クリスマスの日に。
「どぢったかなぁ・・・」
最初に思った事はそれだった次に考えたのは
なんでクリスマスって忘れてたんだ・・・バカか俺は・・・そんな悪態を付きながら家への道を急いで帰る。
クリスマスに悪魔の仕事もクソもないただでさえ消耗が激しい今、天使に出逢えば間違いなく勝てないだろう。
「はぁ〜・・・早く帰ろう・・・こんな日に天使に出逢ったらシャレにならないだろうなぁ・・・」
ま、そんなわけないかとのんびり歩き出す。普段なら悪魔に声をかける天使なんかいない
そう、普段なら、今日はクリスマスだ天使の力が強まり悪魔の力が弱くなるすなわち悪魔を捕まえる絶好のチャンスだ
「あの・・・」
だから後ろから声をかけられた時にもう抵抗する事すら馬鹿らしく思えた
いや、飛ぶ力すら残っていなかったと言うべきか
「はぁ・・・マジかよ・・・ありえねぇ・・・」
「あ、あの・・・悪魔・・・ですよね?」
「おーけー、抵抗しなからもう好きにしてく・・・」
半ばやけになって投げやりになって振り返って思いもよらない姿に目を奪われた
外見だけを見れば17〜20くらいの少女で背は悪魔の胸くらいまでしかなく、軽くウェーブのかかった金髪が腰あたりまで伸び
頭の上には輪が付いており淡い光を放っていた
「あの・・・?どうかしましたか・・・?」
しばらく呆けたように悪魔にじっと見つめられ天使は頬を少し染めながら上目遣いに聞いてくる
「あ・・・いやなんでもない。で?その悪魔に何か用でしょうか?」
抵抗することは今更無駄だろう、見つかった時点で悪魔の負けなのだ
つくづく外出した自分を恨む。
「えっと・・・悪魔を浄化しないといけないんで一緒に来てもらえますか?」
おそらく初仕事なんだろう、涙目になりながら見上げてくる
(最後がこんな可愛い子ならまぁ、いいか・・・)
「あいよ・・・付いていけばいいんだろ」
「わぁ・・・ありがとうございます」
「いやお礼言われても・・・・」
そんな涙目で言われてもと頬を書きつつ悪魔は困惑するどうも調子が狂う。
今までの天使は悪魔を見つければすぐに「殺せ」だの「抹殺する」だのうるさいったらなかった
そんな違和感のまま悪魔は天使に連れられて消えていった・・・