『私立骸(むくろ)学院』  
その名が出ると、ある者は恐慌し、またある者は随喜の涙を零すと謳わ  
れている。一般的には一貫教育を理念とし、幼稚舎から大学までをも  
有する屈指の教育財団と見られている骸学院。各界に著名人を輩出し、  
世間からも評価が高いのではあるが、教育理念や学内の事はあまり知ら  
れてはいなかった。否、知られてはいけなかったのである。中でも、  
『骸学院高等部』  
に関してだけは、生徒数や教師の数。そして、学内の様子までもが、杳と  
して掴めなかった。無論、常識から言えば、それらが許される訳がない。  
だが、教育委員会を始め、様々な機関からの干渉は無かった。それは、  
各界にある重鎮たちに、この骸学院出身者が多い・・・という事が無関係  
であるとは、とても思えなかった。  
 
骸学院高等部は全寮制。学内は千人を越える生徒が、勉学に勤しむといわ  
れている。生徒はそれぞれ寮部屋を与えられ、学内は自治によって規律が  
守られていた。その自治を、  
『骸学院高等部風紀委員会』  
と呼ばれる私設治安部隊が司っており、生徒間の揉め事や学内の事件は、  
すべてこの風紀委員会が片付ける事となっている。これは、学内に蔓延る  
珍事に敢然と立ち向かう、風紀員たちの活躍を描いた物語である。  
それでは、はじまりはじまり・・・  
 
 
「まったく、バカバカしいったらありゃしない」  
そう言って、棟方冴子(むなかた・さえこ)は校舎の中を歩いている。冴子は、  
骸学院高等部の数学教師。先日、二十五歳の誕生日を迎え、嫁き遅れの  
心配をし始めた美しい女性である。今、彼女は自らが務める風紀委員会の  
顧問として、二時間ほど前に起きた生徒同士の暴力事件の為に、貴重な  
時間を浪費していた。だから、毒づきたくもなる。  
「喧嘩くらいで、先生を呼ぶなって言うのよ」  
 
事件は、学院内の食堂で起きたという。約十人の男子生徒が、『ギャルゲー  
にメガネッ娘は必要か?』という世にもくだらない論議で熱くなり、殴り合いに  
なったとの事。それを目撃していた生徒の通報で、冴子が食堂に駆けつけた  
時は、数人の生徒が血の海に沈んでいた。  
「誰がやったの?」  
冴子が目撃者に問うと、  
「二年屁糞蔓(へくそかずら)組の、相川雅長(あいかわ・まさなが)くんです」  
という答えが返ってきた。途端、冴子の顔が曇る。  
「また、あの暴れん坊か」  
 
相川雅長。彼は、骸学院空手部に所属し、その腕っ節には定評がある生徒  
であった。普段は虫も殺せないようなおとなしい少年ではあったが、一旦怒り  
狂うと手がつけられない暴れん坊ぶりを見せる。今までにも、若妻に似合う裸  
エプロンはフリルのついたヒラヒラタイプか、体にフィットするピッタリタイプかで  
口論をし、五人の同級生を半殺しにしたという前科があった。余談ではあるが、  
裸エプロン論議に関しては、裸割烹着がいい!という新しい提案が出て、丸く  
収まった。本当に、どうでもいい話だが。  
 
 
「ちくしょう、歩きにくいなあ・・・」  
骸学院内は緑が多く、道も険しい。獣道にも似た中を、冴子は一歩、また  
一歩と歩き続けた。行く先は、相川の所属する空手部である。今ごろ、  
相川は暴力事件の発覚に怯え、空手部に逃げこもっているはず、と冴子は  
読んでいた。正気に戻った相川は、虫も殺せない優しい少年なのである。  
だから、所在さえ掴めれば安心だ。彼を促し、殴った相手に謝らせれば、  
冴子の役目も終わり。そう思っている。  
「見えた、見えた」  
獣道を十分も歩いたところで、空手部の道場が見えた。そこへ、冴子は意味  
も無く猫足立ちで迫る。本当に、意味も無く。  
 
「たのもう!」  
ズガッと道場の扉を蹴破り、冴子が叫んだ。別に鍵がかかっていた訳でも  
無いのに、冴子は扉を蹴りで粉砕した。何事も気合が大事!というのが、彼女  
の信念だからである。すると、  
「な、何?」  
道場の畳の上で、胴着をはだけさせた美少年が、唐突な冴子の登場に目を  
丸くした。見れば、美少年は誰かに組み伏せられ、尻穴を男根で穿たれている。  
どうやら、二人はおホモ達らしい。  
「何・・・って!こっちが言いたいわよ!」  
冴子が頬を赤らめながら、叫んだ。少年たちが紡ぐ美愛が、嫁き遅れ女教師  
の胸を打つのだ。が、それは置いておく。  
「ここに、相川がいるでしょう?呼んできなさい」  
本心は続けなさい、と言いたいが、一応自分は教師であり、風紀委員会の顧問  
でもあるので、毅然とした態度で言う冴子。本心は、見たい。美少年たちのあられも  
ない姿を・・・・・  
 
「なんだ、なんだ?」  
冴子が叫んだ後、空手部員たちと思しき面々が、道場内へ現れた。  
部員たちは二十人ほど。全員が屈強な武術家然としている。その中に、  
相川の姿もあった。  
「風紀委員会よ。先ほど起きた暴力事件の事で、相川君に話があるの」  
冴子が部員たちの前で言い放つ。彼らは、全員が空手の有段者である。  
身に纏った殺気が冴子へ向けられており、風紀委員会がなんぼのもんじゃ  
い!とでも言いたげであった。ちなみに、さっき組み伏せられていた少年は、  
部室の奥へ逃げていった。ちっ、と舌打ちする冴子。美少年たちの絡みが、  
本当に見たかったのだ。  
「・・・・・」  
名指しされた相川がうなだれていた。その姿は、暴力事件を後悔している様  
に見える。心根は優しい少年なのだ。ただ、愛するギャルゲーの事になると、  
つい熱くなってしまうのが、いけないだけ。  
「相川君。先生と一緒に来なさい。来ないなら、力ずくにでも連れて行くわよ」  
その場に佇む相川を見た冴子が、隠し持っていた木刀を背中から抜く。実は  
彼女、剣道の有段者である。他にも、柔道や合気道にも通じていて、並みの  
男など簡単に地へ這わせる事が出来る。そうでなければ、この魑魅魍魎が  
闊歩する骸学院の風紀委員会顧問など、務まらない。  
「すいませんでした」  
部員たちの間を掻き分け、相川が冴子の前へ立つ。こうべを垂れ、反省の色  
を見せているのは、殊勝である。  
「俺、悔しかったんです。メガネッ娘をバカにされて・・・俺、やっぱりギャルゲー  
には、メガネッ娘が必要だと思ってるから・・・」  
相川が凶行の理由をとつとつと零しだした。それを、冴子はあほくさいと思い  
つつも、一応は聞いてやる。これも、教職にある人間の使命だからだ。  
 
「・・・行きましょう。後は、風紀委員会で聞くわ」  
冴子が相川の肩を取った。そして、居並ぶ部員たちに踵を返したその時、  
「しゃッ!」  
という叫び声と共に、流星鞭が冴子の頬を掠める。  
「はッ!」  
流星鞭とは、分銅を着けた鞭と思って貰えばいい。いや、鞭というよりは、  
鉄球に紐をつけたような代物だ。中国拳法において、接近戦を拒みたい  
時に使われる飛び道具である。  
「先輩を連れて行かないで!」  
と、流星鞭を手にした部員が言う。それは、さっきおホモ達行為に浸って  
いた美少年であった。どうやら、連れて行かれそうな相川を、とどめようと  
しているらしい。  
「そうはいかないの。相川君は、罪を犯したの。それは、償ってもらわない  
といけないのよ・・・」  
木刀を斜に構え、冴子が答えた。彼女とて、空手部員たちの抵抗を予期  
していなかった訳では無い。故に、怯えは全くと言って良いほど、見せて  
はいなかった。ただ、個人的に愛らしい美少年に思われる相川を、ちょっぴり  
ねたましく思っている。本当に、ちょっぴり。  
「そうだ、そうだ!相川を返せ!」  
「風紀委員会、何ほどのものぞ!」  
美少年の熱意にほだされたのか、他の部員たちも気勢を上げた。そうなれば、  
冴子をここから返す訳にはいかない。  
「囲め」  
空手部員が冴子の周りを固める。どこから出したのか、部員たちはそれぞれ  
日本刀やサーベルを手にしていた。それを見た冴子は、言う。  
「あんたたち、空手部員なら空手を使いなさい!空手を!」  
と・・・・・  
 
「死にたい人から、かかって来なさい・・・」  
「生きては返さんよ、先生」  
八層に構えた冴子と、じりじり間合いを詰めていく部員たちが互いを  
牽制する。そのすぐ傍らで、相川は美少年と抱き合っていた。冴子の  
目に嫉妬の炎が宿る。羨ましい、と。  
「いくぜ!」  
日本刀を持った部員の一人が前へ出た。冴子は間合いを読み、半身  
でかわそうとする。が、しかし・・・  
「なんちゃって」  
部員は日本刀を引っ込め、変わりにスプレー缶を取り出した。そして、  
シュッとひと吹き。  
「なにッ!ち、力が・・・」  
スプレーにアルコール臭に似た物を感じた後、冴子は急激に体の力が  
抜けていくのを悟った。そこで、吹き付けられた物が、エーテルだった  
事に気づく。  
「これぞ、兵法。間抜けな先生だぜ」  
スプレー缶を持った部員が嘲笑う中、冴子の意識が遠のいた。木刀を  
持つ手にも力が入らない。  
「お前ら・・・空手使えって・・・空手部・・・な・・ら・・・」  
畳の上へ突っ伏しながら、冴子が残した言葉はそれだけ。その間に、  
相川は美少年と口づけを交わしていた。羨ましいぜ!それが、薄れゆく  
現実とうつつの間で、冴子が思った事であった・・・・・  
 
「んッ・・・ここは・・・?」  
眠りから目を覚ました時、冴子は自分の身に異変が起きている事を  
悟った。まず、衣服を剥ぎ取られている。そして、両手足を押さえつけ  
られていた。背中に畳の感触が認められる。ここまできて、冴子はよう  
やく自分が囚われの身になっている事に気づいた。  
「お目覚めかい、先生。へへへ」  
下卑た笑いが冴子の耳に届く。声の持ち主は、先ほどスプレーを嗅が  
せた部員だった。  
「何を・・・している・・の?」  
下半身に生暖かい物がある。考えたくは無かったが、それが男根である  
事を認めざるを得なかった。  
(犯されている!)  
そう思った冴子は、体を起こそうと試みる。しかし、手にも足にも力が戻っ  
て来ていない。その上、両手足を押さえつけられている。たとえ、エーテル  
の影響が残っていなくても、この戒めからは逃れられそうに無い。  
「よく締まるマンコだぜ」  
冴子の両足を割って、男根を打ち込んでいる部員が言った。口元を欲望で  
歪めつつ、女を犯す快楽に酔っている様だ。  
「今すぐ・・やめなさい・・・」  
自分を犯している部員をきつく見据えながら、冴子は言う。出来れば、顔を  
背けたいが、そうすれば涙が零れそうだった。だから、気丈に振る舞い、  
部員を促す。  
「オマンコをザーメンまみれにされながら、よく言うぜ」  
部員の誰かがそう言って、冴子の乳房を鷲掴みにした。ぎゅうと雑巾でも  
絞るような、力任せの暴行である。  
「あううッ・・・」  
ぐんと背を仰け反らせ、冴子が鳴いた。ここで、こらえていた涙が頬を伝って  
落ちる。しかし、まだ完全に屈した訳では無い。  
 
冴子が辺りを見回すと、二十人近い部員たち全員が、裸になっていた。  
その内、幾人かは男根をぎらつかせ、粘液をまみれさせている。その数  
だけ自分は犯されたのだ、と冴子は愕然とした。  
「あなたたち・・・こんな事をして・・退学よ・・」  
ぐいぐいと急所へ男根を捻じ込まれながらも、冴子は毒づいてみる。が、  
しかし、部員たちは、  
「退学?それがどうしたっていうんだよ。それよりも、自分の事を心配した  
方が良いんじゃないの?冴子先生よ」  
「同感、同感」  
と、顔を歪ませつつ、組み伏せられている冴子を見下ろすだけ。  
「ち・・・ちくしょう・・・ッ・・」  
冴子は目を閉じて、唇を噛む。悔しかった。教師であり、風紀委員会顧問  
でもある自分が、このような辱めに遭わねばならない事が、である。  
「うッ!出る!」  
冴子を犯していた部員がそう言って腰を振った。その刹那、どくんと生暖か  
い液体が、冴子の女穴を汚していく。  
「ちッ・・くしょう!この、ケダモノ!」  
じたばたと体を揺らし、精一杯抗がっても、冴子が忌まわしい男からの強制  
受精を拒む事は出来ない。部員の男根は、二度、三度と波打ち、毒々しい  
男液を放出しては、雄叫びを上げる。  
「いい具合だったぜ」  
散々に男液を放った部員が、冴子の体から離れると、開ききった女唇から  
とろりと濃い粘液が滴り落ちた。それらは、ひくついた冴子の花弁を伝い、  
溢れるかの如くねばついている。その量は、とても一人分の男液とは思え  
ないほど、多かった・・・・・  
 
 
夜が更け始めても、冴子は戒めから逃れてはいなかった。  
「さすがに、冴子ちゃんもおとなしくなったな」  
校舎から離れた空手部の道場内で、冴子は犯され続けている。  
今も、畳の上に這って後ろから責められている真っ最中だ。  
「ン・・・ンンッ・・・」  
部員の男根を頬張りながら、冴子は鼻を鳴らしている。口唇愛撫  
を強要されたのだ。そして、その周りには順番待ちの部員たちが  
控えている。  
「フェラ顔がカワイイな、冴子ちゃん」  
部員がそんなからかいを漏らすと、冴子の目が吊り上がった。  
たとえ、犯されても口唇愛撫を強要されても、風紀委員会の誇り  
は捨てていないらしい。だが、  
「全身ザーメンまみれで、まだ格好つけてるのかよ」  
と、女穴へ男根を捻じ込んでいる部員に言われると、冴子の心が  
ぐらりと傾きそうになった。正直、もう泣いて許しを乞いたい、と冴子  
は思っている。しかし、挫けてはならないという思いもある。  
「イクぜ。飲めよ、冴子」  
口唇愛撫を男根に愉しませている部員が、腰を戦慄かせた。その  
すぐ後、生臭い少年の精液を舌に感じる冴子。  
(ああ・・・もう・・・許してッ!)  
そう叫びたかった。だが、冴子は屈しない。そして、精液を飲むと  
いう屈辱も甘受し、時が過ぎるのを待った。  
 
 
夜半になっても、部員たちは冴子から離れようとはしなかった。この  
頃になると、冴子は犯され続けた為に、微動だにしなくなる。  
「・・・・・」  
無言のまま畳の上に突っ伏す冴子。時折、すすり泣くような声が漏れ  
たが、決して許しを乞う言葉は口にしなかった。その気丈さが、更なる  
悲劇を彼女にもたらす。  
「オマンコ、緩くなったなあ・・・」  
冴子を犯している部員が、女穴の締め付け具合に文句をつけた。無理も  
ない。冴子は、もう幾度となく犯されているのだ。女肉がほぐされきって  
いても、文句をいわれる筋合いなど無い。しかし・・・  
「ケツの穴はどうだ?」  
部員の誰かが言った。女穴が緩くなったのであれば、尻穴を使えばどう  
か?と提案したのである。すると、冴子がゆっくりと身を起こし、  
「そ、そこは・・・やめて・・・やめなさい・・」  
言い様、畳の上をずるずると這いずり出した。排泄器官である尻穴を犯す  
と聞かされ、冴子は恐怖する。そこを犯されれば、女としての辱めを極み  
まで受ける事となる。また、そうされて気丈に振舞う自信も無かった。  
「逃げるなよ、冴子ちゃん」  
部員が冴子の腰に足を乗せ、逃亡を阻む。ただ、これだけの事で冴子は  
動けなくなった。それだけ、憔悴しているのだ。  
「ああ・・・や、やめ・・・」  
尻の割れ目に沿って、部員の指が這わされると、冴子は涙ぐむ。やめて、  
と声に出そうと思った瞬間、  
「指が入ったぜ」  
と、誰かが言った。  
 
「アアーッ・・・」  
ずぶりと差し込まれた指が、冴子の肛内で蠢く。そこは、違うのだ、と  
冴子は叫んだ。しかし、指は決してそこから離れようとはしない。  
「すげえ締め付けだぜ」  
尻穴がきゅうと指を食い締める。官能からではなく、ほとんど反射的に、  
だ。指を動かせば、冴子が身悶える。犯されつづけで、力尽きかけていた  
冴子が、再び泣き叫ぶようになった様が、部員たちの嗜虐心を煽った。  
「ケツの穴、頂くぜ!」  
部員が冴子の尻に圧し掛かっていく。  
「やめ・・・やめて・・・ください・・そ・・・そこだけは・・・」  
ぽろぽろと涙を流し、ついには哀願をする冴子。彼女は、屈してしまった。  
とうとうこの獣たちの前に、身も心も傅いてしまったのである。  
「こうなったら、諦めた方が早いぜ、冴子。ケツの力抜きな」  
部員の男根が冴子の尻穴にあてがわれた。ぐぐぐ・・・と鈴口が割れ目の  
中心へ埋まりはじめると、  
「お願いします!やめて!ああーッ!た、助けて!」  
頭を振り、泣き叫ぶ冴子。手を伸ばし、近くにいる部員の足に縋りつくが、  
誰の目も冷ややかだった。冴子を除き、今やそこにいる全員が、美しい  
女教師の肛姦シーンを見たいと願っているのだ。だから、救いの手は  
現れない・・・・・  
「やめッ・・・ウウウ・・・だめッ!」  
尻穴が徐々に開いていく感触を得た冴子が、うずくまった。みしりと  
畳の下のある床が鳴る。彼女の尻穴に男根を当てている部員が、ゆっくり  
と体重をかけていったが為に、鳴ったのである。  
 
「何でもします!セックス奴隷として、空手部の皆さんにお仕えしても  
いいです!だから、そこだけは・・・」  
冴子が泣きじゃくった。尻穴を犯されるのだけは堪忍して、と全身で  
訴えかけている。しかし、結果としてそれは部員たちの獣心を煽ったに  
過ぎなかった。  
「入ったぜ」  
男根の鈴口が尻穴へ収められた。その時、冴子は目を見開いて口を  
ぱくぱくとさせる。声にならない、そんな感じだった。  
「イ・・・ヤーッ!」  
次の瞬間、道場内に冴子の悲鳴が上がったが、その叫びは決して  
誰にも届かない。そして、宵は更に深まっていく・・・  
 
 
三日後─。骸学院風紀委員会では、異例の会議が秘密裏に催されて  
いた。議題は、冴子についてである。  
「先生は、堕とされたみたいね」  
そう言ったのは、風紀委員長の権藤加奈子。二年生でありながら、  
異例の抜擢を受けた才女である。眉目秀麗という言葉は、彼女の為に  
あると言って良いほどの、美少女だ。  
「何があったんでしょうね?」  
「脅されているんでしょうね」  
風紀委員たちが眉をしかめながら、冴子について様々な憶測を出す。  
冴子は、一昨日来風紀委員会に顔を見せなくなった。授業を終えると、  
隠れるようにしてどこかへ行ってしまう。風紀委員が用事で声を掛けても、  
急ぐからと言って取り合おうとはしない。明らかに、委員会を避けている  
のだ。  
 
あの日、冴子は空手部員たちから、セックス奴隷の誓いをさせられていた。  
幾度となく犯され、尻穴までも汚された後、泣き叫ぶ冴子を部員たちは写真  
に収めたのである。男根を頬張り、両手で女穴を広げさせられている写真や、  
尻穴ばかり犯され、身悶える姿を激写されてしまった。だから、冴子はもう  
抗う気力が無い。セックス奴隷として、彼らが飽きるまでその身を捧げねば  
ならなくなったのだ。  
『後は・・・お願い・・』  
冴子は、それだけを風紀委員会の面々に言い残していった。その言葉には、  
仇を取ってくれ、とも受け取れる悔しさがあったと、風紀委員は見ている。  
「ゆゆしき問題だわ」  
加奈子が腕組をしながら、呟く。風紀委員会の顧問が堕とされたとなれば、  
この学院に巣食う悪党たちが気勢を上げるだろう。そうなれば、自治は崩壊  
する。それらはすべて、骸学院の崩壊をも意味するのだ。  
「委員長」  
「なあに?今泉さん」  
この時、女子テニス部部長の郷田麗華が席を立った。そして、  
「あたしが刺客になります」  
そう言って胸を張る。更に、  
「空手部をぶっ潰して、先生を助けます。なあに、やつらごと道場を業火の中  
へ叩き込んでやりますよ!」  
ラケットをぶんと振る麗華。彼女も愛らしい容貌の美少女だ。  
「大丈夫なの?」  
「ええ!あたしに、おまかせください!」  
加奈子に問われると、麗華が微笑みいっぱいに答える。風紀委員長の期待に  
答えたい一心で、興奮しているらしい。  
 
「分かったわ、麗華。でも、危ないと思ったらすぐ逃げてね。それと、  
連絡は欠かさない事。いい?」  
「はい!」  
加奈子の注意を素直に聞く麗華。この時、不意に音楽室からピアノ  
の音が風に乗って渡ってきた。  
「ショパンですね」  
麗華は頬を緩めて言う。音楽好きでもある彼女は、ピアノの音色が  
ノクターンである事もすぐに気が付いた。だが、彼女は知らない。  
これが、麗華の身に起こる悲劇への前奏曲になる事を・・・  
 
 
時を同じくして、空手部道場。そこでは、胴着に着替えた冴子の姿が  
あった。そして、二十余人の空手部員もいる。  
「やあ!」  
冴子が部員の一人に挑んでいく。柔道や合気道には通じているが、  
徒手空拳の類の武術は身につけていない冴子。拳を前に突き出す  
が、部員の体には届きはしなかった。  
「ほらよ」  
部員が身をかわし、冴子の足を掬う。その途端、胴着を纏った冴子が  
つんのめった。  
「あッ」  
短い悲鳴の後、胴着の前合わせが開き、こんもりと麗しい乳房が露  
となった。慌てて胸を隠す仕草をする冴子だったが・・・  
 
「隙あり!」  
冴子と対峙していた部員が、彼女の乳房をぎゅっと鷲掴む。  
「あうッ!」  
胸を強く揉まれ、冴子が低くうめく。そこへ、他の部員の野次が飛んだ。  
「犯っちまえ!」  
部員たちは、目に狂気を浮かべ、口々に叫ぶ。それに背を押されたのか、  
乳房を揉んでいる部員が、冴子を畳の上へ這わせた。  
「イヤアッ!」  
暴力で女を犯す、という表現がぴったりな、陵辱ショーが始まった。部員  
は、冴子を力ずくで押さえ込み、胴着の下を脱がしにかかる。  
「やめてッ!大人しくするから・・・無理強いは・・・」  
冴子が懇願しても、部員の獣心はおさまらなかった。嫌がる冴子の胴着  
を無理矢理脱がし、パンティを毟り取っていく。そして・・・  
「ああーッ・・・」  
冴子の悲鳴が上がった。道場のど真ん中で、冴子はこうやって犯される  
事を義務付けられている。空手部員たちは、冴子の誇りを最後の一片まで  
粉砕させたいと思っているのだ。  
「アッ・・・アッ・・・アッ・・・」  
男根が捻じ込まれる度に、冴子が低いため息を漏らす。そして、恥丘に  
ぶつけられる男の下半身のおぞましさに、泣いた。  
(みんな・・・助けて・・)  
心の中で、風紀委員たちに助けを願う冴子。いつか、委員会が自分を  
救いに来てくれる・・・という希望の中で、彼女に圧し掛かっている男根が、  
欲望の樹液を放出し、雄叫びを上げたのであった・・・  

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