後藤真希最期の日
そもそも戦闘種族ではない真希にとって、今度の敵は強大すぎた。
「はぅっ」
地球の伝説に登場するケンタウロスに良く似た四つ足怪獣に体当たりされた真希の体が木の葉のように宙を舞う。
ビルを突き崩しながら倒れ込んだ真希の横腹を、怪獣の前足が蹴り上げる。
ごろごろと転がる真希の身体は、のどかな地方都市の中心部から郊外へと転がり出る。
「うあぅあ」
節々の痛みに真希は呻いた。真希は普通の女の子だった。もともと戦闘は得意じゃない。
それでも、真希は立ち上がった。侵略者の手から地球を守れるのはいま自分しかいない。
「ま、負けるもんですか」
コンクリートのかけらを体中からぱらぱらと落としながら立ち上がった真希。
肩で息をしている真希に怪獣の足音が近づく。
「ぐぅっ」
怪獣の上半身から伸びた手が、顔を上げた真希の髪を掴んだ。
そのまま後ろから抱えあげると、ゴツゴツと鱗で覆われた自分の胴にまたがらせた。
「な、何を…ウアァ!」
怪獣の鱗が発した電流が真希の体を駆け抜ける。マイティレディの髪の毛が
鬼火のような青白い放電に包まれる。
「ウアァァァ!」
「やめろ、ダグル。こいつを殺してしまう気か」
四つ足怪獣の上半身が、下半身の頭を叱りつけた。
(こ、こいつら、口が利けるの? 只の…怪獣…じゃない)
真希は痺れの残る頭で、怪獣の声を聞いた。
「すまん、ディグル。この小娘があまりにちょこまかと攻撃してきたんでな、つい…」
四つ足怪獣の下の頭が答えると同時に、真希の体を貫く電撃が止んだ。
代わりに、ちりちりとくすぐるような甘い刺激が、鱗を通じて伝わってきた。硬い鱗が発する新しい刺激が、押しつけられた真希の太股と足の付け根からさざ波のように全身に広がっていく。
「うっ…あ…な、なに…これ…いやぁ」
生まれて初めて味わう峻烈な刺激に恐れおののき、真希は四つ足怪獣から自由になろうともがいた。しかし、真希の体に回された怪獣の両腕ががっちりと彼女の胴体を抱え込み、万力のように締め付けて離さない。すらりとした両足の付け根の部分では、切なげな痛痒感の最初の火花が灯される。
「…ん…、う…いや…」
かすれた呻きが漏れる。
どこかむず痒いような感覚が、真希の下半身を支配し始め、真希は知らず知らずのうちにもじもじと腰を動かしていた。
絶え間なく注がれ続ける微弱なパルスが、真希の体の奥深くに眠っていた女としてのメカニズムを目覚めさせ始めていた。
「くっ…あ…や…あ…あっ」
怪獣は真希が逃げられないように抱え込んだまま、背後から腕を回して彼女の蒼い肉丘をこね回し始めた。まだ芯に堅さの残る胸乳をそれぞれの両の手の平でスッポリ包んではこねまわし、スーツの下に潜む小さな蕾を指先でやさしくなぞる。
怪獣の手で擦られ押しつぶされ、時には軽く弾くようにして刺激を与えて続られているうちに、胸の頂の部分で身を縮めていた小さな蕾も少しずつ膨らみしだいに頭をもたげてきていた。
「ふふふ」
怪獣は含み笑いを漏らしながらも、真希の肉丘をくたくたにもみほぐしている。堅く頭をもたげた胸の先をくりくりと転がされると、そこから微かな疼きが真希の全身に広がっていく。
こみ上げてくるせつない感覚を下唇を強く噛みしめてこらえようとしていても、次第に荒くなってくる彼女の呼吸には苦しげな吐息が混じり始めていた。下半身が熱く痺れ、大事な部分の最も奥底に巣くった甘い痛痒感が次第に大きく成長して、その部分を内側から熱くとろかし始めていた。
「んん!…ん…んん…」
「おやおや、どうしたのかな。さっきまでの元気はどこへ行ったんだ」
怪獣の上の頭が耳元でささやく。
「うっ…く…あ、あんた…たち、なんか…に負けるもんですか。地球は、わ、わたしが…が守…る」
真希は歯を食いしばり、怪物の顔をにらみつけた。だが、押し殺した吐息に潜む熱い懊脳はもはや隠しきることはできない。
「ダグル、刺激が足らないようだぞ」
「任せろ、ディグル」
怪獣の下半身にある頭が答えた途端、真希の全身がびくっと大きく震えた。
今まで感じたことのない鮮烈な快美感が、真希の体を突き抜けた。
「ふぅ…うっ、う」
真希の閉じた瞼がふるふると震えた。
「どうかな、今度のは?」
「な…なにが…ぜ…全然」
「そうかな?」
「…んんっ!…」
怪獣の指が、青いスーツの下に隠されたクレヴァスの縦のラインをなぞってゆっくりと上下すると、真希の体内から滴り落ちた果蜜がスーツにじわりと染みを広げる。
「…んんっ!…んん…」
すっかり敏感になってしまったその部分を撫でられただけで、切なげな吐息が漏れてしまう。しとどに濡れたスーツの張り付きが、真希の秘めたクレヴァスの形をくっきりと暴き立ててしまっている。
怪獣の指が溢れ出る蜜にぐっしょりと濡れたスーツの上を蠢くと、真希はこわばらせた身体をふるふると震わせた。
口をついて上がる切ない響きをおびた呻きはもはやは隠しようがなかった。怪獣の指がスーツ越しに真希の蜜肉をくちゅくちゅとこねるたび、じっくりとたまった蜜の爆ぜる音がはっきり聞こえる。
このままではいけないと、何度も気力を奮い起こそうとしてみても、全身が気怠く、まるで自分のものでは無いかのように自由にならない。
「いや…やめて…」
口惜しさに涙がぽぽろぽろとこぼれる。
普段の何倍も敏感になっている秘唇へと休みなく加えられる淫靡な刺激に、官能のざわめきが否応もなく背筋を駆け昇ってゆく。
「こんな、こんなのって…ぁぁあ」
怪獣はその様子を満足げに眺めつつ、いっそう愛撫の手を強めた。時折、その指先をスーツの上からクレヴァスに沈め、浅瀬を抉っては、真希から甘い悲鳴を絞りとっていく。
巨大怪獣相手に戦うと言えど、真希はただの女の子に過ぎない。その肉体は、四つ足怪獣の巧みな愛撫によってもろくも陥落させられようとしていた。
胸と股間から尽きることなく送りこまれる峻烈な刺激が、真希をどろどろとした快楽の渦の中に突き落としてゆく。
スーツの下に隠された真希の肉体は、怪獣の残忍な攻撃を受け止めるにはあまりにも幼すぎた。
「はあっ…ああっ、あっ…ああっ…」
吐息はすすり泣きに変わり、官能を伝える吐息がバラ色の唇からこぼれる。
「うっ…あっ、ああっ…ああっ…あああっ…」
真希の肢体がぶるぶると震え、悲鳴が高まる。
「ふあっ…あっあ…あ、も…もう…」
「アアウッ!」
これまでとは比較にならない強烈な衝撃が真希のとろけきった部分を貫いた。
「ふふ、やはりここがお前の急所か」
怪獣がその指先から特大のパルスを続けざまに打ち込む。
「ぁああ」
真希の背中が反り返り、硬直した。体をぶるぶると震わせ、生まれて初めての官能の階段を一気に昇り詰めさせられていく。目の前で火花がスパークする。
だが、それも連続してやってくるオルガスムスの最初の一山でしかない。
「ああっ…ああ…あああっ」
休む間もなく連続したオルガスムスが真希を翻弄する。
「ねぇ、ごっちん死んじゃうの?」
群衆の中で小さな男の子が周りの大人に尋ねた。
誰も答えない。
人々は、巨大な女の子真希が、オルガスムスに背中を震わせ、官能の虜にされていくさまを、息を呑んで見上げるばかりだった。
「ウッ!アアアアアア!」
そして、これまで幾度となく人々を救ってきた真希の優美なフォルムが、官能の渦の中でエナジーを使い尽くし、ぐったりと果てるさまを見守るしかないのだった。
「あぁぁぁ」
尾を引く長い悲鳴を残し、真希の首ががっくりと折れた。
全身から力が抜け、崩れるように前のめりに倒れる。
「ふっ、他愛のない」
「ディグル、お前ばかりずるいぞ」
下半身の頭が不平を鳴らす。
「まて、まて、仕上げはこれからだ」
地面にずり落ちた真希の姿を見ながら、四つ足怪獣は言った。