレフトスタンド  
を指す。  
「むっ!いくら佳奈ちゃでも打たせないからね!」  
 予想通り地団駄踏んで興奮する日和…何年付き合ってると思ってるのかしら?  
 さらにヒートアップしてる背後の声援も怖いものの、取り敢えずは打席に立っ  
てバットを構え…そして仕上げ。  
「はい、ひよちゃんおいで〜♪」  
「にゃ〜〜〜!!!」  
 ウィンクしての挑発で謎の鳴き声を上げながらボールを投げ込んでくる。  
 もちろん予定通りど真ん中、私は内心苦笑しながらバットを振り、ソフトボー  
ル特有の鈍い音を立てて打ち返された白球は青空に…上がらず、真っ直ぐ日和に  
向かって跳ね返った。  
「日和っ!あぶな!!」  
「!」  
 バットを振ったまま叫ぶけれど避ける足しになるわけではなく……真っ直ぐ打  
ち返されたボールは体勢を崩しながらも差し出したグローブの先をかすめ、紺の  
ブルマーに包まれた日和の股間へ吸い込まれるように向かい、  
「〜〜〜〜っっ☆!!?!!」  
 避けられなかった日和は声にならない悲鳴をあげてマウンドに倒れこんだ。  
「日和!!」  
 バットを投げ捨てマウンドへ駆け寄ると、両手で股間を押さえて突っ伏してい  
る小さな体を抱き起こす。  
「…ぅぅ…か、佳奈ちゃ…ひどいぃ…」  
「じ、事故よ事故!」  
 涙目で股間を押さえ、少しでも痛みを和らげようと揉んでいる様に数瞬見とれ  
るも、日和の声にはっと我に返って弁明し、誤魔化すように日和を抱き上げた。  
「保健室、行ってきます!」  
 そして先生に向かってきっぱりと言い切り、返事も待たずに校舎へ向かう。こ  
ういう時、日頃の行いが良いのが役に立つ。  
 背後から聞こえてくる心配する声(一部羨望の声も聞こえるけど全て無視!)  
を聞きながら保健室へ急いだ。  
 
「日和、大丈夫?」  
 僅かに消毒液の臭いがする保健室、その隅に3つあるベットへ日和を寝かせ、  
横に座って問掛ける私。  
「うん、大分、ましになったぁ」  
 まだ痛むのか、ぎこちない笑みを浮かべながらも答える日和の頭を軽く撫でる。  
「ごめんね、まさか…あんな打球になるなんて」  
「ジョブジョブ、事故事故♪」  
「うん…」  
 カーテン越しに柔らかな光が差し込み、春先の心地好い風に乗って黄色い声が  
小さく入ってくる。  
「もぉ…佳奈ちゃらしくないよ〜」  
「でも…」  
「そんな風に心配ぶっても駄目なんだからね?あたし、知ってるんだから♪」  
「心配ぶってもって!私はホントに心配し」  
「お尻♪」  
「てぇっ!?」  
 予想だにしていなかった言葉に反論しようとした私の台詞を、たった一言で封  
殺する。  
「んしょっ、と…こう、かな?」  
「っっっ!!?」  
 教室の光景がフラッシュバックして硬直した私に追い討ちをかけるように、ベ  
ットの上でうつ伏せになり、私の方へお尻を向けて股間を押さえる日和。  
「も、も、もしかして、さっき…」  
「うん、佳奈ちゃ、あたし見てどきどきしてたでしょ?」  
「そそそ、そんなこと…」  
 我ながら呆れるほどうろたえながら言うも…  
「えー?佳奈ちゃの考えてること位、予想つくもん」  
 …そうでした…私が日和の事が分かるのと同じ位(ことによると、私以上に)  
日和も私の事が分かってるんでした…  
「…どきどきしてました…」  
 真っ赤な顔でうつ向き、小声で事実を認める私…何だか凄く悔しい…  
「あ〜!佳奈ちゃ、耳まで真っ赤〜!」  
「うう、うるさいわねっ!」  
「佳奈ちゃのえっちっち〜」  
「だっ、だからっっ!」  
 さっき綺麗に打ち返されたのが余程悔しかったのだろう、お尻を振りながらし  
つこく絡んでくる日和に、私の何かが切れた。  
 
「…日和、そこまで言うなら覚悟はできてるのよね?」  
「あ…」  
 座った目の私にマズッた!と言う表情をする日和。  
「あ、あの、佳奈ちゃ?ごめんね?」  
「問答無用よ!」  
「やぁ〜〜〜!!」  
 うつ伏せてお尻をつき出してる格好を幸いに、ぱっと足首を握って引っ張る。  
「あ、あの、ここ保健室ぅ…」  
「そうねぇ」  
 上履きを脱ぎながらベットに上がる。  
「だ、誰か来ちゃうよ?」  
「授業中よねー」  
 にっこり微笑みながら日和の脚を割り開き、固定する。  
「あ、あ、あのあのあの…」  
「なぁに?」  
「ふゃ…あ、ぅ…や、優しく…して、ね?」  
 流石に保健室なんていう開けた場所での行為に抵抗があるのだろうけれど、色  
々言う日和の下腹部に足を押し当てると小さく声を漏らし…布団に顔を埋めても  
ごもごと呟いた。  
「もちろん…お仕置きだから、ね♪」  
「えぇ!?ちょ、まだいた、っっぃあ!あっ!んくっっ…ふあぁぁ!」  
 さっきボールが当たったせいか、凄く過敏にのけぞり鳴く日和。  
 もちろん私も、日和の大事なところに当たる踵に力が入らないように気を付け  
ながら、土踏まずから爪先を使って日和の下半身をいじめていく。  
 
「あっ!あぁっ!だ、めっ!もぉ…もぉぉ!!」  
 いつもと刺激される所が違うせいか、簡単に昂ぶって震え始める日和。  
「日和、もういっちゃうの?」  
 タタッタタッとリズミカルに足を振動させながら、見ても分かるような問掛け  
をする。  
「うんっ、うんっ!いっ、ちゃ…う…は、あぁぁ…かな、ちゃあ…いく、いっちゃ  
うよぉ!」  
「はい、そこまで♪」  
「あっ!あっっ!あ〜っ…あ、ぇ?ぇあ…ま、まだ…かなちゃあん、まだ、ま  
だぁ…」  
 爪先がきゅうっと丸まり、シーツを掴む手に力がこもり、日和が達する…寸前  
に刺激を緩めて生殺しの状態にする。  
 余程それが辛いのか、日和は自ら腰を動かし、私の足に下腹部を擦り付けなが  
ら哀願してくる。  
「日和、ここ学校なんだから、いつもみたいにいっちゃったら誰かに聞かれちゃ  
うかもよ〜?」  
 くすくす笑いながら泣き顔の日和の鼻先、くしゃくしゃになってる掛け布団を  
指した。  
 それだけで理解して、布団の端を口にくわえる。  
「じゃあいっちゃいなさい」  
 日和が布団を食い締めたのを確認して…今までよりも強く激しく、あんまを再  
開する。  
「ふぐ!ふぐうぅぅぅ!うぅぅ〜〜〜〜〜!!」  
 ギリギリまで昂ぶりきっていた日和はアッと言う間に、そのスリムな身体を痙  
攣させながら私の靴下をジワリと湿らせた。  
「ふ、ぅぅ…ぅふぅぅ…んぅ!?んぅぐ〜〜!!」  
 高みに達し、くたりと脱力していた日和が再びくぐもった悲鳴を上げながらの  
けぞる。  
 それもそのはず、しっとりと濡れ湿った布地を再び私があんまし始めたのだか  
ら。  
「ふうっ!ふぐっ!!ふぐうぅぅっ!!うふぅぅ〜〜!!」  
 一度達した日和の身体はこれ以上ないくらいに過敏になっていて、お尻に当た  
る爪先を中心に震わせても簡単に泣き叫び、悶え、ブルマの股布を濡らしていく。  
「ふぅ〜…ふぅ〜〜…ふぐ、ぅ…ぅ、ふぅぅ…」  
 やがて達しっぱなしになり、少しでも足を震わせれば、まるでお漏らしするよ  
うに日和の愛液が染み出す程になったころ、やっと足を離して日和を抱き上げる。  
 
「日和、日和」  
「ぁ…ぅ…か、な…ちゃ……ぁ…ん……」  
 余りに達し過ぎて酸欠状態に近い日和に軽くキス。  
「可愛かったぁ…」  
「……佳奈ちゃ…の……鬼ぃ…」  
「元はと言えば日和の蒔いた種じゃない?」  
 汗と涙と涎、そして鼻水まで溢し、ぐちゃぐちゃになった日和の顔を、近くに  
あったウェットティッシュで拭いてやりながら微笑む。  
「だけど、ぉ…ん…は、ぁ…」  
「だけどなぁに?」  
 言葉をキスで遮り、わざと聞き直してみる。  
「……何でも、ないヨ…」  
「ふふ」  
 少し赤くなってそっぽを向く日和がとても愛しくて、ぎゅっと抱き締め…ふと  
気が付いた。  
「…ねぇ日和、替えの服とかある?」  
「うぅん…なんでぇ?」  
 まだ快感が抜けきってないのか、少しぽやんとした表情を向けてくる日和。  
「……あははは…」  
「う?」  
「それ…」  
 思わず渇いた笑いを上げ、日和の下半身を指差す私。  
「?………あ〜〜〜!!!」  
「…あはは」  
「あはは、じゃないよぉ!どーしよー?!」  
 指差した先…そこにはお漏らししてしまった位にべちゃべちゃに濡れたブルマ  
と、じっとりと湿ったシーツ、涎と涙で汚れた布団…ぶっちゃけ、悲惨な状況…  
「佳奈ちゃがやりすぎるからっっ!」  
「で、でも、気持よかったでしょ?」  
「うっ………そ、それわぁ…………うん……」  
 私の言葉に真っ赤になって頷く日和を抱き締めたい気持をグッと押さえて…と  
りあえずこの惨状の後始末をしないと。  
「日和、レギンスあったよね?下着なくてもあれとスカートで何とかなるでしょ  
…だからとりあえず着替えといで?今ならまだ授業中だし」  
「佳奈ちゃは?」  
 シーツを剥ぎ始める私に問掛ける日和。  
「私はこれの後始末しとくから」  
 下半身に力が入らないのか、ふらふらしている日和を支えたいけど、今はこち  
らも急がないと…  
「ほら、いっといで?」  
「う、うん」  
 何か言いたそうなまま、ひょこひょこと保健室を出ていく日和を見送り…  
「えいや!」  
 おもむろに、側にあった消毒用アルコールの容器をぶちまけた。  
 そしてそのままべしゃべしゃのシーツと布団カバーを表の洗濯機へ放り込み、  
スイッチを入れて隠蔽完了!あとは換気をすれば良し。  
「ふぅ…」  
 窓を開け放ち、ベットに腰掛けてさっきの日和の恥態を思い浮かべ…  
「…ぅぁ…濡れてる…」  
 ふと気付く、自分のショーツのクロッチの湿り気。  
「ま、今度からはもう少し自重しないと…ね…」  
 誰となしに苦笑して保険の先生へお詫びの書き置きをする。  
 もちろん慌ててアルコールを溢しました、と。  
「さて、と〜…私も着替えよっと」  
 そろそろ授業が終わりそうな時間を指す時計を見て立ち上がる。  
 その時私は今日の事は二人だけの秘め事と信じて疑わずに教室へと向かったの  
だった…。  
 
…おわれ!  
 

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