あゆみと深い関係になってから、あゆみも変わったようだ。
休み時間にちょっと覗いてみても、大概誰かと楽しそうに会話してる。
「なんか、最近明るくなったよね」
と、クラスメイトに言われたらしい。
嫌われてたわけではないが、物静かな感じがしてちょっと話しかけにくかったそうだ。
毎日一緒に昼を食べるのは変わってないが、俺のクラスでも
「あゆみちゃん可愛くなったよね〜」
と、男女問わず言われる。
「あゆみちゃん紹介しろよ!」
とかぬかすアホには
「死ね、もしくはくたばれ!」
と優しく答えてやった。
そんなやりとりを横で聞いていて
「仲がいいんですね」
くすくす笑いながらあゆみがそんなことを言った。
たしかによく笑うようになったあゆみは可愛かった。
登下校も相変わらず一緒だ。
学校から少し離れてから手を繋ぐ。
「最近、学校楽しそうだな。」
なんとなく聞いてみた。
「うん♪」
あゆみが本当に楽しそうにしているのが、俺には少し複雑だった。
「そうか…」
俺だけのあゆみだったのに…そんなことを考えてる自分が情けなく思えた。
「お兄ちゃんのおかげだよ」
「えっ?」
握っていた手を離し、突然後ろから抱きついてきた。
「お兄ちゃんが大好きって言ってくれたから、毎日が楽しくて幸せでたまらくなったんだよ?」
あゆみの腕に力が入る。
「お兄ちゃんが明るくしてくれて、それでお友達も増えたの。全部お兄ちゃんのおかげだよ?」
「あゆみ…」
「だからそんな顔しないで…」
力いっぱい抱きついてくる。
「俺のことを心配するなんて生意気なやつめ!」
あゆみの手を緩めさせ、体を回してあゆみを抱き締める
「ありがとな」
俺がどれだけあゆみを必要としてたか実感した。
「大好きだよ」
あゆみが今まで以上に愛しくてたまらなかった。
続く…