「……ん…はぁ…ふぅ……ん…ッ………。」
艶やかな声が静かな森にこだまする。
木の根元に横たわる少女の豊かな乳房に、一匹の悪魔がむしゃぶりついていた。
悪魔は、短めの青味のかかった美しい髪に、露出度の高い扇情的な衣服ははだけ、
背中に付いたこうもりの様な羽、尻から伸びる鉤状の尻尾。
対する少女は、肩にかかるゆるくウェーブのかかった亜麻色の髪、着ていた衣服は既に剥ぎ取られ、
その背中からは純白の羽が、後頭部には薄く輝く金色の輪が。
少女は天使だった。
悪魔は天使の胸を揉みしだいていた左手を、彼女の秘所にゆっくりと運ぶ。
最早どちらのものだか判らないほどの愛液でぐしょぐしょになったそこの、
赤く染まった肉芽を左手でぎゅっと摘む。
天使が小さく鳴いた、がそれ以上の反応はしない。
悪魔は薄く笑う。尻尾がうねり、天使の割れ目をそっと撫でる。
「……あふ…ぅん………。」
ずぶり。
尻尾を天使のそこに埋め込む。
中で動かす度に、ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てる。
悪魔は恍惚とした表情で天使を見た。
天使の目は虚ろで、何の光も映さない。
数日前、悪魔は人間界にいた。
自分の主人からの命令で嫌々来ていただけだった。
「やることやってさっさと帰ろう…。」
そんな気分で。
そして悪魔は、たまたま、教会の前を通りかかった。
─あんまり通りたくないんだけど、しょうがないか……。
そこ通らないと、目当ての家に行けないし。
「お花をどうぞ。」
人間に化けて、気の進まない足取りで歩いていた悪魔の目の前に、
突然花が突き出された。
「……………?」
「今日は日曜礼拝の日ですよ、どうぞ。」
─ああ、そういえば今日は日曜日か……。
何とはなしに出された花を受け取りながら、悪魔は顔を上げた。
そこにあったのは眩いばかりの美しい笑顔。
天使の様な、とはまさにこの笑顔の為にあるのだろう。
一瞬だけ、その笑顔に見惚れて、
「…………どうも。」
慌ててその場から去った。
─あの子は天使だな。あんな純粋な笑顔が人間にできるものか。
目的の場所で、与えられた命令を淡々とこなしている時も、
頭の中はあの少女のことでいっぱいだった。
─そうだな、天使なんて、久しく喰ってないな。
悪魔はにやりと笑う。
帰り道、先の教会の前に少女はいた。
悪魔はできるだけ爽やかそうな笑みを浮かべて彼女に話しかける。
「朝は素敵なお花をどうもありがとう。」
少女はその声に振り返るとにっこりと笑う。
「貴女は今朝の?朝は随分と憂鬱そうな顔をしていたけれど、
何か良い事でもありましたか?」
「ふふ、一仕事終わってね。すっきりしたんだよ。」
「それは良かったですね。日曜なのに仕事なんて、憂鬱なだけなのに。」
少女はまるで自分のことのように喜ぶ。
この屈託のない笑顔も、今日で見納めだ。
─ちょっと惜しい気もするけどね。
「ああ、そうだ。せっかくだから、お暇でしたらお茶でも飲んで行かれませんか?」
日曜の労働を、教会で労いましょう。
と、少女が身を翻す。悪魔に、背を向ける。
「いやあ、その心はありがたいけど、その必要は無いよ。」
君が、その体でもって私の労を労ってくれればいい。
音も無く手が動く。悪魔が無防備な少女の首筋に手刀を食らわした。
昼下がりのこの時間に、目撃者は居る筈も無く。(尤も、いたとしても悪魔に消されていようが。)
そして、その日幾度目かの絶頂を迎えた悪魔は、ふうと一息ついて天使を見下ろす。
「君は、素晴らしい娘だ。旦那様には、渡したくないな。」
地獄に持っていけば、自分の主人に隠し通すことはできない。
きっと主人も彼女を気に入るだろう。そうしたら取られてしまう。
だから、人間界で思う存分楽しんでから地獄に持って行こう。
そう、悪魔は思ったのだった。
色々な液体でヌラヌラと光っている天使の唇を、舌で撫で、
そのまま口内に侵入する。
中で自分の舌と天使の舌を絡ませ、自分の唾液を流し込み、
彼女の舌の味を存分に楽しむ。
しばらくして唇を離すと、ねっとりと銀の糸が引いた。
尻尾はずっと天使の秘所を弄んでいる。
そこから愛の液がどろどろと流れ落ちる。
悪魔はそこに己の秘所を合わせた。
ゆっくりとこすりつける。
「あう………ぁあっ…。」
敏感になったそこに、尻尾が音を立てて這う。
「んっ……あっ………はっ…あぁんっ。」
段々と激しくなる動きに合わせて、悪魔の鳴き声が一層高いものに変わっていく。
静かな森の奥、その嬌声を聞く者は誰一人として居ない。
そして夜は更けていく。