喧騒が僕を包む。今日は文化祭。校舎が非日常に彩られ、皆が期待に胸を膨らませる。  
 
僕は…化学部の展示の事で頭が一杯。出来れば、サングラスを掛けて、夏の鮮やかな景色をモノクロにしてみたい。  
 
ガバッ…  
あれ?何で倒れてんだろう…うっ…  
 
「か〜ず君!会いたかった〜!」「昨日会ったばっか…」「チュッ…」「ん〜!ん〜!」  
 
教室が表情を変えた気がした。みんなあっけにとられて、不可思議な静寂が僕達を包む。その静寂を切り裂いたのは  
 
「こんにちはみんな〜。私は荻野夏月。かず君の…長谷部和人の保護者で〜す。」  
 
いきなりそう宣言した夏月お姉さんだった。  
 
「ねぇ〜かず君!ちゃんと文化祭出来るのか心配だから来ちゃった。」大きなツリ目で僕を見つめ、長い手足を絡みつかせ、大きくて柔かな胸を押しつけてくる。  
 
「大丈夫だよ…子どもじゃないんだから…」「高校生になるまで靴ひもを結べなかったのはどなたかしら〜?」「夏月お姉さん…なんでそう言うこと言うのさ…。」「だって私が居ないとかず君はダメでしょう…」  
 
「夏月お姉さん…朝礼があるからちょっと待ってて…」「え〜!しょうがないから待ってる…。かず君のイジワル。」  
 
なんとか夏月お姉さんを中庭に待たせて、退屈な朝礼を消化した。その後待っていたのは  
 
「長谷部!良いよな!あんな美人と…」「お前ズルいぞ!夏月さん独り占めか!」「連絡先は?スリーサイズは?好きなタイプは?」質問攻めだった。  
 
「あの…長谷部君。」都築さん。僕の天使。華奢な体に可愛らしい顔立ち。そして綺麗なウィスパーヴォイス。  
 
「荻野夏月さんとはどういう関係なの?」「夏月お姉さんとは…従姉の関係なんだ。」「良かった…」「えっ…」「長谷部君。発表楽しみにしてる。」  
 
「都築さんと会話できた…。」有頂天になった。「お前都築さんまで!」どうやら今日で男子全員を敵に回したみたいだ。  
 
朝礼の後、急いで僕は夏月お姉さんを迎えに行く。放置して膨れられたら始末におえない。  
 
「かず君走って来てくれたんだ〜。えらい。嬉しいな〜。あっ!汗拭かなきゃ!」「大丈夫だよ!」「ダメよ!かず君は直ぐ風邪をひくんだから!」  
 
夏月お姉さんはデオドラントペーパーを取り出し、汗を拭き始めた。僕が夏月お姉さんのものだと見せつける様に。  
 
「かず君。もう大丈夫。ねぇ!今日は液体窒素のショーを見せてくれるんだよね。」「うん。大袈裟なものではないけど。」「本当にバラが砕けるの。」「うん。粉々に。」「本当〜かず君すごーい。」「凄いのは液体窒素…」「か〜ず君!」  
 
そんなこんなで、化学室に着いた。化学室には招待した近くの小学生が待っていた。期待で輝く小学生の瞳の中に、僕を見守るような2つの瞳。  
 
「それでは、今から液体窒素を使った実験をしたいと思います。ここにバラの花があります。液体窒素をつけると…粉々になります。」「わ〜。本当だ〜。ねぇ!バナナで釘が打てるの?」  
 
「カン!カンカンカン!はい!この通りです。」「本当だ!すごーい。」場が盛り上がった所で、温めたネタ。  
 
「ここに金魚が居ます。この金魚を液体窒素で仮死状態にします。その後水を入れたビーカーを使って蘇生させます。」「マジで〜。早くやって〜。」  
 
僕は慎重に金魚を液体窒素につける。そして、スティックで挟んでビーカーへと運んで行く。  
 
ここで、時計の針を20分前に戻したい気がする。ビーカーへ移るはずの金魚は…スティックからこぼれ落ちて…「ボトッ」と音がして、机に落ちて頭だけが割れてしまった。  
 
子ども達の視線が痛い。夏月お姉さんは泣きそうな顔で僕を見ている。「安心させなきゃ…」その思いが、僕を暗闇に誘った。暗闇は僕の輪郭と記憶を奪っていった。  
 
僕達は夏月お姉さん家へと向かう電車の中だった。  
 
「かず君。がんばったね。液体窒素って危険物で扱いが難しいんでしょう。それに…今日のかず君は堂々としてたよ。かず君…大きくなったんだなって。」  
 
「有難う。夏月お姉さん。やっぱり夏月お姉さんは夏月お姉さんだなって。」「かず君?」  
 
「夏月お姉さんは、月は自分が輝けないから嫌いっていうけど、僕にとっては、暗闇で困っている時に道を指し示してくれる、明るい夏の月。」「…かず君!本当に大きくなったんだね。」  
 
「プシュー」  
電車のドアが開いた。彼女が僕の手を引いて改札へ向かう。そのまま駅の裏手へ向かい、僕の唇を吸った。朝のキスより意志が込められる気がした。  
 
「かず君。今日はがんばったからごほうびをあげる。」「もう大丈夫だよ。あれっどこへ行くの。」着いた先は…  
 
「ちょっ…これラブホじゃん。お姉さん。」「かず君…良いのよ。」僕の理性は吹っ飛んだ。  
 
妙に鮮やかな部屋の中で、僕達は全裸になっていた。  
 
準備もそこそこに、僕は祕所に分身をあてがった。  
 
「ズブッ」  
と音がして、祕所に分身が飲み込まれて行く。「入っちゃったね。かず君の男の子。」「夏月お姉さん…痛いの?」「大丈夫だよ。お姉さんはかず君の前では泣き言は言えないの。」  
 
(痛いんじゃん。震えた声で言うのは反則だよ。)僕は動くのを止めて、彼女の瞳を見つめる。「夏月お姉さん。僕のお姉さんで居てくれて有難う。」  
 
「ねぇかず君。今日から夏月って呼んで欲しいな。」「えっ!僕達従姉じゃん。」「大丈夫。かず君のお祖父様・お祖母様だっていとこじゃない。それに。私にはかず君しか居ないの。」  
 
僕は嬉しさで一杯だった。もう僕は1人ではないのだから。僕は猛然と腰を動かし始める。「パンパンパン」と言う乾いた音が、「グチュ…グチュ…」と湿った音に変わっても、動かし続ける。  
 
「かず君…アッ!…すごっ!ウッ!」「夏月!夏月夏月!」「大好きだよかず君…」「夏月!」  
 
祕所からイチゴミルクのような液が出る。彼女の純潔と、僕の感情の証。  
 
「夏月。綺麗だよ。」「かず君…いま言うなんて…嬉しいな。」夏月が急に締め付けを強めた。僕は分身を外そうとした。だけど、夏月は脚を腰に絡ませ、それを許さなかった。  
 
「かず君…私にはかず君しか居ないのに…。都築さんなら中に出すの?」僕も、夏月の思いに応える事にした。  
 
「夏月。出すよ。」「良いよ。かず君。」ドビュ…ドクッ…ドクッ…  
 
それから…僕達は騎乗位や後背位など、いろんなスタイルで思いをぶつけ合った。  
 
六回目の放出の後、僕はさすがに疲れて、夏月に許してもらった。  
 
「かず君。かず君の未来を私に頂戴。」「良いよ。僕も夏月の心が欲しいな。」「かず君。もうかず君のだよ。」  
 
また分身が大きくなった。まだ夜は終わらないみたいだ。  
 
続く!?  
 

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