「……………」(なんじゃこらぁぁぁぁ!)
私の叫び(?)が、文字板に表示されました。いつも無表情といわれていた私の顔は
自分で考えていたよりも端正な顔に豊かに感情を表現して驚いています。
「お兄様、これはいったい…」
想像よりも太い声を出して私は目の前の自分…ベル・リスターに問いかけました。
何故こんなことになったのか。時は三十分前に遡ります。
「ベル、それはなんだ?」
兄は私の持っているペアリングを指差していいました。前回の仕事料として、お金と
シルビアの部屋に飾ってあったこれを頂いたのです。彼女は気に入ったなら上げると
快くくださいました。芸術品としても美しいものできめ細かい装飾が施されています。
「……………」(お兄様と一緒につけたくて。)
「結構な年代モノだな…すごい装飾だ。」
「……………」(シルビアから貰ったの。)
私は自分に一つ腕輪を嵌めて、兄の手を掴んでもう一つの腕輪を嵌めました。お揃い♪と
喜んでいたそんなときでした。
ぴかっ!!!!!
と、腕輪が大きく輝き気がついたらとんでもない状態になっていたのです。
とりあえず、私は鏡を見ました。
そこには茶色い髪の精悍な……私の愛する兄の姿があったので、どうやら、私と兄の
身体が入れ替わったみたいです。
「……………」(なんてこった…早く戻さないと。)
「声が出るってこんな感じなんですね。それに何か自分の身体と違うって変な感じ。」
「……………」(ついてないと…不安だ。)
私の姿をした兄はどうやら困惑しているようです。腕輪を外そうとしたので…
なんとなく、私はそれを止めてしまいました。
「……………」(ベル?)
「私、お兄様を愛しています。好きです…声に出して言いたかったんです…。」
私の姿をした兄は、にっこりと微笑みました。本来の私には……できない表情です。
男の方なら惹かれるのではないでしょうか…私も変な気分になってきました。なんだか
下半身に血が集まっているのを感じます。自分に欲情してるんでしょうか。
「……………」(ベルの気持ちはいつでも伝わってるから。)
「お兄様……私はお兄様にもっといろいろなことを知って欲しい。」
私はそういうと、今の自分の固い身体で元の柔らかい自分の身体を抱きしめました。
そこそこある胸が自分の胸板に当たります。
「……………」(ちょとベルさん?)
「お兄様に教えていただいた…女の気持ちよさ…お兄様にも教えてあげますね?」
「……………」(いやぁぁぁぁぁぁぁ!)
じたばた暴れる兄を力づくでベッドに押し倒し、上から動けないように固めて
唇を合わせ、舌をいれます。キスはそれほど変らないのですが、感じ方が違うのか
いつもより私は余裕がありました。兄は力が抜けた少し火照った顔で私を見つめています。
「カイ様〜〜〜本読んで〜〜〜!」
服を脱がそうとしたそのとき、白いゴスロリ服を着た金髪の美少女…ユウが部屋に入ってきました。
少し焦りましたが兄の口調を思い出します。
「ユウ。ゆっくり読んでやるから…また後でな。」
「あ…え?…あ…僕…邪魔してごめんなさい。」
「……………」(ユウ!!かむばぁあぁっぁぁぁっぁっく!!)
いい子のユウは空気をよんであっさりと去っていきました。マオじゃなくてよかった。
「お兄様……すぐ気持ちよくして差し上げますから。お兄様が可愛いからいけないんですよ?」
「……………」(まてまてまて!!落ち着けっ!)
私は服を脱がしていき……下着一枚にしました。不安に揺れる女の子な兄の瞳……少し傷跡の
ある肌にいつも兄がそうするように、傷跡をなぞる様に舌で一つ一つ舐めていきます。
嫌がる兄も素敵です。
「……………っ!」(べ、ベル…やめてくれっ!)
滑らかな肌の体温が少しずつ上がり、舐めるたびにぴくっと震えるように反応します。
兄にすっかり開発されてしまった身体は感度がよく全身がすごく敏感です。私は兄が
してきたことをそのまま兄にすることにしました。
「ふふ……」
全身をゆっくりと味わうように舌を這わせながら、形のいい双丘に手を這わせます。
自分の身体ですから弱い場所も…。乳首を軽くつまむと、私の顔が艶かしい快楽で
歪みました。普通なら絶対感じることの出来ない慣れない快楽で、兄はもう荒い息を
吐いていました。まだまだこれからなのに…。
私は最後の下着を脱がせると、一番感じるそこに手をいれました。
「〜〜〜〜〜っ!!」(うわぁぁぁぁっ!)
「気持ちいいでしょう。お兄様に教えていただいたんですよ?」
恥ずかしそうに睨んでくる自分をあっさりと無視しつつ、私は愛撫を再開しました。
ちゃんと感じているのか十分に濡れています。私は、兄によって剃られた本来毛が生えている
そこに頭をつけて舌で舐めることにします。自分のをこういう形で見る機会はなかったのですが…
それでも気持ちのいい場所はわかります。
私はアソコの肉を左右に割って舐めはじめました。兄はもう抵抗する気力もないのか時々
身体を震わせてなすがままになってます。
「……っ……!!」(な、なんだこれ!頭が真っ白にっ!)
兄のものとなった自分のひざががくがく痙攣しています。身体はピンク色に火照り、
無駄な贅肉のないしなやかで柔らかな身体が何度も撥ねてます。
「お兄様…イキそうなんですね…。女の子の気持ちよさ…味わってください。」
止めとばかりにクリトリスに軽く歯を当てると、自分の身体は大きく反ってぷしゃっと
軽く愛液を私の…今は兄になっている私の顔にかけました。兄は火照った身体に珠のような
汗をたくさん流しながら大きく息を吐いていました。
「女の…絶頂はどうでした?」
「……………」(も、もう無理…頭真っ白でなにがなんだか…)
「ふふっ…お兄様、いつもお兄様はここからだっていうんですよ。だから私も…ね?」
「……………」(べ、ベル!もう許してっ!!)
怯えて焦るお兄様を強く抱きしめ唇を塞いで強引に押し付けると、指を痙攣する秘所に
入れました。唇を離すと、逃げようとするお兄様の足を身体で固めて、両手で秘所に
刺激を与えます。
「…〜〜っ……」(くうっ!あああっ)
「お兄様の今の顔……最高に可愛いです……自分の顔だけどやっぱりお兄様を感じます。」
泣きそうになりながら、感じ、声を出したくとも出せない兄は荒い息を吐きながら抵抗
しようとしますが快楽で力が入らないらしく、私は気にせず、クリトリスと私の中の
気持ちのいい場所を指で擦るように責め続けました。
「………っ!!」(あああ、また来るっ何だこれっもれる!)
「ふふ…気持ちよさそうですね。潮吹き……お兄様大好きですよね。イってくださいっ。」
「……………」(うああ、また頭がっ白くっ!)
再び大きく身体が痙攣したと思うと、秘所から透明の液を大量に噴出して兄はベッドに
力なくぐったりと横たわりました。もう息も絶え絶えです。
「いつもこんなに気持ちいいんです。だから幸せです。もっとしてあげますね。」
「……………」(も、もうだめ…無理……)
「これからですよ。お兄様……お兄様の太くて硬いものを入れていただいたときが一番
気持ちがいいんです。」
「……………」(ま、まさかっ!!)
「さっきから、入りたいって……大変なんです。お兄様の気持ち、少しわかりますね。
お兄様のはじめて…私が貰いますね。」
泣きそうな顔になりながら逃げようとする身体を捕まえ、両手で足を開くと濡れて受け入れる
体勢が整ったそこに、躊躇なく奥まで一気に突きこみました。
「〜〜〜っ!!!」
「入りました。お兄様、気持ちよくて…中がじんじんするでしょう?」
男の身体の本能なんでしょうか。私は全然違う身体にもかかわらず、身体の動かし方を
知っていました。気持ちのいいところはわかっているので、そこをひっかけるように
激しく突きこみます。
「はぁっ!…すごい、お兄様っ!気持ちいいねこれっ。はまりそうっ!!」
「…………っ!」(か、身体に異物がっ!なのに…うあ…っ!)
勝手に動く腰を本能に任せて動かしつつ、兄の顔…自分の顔を見ると、すごくえっちな
顔…おちんちんを欲しがる雌の顔になっていました。普段私こんな顔してるんですね…。
私は一度止め身体を返して後ろから突きこむ体制に入れ替えて、バックから突きこむ
ようにしました。後ろからだとあたる場所が違ってまた気持ちいいのです。
「…〜〜〜〜っ!!」
もう、兄は快楽に溺れて思考が働いていないようでした。私も限界です…犬のように
後ろから突いていた私は快楽で蕩けそうに柔らかくなった身体をしっかりと支え、今まで以上に
激しく突きました。
「…〜〜っ!!!っ!!」(また、また来るっ!一番大きいのがっ!)
「ああ、気持ちいい!きもちいいっ!!出そうっ男の人のイクの気持ちいいっ!出るっ!!」
「〜〜〜〜〜っ!!!!」(ああああああっ!!)
最後に一番奥まで突いて、本来自分の身体である子宮に兄の精子を注ぎ込みました。
いつも中で出しているのですが、中にだされたとき、兄が身体に広がっていくのを感じ、
幸せな気分になるのです。
体中を痙攣させている反応のなくなった兄を私は抱きしめました。
「ふぅ〜〜酷い目にあった。陵辱される女の気持ちがわかった。」
行為が終わった後、腕輪を外した私はいつも通り女として行為の余韻に浸っていました。
この余韻は男としての快楽を味わった後でもやっぱり女としてのほうが幸せを感じます。
「……………」(お兄様かわいかったです。)
「ううううう、記憶を封印したい…。女の快楽はやばいな。」
「……………」(男の人のもすごかった。お兄様はもっとえっちなことしてるんですよ?)
兄は腕輪を調べ、巧妙に隠されていたルーンをようやく見つけて苦笑いしていました。
「身体を入れ替える腕輪か……片方はずすと効果がないから合意がないと使えないだろうが
なかなかえげつないアイテムだな。研究すると面白いかもしれない。」
「……………」(昔から家にあったっていってた。)
「ユウが何か知ってるかもしれないな。今度聞いて見るか。」
兄は魔法技師としての真剣な顔でいいました。いつもの優しい顔や、えっちのときの
顔も好きだけど、この真剣な顔は一番格好いいです。
「……………」(シルビアには感謝してます。)
「ん?」
「……………」(声に出して愛しているっていえたから。)
「馬鹿たれ。声は聞こえなくてもちゃんと聞こえてる。」
兄は笑顔で私の頭を撫でました。もう…いつも子ども扱いなんだから。
「……………」(たまには男と女交代しようね?)
「絶対いやだ。」
兄は憮然とした顔でいいました。そんな子供っぽいふくれ面をみて、私は幸せを感じて…
なんとか頑張って愛している兄に向かって微笑みました。