「宇宙開闢以来から、天使と悪魔は闘争の関係にある。  
 互いの目的は、互いの殲滅。そこには慈悲も何もない。ただ、殺戮があるのみ。  
 我らは互いに人の姿に身をやつし、互いの屠殺を繰り返す―――」  
「あのー、ベルゼブブさん、口上が長すぎやしませんか?」  
「う、うるさいガブリエルっ!人がいい気分に浸っているときにっ!」  
「でもー」  
 
ここはとあるマンションの一室。  
ボンテージファッションに身を包んだスレンダーな少女がノリノリで喋っていたのを、  
薄手の白いドレスを着たグラマーな美女が遮った。  
はっきりいって、どちらも人前に出られるような格好ではない。  
ボンテージの少女は当然として、ナイスバディなお姉さんの方も、  
胸の大きく開いたドレスで、どうみても下着をつけているようには見えない。  
布地は薄く、豊満なボディラインが透けて見えてしまっている。  
二人はなにやら言い争っている。  
いや、ボンテージ少女の方が一方的に語気を荒げているだけのようだ。  
 
「……わかった。さっさと死にたいってのなら、そうしてやる」  
「ごめんなさい〜。ちゃんと聞きますから〜」  
「うるさい。お前は絶対、人の話を笑顔で聞き流すタイプだ」  
「どうして分かったんですか?」  
「……否定しろよ」  
 
この二人、人間ではない。天使と悪魔である。  
 
天使ガブリエルと悪魔ベルゼブブ。言うまでもなく、不倶戴天の敵同士。  
天使と悪魔は両方とも、人の世界に紛れ込んで、互いを見つけ出しては倒すことが目的だ。  
それに何の意味があるかは、考えることではない。天敵とはそういうものだ。  
 
「だいたい、おまえら天使ってのは、ムカつくんだよ。  
 いつもいつも、悩みなんてなさそうにへらへらしやがって」  
「幸せですから〜。悪魔さんはいつも怒ってますよね」  
「あぁ怒ってる。怒ってるさ。この世界の不平等に。政治経済の諸問題に。  
 お前らのように、この世の辛酸を舐め尽くしたことのない奴等には分からないだろうがな」  
「私だってぇ、いろいろ苦労してるんですよ〜」  
「はっ! お前みたいな、とろくさく喋るような奴がする苦労なんて、たかがしれてるさ」  
「実は私、早くに母を亡くして、父は酒乱で、子供の頃はよく殴られてました……」  
「えっ」  
「殴られて、殴られて、でも笑顔でいないと、自分が不幸であることを認めてしまうような気がして……」  
「お、お前も苦労してたんだな……」  
「まあ、嘘なんですけどね」  
「殺すっ!3秒以内にお前を殺すっ!」  
「あ、あわわっ!おっ、落ち着いてくださいっ!ねっ?ねっ?  
 ね〜、そんな物騒なこと言わないで、ねっ?  
 ほらぁ〜、勝負に勝ったのはあなた。負けたのは私。  
 あなたは〜私の体を〜好きにしちゃって〜いいんだから〜。  
 殺しちゃったり、ぐったりしちゃったら、なんて言うんですか?反応を楽しめない?」  
 
天使と悪魔が戦うときは、周囲の邪魔にならないよう、異次元で戦うのが慣例だが、  
勝負がついた後は、勝者が自分の部屋で、敗者を好きにしてよい、となっている。  
いわゆるお楽しみタイムだ。  
 
ガブリエルは、そのへらへらした容貌とは裏腹に、けっこうな手練れではあるが、  
今回は調子が悪かったのか、わりとあっさりとベルゼブブに負けてしまった。  
 
「ふん、まあいい。お前は、これから俺に陵辱の限りを尽くされ、  
 絶望の中でのたうち回った後、堕天使―――すなわち悪魔として、我々の同種となるのだ」  
「いや〜〜ん」  
「……嬉しそうだな」  
「そっ、そんなことないですよ?“や、止めてっ!ひどいことしないでっ!”」  
「演技臭い」  
「ちっ」  
「今、舌打ちしただろっ!」  
「してないしてない。ねっ、ベルちゃん、早くいいことしましょ?」  
「……ベルちゃん、だとぉ」  
「だってぇ、ベルゼブブって、言いにくいんですものぉ。  
 ベルちゃんって、かわいくてよくない?」  
「やっぱり殺す。今すぐお前を殺す」  
「あ、あわわわわ。ご、ごめんなさいっ!ねっ、き、機嫌直してっ!  
 陵辱、りょーじょくするんでしょ?ねっ?えっと、んーと、そうそう、  
 “いやっ、そんな大きなものをお口で慰めろだなんて、私、できないっ”」  
 
言いながら、ガブリエルはベルゼブブのボンテージのパンツを、するすると脱がせていく。  
 
「ま、かわいい……ゲフンゲフン……立派なおちんちん〜」  
「お前、今、なんつった?」  
「んー、ぱくっ。ふぇ、ふぁんへふは(なんですか)?」  
「いきなり咥えるなっ!」  
 
ガブリエルは、人の話も聞きもせず、ベルゼブブのペニスを口に頬張って、  
じゅっぱじゅっぱと、しゃぶっていく。  
言い忘れたが、天使も悪魔も、両性具有だ。  
 
「んふふ。んー、じゅるっ、じゅぱっ、じゅっぽじゅっぽじゅっぽ」  
「うっ」  
 
ベルゼブブの口から、くぐもった音が漏れて、ガブリエルの口の中のペニスがそそり立っていく。  
ガブリエルは、ベルゼブブのペニスをぺろぺろと舐めて、ちゅうちゅうと吸って、  
じゅるじゅるとしゃぶる。  
 
「んっふっふ〜。ぺろっ、ちゅーっ」  
「くぅっ」  
「ひほちひひふぇふか(気持ちいいですか)〜?」  
「咥えたまま喋られてもわからん」  
「ぷはぁ。だから、私のお口の中におちんちんを突っ込んで、無理矢理しゃぶらせるのは  
 気持ちいいですか?って」  
「お前、自分から咥えてきただろう……」  
「もうっ、やだぁ〜、そんな、天使に恥をかかせないでください〜」  
「……おまえらの考えることは俺にはわからん」  
「えぇ、そんなっ。“もっと手を添えて優しく慈しむようにしかし激しくおちんちんをこすりながら、  
 さきっちょにキスをして、舌先でちろちろ舐めろ”だなんて、私、恥ずかしい〜」  
「……無視すんなよ」  
「では、しこしこしますね。そして、ちゅーーっ、ちゅっ、ちゅっ、ちろちろちろ〜」  
「うっ」  
 
「ぷはぁ。ふわー、大きくなりましたね?ねっ?」  
「……見れば分かるだろう」  
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜。りょ・う・じょ・く〜♪」  
「はぁ、もういい。わかった。お前の言いたいことは十分わかった」  
「やだ〜、ベルちゃんのえっちぃ〜」  
「……」  
「えぇと、ごめんなさい。反省してます。善処します。  
 ベルゼブブさんのお好みのシチュエーションをどうぞ」  
「……俺の好みは、泣き叫ぶお前に、むりやりぶち込むことだ」  
「ぽっ」  
「そこで頬を染めるなっ!」  
「あっ、あははっ。えっと、こほん。ごめんなさい。  
 できるだけご要望に添いたいのですが、むりやりぶち込まれるなんて想像しただけで、  
 顔がにやけるのを抑えきれそうもありません」  
「だろうな……とんだ淫乱天使だな」  
「やだ〜っ、そんな褒めないでください〜」  
「褒めてねぇっ!」  
「あの〜、できる範囲でカマトトぶってみますが、嘘くさいかもしれません……」  
「いや、いい、その方が萎える。もうお前は黙ってろ。ただ犯されてろ」  
「えー」  
「文句あるのかよっ!」  
「ごめんなさい。一つだけ提案させていただいてもよろしいですか?」  
「……なんだよ」  
「陵辱といっても、泣き叫ぶ女の子を無理矢理、という後ろ向きな方向じゃなくて、  
 前向きな方向もあると思うんです」  
「前向きな陵辱って、なんだよ……」  
「ですから、『俺様のチンポが欲しいなら、そこでオナニーしてみろ』とか言って、  
 エロいことを、私に強要するんです。  
 私は嫌々ながらも、あなたのおちんちんが欲しくて、どんなエロいこともしてしまう。きゃっ」  
「嫌々じゃねーじゃん……」  
「あはは。そこはほら、言葉の綾ってものですよ。  
 淫欲に堕した私は、自分のあそこを、はしたなくまさぐりながら、だらだらと涎を流して  
 あなたにおねだりするんです」  
「“早くおちんちん下さい”ってか?」  
「ぐっ(good)!」  
「そんな親指突き出されもな……」  
「ねっ、お願い〜。エロい注文、して〜」  
「なんでお前の頭の中は、そんなピンク色なんだ」  
「そりゃもう、天使ですから」  
「はぁ……注文すりゃいいんだな?」  
「うんうん」  
「じゃ、とりあえず、これ、どうにかしろ」  
ベルゼブブは、いきり立ったままの自分のペニスを指さした。  
 
「は〜いっ!うふふふふっ。あっ、でも、どうします?  
 お口で?お胸で?手は使っていいですか?足コキは?それともさっそく挿入?  
 マニアックに脇とかいってみます?あぁ素股もいいですね。  
 ここは衣装使いますか?ストッキングとか、ブルマーとかスクール水着とか」  
「……よくもまあ、それだけすらすらと出てくるな」  
「そんな。あまねく世界に偏在するエロプレイの多種多様さを鑑みれば、  
 私の想像できる範囲など、砂浜の一粒に等しい矮小さですわ」  
「何が言いたいのかさっぱりわからんが……  
 もういい。お前はこれ全部、いかせろ」  
「は?全部?」  
 
ガブリエルが首をかしげていると、ベルゼブブのペニスがにょきにょきと伸びてきた。  
伸びたペニスは枝分かれし、もはや十数本の触手となったものが、うねうねとあたりを漂う。  
 
「わっ……」  
「はははっ、さすがに驚いたか。どうだ、おぞましいだろう。こいつらが今からお前を……」  
「ベルちゃんっ!すごいっ!」  
 
ベルゼブブに抱きつき、小躍りするガブリエル。  
「すごいっ、すごいよっ、ベルちゃんっ!わ、私、もうっ!」  
「えーいっ、くっつくなっ!鬱陶しいっ」  
 
ベルゼブブの触手が、ガブリエルに絡み付き、抱きついていた彼女を引き離す。  
触手は、彼女の衣服の下に潜り込み、薄いドレスを引き裂きながら、彼女の体の隅々をはい回る。  
最後には、彼女の体を宙に浮かせた。  
ガブリエルは、期待に満ちた眼差しで、目の前にある触手の一つを手に取ると、  
自分の口元に当て、キスをする。  
「ちゅっ。うふふ。ぜ〜んぶ、いかせてあげますね」  
 
一本目の触手は、彼女の口の中でじゅぱじゅぱとしゃぶられている。  
二本目と三本目は目の前でうねうねと動いている。  
四本目は、彼女の左手でしこしことこすられる。  
五本目と六本目は、胸をぎゅうぎゅうと絞り上げ、  
七本目と八本目は、腰をさすりながら、体を宙に浮かせている。  
九本目と十本目は、両足にまとわりつき、  
十一本目は彼女のペニスとねじれるように絡み合い、十二本目は彼女のクリトリスをこすっていた。  
十三本目は、へその穴をつくように動き、十四本目はお尻をさすっている。  
 
「じゅるじゅる、あんっ、じゅっぽじゅっぽ、きゃん、ぺちょぺちょ、あぁ〜ん」  
ガブリエルは、しゃぶったりしこったり、喘がされたりで忙しそうだ。  
 
ガブリエルが楽しげに触手と戯れていると、ほどなく一本目が射精する。  
彼女の顔に、たっぷりと精液がかかる。  
ガブリエルが、かけられた精液に対する色ボケた感想を言うまもなく、  
二本目と三本目の触手が、同時に彼女の口に押し込まれた。  
 
「うぅー、うー、うー、じゅるっ、うー、じゅぱっ、じゅぱっ」  
 
口の中はいっぱいいっぱいだと思われるが、ガブリエルは、二本のペニスを舐めることを止めない。  
左手でこすっていた四本目が射精し、彼女の胸にぱたぱたと精液がかかる。  
クリトリスをこすっていた十二本目と、お尻をさすっていた十四本目が、  
タイミングを揃えてそれぞれの穴に挿入され、彼女は激しく震える。  
 
「あんっ!!あうっ、うっ、じゅぱ、うんっ、あっ、ぐっ、ひっ」  
 
十二本目と十四本目は、彼女の体の中で暴れ回る。二本が動くのに合わせて、彼女の体は  
残りの触手によって、大きく上下に揺すられる。  
 
「ぐあっ、うぐっ、あぐっ、ぐっ、んん〜」  
 
本来であれば、膣とアヌスを同時に犯されて、ガブリエルは高らかに嬌声を上げたいのだろうが、  
口の中に押し込まれた二本のペニスのせいで、くぐもった声を出すのみだ。  
空中で激しく揺すられ、呼吸も困難で、彼女の顔は苦しげに歪んでいるが、  
なぜか、どうみても嬉しそうにしか見えない。というか、実際、嬉しいのだろう。  
 
彼女が口の中に押し込まれている二本の触手を、それぞれ片手で掴み、激しくこすると、  
下の穴二つに刺さったペニスと同時に、計四本が同時に射精する。  
 
「んっ、んっ、うぐぐぐ〜〜〜っ、ぷはっ、げほっ、げほっ」  
「はははっ、精液でどろどろだぞ、どうだ?気持ちいいか?」  
「けほっ、こほっ、そ、そんな」  
「さすがのお前も、四本同時は堪えたか」  
「さ」  
「さ?」  
「さいこ〜〜〜」  
「……」  
「ベルちゃん、ベルちゃん、もう一回、ううん、もっと何回もっ!  
 まだ全然いけるんでしょ?第一、出すの早すぎっ!連射きくんですよねっ?」  
 
ガブリエルは、目の前をふよふよと漂う残りの触手(もう何本目かわからん)をむんずと掴んで、  
自分の膣に宛がう。  
「いれてっ、いれてっ、はやくっ、はやくっ!」  
「あぁもうっ!」  
「きゃん〜っ!あんっ!あんっ!ああ〜〜んっ  
 こ、今度は、声出したいから、お口はなしでっ!だからっ、お尻っ!」  
「……ほらよ」  
「うぐっ、ぐっ、あんっ、あぁ〜ん、きゃん、あんっ、くぅ〜〜ん!」  
 
・・・  
 
あれからどれだけ時間が経っただろうか。  
あれから一本あたり何回射精させられただろうか。  
ガブリエルは、相変わらず、前後の穴にペニスを埋めたまま、  
目の前に垂れ下がる二本を、自分の顔に向けて、前後にこすっている。  
ほぼ文字通り絞り上げられていた二本から、どくどくと射精が始まり、  
彼女の顔にびゅるびゅるとかかっていく。  
もう彼女の体に精液がかかっていないところはないし、  
少しでもくぼんでいるところ、鎖骨やらへその穴やら胸の谷間やらに、  
溜まっていないところはない。  
美しい金髪はもうべとべとで、顔は精液と彼女の涎と涙と鼻水で混じり合って、  
ぐちゃぐちゃになっており、美しい彼女の可憐な笑顔も、見る影もない。  
 
が、彼女の笑顔は輝いていた。射精後のペニスをちゅうちゅうと吸い尽くす彼女は、  
高らかにアリアを歌い上げる歌姫のように、恍惚とした表情を浮かべていた。  
 
「……もう、だめ」  
「え?きゃっ!」  
 
ベルゼブブがぼそりと呟いたとたん、ガブリエルの体がぐらりと傾く。  
ガブリエルを支えていた触手が、その力を失い、だらしなく垂れたせいで、彼女は床へと落とされた。  
床の上には、ベルゼブブが射精した精液が沼のように溜まっており、  
その中に彼女は、べしょりと転がされる。  
 
「あははは〜、べちょべちょ〜」  
床の上の精液をすくい取り、自分の体中に塗りたくっていくガブリエル。  
胸に脇に腕に腹に性器にお尻に穴の中に。  
 
触手はしゅるしゅると縮んで一本になり、ベルゼブブの可愛いペニスへと戻っていく。  
戻ったとたん、ベルゼブブは、真後ろに倒れ込んだ。  
 
「ベルちゃん!?ベルちゃんっ!大丈夫っ!?」  
 
ベルゼブブの薄れ行く脳裏には、慌てて駆け寄る白い悪魔が、うっすらと見えたような気がした。  
 
 
ゆっくりと意識が戻っていく。ベルゼブブは、目を開いた。  
 
「あっ、気がつきました?大丈夫ですか?」  
 
ガブリエルの心配そうな顔が、目の前にあった。  
いったい、なにが、どうしたんだっけ?  
ベルゼブブは辺りを見回す。彼女は自分のベッドに寝かされていた。  
枕元で、ガブリエルが自分をのぞき込んでいる。  
彼女は、もうすっかり、綺麗な身支度をしている。  
先程までは白い液体にまみれていたが、今は白いドレスに再び身を包んでいる。  
 
「まだ、寝ていた方がいいですよ」  
体を起こそうとしたベルゼブブを、ガブリエルの手がそっと押しとどめる。  
 
「その、ごめんなさい。私、ちょっと、調子に乗り過ぎちゃって」  
「……あのさ」  
「はい?」  
「お前、なんで、堕天使に、悪魔になってないんだ」  
「えぇと」  
「お前、これ以上ないくらい陵辱されたよな。あんなに淫猥にひいひい言いやがって、  
 なんで堕落していないんだ」  
「そのー、あまりベルちゃんは聞きたくない言葉だと思うんだけど」  
「言え」  
「怒らない?」  
「……言わないと確実に怒る」  
「えっと、その場合は、言った方がお得?」  
「言わないと100%怒られるんだぞ?得に決まってるだろ?」  
「そっか、ベルちゃん、賢いね」  
「お前がバカなだけだ」  
「バカじゃないもん。ちょっと計算苦手なだけだもん」  
「もういいから早く言え」  
「うーん、えっと、その、えへへ」  
 
なにやら頬を染め、両手で組んだ指をもじもじさせるガブリエル。  
 
「だからね、愛なの」  
「あい?」  
「えっとねぇ、わたしは〜ベルちゃんが〜大好きで〜愛しているから〜  
 どんなエッチなことされても〜ラヴラヴエッチにしかならないのっ!  
 やだっ、もうっ、こんな恥ずかしいこと言わせないでよっ!」  
 
言いながら、ばしばしとベルゼブブの肩を叩くガブリエル。  
 
「そんなわけあるかっ!」  
「あぁ、ベルちゃん、そんな急に体を起こしちゃ」  
「くっ、め、めまいが」  
起こした上半身が、すぐにふらふらと揺れるベルゼブブ。  
 
「ほら、体、横にして」  
抵抗できずに、彼女にされるまま横になるベルゼブブだが、反論だけは止めなかった。  
 
「ふっ、ふざけんなっ、そんなバカな話あるかっ!」  
「私ね〜、この間、ベルちゃんを街でお見かけしたんです。  
 で、そのときに、一目惚れしちゃって……うふっ」  
「うふっ、じゃねーっ!」  
 
「えー、こほん。神様は、エッチそのものを否定しているわけではありません。  
 それは子孫を残す大切な行為ですし、愛を確かめる素晴らしい手段です」  
「……淫欲に溺れるのは、お前らにとって罪ではないのか?  
 お前自分で『淫欲に堕した』とか言ってただろっ!」  
「あんなのちょっとしたプレイの一環ですよ」  
「プレイて……」  
「だ〜か〜ら〜、愛する人から慰めていただくのは、とても崇高なことなのです」  
「精液まみれになるのがかっ!」  
「んもうっ、ベルちゃんったら、いっぱい出してくれて、私、嬉しいっ!」  
「……もう、やだ……こんなやつの、相手したくない……」  
 
ベルゼブブは、心の底から弱音を吐いていた。というか、半泣きだ。  
 
「あっ、ベルちゃん、泣かないで」  
「泣いてなんかないっ!」  
「はいはい。よしよし」  
「あやすなっ!」  
「んもう、聞き分けのない子さんですねぇ」  
「幼児扱いするなっ!」  
「……あの〜、ベルちゃん、さっきから泣いたり怒ったりしてますけど、  
 私の中、あんまり気持ちよくなかったですか?  
 私の膣に射精するの、気持ちよくなかったですか?」  
「うっ、そっ、それは」  
 
ベルゼブブは、先程までの感触を思い出す。  
たくさんのペニスを彼女の中に突き刺し、射精するのは、確かに得も言われぬ心地よさだった。  
だからこそ、倒れるまで射精を繰り返してしまったとも言える。  
 
彼女の方を見る。腕を組んで、瞳をうるうるさせて、ベルゼブブの言葉を待っている。  
「ま、まあ、気持ち……よかったけど(ボソッ)」  
「やったー!ベルちゃんっ!だーいすきっ!」  
 
ガブリエルは盛大にベルゼブブに抱きつく。というか、寝ている彼女に覆い被さる。  
「こらっ、重いっ!どけっ」  
「ひっど〜い、重くなんかないもん」  
「お前の方が図体デカいだろ?重いんだよっ!」  
「むー、また重いって言ったぁー。で〜も〜、許してあ・げ・る。  
 なんてったって、私達、ラブラブだから〜」  
「なんでそうなるっ!」  
「だって、ベルちゃん、私で気持ちいいって」  
「ちんちんこすられりゃ、愛なんかなくても気持ちいいんだよっ」  
「そんなことないもん、好きでもない人のおまんこの中なんか、あんまり気持ちよくないもん」  
「うるせーっ!悪魔が愛なんか持ってるわけないだろっ!虫ずが走るわっ!」  
「んもう、ベルちゃんの、てれやさんっ」  
「聞けよ人の話」  
「んー」  
「なんだ急にアヒルみたいな顔をして」  
「ちゅう」  
「は?」  
「だ〜か〜ら〜、ちゅうして」  
「誰がするかっ!」  
「もう、やっぱりベルちゃんはてれやさんですね〜。じゃ、失礼して私の方から」  
「こらっ、やめろっ!」  
 
ガブリエルはベルゼブブに顔を寄せていく。  
ベルゼブブは、はねのけようとするが、思うように体に力が入らない。  
腕を伸ばすが、簡単に押さえつけられて、あっという間に唇を奪われた。  
 
「ちゅー。んふふ。ぺろぺろ〜んちゅ〜」  
「うー、んぐっ」  
 
唇だけを合わせた後、ガブリエルはベルゼブブの唇をぺろぺろと舐めていく。  
じゃれつく子犬がするように、口の周りをぺろぺろとして、  
そのまま、首筋や頬に唇を這わせ、耳を甘噛みした。  
 
「ひゃうん」  
「!」  
「なっ、なんだよ」  
「にゅふふふふふ〜〜」  
「なんでそんなに、にやにやして……ひゃん!」  
「ベルちゃんは〜」  
「ああ、そうだよっ!耳が弱いよっ!悪いかっ!」  
「悪くないよ〜。と〜っても、素敵なことだよ〜。ぺろぺろ〜」  
「ひゃっ、やっ、やめろっ!」  
「耳の穴に、舌突っ込んであげるね」  
「きゃっ、あんっ、くっ、あぁ〜ん」  
 
耳を舐めながら、ガブリエルはベルゼブブのボンテージ衣装を器用に脱がせていく。  
といっても、パンツは先程降ろしたままなので、ブラを剥がすだけだが。  
露わになった慎ましやかな胸を、ぐりぐりと揉みしだく。  
 
「あんっ、む、むねまで、も、もむなっ!」  
「ベルちゃん、もっと、もーっと気持ちよくなってね」  
「あん、きゃん、ああぁん」  
「可愛い声、もっと聞かせて」  
 
片手でベルゼブブの乳首をこりこりとつまみ、残った手は太ももの間に這わせる。  
 
「あんっ!ああんっ、そ、そこはっ、だめ〜っ!」  
 
ベルゼブブのあそこが十分濡れていることを確認してから、  
ガブリエルは、指を膣の中に差し込んでいく。  
小柄なベルゼブブの膣は、やはり小振りで、十分にきつい。  
 
ガブリエルは耳を噛むのを止め、体を下にずらしながら、今度は乳首をちゅうちゅうと吸い上げる。  
 
「きゃんっ!あくぁんっ!んんんーっ」  
 
差し込んだ指を激しく上下させたり、手を止めたかと思うと今度はクリトリスをつまんでみたり。  
ベルゼブブの小さなペニスは、あえてそのままにしておく。  
男の子の部分と、女の子の部分、両方同時に責められると、かえって散漫になるのだ。  
さっきもベルゼブブは、あまりペニスは責めなかった。  
 
ガブリエルは、ゆっくり時間をかけて、ベルゼブブの全身を舐めていく。  
愛おしむように、慈しむように、親猫が子猫の毛繕いをするように、丹念に優しく、  
指先から脇腹から太ももから脇腹から、クリトリスから膣の中は舌の届く範囲まで。  
 
ベルゼブブの頬は、もう十分に紅潮している。  
溢れる愛液で、もうシーツはべとべとになってしまった。  
そろそろ、いきそうだと、ガブリエルは思う。  
いったん愛撫を止めて、真剣な表情をすると、息も荒いベルゼブブの顔をのぞき込んだ。  
 
「ベルちゃん、いえ、ベルゼブブさん、私の愛撫、気持ちよかったですか」  
「はぁっ、はぁっ、な、なんでそんなことを聞く?」  
「今日は私、ベルゼブブさんにいっぱい気持ちよくしていただきました。  
 とても、感謝しています」  
「ふっ、ふん。天使に感謝なんかされても、俺は」  
「ベルゼブブさん、倒れるまで私に射精してくれるなんて、私、とても嬉しかったです」  
 
うっすらと、目に涙を浮かべるガブリエル。  
 
「はっ、まあ、せいぜい感謝しろ。あれだけ出してやったんだからな」  
「はい。感謝の気持ちを表したくて、少々強引に、ベルゼブブさんに愛撫させていただきました。  
 私の拙い愛撫で気持ちよくなっていただけたかどうか、不安なのですが、  
 私なりに精一杯させていただきました。いかがでしたでしょうか?」  
「まっ、そうだな。まあまあだな。俺への感謝というには、まだまだ足りんが」  
「はい。やはりここは私も、ベルゼブブさん、いえ、ベルゼブブ様に  
 私の矮小なペニスを挿入いただいて、少しでも気持ちよくなっていただきたく思うのですが、  
 ご容赦いただけますでしょうか。  
 もちろん、ご承知だとは思いますが、私に挿入されたからといって、  
 ベルゼブブ様が天使におなりになることはございません」  
 
ベルゼブブはガブリエルのペニスを思い出す。  
まあ、たいした大きさではなかった。  
が、口ではああいっても、ガブリエルの愛撫は、なかなかに手際よく、非常に気持ちよかった。  
あそこがうずくのを自分でも痛いくらいに感じるし、彼女の言うとおり、  
天使に中出しされたからといって、天使になるなんて、聞いたことがない。  
もう十分すぎるほどにわかっているが、ガブリエルは相当に淫乱で、エッチは上手い。  
彼女に挿入されることを思うと、自然に唾を飲み込んでしまう。  
 
「ま、まあ、お前がそれほどまでに言うなら、入れさせてやらんわけでもない」  
「えっ、ほ、本当にございますか?ご容赦いただけますか?」  
「う、うむ。どうせたいしたことはないだろうが、少しは俺を楽しませろ」  
「はっ、はいっ!ありがとうございますっ!私、本当に嬉しいですっ!  
 誠心誠意、尽くさせていただきますっ!」  
「わかったわかった。ご託はいいから、さっさと……」  
 
ごろん。  
 
ごろん?ベルゼブブの腹の上に、なにか大きく生暖かいものが、ごろんと放り出された。  
腹の上を見る。オオサンショウウオ?  
 
自分の上にまたがって、にこにこしているガブリエルを見上げる。  
彼女はドレスの裾を、自分でまくって、お腹を見せている。  
オオサンショウウオは、彼女の下腹部に繋がっており……。  
 
「でけっーーーーーーーーーーーーーーー!!」  
「やだんっ」  
「ななななななっ、なんだそのチンポっ!」  
「ベルちゃん、チンポだなんて、お下品〜。でもちょっといいかも〜」  
「ささささっ、さっきまで、そんなデカくなかっただろっ!?」  
「いやん、ちょっと勃起しちゃいました」  
 
彼女が腰をくねくねするたび、幼女の腕ほどもあろうかというペニスが、  
ベルゼブブの腹の上でごろんごろんと転がる。  
 
「はぁ!?ちょっとっ!?これのどこがちょっとだよ?」  
「えー、まだ半立ちだもん。えへへ。  
 ベルちゃん、今から大きくするから、ちゃんと見ててね?」  
「……」  
 
ガブリエルは自分のペニスを握って、しこしことこすりあげていく。  
みるみるうちにそそり立っていくペニス。  
ベルゼブブは、その大きさに唖然として、目を丸くするばかりで、言葉もない。  
両手で握らないと溢れてしまうペニスなど、ベルゼブブも見るのは初めてだ。  
 
「ねぇ、見てる〜、ベルちゃん?私のチンポがむくむくと大きくなるとこ、見てる〜?」  
 
天を突き刺すように反り返ったペニスは、ベルゼブブの腕ほどの大きさになっていた。  
 
「はぁっ、はぁっ、ベルちゃん〜。入れちゃいますね〜」  
「……まっ、待てっ!ちょっと待てっ!」  
「えー、おあずけですかぁ〜」  
「よく考えろっ!そんなデカいもの、入るわけないだろうっ!」  
「だいじょうぶ〜。痛いのは初めだけだから〜」  
「んなわけあるかっ!」  
「さっきベルちゃん、入れていいって言った〜」  
「そりゃ、さっきまでの大きさならなっ!」  
「おちんちんは大きくなるものだよ」  
「なりすぎだっ!」  
「でも、ベルちゃん、入れていいって、言ったし〜」  
「やたら下手に出てたのは、そういうことかよ」  
「うふふ〜、そんなことないよ〜、ベルゼブブ、さま〜」  
「あー、むかつくなぁもうっ!」  
「むー、もういいもん、無理矢理入れるもん」  
 
ガブリエルは、自分のペニスをベルゼブブのあそこに宛がう。  
どう見ても小さすぎる入り口に、ぐりぐりとねじ込んでいく。  
 
「痛っ!痛いっ!やっ、やめろっ、やめてっ!痛いっ!」  
「んふふ〜、さっき、ベルちゃん、“泣き叫ぶお前を見たい”みたいなこと言ってたじゃない?  
 その気持ち、今はちょっとわかるかも〜」  
「……そっ、それって」  
「ベルちゃんって、かわいいよね〜。痛くてピーピー泣くところ、見たいなぁ〜」  
「ひっ!」  
ベルゼブブは、恐怖で真っ青になっている。  
ガブリエルは、うっすらと乾いた笑みを浮かべたまま、思い切り腰を打ち付けた。  
 
「うぎゃーーーーーーっ……って、あれ?」  
「ぷ」  
「痛く、ない?」  
「あははははは」  
「おい、どうなってるんだ、これ?笑ってないで説明しろっ!」  
「あははは、はぁ、はぁ、こほん、ご、ごめんなさい。  
 恐怖にぷるぷる震えるベルちゃんが、あんまりにもかわいかったから」  
「うるさいっ!」  
「ベルちゃん、天使に入れられたことないでしょ?  
 天使のおちんちんは、入れられても痛くないんだよ。気持ちいいばっかり」  
「そ……そう、なのか」  
「で、どう?気持ちいいでしょ?」  
 
ベルゼブブは、自分の下腹部に目をやる。  
あそこは限界まで押し広げられ、ガブリエルのペニスが半分ほど埋まっているのが見える。  
今まで感じたことのない圧迫感だが、それが気持ちよく思える。  
膣の隅々まで、みっちりと押し広げられているのが、とろけそうなほどに心地よい。  
 
「確かに、気持ちいいが、いったい、どうなってんだ、これ?」  
「難しいことは私にもわかんないよ。天使の奇跡ってやつだよ」  
「お前らって、奇跡って言葉使えば、理屈は全部無視していいって思ってるだろ」  
「だって、奇跡だし。ねっ、これ、どうかな?」  
 
ガブリエルは、ゆっくりとペニスを前後に動かす。  
「うっ、くっ、あんっ!」  
ベルゼブブの顔が、気持ちよさげに歪む。  
「えへへ、どう、すんごい、気持ちいいでしょ〜」  
「た、確かに、体中持っていかれる感じだ」  
「ちょっと意地悪したけど、ベルちゃんに気持ちよくなって欲しいって言葉は、ホントなんだよ〜」  
「ちょっと? 悪魔よりたちが悪かったぞ」  
「えへへ、ごめんね〜。お詫びにどんどん気持ちよくなってね〜」  
 
ガブリエルは、再びペニスをねじ込んでいく。今度は全部すっぽり入った。  
「くっ、くぅ〜〜、あっ、あぁ〜ん!」  
「はぁ、ベルちゃん、どう?ベルちゃんの、一番奥まで、入っちゃったよ?」  
「くはっ、あぁ、一番、奥まで、来たな」  
「じゃあ、動くね」  
ガブリエルは、腰を振り始めた。初めはゆっくり。次第に激しく。  
彼女の腰が前後するたび、ベルゼブブの口からは、嬌声が上がっていく。  
 
「あんっ!きゃんっ!あっ、あっ、あっ、あん〜んっ」  
「はっ、はっ、べ、ベルちゃん、気持ちいい?」  
「はんっ!ああ〜ん、んぁんっ!」  
「ベルちゃん、ベルちゃんっ、かわいいね、大好きだよっ!」  
「きゃんっ!あんっ!ん〜〜〜っ!」  
「はぁっ、あんっ!ベルちゃんのあそこ、温かくて、きつくて、私も、気持ちいいよっ!」  
「んっ、んっ、んぁ〜ん」  
「きゃんっ、べ、ベルちゃん、そんなに締め付けるとっ!」  
「あんっ、そ、そんなこといっても、む、むりっ!」  
「ベルちゃん、私、い、一度出すねっ。出してもそのまま続けるから、いいよねっ」  
「あんっ、あんっ、うんっ、だ、出せっ」  
「はいっ!」  
 
ガブリエルの返事とともに、彼女のペニスから白い液体が噴き出した。  
どろどろと流れ出すとか、どくどくと溢れ出す、といったような例えは不適切だろう。  
極大のペニスから吹き出した精液は、大砲から発射された砲弾のように、  
ベルゼブブの膣の一番奥に、塊となってガンガンとぶつけられるかのようだ。  
ベルゼブブは、あまりの衝撃に、声さえ出ない。  
魚のように口をぱくぱくさせるのみだ。  
 
「ふーっ、べ、ベルちゃん、どうかな?」  
「くっ、かはっ、あ、あ、あ」  
「じゃ、このまま続けるね?今度はもっと我慢できると思うから、期待しててね」  
「かはっ、けほっ、ちょっ、ちょっと、休ませろ。息が、できん」  
「あっ、ごめん。うん、じゃ、ちょっときゅうけい〜」  
 
ペニスは入れたまま、ガブリエルはベルゼブブの上に覆い被さり、その体を抱きしめる。  
「はぁ〜、私、ベルちゃんの中に出しちゃったんだね。しあわせ〜」  
「ふっ、そんなに俺の中はよかったか?」  
「うんっ!ベルちゃんのあそこ、きついし狭いし小さいし、おちんちん、ちぎれるかと思ったよ。  
 でもね、本当に嬉しいのは、今、ベルちゃんのあそこの中が、私の精液でいっぱいいっぱいだってこと。  
 ベルちゃんの膣も子宮も、私がおちんちんでふたをしている限り、  
 私の精液でなみなみと満たされてて、ベルちゃんの体の中にじわじわとしみ込んでいくんだよね?  
 そう思うと、すっごい興奮するの。  
 もっともっとたくさん出して、ベルちゃんの体の隅々まで、私の精液で満たして、  
 “ベルちゃんは、私の精液で出来てるんだよ”って、みんなに言いふらしたいの」  
「……お前はつくづくおかしいよ」  
「えーっ?ベルちゃんは、私に射精してるとき、そんな風に思わなかった?  
 そうね、悪魔っぽく、“ふはははは、お前は俺の精液便所になるのだ”とか」  
「お前がマニアックなポルノを見過ぎなだけだ……」  
「そんなことないよ〜。あーあ、本当はあのとき言って欲しかったのになぁ。  
 自分で言えばよかった。“いやらしい精液便所にたくさん射精してください”って」  
「好きにしろ……。それに、なにか、今お前は、俺を精液便所扱いか?」  
「えっ!ううんっ!そんなことないない。えーっと、精液ベネツィアングラス?」  
「……ちっとも嬉しくない」  
「私の精液が入ってるの、気持ち悪い?」  
「……お前の表現は気にくわないが、入ってること自体は、悪くない」  
「えへへ〜、そうでしょ〜、天使の精液にはそう言う効果もあるんだよ。  
 “天使汁の奇跡”だよっ」  
「つくづく都合いい存在だな、お前ら……」  
「えいっ」  
不意に、ベルゼブブが腰を揺する。  
 
「あんっ!な、なんだ急に」  
「えへへ、ごめんね。ベルちゃんのかわいい喘ぎ声が聞きたくて。えいえいっ」  
「きゃんっ、あんっ、なんだ、続けたいのか?」  
「うん、それもあるけど、ねぇ、ベルちゃん、私、ずっとこのままでいたいな」  
「はぁ?」  
「ねー、これから、ずーっと、おちんちん、入れたままでいようよ。  
 ベルちゃんのおちんちんか、私のおちんちんのどっちかが、いっつも、相手の中に入ってるの。  
 だから当然、二人はいつも一緒。ずーっと、気持ちいいばっかり」  
「仕事はどうすんだよ」  
「別にいいじゃん。私達の仕事なんて、お互いをやっつけるだけだけど、  
 何億年繰り返しても、なんにも変わらないじゃん。  
 神様だって、もうどうでもいいって思ってるよ」  
「なんて不信心な天使なんだ……」  
「ねぇ〜、このままこの部屋で、永遠にセックスしていようよぉ。  
 ベルちゃんが、ちょっとでも勃起したときは、いつでも私の穴を使っていいよ。  
 寝ているときでもおトイレのときでも、どんなときでも、挿入して構わないよ。  
 ベルちゃんのあそこが、ちょっとでも疼くときは、  
 いつでも私が挿入するよ。ベルちゃんが満足するまで、何度でも射精するよ。  
 料理とか、お掃除とかも、私得意だよ。  
 毎日美味しい手料理ごちそうするよ。ベルちゃんの好きな料理ってなに?  
 掃除だって、お部屋、ぴかぴかにするよ。  
 ぴかぴかにしてから、二人の精液でめいっぱい汚して、またきれいにする。  
 ねっ?いつまでも、そうしていようよぉ。悪い話じゃないでしょう?」  
「お前は、見つけた悪魔片っ端からそんなこと言ってるのか?」  
 
ガブリエルは、きょとんとした顔をしてベルゼブブを見つめていたが、  
不意に、はらはらと涙をこぼし始めた。  
 
「こ、こんなこというの、ベルちゃんが初めてだもん。  
 ぐすっ、べ、ベルちゃんだから言うんだもん。  
 ベルちゃんが、ベルちゃんが好きだから言うんだもん」  
 
ガブリエルの瞳からぽろぽろとこぼれる涙は、ベルゼブブの胸に落ちてくる。  
 
「ぐすん、ひっく、ねぇ、ベルちゃん、だめ、かなぁ、ぐすっ、えーん」  
子供のように泣きながら、溢れる涙をごしごしとこすりながら、  
ガブリエルは問うてくる。  
「ぐすん、ぐすっ、わ、私じゃ、だめかなぁ、ベルちゃんを、満足させられないかなぁ」  
 
「わかった。わかったから、もう泣くな」  
「ひっく、ぐすん、い、一緒に、いてくれる?」  
「……お前、それが無理だってことくらい、自分でわかってるんだろう?」  
職務放棄がしれようものなら、お互い、自分の主に抹殺されかねない。  
 
「……うわーんっ!えぐっ、えぐっ、うぇーんっ!」  
「だから、泣くなって……いや、いい。泣け、好きなだけ泣け」  
「ぶぇーんえんえん、ぐすっ、ひーん」  
「ほら、永遠には無理だけど、今は別に誰に咎められるわけじゃない。  
 天使のお前を堕落させるために、悪魔の俺が、お前とセックスする時間だ。  
 さぁ、続きしようぜ。俺をいかせてくれ。  
 お前は好きなだけ射精すればいい。なっ?」  
「ぐすっ、うん、ベルちゃん、いっぱいいってね。私もいっぱいいくから」  
「ああ」  
 
ガブリエルは泣きながら、腰を振る。  
ベルゼブブは、自分の腹の中で暴れるペニスに、嬌声を上げる。  
まだ泣きやんでもいないのに、ガブリエルは、射精が我慢できなくなってくる。  
 
「ひっく、ぐすん、ベルちゃん、今度は、外に出していい?  
 ベルちゃんの体に、精液かけたい」  
「あんっ!あぁ、好きにしろっ」  
「ぐすっ、ベルちゃん、ありがと、優しいね」  
「くっ、あ、悪魔に優しいとか、言うなっ」  
「ベルちゃんっ、私、もう出るっ!」  
 
ガブリエルは、慌ててペニスを抜き出し、ベルゼブブの体に向ける。  
ガブリエルのペニスは、もう射精が始まっており、  
おびただしい量の精液が、ベルゼブブの体中に降り注ぐ。  
顔や口、髪や頬、腕にも胸にも腹にも足にも、一度の射精で、  
ベルゼブブの体の全てが、ガブリエルの精液にまみれる。  
 
「はぁっ、はぁっ」  
「すっ、すごい量だな」  
「はぁ〜、気持ちよかった〜」  
いいながら、ガブリエルはベルゼブブに抱きつく。  
互いの体に精液がべっとりとつくが、ガブリエルはそれを喜んでいるようだ。  
 
「えへへ、私の精液、ベルちゃんに、塗りたくっていい?」  
「好きにしろ」  
ガブリエルは楽しげに、ベルゼブブの体についた精液を、そのまま塗り広げていく。  
 
「あはは。ベルちゃんの体、私の精液でべとべとだよ」  
「あぁ、そうだな。満足したか?」  
「うん。ベルちゃん、ありがとう。私、嬉しいよ。  
 あっ、でもでも、ベルちゃんの美容にもいいんだよ?」  
「精液が?」  
「奇跡ですから」  
「ほんとかよ……」  
「うーん、でも、ベルちゃんは、今もお肌すべすべだから、あんまり意味ないかも」  
「まあ、美容のためにしているんじゃないから、別にいいさ」  
「ベルちゃん……」  
 
ガブリエルとベルゼブブは、自然と唇を重ねる。  
互いの口の中に舌を差し入れ、唾液を交換し合う。何度も何度も、恋人同士みたいに。  
 
「ぷはぁ」  
「はぁ」  
「ねっ、ベルちゃん、また入れていい?それとも、ベルちゃんが入れる?」  
「俺は射精はまだいいや。お前が入れろ。どこに出したい?」  
「ベルちゃんに出せるなら、どこでも嬉しいよ」  
「ふむ。じゃ、次はここだな」  
 
ベルゼブブは自分から四つん這いになり、小さなお尻をガブリエルの目の前に向ける。  
「さ、どうした?入れたくないのか?」  
「……う、うわーんっ!」  
「な、なんで泣くっ!」  
「だっ、だって、嬉しくてっ!」  
「尻の穴に挿入できるのが泣くほど嬉しいのかよ……」  
「ぐすっ、だって、だって、だって、もう、私が今どれだけ嬉しいか、  
 口では説明しきれないよっ」  
「じゃあ、それは、お前のデカいチンポで説明してくれ」  
「くすん、うん。私の幸せな気持ち、ベルちゃんに教えてあげる」  
 
ガブリエルは、肥大したペニスをベルゼブブの尻の穴に突き刺した。  
 
・・・  
 
それから二人、気絶するように眠りにつくまで、何度射精しただろうか。  
途中からは精液で体が滑ってしまうので、二人、宙に浮きながらセックスした。  
互いの体の隙間は、全てお互いの混じり合った精液で埋めてしまった。  
シックスナインで互いにフェラチオして、射精された精液を口の中に溜めたまま、  
キスをして互いの精液と唾液を混ぜ合わせ、はき出したそれを、相手の膣に塗り込んだ。  
二人で出した精液を混ぜて、混ぜて、それを体中に塗りたくった。  
ガブリエルは、泥遊びをする子供のようにはしゃいでいた。  
ベルゼブブは苦笑するばかりだったが、楽しそうではあった。  
 
二人とも、もう一滴も出なくなって、ようやく眠りについた。  
ガブリエルはベルゼブブを抱きしめるようにして、  
ベルゼブブはガブリエルの胸に顔を埋めて、  
意識が途切れるまで、軽口をたたき合っていたような気がする。  
 
朝の光が窓越しに差し込んで、ベルゼブブが目を覚ましたときには、  
もうガブリエルの姿はなかった。  
気だるい足取りで、キッチンへと向かう。  
 
ぽつんと用意してある朝食。  
「スープはレンジで温めてから飲んでね」  
添えてある書き置き。  
 
ベルゼブブは、無表情のまま、書いてあるとおりにスープを温めて、  
用意された朝食を、一人でもぐもぐと食べる。  
 
「あいつめ。勝負に負けたくせに、陵辱されたくせに、  
 堕落して悪魔にならないなんて、俺は骨折り損じゃないか……」  
 
こういう感情を、なんというのか、悪魔は思い出せない。  
思い出せないが、その背中は、なんだかとても、寂しそうだった。  
 
・・・  
 
「宇宙開闢以来から、天使と悪魔は闘争の関係にある。  
 互いの目的は、互いの殲滅。そこには慈悲も何もない。ただ、殺戮があるのみ。  
 我らは互いに人の姿に身をやつし、互いの屠殺を繰り返す―――」  
 
あれからしばらく、ベルゼブブは職務もこなさず、ぶらぶらしているだけだったが、  
いつまでもそういうわけにもいかない。  
今日は久しぶりに、見つけた天使と戦い、また勝利した。  
いつもの長ゼリフで、勝利の余韻に浸る。  
 
「あのー、ベルゼブブさん、その口上はもう聞きました」  
「へ?」  
 
笑顔で抱きついてくる天使の顔を、ベルゼブブはよく知っていた。  
 

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