「間に合ったぁ〜」  
朝の通勤通学ラッシュの満員電車に飛び込んだ少女、弥生は誰と無しに思わず  
口にした。  
「髪乱れちゃったなぁ」  
一向に減らない痴漢のせいで、女性専用車両はぎゅうぎゅう詰め。ドア際に押  
し付けられつつも、窓を鏡にしながら髪を直し直し不満に思う。  
どうして痴漢防止に女性専用車両は1/10しかないのだろう?犯罪する奴らが悪  
いんだから、痴漢をする男共こそもっときつきつな思いをすればいいのにっ!  
そんなことを考えていると、聞き取りにくい声でアナウンスし、電車は次の駅  
に滑り込む。  
「むぐぅっっ」  
一層増した密度に押し潰されそうになりながら何とか吊革を確保するも、大分  
中側に押し込まれてしまう。  
「きゃっ、あっ、すいま、せ…ん…」  
発車の揺れで思わずたたらをふんでしまう弥生。その拍子に誰かの足を踏んで  
しまい、反射的に謝る途中で言葉が途切れる。  
 
衝撃だった  
 
視線の先に止まった女性。多分この人の足を踏んだのだろうと根拠はないが確  
信めいたものを感じた。  
その相手は同姓の弥生から見ても美人だった。  
切れ長の目、スッとした鼻筋、上品な唇、そして自分に不足しているすらりと  
した身長と女性らしい胸。  
シックなスーツを着こなしているのを見ると社会人なのだろうが…  
「次は練馬、練馬。都営大江戸線はお乗り換えです。池袋へお急ぎの方は向かい  
のホームからの準急にお乗り換えください。また、豊島園行きは1番ホームから  
の発車となります。これからしばらく揺れますのでお立ちのお客様は手近な吊革  
をお持ちください。次は練馬、練馬。お出口は右側となります」  
乗り継ぎ駅にありがちな長ったらしい車内放送が弥生の思考を止めた。  
 
ふと我に返ると同時に、駅前後に多い大きな揺れに再びたたらをふんでしまう。  
「っっ!!ふ、ふいまふぇん!!!」  
よろけた拍子に先程の美女の胸に顔を突っ込むようになってしまい、慌てて謝っ  
て離れようとするも…新しく乗り込んできた乗客のせいでにっちもさっちもいか  
なくなる。  
その内扉が閉まり、再び動き出す電車。  
「ふいまふぇん、ふいまふぇん」  
一層密着してしまい、ただただ謝る弥生、ふと目が合うと、女性が小さく微笑  
んだ気がした。  
 
「んぃっ!?」  
女性の微笑みに安堵した次の瞬間…一難去ってまた一難、お尻にもぞもぞとし  
た感触を感じる。  
(痴漢っ!)  
と、反射的に思うが、女性専用車両、痴漢が居るわけもなく…  
(ち…痴女?)  
クエスチョンマークを飛ばしながらも、腰を小さく捻って逃げようとする。  
「駄目よ?」  
「!?」  
いきなり頭の上から降ってきた声に弾かれるように目の前の女性を見上げる。  
「逃げちゃ駄目よ」  
「!?!?」  
お尻を揉む手は止まらず、目の前の人に逃げるなと言われ、目を白黒させなが  
ら辺りを見回す弥生。  
しかし周囲の誰もが満員電車にうんざりした顔で好き勝手な方を向いている。  
(え?え!?えぇぇ!!?)  
駅を出てすぐにある離合ポイントで再び大きく揺れる電車。その拍子にあから  
さまに故意と思われる強引さで弥生の脚の間に女性の膝が割り込んでくる。  
 
「あ、あの、何するんですか…」  
いくら相手が同姓で美人とはいえ、あまりな状態に看過できる状況ではなくな  
り、自分よりかなり背の高い相手を見上げながら小声で囁きかける。  
「貴女が可愛いからちょっかい出したくなっちゃった」  
「…………はぁ?」  
女性の予想外の、それも場外弾並みの返答に思わず抵抗さえ忘れて間抜けな声  
を返す弥生。  
「え、と…何を言って、んくっ!」  
混乱しながらも問い返す弥生の下腹部に不意に走る衝撃。  
弥生の敏感な女の子の部分に押し当てられた膝が、電車の揺れでグリッと抉っ  
て甘い痺れを生んだのだ。  
「ちょ、やめてください」  
流石に危機感を覚えて、小さく囁きながら不自由な身体捻るも、お尻を揉む手  
が腰を押さえ付けそれを許さない。  
「ん…こ、声、ふ…だします、よ?」  
「構わないけど…恥ずかしいのはどっちかしら?」  
電車の揺れが小刻みにお互いの身体揺らし、膝が密着している弥生の下腹部を  
溶かしていく。  
「…そ、れは……」  
漏れそうになる甘い声を堪えながらも、自分の姿を思い描けば言葉に詰まる。  
「ほら、声あげても良いのよ?」  
「…っ、ふ、ぅ、ぅぁ…んぅ…」  
電車の揺れに加えて、お尻を強く揉まれながら、膝を揺すられると、声を上げ  
るよりも、嬌声を堪える方で必死になってしまう。  
「声出すんじゃ、無かったの?」  
「んぃう!!」  
揺らしていた膝をいきなりグリッと押し込まれてしゃっくりのような声を漏ら  
し、慌てて自ら口を塞ぐ。  
 
「ほらほら、口塞いじゃったら声だせないわよ?」  
電車の揺れに加えて、リズミカルに揺らされる膝。満員電車の息苦しさも手伝っ  
て段々と朦朧としてくる。  
「ふっ、ふぅ、ふぅぅ…はくっ、ん、ぅくぅぅ…」  
震える膝を叱咤し、爪先立って何とか振動凌辱から逃れようとするも、お尻を  
押さえられてるのに加えて元々の身長差のせいで逃げるどころか、爪先立っては  
軽く小突かれて脚が崩れ、女性の膝に自ら下腹部を擦り付けてしまうような動き  
になってしまう。  
 
「次は江古田、江古田……」  
車内放送が耳に引っ掛からない。  
既に次がどこの駅に停車するのかさえ分からず、ただただ女性の膝から与えら  
れる振動に耐え、疼く子宮を押さえ込むだけの弥生の意識に声が響いた。  
「イッちゃいなさい」  
同時に足が浮くほどに強くなる振動。  
満員電車の熱気に当てられただけとは思えない汗を浮かべた顔を小さく仰け反  
らし…そのままビクビクっと声無き悲鳴をあげて達する弥生。  
「っっ…っ、はっ…はぁ…はぁ…」  
「こんなにして…悪い子」  
「ぁ…ち、が…んふぅぅっ!」  
ポイントの揺れでよろけた振りしつつ身体を回転させ、向かい合うように弥生  
の背中をドアに押し付ける女性。そして、膝から太股へ責め方を変えて耳元で囁  
きかける。  
それに何とか反論しようとすればすぐに太股を揺らされ、蕩けきった股間を揺  
さぶられて相手にしがみつくようにしながら唇を噛み締める羽目になる。  
「はっ、はぁっ、んくっっ、ぅ……はぁぁ…んっ…ふぐっ…ふぅっ、ふっ、んぅぅっ!」  
段々と達する感覚が短くなり、やがてはいきっぱなしみたいになって、ひっき  
りなしに痙攣し始める弥生。  
 
「次は椎名町、椎名町です」  
 
その姿を暫く堪能した頃、車内放送が終点手前の駅を告げた。  
「じゃあ降りましょうか、具合悪いみたいだし…」  
まるで知り合いのごとく心配げに問いかけつつ、しかし答える余裕など与えな  
いように休みなく太股で弥生の股間を責め続ける。  
「はっ、はぐっっ、ぅ…ん、くっ、ふぅぅ…」  
突き抜けるような絶頂ではなく、炭火のように延々と続く緩やかな高みのあん  
ま地獄に答えることはおろか、理解さえもできずにただただなすがまま、やがて  
止まった電車から抱かれるように降りる弥生。  
「貴女、名前は?」  
「……や、よい…きも、と、弥生…です…」  
電車が発車し、人が居なくなったホームで女性が問いかける。本来なら答える  
わけもないが、延々責め苛まれたせいで頭が回らず、上気した顔で譫言のように  
答えを返す。  
「そう。私は彩花。今日から貴女の学校に赴任したんだけど…」  
軽く弥生を支えながら改札を出て近くの駐車場へ向かう。  
「忘れ物しちゃって電車の方が早いから取りに行ってたのよ…って聞こえてないっ  
ぽいわね」  
狂おしいまでの羞恥と絶頂地獄を味あわされた少女を助手席に乗せつつ苦笑を  
浮かべる。  
「それじゃ、とりあえず保健室で休みなさい」  
キーを捻ると軽やかにかかるエンジン、ゆっくり車を出しながら、休めれば、  
ね、と付け加えることを忘れない彩花だった。  
 
 
…終わる!  
 

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