「あっ…」
ぼぅっとテレビを見ていた俺の隣りで、かくっかくっと頭を揺らしていた彼女がいきなり目を開け呟いた。
「どうした?」
「…今ね、蹴ったの。起きろって言ったのかな?」
クスクスと微笑みを浮かべながら、お腹を撫でる。
勢いにまかせて彼女の事を考えなかった夜から早七ヵ月、俺は少しの罪悪感と少しの幸せを味わいながら、明日テーブルに置いた茶色の紙を出しに行く。