かなひよ番外編 彩花の教育実習  
 
 初夏を過ぎ盛夏を迎えようとする季節。梅雨も明け、抜けるような青空には入  
道雲が力強く盛り上がる。  
「あと半月かぁ…」  
 夏休みまで1ヶ月を切って、前期で教育実習を履修した組はそろそろ終盤を迎  
える。  
 そんな実習生の1人として、母校の中学校でやっと授業に慣れてきた彩花は感  
慨深げに小さくごちた。  
 先生よりも年が近く、先生然としてない実習生は余程の事がない限り、すぐに  
生徒と打ち解けられる。  
 自分の中学時代もそんなだったかな、と思いつつ次の時間表を見やる。  
 次は1−Bの水泳の授業だった。  
「うっ…B組……」  
 B組の生徒の顔を思い出して思わず顔がひきつった。  
 教育実習生の中でも人気のがあり、生徒との垣根が一番低い彩花が唯一と言っ  
て良いほど苦手とする少女。  
 体型は綺麗なものの、やや背が足りない彩花と対象的に、クラスでも群を抜い  
て背が高く、まるでモデルのようなその少女は、他の生徒と違って淡々と毎日を  
過ごしている風がある。  
 しかし別にクラスで浮いているわけではなく、友達も多いし人気だってある…  
が、何故か彩花は苦手意識があった。  
 何度か対話を試みて沈黙に負けた彩花がすごすご引き下がった事に関係はない  
と…思っている…。  
「けど、悪い子じゃないわけだし…うぅ〜ん…」  
教員用の準備室で唸っている間に始業の鐘が鳴り始める。  
「あっ、いけないっ!遅れるっ!!」  
 ふと時計を見れば授業開始の時間。まぁ鐘が鳴ってるのだから当たり前なのだ  
が…兎にも角にも名簿や指導要項をひっ掴んで部屋から飛び出していく彩花だっ  
た。  
 
*    *    *    *    *    *    *    *  
 
「はい、じゃあ順番に自由形で泳いでいって。さっき教えたこと、脚を曲げない  
 ように気をつけてね〜!」  
 室内プールとはいえ、周囲はガラス張りのため眩しい陽射しが降り注ぐプール  
サイド、甲高い少女の声に負けじと声を上げて指示する。  
「彩花せんせ、胸おっき〜!」  
「ひぁっ!?」  
 プールの脇に立って指示を出しながら泳ぐ生徒に視線を回す彩花。不意に背後  
から胸を揉まれて素頓狂な声をあげてしまう。  
「こらっ!博美(ひろみ)ちゃん、ふざけないのっっ!」  
 胸を押さえて振り返れば、そこにいる愛くるしい顔の少女を軽く小突きながら  
注意。  
「いったぁぁい、暴力はんたぁぁい!」  
「あのね〜…今のを暴力って言うなら、博美ちゃんのはセクハラよ?」  
「スキンシップだもんっ」  
「じゃあ私のもスキンシップね」  
「う〜〜…せんせ狡いぃ」  
「はいはい」  
 小さく膨れながら抗弁するもそれは形だけと、しがみつくように抱きつく博美  
の頭を軽く撫でる。  
 実際こうして触れ合う生徒達を見れば自分の背は低い方ではないのだが…と、  
チラリとプールサイドにたたずむ玲奈(れいな)の方を見る。  
「………?」  
「…!!」  
 視線に気づいたのか、はたまた偶然か、ぼんやり水面を見ていた玲奈に振り向  
かれ、軽く頭を下げられて慌ててプールへ視線を戻す彩花。  
「せんせ、どうしたの?」  
「あ、ううん、何でもないわ。ほらほら、博美ちゃんもきちんと泳がないと駄目  
 よ?」  
 
 相変わらずくっついて胸を触っている博美に苦笑向けながらたしなめる。  
「あ、そだ!けーちゃんが気分悪いんだった!」  
「え?」  
 唐突な博美の言葉に思わず間抜けな声をあげてしまった彩花。  
「えっと、恵子ちゃんが気分悪いからせんせに言ってきてって言われたの忘れて  
 た」  
「ちょ、ダメじゃない!」  
「えへへ〜、ごめんなさい」  
「謝らなくていいから恵子ちゃんは?」  
「あっち」  
 博美の指差す方を見れば、確かに1人の生徒が気分悪そうに座り込んでいる。  
「え、と……」  
 一瞬どうすべきか悩んだが、結局彩花は主担当の教諭に聞くことにした。  
「小松先生、斎藤恵子さんが具合悪いようなんですけど、保健室へ連れていった  
 方が良いでしょうか?」  
「ん〜…確か前田先生は養護教諭志望だったわよね?」  
「はい」  
「じゃあこっちは私が見とくから前田先生は斎藤さんを準備え室で介抱してあげ  
 て」  
「分かりました」  
「あ、そうそう」  
 彩花がきびすを返した所で声が引き留めた。  
「保健委員の高橋さんと行くと良いわよ」  
「ぇぅ…」  
 続く言葉にひきっと固まりかける彩花。それもそのはず、保健委員こと高橋葉  
子は、よりにもよって件の苦手な生徒なのである。  
 しかし実習生とはいえ仮にも教員、すぐに立ち直って、恵子のいる方へ歩を進  
める。  
「けーちゃんけーちゃん、せんせ呼んできたよ」  
 
「恵子ちゃん、大丈夫?」  
 ぱたぱたと駆け寄る博美を追うように、座り込んでいる恵子の側に膝をつき問  
うが、それに無言でふるふると首を振る恵子。  
「そう。じゃあ控え室で横になりましょうか。立てる?」  
 一瞬間を空けて…再びふるふると首を振る。  
「わかったわ。じゃあ……」  
 何事かと、こちらを見る他の数名の生徒と同じ視線を向けている玲奈を見やり  
しばし言葉に詰まって…  
「玲奈さん、ちょっと手伝って」  
  何とか普通に呼べた…と安堵した。  
「………」  
 件の玲奈といえば、彩花の葛藤など知りませんといった感じで向かい側にしゃ  
がみこみ、早々と肩を貸す準備を済ませていた。  
「あっ、ごめんなさいっ」  
 反射的に謝りながら彩花も恵子に肩を貸し、せーのっと立ち上がる。  
「じゃあ玲奈さん、申し訳ないけど準備室まで一緒にお願い」  
 無言で頷く玲奈を確認して、ゆっくりと歩き始める。  
 
*    *    *    *    *    *    *    *  
 
「玲奈さん、少し待ってて」  
 夏の盛り、いくら日陰の室内とはいえ、プールの設備などで少々蒸し暑い空間  
にいきなり具合の悪い者を連れていってはよくないだろうと思い、恵子を玲奈に  
任せ、自分は室内の換気をしようと先に扉を開ける。  
 湿度が高く暑い、プール特有のカルキ臭のする部屋の空気が鼻をつくが、特に  
気にもせずに室内へ歩を進める。  
「…玲奈さん?待っててって言ったでしょ?」  
 後ろに続く足音に言いながら振り返ると、そこには玲奈一人がついてきており、  
それまで二人で支えていた恵子は入口で扉によっかかるようにして立っていた。  
 
「え?ちょ、ちょっと、玲奈さん駄目じゃない!恵子ちゃんも、具合悪いんだ  
 から…っ!?」  
「あやかせんせ…」  
 あわてて戻ろうとした彩花が玲奈の横を通り過ぎた時、少し低めの、けれどよ  
く通る玲奈の声が聞こえ、次の瞬間には彩花の身体は玲奈の腕の中に捕えられて  
いた。  
「れ、玲奈さん!ふざけてる時じゃないでしょ!恵子ちゃんは具合が悪いんだ  
 から!」  
 いつもと違い、やや語気を強めて密着する少女を叱責する…が、次に聞こえた  
のは詫びる言葉ではなく、カギが閉まる小さな金属音…  
「…恵子ちゃん?」  
 扉の鍵を閉めたのは先ほどまで具合が悪いと歩くこともままならなかった恵子  
であり…状況が飲み込めない彩花は恵子と玲奈の顔を交互に眺める。  
「彩花先生、ごめんね」  
「ごめんねって…? きゃあっ!?」  
 恵子の詫びる意味が分からず、いっそう混乱する彩花をおもむろに押し倒す玲  
奈。  
「ちょっと、玲奈さん、何を、んむっ!!」  
 少し間違えば二人とも怪我をしかねない行為にきつい口調で言いかけるが、そ  
の言葉は途中で玲奈の唇で遮られてしまった。  
「ん、ん…ん…」  
「んっむ!んー!!」  
 何とか逃れようともがく彩花だが、体格で負けているのは如何ともしがたく、  
玲奈のなすがまま、長い長い口づけをされ、やがて暴れたことによる酸欠と暑さ  
で頭が朦朧としてきたころ、やっと唇を解放された。  
「ぷはっ!はっ、はぁ、はぁ、はぁ」  
「彩花せんせ、すごく可愛いです…」  
 貪るように酸素を求めて荒い息をつく彩花を陶然と見つめる玲奈。  
「はぁ、ちょ、ちょっと、玲奈さん、いくらなんでも冗談、にしては、度が過ぎ  
 る、わよ」  
 
 しばらくしてやっと呼吸が落ち着いてきて、睨むように言う。  
「冗談なんかじゃありません」  
 しかし当の玲奈は全く動じる素振りも見せず、真正面から受け止めにっこりと  
微笑んだ。  
「せんせが悪いんです…こんな優しくて可愛いくて素敵な教育実習のせんせなん  
 て…」  
 抱きしめる腕に力がこもる。  
「いつまでも見ていたかった…いつまでもせんせの授業を受けてたかった…せん  
 せと一杯お話ししたかった…」  
「…玲奈さん…」  
「でも…せんせは私のこと避けてた…他の子みたいに仲良くなれなかった…あと  
 半月で教育実習が終わっちゃうのに…」  
「……」  
 思いのたけを吐露する玲奈にかける言葉が見つからず、抱きしめられたまま黙っ  
て玲奈の言葉を聞く彩花。  
「…だから決めたんです…」  
「…決めったって?」  
 答えを求めて問いかける。  
「……せんせを私のものにしちゃおうって」  
「…へ?」  
 一拍置いて紡がれた言葉に思わず間抜けな声で返事をしてしまう。  
「恵子、お願い」  
「うん」  
 玲奈の言葉の意味するところを理解しようと硬直している彩花の腕を、あらか  
じめ部屋に置いておいたのだろう、樹脂製の縄とびで手際よく頭の上で縛り上げ  
る恵子。  
「…え、と…あ、あれれ?ちょっと、これてどういうことかなぁ?」  
 いつもの教師としてあろうという姿の彩花ではなく、サプライズの連続でほぼ  
素に戻ってしまった口調で、転がったままの彩花の足元と頭の側に、それぞれ立っ  
て見下ろす玲奈と恵子を交互に見あげる。  
 
「どういうもこういうも…せんせを私なしじゃ生きていけなくするだけです」  
「…はいぃぃ!?」  
 あまりに突拍子もない、そしてあまりに黒い発言に素っ頓狂な悲鳴を上げる彩  
花。  
「先生、そのままじゃ痛いでしょ?」  
 恵子がやはり嬉しそうに言いながら、転がってる彩花を助け起こすように引っ  
張って座らせ、その背後に椅子の背もたれの様に座る。  
「先生、やっぱり胸おっきいよね〜」  
「ちょ、ちょっと、んっ…や、やめなさいってば!」  
 水着越しに胸を揉む恵子を、精一杯先生としての体裁を整えた口調で言うも、  
水泳の授業で硬くなってしまってる乳首押し込まれると、思わず声が震えてしま  
う。  
「恵子ばっかりじゃなくて…私だって…」  
「だ、だから、んんっ、そういう問題じゃ、ぁ、んっ!む…ん…」  
 言下に嫉妬を滲ませ、前からにじり寄ってくる玲奈から逃れようと身体を捻る  
も、後ろからしっかりと捕まえられていては逃げる事ができるわけもなく…簡単  
に両脚を割って身体を押し込んできた玲奈に再びあっさりと唇を奪われる。  
「ん、ん…んふ…ん、む…はぁ…せんせ、美味しい…」  
「ぷはっ!恵子ちゃん、玲奈さん、今ならまだ、悪戯って言うことで許してあげ  
 るから、だからやめなさい!!」  
 熱烈なキスをし、唇を離した玲奈を僅かに涙の浮かんだ瞳で睨みつつ、何とか  
胸からの快感を押し殺した声で怒鳴る彩花。しかしそれを耳にした玲奈の表情は  
すっと硬くなり…  
「…せんせ…分かってくれないんだ…」  
 低い声で呻くように呟き、彩花の両の脚に手をかける。  
「ちょ、玲奈さん、何をっ、ゃんっ!」  
 本能的に太股を閉じようとしたが、一瞬早く玲奈のスマートな足が太股を割り  
込み、柔らかい彩花の股間に押し当てられた。  
「そ、そんなところ駄目よ!離しさい!今すぐ離すの!!」  
 言葉尻はきついものの、その声は混乱が滲み、脚をじたばた暴れさせるが、恵  
子と玲奈、女生徒とはいえ2人がかりで押さえられては抵抗が出来るはずもなく  
…  
 
「昔、男の子達がふざけてやってた遊び、当時は女の子には縁が無いことだった  
 けど…実はそんなこと、なかったんですよ」  
 ゆっくりと足をずらして、足の裏全体が彩花の股間にフィットするように調整  
しつつ、楽しげに言葉をつむぐ。  
「今からせんせにも教えてあげます」  
「い、いいから、教えてくれなくてもいっ、ひあっ!!」  
 彩花の言葉は最後まで続かない。  
 言葉の最後は高い悲鳴に代わり、それは玲奈の足が軽くゆっくりと、しかし的  
確に彩花の敏感な尖りを擦り潰すように動き始めたせいだった。  
「あ、やっ、んっ、くぅ…ふゃっ!!」  
 既に恵子が延々胸を揉んでいたせいで身体の奥底で快感の炎がじんわりと燻っ  
ていた彩花が言葉を失うのは早い。  
 玲奈が軽く足を振るわせるだけで面白いように身体を震わせ、スタッカートの  
効いた声が上がる。  
「彩花先生、色っぽい…」  
 後ろで押さえていた恵子も、悶える彩花に中てられたように頬を上気させ、胸  
を揉む手の遠慮をなくしていく。  
「は、ゃ、あっ!んくっ…ふ、ひぁ…あっ!」  
「せんせ、どう?良いでしょ?気持ち良いでしょ?」  
 リズミカルに彩花の股間に当てた足を震わせながら、問いかける玲奈。その玲  
奈自身も、水着の上から分かるほどに乳首が勃ち上がり、乱れる息から昂ぶって  
いるのが分かる。  
「き、気持ちよく、んんっ…な、いから…や、やめ、ぅくっ、なさいっ」  
 背を反らし、玲奈ほどではないにしても綺麗な身体のラインを震わせながらも、  
生徒を教える立場という矜持が、そして何よりも年下に良いようにされる事に対  
する抵抗心が彩花の口をつき、ふるふると首を振って抵抗を示す。  
「そうなんだ…でもせんせ、そんなに乳首勃てて、こんなにアソコ熱くして…そ  
 れでも気持ちよくないの?」  
「やっ、やあぁぁぁっ!!だめだめだめえぇぇ!!!」  
 
 首を振る彩花を責めるように、二人の刺激で競泳水着の薄い布地をはっきりと  
押し上げている乳首、そして、足の裏に感じる熱いぬめりを指摘しつつ、足の震  
えを強くする。  
 当然その刺激で一気に追いつめられ、両手をぎゅっと握り締めて恵子の胸に頭  
を押し付けるように仰け反り悲鳴を上げる彩花。  
「せんせ、イってよ!イっちゃってよ!!」  
「っっ!ひっ!いっ!!あっ、やっ!!だ、めっ!!だめぇ!!」  
 拒否された悔しさと、悶え喘ぐ彩花に昂ぶりきった気持ちのまま、今までで一  
番激しい振動を彩花の股間へ送り込む。  
「だめだめだめだめっっ!!だめえぇっ!!いっ…あっ!!!ぅくぅっ!!!」  
 股間を蹴り飛ばされるような痛みと快感がごちゃ混ぜになった感覚にイクにイ  
けず、びくびくと身体を跳ねさせながら悶える彩花。  
「先生…せんせぃぃ…」  
 後ろで彩花の胸を揉んでいた恵子もいつの間にか片手を自らの股間に下ろし、  
水着のクロッチをずらして自分自身を慰め始めている。  
「せんせっ、せんぇぇぇっ!!」  
「せんせ、いぃっ…っっ!」  
「あっ!ああぁっ!!ふぁ、やっ!んんんっ!!!」  
 二人の経験が少ないのか、敏感なのか…やがて精神的に昂ぶりきった玲奈と自  
らを虐めていた恵子は、激しい電気あんまに身体が順応してきた彩花とほぼ同時  
にびくびくと身体を震わせ、やがてぐったりとひとかたまりに倒れこんだ。  
 
*    *    *    *    *    *    *    *  
 
「…ん、ぅん…」  
 玲奈は重い頭をゆらゆら振って瞼を頑張って上げた。  
 本当ならもう一度寝てしまいたいほどの欲求があるのだが、この暑さと湿度で  
はそうもいかない。  
「あ、れ?」  
 身を起こそうとしたら何故か身動きが取れない。  
「あぁぁっ!ひぁっ!!せ、せんせぇぇ!!もう許しっ、やあぁぁ!!イクっ!  
 また、またイっちゃうよぉぉ!!!」  
「恵子!!?」  
 ふと耳に飛び込んできた幼馴染の尋常ならざる叫びに慌てて辺りを見回す。  
「あ、玲奈さん、起きた?じゃあ恵子ちゃんはそろそろお休みしよっか」  
 僅かにぼやける視界がはっきりとすると、そこには座ってにっこり玲奈に笑い  
かける彩花と、その逆側で悶え啼く恵子の姿が目に飛び込んできた。  
「あっ!やあぁぁっ!!!だめだめ!!イクっ!!いっっ!!!っっ!!い、ひ  
 あぁぁっ!!!イってる!イってるからあぁぁ!!!」  
「恵子!!せんせ!!?」  
 玲奈が起きたのを確認するや否や、おもむろに恵子の股間に当てた足の動きを  
激しくし、あっという間に絶頂へと追い上げる彩花。  
 そして達して痙攣する恵子の股間を休みなく、そして容赦もなく責め続ける。  
「せんせ!やめて!!恵子が死んじゃう!!やめてあげてっっ!!!」  
「大丈夫、そんな簡単に死ぬわけ無いわよ。ほら、またイってるし」  
 ゾッとするような笑顔を玲奈に向けつつ、全く休み無く、恵子の化繊一枚に隔  
てられた股間を振動陵辱し続ける彩花。  
「っっっ!!!っ!!っっ!!っっっ!!!」  
 やがて悲鳴さえも上げられなくなり、イキっ放しの状態でガクガクと彩花の足  
の動きにあわせて痙攣し、声無き絶頂を告げ続けるだけになり…不意にビクンッ  
と大きく跳ねたと思えば、足を押し当てられていることもあって、アンモニア臭  
のする液体を辺りに飛び散らせ始めた。  
 
「ふふ…恵子ちゃんはこれでお休みね」  
 スッと足を引き、立ち上がった彩花の足元で、白目を剥いて今だ痙攣を続け、  
水着を着ているにも関わらず、ぷしゅっと音がしそうな勢いで潮吹きと失禁を間  
欠泉のように痙攣に合わせて続ける恵子。  
 そんな悲惨な恵子には目もくれず、縄跳びで後ろ手に縛り倒されている玲奈の  
所まで歩いて寄る。  
「…恵子…あんな…ひ、ひどい…」  
「あら?そうかしら?」  
 身動きの取れない玲奈を抱き起こしながらくすくすと笑う彩花。その笑顔はい  
つも教壇で見せていた向日葵のような笑顔ではなく、淫蕩で息を呑むような笑顔  
だった。  
「元はといえば誰がこういうこと始めたのかしら?」  
「そ、それは…」  
「じゃあ、嫌がる私を強引に襲ったのは誰だったかしら?」  
「……うっ…」  
「あと、私に電気あんまなんてしたのは誰かしら?」  
「…………」  
 一々答えが決まっていて、答えるに答えられない質問を浴びせられ、黙すしか  
ない玲奈。  
「勘違いしちゃ駄目よ?私は別に貴女達が憎いわけでも嫌いになったわけでも無  
 いのよ」  
「…え?」  
 彩花の言葉の真意をはかりかね、少しだけ怯えを含んだ表情で見上げる。  
「私に電気あんまを教えてくれたお礼をしようと思ってるだけ」  
「っっ!!?」  
 しかし次に彩花の口をついて出た言葉は玲奈の予想の範疇の右斜め上をぶっ飛  
んだ答えだった。  
「あれだけ情熱的な告白なんて、中々ないわよね」  
「せ、せんせっ、やだ…やめて…」  
「あら?さっき私がやめてって言ったとき止めてくれたかしら?」  
 
「そ、それは…その…で、でも…」  
「それからね、女の子のここは、乱暴に扱っちゃ駄目なのよ?」  
「ひぁぅ!」  
 両足首を掴まれ、そっと足の裏を股間に押し付けられて短い啼き声が上がる。  
「こうして…まずはゆっくり…ね」  
「ぁ…んっ…や、やぁ…せ、せんせ、だめ、やめてよぉ…」  
 ふにふにと柔らかな土踏まずを使っての股間への振動に、背中に縛られた手を  
握り締めて身体をひねる玲奈。  
「そんなこといってるけど、さっき玲奈さんもイっちゃったんでしょ?私を責め  
 てて」  
「っ!」  
 まさか気付かれていたとは思わず、耳まで赤くしてぷいっとそっぽを向く。  
「まだその残滓があるのね。ここ、熱いもの」  
 ゆっくりと揺らす程度だった足を、今度は指先が水着越しにも分かるくらいに  
尖りきっている淫核に当たるようにずらし、やや強めに振動を加えつつ囁く。  
「はぅっ!あ、んっっ!そ、こ…だ、めっ!ふぐっ…ぅ、く…せ、んせ、だめ…」  
 先程までの緩やかな炭火のような快感と違い、刺すような鋭い快感に腰を浮か  
せて哀願する。  
「ほら、染みてきた…これ、今更プールの水じゃないわよね?」  
 しかしそんな哀願もどこ吹く風、じんわりと水着を濡らし始めた愛液を拡げる  
ように親指中心に擦り付け、時折淫核を押しつぶすように強く抉りながら笑う彩  
花。  
「はぁうっ!あっ、ひぐっ!!つ、つよ、ぃっぃ…だめ、だめぇぇ…」  
 必死で快感に耐えるも、もちろん終わりなど見えず、時折不意打ちするように  
襲ってくる淫核からの焼けるような衝撃にびくんっと跳ねながら、嫌々と首を振っ  
てただただ絶頂を堪える。  
「まだ全然本気じゃないんだけど…そろそろイっちゃう?」  
「はっ、ふぁ…んっ、ゃ!あっ!」  
 彩花の言葉に答えを返す余力さえなく、来るであろう破綻の時に備えて目を瞑  
り、手を握り…  
 
「ぇあ?」  
「ふふ…まだだぁめ♪」  
 しかしその頂点が訪れることはなく、またじわじわと焦らす様な快感を生み出  
す、擦り付けるような電気あんまに戻った。  
「な、なん、で…あと、少し…でぇ…」  
「ふふ…おねだりして欲しいなぁって思っちゃってね〜」  
「そ、そん…ひあぁっ!!」  
 残酷な彩花の宣言に思わず抗議をしようとした玲奈だったが、それは再び激し  
くなった電気あんまで途中から甘い悲鳴に取って代わる。  
「あっ!!んんっ!!や、はうっ!!い、くっ…イクっ!いっっ…あっ!や、や  
 あぁぁあぁぁ!!やだあぁぁぁ!!!」  
「ふふ…だからまだ駄目だってば♪」  
 イケなかったからと言って快感が抜けたわけではなく、激しい電気あんまによっ  
てすぐに高みが近づいてくるが…再び焦らすような電気あんまに代わって肩透か  
しを食らう。  
 ニコニコしながら足の振動に強弱をつける彩花を悪魔のように感じながら、何  
度も何度も絶頂寸前でのUターンを余儀なくされる玲奈。  
 
 1度が2度に、3度に、そして数度に、十数度に…気がつくと股間から溢れ出  
した淫液はお尻を伝い、床にまで染みを作るほどに零れ落ち、一旦は熱気で乾き  
かけていたスクール水着は、全身から噴き出す汗でじっとりと湿って気持ち悪く  
張りついていた。  
「玲奈さん頑張るわね〜…恵子ちゃんなんて5回目には泣いてお願いしてきたの  
 に」  
「だ、だって!!それ、は…せんせ、が、あっ!やあぁ!もぉ、もぉ…ひぐうぅ  
 ぅっ!!」  
「だって、なぁに?」  
「はっ、はぁっ…はぁっ…だ、だから、もぉ、イっ、ああぁぁぁぁ!!!」  
 既に身体も心も限界をとうに超え、お腹の中では何度も何度も寸止めで焦らさ  
れた快感がマグマのように煮えたぎり、いつもの無表情な顔を涙と涎と汗でぐちゃ  
ぐちゃにして悶え狂う玲奈。  
 
「ほらほら、まだ我慢するの?」  
「だからっ!だからあぁぁ!!いっ、ひあぁぁっ!!いか、いっ、いっっ!!」  
「なぁに?よく聞こえないんだけど…」  
「い、ぎっ!いかああぁぁ!!やあぁっ!!もぉ、死んじゃ、こわ、こわぇ、こ  
 わえひゃうよぉぉ!」  
 玲奈が言おうとするのを足の一擦りで途切れさせ、何度も何度も絶頂寸前まで  
電気あんまで追いつめ、開放し…全ては玲奈の我慢ではなく、彩花から与えられ  
る強引な我慢でしかなかったのである。  
 その証拠に、既に股間はお漏らししたかの様に濡れそぼり…もしかしたら本当  
に失禁しているかもしれないが…身体はひっきりなしに痙攣し、全身は汗みずく。  
 本来なら十回以上は達しているであろう時間を焦らしぬかれて既に呂律さえ怪  
しくなっていた。  
 
「で…玲奈さん、何か言いたいことはあるのかしら?」  
 それからさらに数回分焦らしてからやと足を緩め、白目を剥きかけている玲奈  
に問いかける。  
「ご、めんなひゃい…ごめんなひゃぁい…ひぇんひぇ…いかひぇて…いかひぇて  
 よぉ…」  
「ん、良い子ね」  
「んんっ…ん、んぅうっ!」  
 ぐちゃぐちゃの顔でうわ言のようにつぶやく玲奈にそっと口付ける…と、それ  
だけでびくびくと身体を震わせ、ぷしゃっと潮吹きまでして達してしまった。  
「あらあら…これでしちゃって本当に大丈夫かしら?」  
 既に縄跳びは解いているため、自由になっている長い手足をだらしなく投げ出  
し痙攣する玲奈を見ながら苦笑する彩花。  
「でも、玲奈さんからのお願いだしね♪」  
 お願いというかなんというか…かなり勝手な解釈をして改めて玲奈のスリムな  
脚を抱え込む。  
「じゃあいくわよ?」  
 返事も待たずに、イかせることだけを狙った激しい、しかし敏感な淫核や秘唇  
を擦り上げるような擦り付ける電気あんまを玲奈へ施す。  
 
「っっっっっ!!!!!!!」  
 それまで散々焦らしぬかれていた玲奈には余りに激しく、余りに峻烈な快感、  
声も上げずに、背骨も折れよと仰け反ってあっという間に高い高い絶頂へと放り  
あげられる。  
「っっ!!っっっ!!っ!!っっ!!!!」  
 しかし絶頂に達しても彩花の足は止まることは無く、より高い絶頂へと押しやっ  
ていく。  
 既に悶え、痙攣し、頭を振りたくる事しかできず、声なき悲鳴を上げながら連  
続絶頂を極めさせられる玲奈。  
 やがてにちゃにちゃと淫猥な音を立てる股間からじゅわぁっと小水が飛び散り  
始め、端正な顔はあらゆる体液でぐちゃぐちゃになり、完全に白目を剥いて失神  
したころに拷問のような快感責めは終焉となった。  
「ふぅ…そろそろ良いかしら」  
 完全に玲奈の意識がなくなったところで足を止め、大きく息を吐く彩花。  
「…全く……電気あんまとか…どこで覚えてくるのよ…」  
 大の字になり、ちょろちょろと失禁を続ける玲奈を見下ろしながらため息を吐  
く。  
「まぁ…兄弟喧嘩とかからだろうけど…」  
 とりあえず、失神した二人をマットの上に寝かせなおしながら再びため息。  
「それにしても…なんで…こうなるかなぁ…」  
 実は彩花は初心なわけではなく…中学高校大学と、色んな人…なぜか同姓…に  
言い寄られる経験が豊富だった。  
 勿論、何度も強引に襲われたこともあるし、何度かは合意の上で身体を重ねる  
事もあった。  
「…まさか教育実習にきてまでこうなっちゃうなんて…」  
 マットの上でぐったりと眠る二人を見下ろしながら三度ため息を吐く。  
「…っていうか…これ…どうしよう…」  
 部屋にこもる淫臭とアンモニア臭、そしてあちこちに零れる愛液と小水…その  
後始末をどうしようかと頭を抱える彩花だった。  
 
*    *    *    *    *    *    *    *  
 
「さぁってと〜!」  
 夏休み寸前、終業式を前にして教育実習の最終日がやってくる。  
 教育実習生は終業式を見ることなく、先生から生徒へと戻っていく。  
「なんだか色々あったけど…今日で終わりかぁ…」  
 プールでの一件以来、唯一苦手だった玲奈とも打ち解けることが出来(過剰な  
スキンシップをしてくるようになってきたことは新たな悩みの種だったが)少し  
の波乱はあったが一応順当に教育実習を終えることが出来た彩花。  
 既に放課後、教育実習生と生徒のお別れ会も終わり、無人に近くなった校舎内  
をブラブラしながら、感傷に浸ってしまう。  
「…らしくないなぁ…しっかりしろ彩花!」  
「そうですよ、そんなのせんせらしくないです」  
「え?」  
 不意に聞こえた声に振り返ると、そこには相変わらず無表情な玲奈が僅かに傾  
いた太陽を浴びて立っていた。  
「玲奈さん、それってどういう意味かなぁ?」  
 思わず零れそうになる涙を押しとどめ、わざと茶化すような声音でいいつつ、  
玲奈に近寄って軽く頭を小突く。  
「せんせ、それ校内暴力」  
「ふふ…スキンシップよ」  
 もう一度、今度はおでこを軽くつつきながらにっこりと微笑む。  
「…せんせ、今日でお別れなんですよね」  
「ん〜…まぁ、一応そうだけど…同じ日本、同じ東京にいる訳だし、今生の別れ  
 っていうわけじゃないでしょ?」  
「…そうですけど…」  
 いつも無表情な顔に紅がさしているような気がするのは傾いた太陽のせいだろ  
う。  
「…んもぉ、仕方ないわねぇ…これ、みんなには内緒よ?」  
「え?」  
 
 玲奈の両手を包むように掴んで、紙切れ一枚手渡す。  
 そこにあるのは黒板やテストの採点で見慣れた彩花の文字で書かれた数字と英  
語と漢字。  
「…せ、せんせ、これ…」  
「とりあえず、勉強で分かんないことがあったら電話かメールして来るように!  
 いきなり来ても出てあげないわよ?」  
「…せんせ…」  
「返事は?」  
 にっこり笑って再びおでこをつつく。  
「……保健体育の質問でもかまいませんか?」  
「……あんたねぇ…」  
 感動的な雰囲気ぶち壊しな玲奈の言葉に思わずこけかける。  
「…まぁ、いいけどね。玲奈の泣き顔も可愛いし」  
「!!!」  
「ほらほら、その泣き顔はあんまり可愛くないわよ?」  
「せ、せんせだってぇ、可愛くない顔してるじゃないですかぁ…」  
「気のせいよ」  
 二人抱き合って鼻をすする。  
 ゆっくりと角度を減らす夕日だけが二人をやんわりと見守っていた…。  
 

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