ある寂れた人間の街…。僕はいつもの様に人間の魂を探していた。  
 
この街はつい数か月前に流行病が蔓延し、まもなくして次々と人が死んでいった。  
僕は天使の仕事でその死んでしまった人達の魂を在るべき場所へと誘導している最中だったのだ。  
 
―僕は下級天使。少し変わった性質を持っているおかげで友達は一人もいない。  
 
「……はい、天界はあっちです。気をつけて行って下さいね」  
迷子の魂に道案内をしてあげた。もう今日で何人目になるだろう。数え切れない程の魂を導いてあげたけど、まだ全部という訳にはいかないみたいだ。  
…でも、そのおかげでこの辺りには人気は全くない。  
「ちょっと休もうかな…」  
僕は適当なその辺の民家の屋根に腰掛けた。  
「ふー…つっかれた………ん?」  
その時、僕は少し遠くの上空で何かが飛んでいるのを見つけた。  
よく目をこらす。すると…  
その飛んでいる何かは、悪魔だった。  
ぼんやり遠くを眺めている女の悪魔みたいだ。  
…凄く綺麗な人だ…。  
僕より幾つか年上…っぽく、横顔からでも美人なことが分かった。  
 
「………あっ、いけない、何見とれてんだろ」  
そうだ。見とれてる場合じゃない。  
…殺さなくては。  
僕は悪魔だって殺したくはないけど、でも、悪魔は悪い存在なんだ。  
悪魔は魂を惑わして悪い方へ導こうとする。それはやっぱり許せないことだ。  
僕は急いで屋根の陰に隠れ、武器の弩を持ち出した。  
「…ごめんなさい、見ず知らずの悪魔さん」僕はそう呟きながら悪魔に狙いを定めた。  
そして―  
 
ピシュッ!  
 
静かに矢を放った。  
が…。  
 
「!?」  
躱された!!  
 
悪魔がこっちに向かってきた。  
「…ヤバッ!!」  
僕はすぐに逃げた。  
気配をできるだけ殺しながら寂れた民家を縫う様にして飛び回る。  
うまくいけば撒ける筈…。  
僕は後ろを確認した。  
「…!!!」  
そんな。もう追いつかれそうだ。  
悪魔はかなり怒っている様で、猛スピードで僕の後を追いかけてくる。  
…だめだ。見つかってはこの狭い路地裏を飛び回る必要は無い。  
僕は一気に急上昇した。  
悪魔も同じ様について来る。  
「!!」  
先回りをされた。怒った表情の悪魔が僕の前を立ち塞ぐ。  
「ふふふ…頑張ったけど結局あたしの方が速かったみたいだね」  
「くっ…」  
 
どうする…?  
…あ、そうだ!  
 
「あーっ!!」  
僕は遠くを指差した。  
「え?」  
悪魔もそれに従って指差した方をみる。  
僕はゆっくりバレない様にあとずさった。  
「は?えー?何?何があんのよ?」  
まだ気付かない。もう少しだ。  
 
僕は静かにその場を飛び去り、またさっきの裏路地に下り立った。  
「(…気配を殺すには゛あっち゛の方が都合が良いな…)」  
僕はゆっくり深呼吸。そして意識を集中させた。  
 
ざわざわと髪が伸びる。薄栗毛のそれは肩位まで伸びた。  
そして、背が少し低くなり、体が丸みを帯びていく。胸がいくらか膨らんだ。  
 
あっという間に「僕」は「私」になった。  
 
「(…これでよし、と…)」  
私は続けて更に意識を集中させた。  
気配を殺す為だ。  
何故かこの姿の時の方がうまくいく。  
 
もう少し…。  
私がそう思った時。  
「あらぁ」  
上の方で声がした。  
「!!!」  
私は咄嗟に上をみる。  
さっきの悪魔が私を見下ろしていた。  
「やっぱり!あなたさっきの少年でしょう?」  
悪魔は楽しそうにそう言った。  
「あ…」  
「あれー?じゃあなんで今は女の子なのかなー?」  
「それは…」  
「あ!分かった!…あなた…男にも女にもなれるでしょう」  
…え!?どうして…?私のこの体質は天使の人達しか知らない筈なのに…?  
「あ?図星ィ?やたっ!」  
うろたえている私の様で分かってしまったらしい。  
「へー、奇遇ねぇ!実は」  
 
悪魔は一瞬で私の目の前に下り立った。  
そして、次に彼女の口から発せられたのは  
 
「俺もだよ」  
 
低い男の声だった。  
 
 
 
 
 
 
「う…ん…」  
 
…痛い…。  
お腹の奥が重い。  
 
さっき気絶させられたみたい。  
ここは…さっきと変わっていない。私は地べたに寝ていたみたいだ。  
 
「…生きてる」  
殺されてない。私は今更になってそのことを確認する。  
私は安堵の溜め息をついて起き上がろうとした。  
 
ガシャリ。  
 
「ひゃっ」  
手を引っ張られる感覚がして私はその場に崩れる。  
 
「………!?何これ!?」  
私の手を引っ張ったのは…黒い頑丈な手枷。その頑丈な手枷には、太い鎖が繋がっていて、その鎖は少し離れた所で杭を穿たれていた。  
 
「…そんな」  
 
私は絶望にうちひしがれた。  
「起きたか」  
 
背後で声がした。  
後ろを振り向くと、やっぱり、あの悪魔がいた。  
…違う…?さっきは女の悪魔だった筈が、男の悪魔になっている。顔は何となくにてる気がするけど…。  
「はっ、なんだその顔?さっきの奴はどこ行ったってか?」  
また図星。悪魔は他人の心を覗けるのだろうか。  
「お前と同じだよ」  
 
「…え?じゃあ…あなたさっきの女の悪魔さんと同じ人…なの?」  
「そうだ。あとさん付けすんなよ気持ち悪い」  
 
…私以外にもこの体質を持つ人がいたなんて…。  
 
 
天使は普通、誰でも両性具有だ。  
だけど、私は違ってた。私は何故か、性別自体を二つ持って生まれてきた。  
つまり、男の時もあれば、女の時もあるということだ。  
体だけじゃない。精神面でも入れ替わるのだ。最近は自分の意思で操れる様になったけど、幼い頃は私の意思とは関係無しに入れ替わったりして大変だった。  
こんな変な体質のせいで、私は昔から友達がいなかった。こんな体質、世界中探しても私だけだと思っていたのに…。  
 
 
「…そっ…そんなことより、この手枷を外して下さい!」  
私は手首にはめられた手枷を指差した。  
「やだ」  
まぁそうくるだろう。はずす位なら最初からはめない。  
「さっきのことは謝りますから」  
「いらね」  
「どうしてもですか?」  
「どうしても」  
…頼んでも駄目か…。それなら力ずくで外せないだろうか。  
 
私は「僕」になろうと意識を集中させた。  
 
…あれ?  
変化が起きない。  
どうして…?  
 
「性別を入れ替えようとしても無駄だから」「えっ?」  
「その手枷は俺の力で作ったからな。自由に俺の意思を反映させれるって訳よ」  
「そんな…」  
「ほんじゃ、やるか」悪魔は軽くそう言うと、私の上に跨がった。  
「え?何?何するんですか」  
「…」  
悪魔は質問には答えなかった。  
そして、私の服を掴むと、  
 
ビイィッ!!  
 
「きゃあっ!?」  
服を左右に引き千切られた。  
「ぷ、きゃあだってきゃあ」  
「わ、笑わないで下さい!」  
私は悪魔を睨み付けた。だが、悪魔は逆にそれを面白がっている様だった。  
私は何をされるか不安になり、急いでなんとか枷をはずそうとした。  
ガシャガシャと空しい金属音が街に響く。  
と、その時、  
ひた、と胸に冷たい感触が走った。  
「ゃうっ!」  
思わずびくんと体が跳ね上がる。  
 
「やっ…あっ」  
悪魔が私の胸を揉んでいる。  
「やっ…やめっ…て…」  
口ではそう言ったが、体は意思とは関係無しに熱くなっていく。  
 
「…これでも?」  
「え…?」  
 
悪魔はニヤッと笑うと、  
私の乳頭を口に含んだ。  
 
「は…ひゃああんっ!!」  
ざらざらした舌の感触が私を襲う。  
飴の様に舐めたり、甘噛みされたり、軽く強く吸い上げられたり…  
「やぁ…んっ…あっ…だ…めぇっ!」  
私はたまらず身をよじった。  
悪魔はもう片方の手で私のもう一方の胸も弄ぶ。  
「うぅ…んっ…ぁっ…!」  
 
しばらくすると、悪魔の手が私の体から離れた。  
と思ったその時、  
 
ビッ  
 
「!!」  
悪魔は私の残っていた服を全て破り、邪魔くさそうに捨てた。  
私はあっという間に素っ裸になってしまった。  
「ひゃっ…!」  
私は羞恥心で前を隠そうとしたが、枷で両手を塞がれているのでそれもかなわない。  
 
私がガシャガシャと金属音を立てていると、悪魔は私の両脚を掴んだ。  
「やっ…やだっ…!!そんなっ…!!」  
私の抵抗の声も空しく、果たして私の脚は大きく広げさせられた。「っ…!」  
私は顔を背けた。  
 
が、  
 
クチュ…  
 
何かが私の秘所へ押し入る感覚。  
「あっ…!あああっ!」  
何とも形容しがたい感覚。  
指。細長くて冷たい指が私の中で好き勝手に暴れている。  
「ああっ…や、んんっ…!!」  
 
チュプッ…チュルッ…指が動くのと同時にいやらしい水音が秘所から溢れる。  
 
「やだっ…な、どうしてこんなこと、するん、ですかっ…!!」  
「あ…?」  
ピタッと指の動きが止まった。  
やった。もしかしたらうまく行けばこのまま解放されるかも…。  
「どうして…こんなことを、するんですか?目的は、何なんですか?」  
私はやっとのことでそのことを言うと、悪魔が答えるのを待った。  
 
「…別に、何もねぇよ」  
「えっ!?」  
「強いて言うなら仕返しかな。ちょっと堕天させてやろうかなって」  
「そんな…そんなのちょっとじゃないです!!」  
「だろうね、だから仕返しになんのさ」  
 
そんな…じゃあ、このままじゃ私は…!!  
 
「じゃ、本番イキまーす」  
「えッ!?あっやっだめっ…あっあああああああっ!!!」  
 
ぐっ  
 
秘所に激痛が走る。  
「いっ…あ…やぁあああっ!!!」  
 
グッ…ズッ…ズプッ  
 
段々と悪魔の腰のスピードが速くなっていく。  
「ああっあんっ…やんっ!!!」  
 
出したくないのにいやらしい声が溢れる。  
体の奥を抉るかの様に突き上げられる。  
 
体が刺激に順応してしまっている。  
順応してしまった体は、天敵の悪魔からの刺激を容易に快感として受け取る。  
 
「ああっやっ…あ…んぅっ…やっ… だあっ…!!」  
口で言っても止めてくれる筈はない。  
「いっ…やだっ…!!あっ…ゃだあっ… だ、堕天したくないよぉおおっ…!!!」  
 
…私の意識はそこで途切れた。  
 
 
「おーい」  
「うん…」  
誰かの声で目が覚める。  
ゆっくりと目を開けると、  
そこにはあの、最初に僕がみたあの綺麗な女の悪魔がいた。  
「やっと起きた」  
まだ頭がぼんやりしてる。  
「堕天はもう終わったみたいね。誘発されたのか男になっちゃったけど」  
あぁ…そうか…僕はこの人に負けて…そして…堕天させられたんだ…。  
汚れた様な羽。真っ黒になった髪の毛。  
もうさっきまでの僕はどこにもいなかった。  
だけど、不思議な事に何故か怒りは湧いてこなかった。  
そもそもの原因は僕にあるんだし、初めは同じ体質を持つこの悪魔に親近感さえ湧いた。でも…それだけじゃなかった。  
 
「大丈夫〜?これ何本に見える?」  
悪魔は僕の目の前に細い尻尾を突き出した。  
「…一本」  
「正解〜」  
悪魔は嬉しそうな楽しそうな感じで手をぱちぱちと叩く。  
…正直、この人の性別に依る精神的影響がこれ程までとは思っていなかった。  
僕ならせいぜい一人称が変わる位だけど、この人は口調や仕草から顔の表情までガラリと変わっている。  
これはこれで色々と苦労しそうだと、僕は思った。  
「これなら第2ラウンドも大丈夫だね」  
「…は?」  
 
ぱくっ  
 
「うわっ…!?」  
突然、悪魔は僕のアレを口に含み、舌でおもむろに愛撫し始めた。  
 
「ちょっ…なっ…何してるんですか!?」  
「はひっへふぇはひおらよ?」  
「何言ってるか分かりませんよ!!」  
僕はそう言ったが悪魔はにっこりと微笑んでやめる気配はない。  
それどころか更にエスカレートしていく。  
 
「あっ…はっ…」  
僕は今まで感じたことのない快感に身を震わせ…ている場合じゃなかった。  
このままじゃ男としての操まで奪われる。  
「ちょっとっ…!や止めて下さいっ!!」  
そう怒鳴ると悪魔はやっと口を離した。  
だが、この人はとんだ勘違い娘なのか  
「あ、口は嫌いなの?珍しい人ねぇー。それとも歯当たったかしら?あたし口は自信あるんだけど」  
「…そういうことじゃなくてですね」  
「あっ、じゃあ手でしてあげる」  
「だからそういうことでもな…あっ」  
最後まで言えずに僕は変な声を出してしまった。  
彼女の指が僕のアレにまとわりついてきたからだ。  
「…ねぇあんた幾つ?」  
「…幾つって…何歳ってことですか」  
それならば、僕が天使としてこの世に生まれてから13年経っている。13歳…ということになる…のかな?  
 
「13…ですか」  
「へー、13歳にしてはなかなか大きいんじゃない?これは」  
「え…そそうですか?」  
変な事を言われているのになんだかくすぐったい様な変な気分になる。  
 
…いや、くすぐったいのは、さっきから彼女の手が僕のアレを扱いているせいか。  
「あっ…だ、だからっ…そういうことを止めて下さいって…い言ってるんですよっ…!!」  
「えーやだ」  
「なっ…ささっきので満足したんじゃ…!?」  
「ぜーんぜん」  
悪魔は妖艶に微笑んで見せた。  
「そっ…んなぁっ…!!」  
もう堕天は終わった。だから僕がこれ以上犯される必要は無い筈だ。  
「はぁっ…あたし…もう我慢できないっ…!!!」  
「え?」  
悪魔はそういうと、僕の上に跨がり、ゆっくりと深く腰を下ろした。  
「あっ…あぁああっ!?」  
その途端、僕の脳が麻痺しそうな程の快感に襲われた。  
「んっ…ぁんっ…!」悪魔はゆっくりと腰を動かし始める。  
その動きに合わせていやらしい水音が溢れる。  
「ああっ…あんたもっ腰っ…動かしてよぉっ…!!」  
熱い体で僕を締めつけながら悪魔はそう言った。  
「そんっ…なっ…」  
小さくそう言ったが、徐々に大きくなっていく水音と悪魔の喘ぎ声にかき消された。  
 
「うぅ…あっ…ああんっ…!」  
悪魔のいやらしい声が寂れた街に響き渡る。  
 
「うっ…あぁっ…!」僕もあまりの気持ち良さに頭がおかしくなりそうだった。  
…いや、もしかしたら既におかしくなってしまったのかもしれない。  
何故なら、僕も悪魔の動きに合わせて腰を動か始めていたからだ。  
「ああっ…そうっ…それでイイのっ…!!」悪魔は嬉しそうな表情で喘いだ。  
「ああっ…あんっあんっ…!!」  
悪魔の喘ぎ声が一際大きくなり、細い尻尾をパタパタと振った。  
 
「あぁあっ…もっ…だめぇっ…!!!」  
 
悪魔がそう高く叫んだ途端、僕は二度目の絶頂を迎えた。  
 
「う…っ」  
全身に溶けるような快感が走り、僕の視界は再びホワイトアウトしていった。  
 
 
 
 
 
「うぅ…ん」  
目を覚ますと、そこにはさっきと変わらない風景があった。  
 
「………」  
体がだるい。僕はのろのろと起き上がった。  
「…あれ?」  
さっきまで僕の両手を封じていた枷が外れている。  
 
「………?」  
「起きた?」  
「ぅわあっ」  
いきなり後ろから声をかけられ、僕は思いっ切り驚いた。  
何となくさっきと似た場面にどきどきしながら後ろを振り向くと、やっぱり、あの悪魔がいた。  
 
「ちょっと驚きすぎじゃない?」  
「………」  
「警戒しなくても、もうさっきみたいなことはしないわよ。…はいこれ」  
ばふっと音がして、目の前が暗くなる。  
 
「?」  
「…あたしの上着。あんたの服、あたしが破いちゃったでしょう?だから代わりに」  
「…貸してくれるんですか?」  
「そうよ」  
「…それなら返さなくちゃ駄目ですよね」  
「良いわよ、あげる」  
「…あの」  
「何?」  
僕は、初めて彼女の秘密を知った時から思っていたことを口にした。  
 
「…僕と、友達になってくれませんか?」  
 
「………はぁ?」  
ああ、やっぱり。まぁこんなリアクション返ってくる位想像していたけれど。  
「…あんた正気?あたし、今の今まであんたにヒドいことしてたのよ?」  
「それは分かってます。堕天させられたのだって、本当は怒るとこだって分かってます。だけど…」  
「………」  
「だけど、僕…あなたなら、良い友達になってくれそうな気がするんです」  
「………あっ…きれたお人好しねぇあんた」  
悪魔は半ば溜め息混じりにそう言った。  
「…本当に良いの?後で後ろから刺し殺したりとかするつもり?」  
「違いますよ!…僕、今まで友達できたことないから…」  
「…そう…分かったわ。…あんたがそこまで言うなら セ フ レ になってあげる!」  
 
ガクッ  
 
「なんであなたはそういう方に頭が回るんですか!?」  
「え?違うの?友達ってそういう意味かと」  
「違います!!普通のちゃんっとした友達です!!」  
「えーそうなの?」  
「そうです!!」  
「なーんだ。ちょっとがっかり」  
「………」  
「…じょ冗談よ!これから良い付き合いしましょ?」  
「…エッチなことは抜きですよ」  
「はいはい」  
 
 
 
 

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