※ ※ ※
女はな、もっと熱く生きるべきだ。
パパがいつもあたしに言っていた言葉がそれだった。
大好きだったパパ。
誰よりも強く、熱く生きたパパ。
さすがにトラックには敵わなかったけど。
あたしが子供の頃、トラックに轢かれそうになった子供をかばって‥‥
そんなパパを見習い、あたしも熱く生きる。
パパのように。誰よりも、何よりも熱く。燃えるように生きる。
天国のパパ、マリコを見守っていて――
「お前が好きだぁぁぁぁ!
お前が欲しいぃぃぃぃぃ!!」
恋する乙女の朝の発声練習終了。
今日こそは、あいつに告白する。
そのためのお弁当準備オーケー。お昼休みになる同時に学食組(たまにパン組)の
あいつにそっと差し出し一緒に昼食。「大神さんって料理上手なんだね」「ううん
そんなことないよ」「いや絶品だよ、思わずビームを吐いたりお城になったり、海
の上を駆け出しそうなくらい」そんな甘い会話をしてそのまま好きと告げるかある
いは彼の方から告げられてラブラブ状態完了になって帰りは勿論一緒。そして流れ
によってはホテ‥‥ううんそれはまだ早い。最初はやはり彼の部屋の方がいいし。
となる。
というか、する。
今日こそは、絶対に。
そのために色々と調査し、彼の好きな物嫌いな物を調べたんだし。
言葉に言えないほどの苦労と、言葉にしてはいけない行為で。
尚、ストーカーという文字はこの世に存在しない。
本気と書いて「マジ」(語源:立原あゆみ)と読み、
強敵と書いて「とも」(語源:武論尊)と読むように、
ストーカーと書いて「恋する乙女」(語源:雪村小町)と読むのはもはや常識。
何者にも覆せない絶対不変の法則。
さて、もう一回発声練習しよ。
「お前が好きだぁぁぁぁ!
お前が欲しいぃぃぃぃぃ!!」