比内文乃〜幼馴染の日記〜
見られた…大輔くんにパンツ見られた…いや、道行く人にもだけど。
あああー! どう思われたんだろう?
背伸びしやがってとか、似合わねーとか思われたのかな…?
い、色っぽいとか………思うはずないか(ずーん)
手を貸してくれたのは嬉しかったけど、もう最悪だー…
ああもうなんでボクはこんなに子供っぽい外見なんだろ。
中身はこんなに大人だっていうのに!
こんなんじゃあいつまでたっても隣を歩いても絵にならないよ…
って何を書いてるのボクは!?
ち、違う! そんなんじゃない! ボクは大輔くんのことなんて…!
ああもう、全部大輔くんが悪いんだ!
何よ、体育の時間だって高見沢さんや紫藤さんにデレデレしちゃって。
そんなに巨乳がいいのか! 大砲巨艦主義者め!
おっぱいなんて飾りですよ! えらい人はそれがわからんのです!
…やめよう、むなしくなってきた。
あーあ、この前のバストアップマシーンも駄目だったし、こうなったら恥を忍んで愛菜ちゃんに秘訣を聞くべきなのかな…?
東雲夏樹〜女教師の日記〜
今、私の手には『退職届』と書かれた封筒がある。
中身は既に執筆済み。
…クラス全員にショーツを見られた、しかも一番のお気に入りのを。
今まで積み上げてきたクールで知的な女教師のイメージもこれで終わった…
くまパンの女と認識されていると思うとふと傷心旅行にでたくなる(涙)
ああ、うさぴょん(夏樹の部屋にある巨大ぬいぐるみのこと)私はどうすればいいの?
教職者としての義務を貫くために恥を耐えるべきなの?
それとも一人の前途ある女性として誰も私のことを知らない世界へ旅立つべきなの?
こんな時に颯爽と私の悩みを解消してくれる王子様が現れてくれればいいのに…
でも最低でも明日は学校へいかないといけないのよね…ズボンを穿いていくべきかしら?
けれどそんなことしたら今日のことを気にしてますって丸わかりだし…
ああでも今日みたいなことが明日も起こったら…こんなことなら大人っぽい下着も揃えておくんだったっ。
アニマルプリントのショーツばかり揃えた過去の自分がこれほど恨めしいと思う日がこようとは。
いや、凄く可愛かったし後悔はしてないけど! けど公開はしたくなかった!
…駄洒落書いてる場合じゃない。
とりあえずウエストが心配だから晩御飯はぬいておこう。
高見沢美香〜お嬢様の日記〜
く、屈辱ですわ…この私がクラス全員の前であんな大恥を…!
メイド達はしばらく登校を控えろっていっていたけれど、冗談じゃありませんわ!
この私が不登校なんてできるわけないじゃない!
低俗な視線が何だというの、そんなことを気にしていて高見沢は務まりませんわ!
…少し落ち着きましょう、さっきからエクスクラメーションマークばかり多用しているし、美しくないわね。
しかし紫藤由貴…事故とはいえ、この私に大恥を…この落とし前はどうつけてあげるべきかしら…
それにしても、もっと恥だったのはその後!
よ、よりによってあの修地大輔に助けられたなんてっ。
それだけじゃないわ、私を抱きかかえて保健室にって…何を考えているのかしら!?
誰かに見られていたら、もう私外を出歩けないですわ!
そういえば保険医と紫藤由貴には見られている…ああ、もう保健室には行けない…
紫藤由貴は、くっ…私に恥をかかせた上に弱みまで握られるなんて…っ。
ああっ、それもこれも皆あの男のせいよっ! このこのこのこのっ!!
(↑ 何故か部屋に存在している大輔によく似たぬいぐるみが美香にボコボコにされています)
はぁはぁ、少しスッキリしましたわ。
…けど、非常に不本意だけど、恩は恩だから礼は言わないといけませんわね。
菓子折でも用意させておこうかしら。
いや、その程度では私の格が疑われる…もっと誠意あるものを…
誠意…誠意…ああっ! 思いつかない!
大体なんでこの私があの男のことでこんなに悩まなければいけませんのっ!?
(以下あーでもないこーでもないといった文が続く)
紫藤由貴〜委員長の日記〜
今日私はとんでもないことをしてしまった。
まさか転んだ時に高見沢さんのショートパンツと下着をおろしちゃうなんて…
今日は謝れなかったけど、明日ちゃんと謝らないと。
それにしても、あの時は変だったな…足がもつれたわけでも滑ったわけでもないのに…
なんだか見えない足に引っ掛けられたみたい。
…ううん、悪いのは不注意の私だよね。
ブラが外れたのもきっと罰。
でも…ああ、男子の前であんなことになるなんて。
彼の様子から見られてはないと思うけど…もし見られてたらどうしよう…
下手すればブラだけじゃなくて、その、乳首まで…
うぅ…意識しちゃったら明日から顔合わせられない…ダメダメっ!(ぶんぶんと顔を振っている)
けど、やっぱり男の人って力があるんだなぁ。
いくら女の子っていっても高見沢さんをひょいっと持ち上げちゃうし。
…お姫様抱っこ、いいなぁ。
でも私は無理だよね、背大きいし、重いし、それに…絵にならないし。
しかもいっぱい恥ずかしいところ見せちゃったもの。
修地君も私みたいな女の子嫌だろうな…はぁ。
背、縮まないかなぁ、あと胸も。
修地愛菜〜妹の日記〜
昨日は日記を書けなかったから二日分。
とりあえず、まずは…お兄ちゃんのバカッ! 大バカッ! えっちすけっちわんたっち!
見られた見られた見られたーっ。
もう、昨日は裸見られて今日はパンツ一枚の姿を見られるなんて、もうお嫁に行けないよー。
誰にも見せたことなかったのに…
それにあれ以来お兄ちゃんと目を合わせられなくなっちゃったし。
あうぅ、何を意識してるの私!? 相手はお兄ちゃんだよお兄ちゃん!?
…でも、お兄ちゃんは私の身体見てどう思ったのかな? 興奮したりしたのかな?
うう、お兄ちゃんのこと考えてたらなんか頭が熱くなってきた。
…って何を書いてるの私っ!?
今まではタオル一枚でも全然気にならなかったのに…
お兄ちゃんはお兄ちゃんで変なこと言ってくるし、本当にデリカシーないんだからっ。
しずちゃんにも心配かけちゃったなぁ。
今日はずっと「大丈夫?」って声かけてくれたし。
でも流石に本当のことは言えないよ…お兄ちゃんに裸を見られたから動揺してるなんて。
しずちゃんの場合、反応が怖いって言うのもあるけど。
ああっ! そういえばパジャマを置きっぱなし!
ど、どうしよう…今更リビングには戻れないし。
というか冷静に考えると私すごい格好で日記書いてる。
い、今お兄ちゃんが訪ねて来たら洒落にならないよね…シャツシャツっと。
明日は確か日直の当番、お兄ちゃんと顔をあわせないですむのは助かるけど、いつまでもこんなんじゃダメだよね。
本当、どうしちゃったんだろ私…
???〜とある少女の日記〜
今日は先輩に会えなかった。
いつもならば愛菜にかこつけて昼休みや放課後に会いに行くのだが、当の本人である愛菜の様子がおかしい。
何故か頑なに先輩に会いに行くことを拒否するのだ。
朝から様子もおかしかったし…怪しい、怪しすぎる。
変調の理由は話してくれなかったけれど、私にはわかる。
愛菜の不審な行動にはほぼ間違いなく先輩が関わっている。
…まさか兄妹の一線を越えてしまったのだろうか。
いや、少なくとも愛菜は先輩を兄としてしか見ていなかったはず…
となると先輩が愛菜にムラムラッと来て?
ありえない、願望が入ってるけどありえない。
先輩にムラムラッとされるのはあたしの役目。
まあ、何はともあれこれからは愛菜の動向は要チェック。
…おやすみなさい、先輩(写真立ての中の大輔に微笑みかけながら)