銀行強盗発生、犯人は二人組の男! 「金を出せ!」の大声に驚いたおじいさんが転んで負傷!
人々を傷付ける者は許さない! 弱き者の味方、正義のヒロイン『ローターピンク』が今立ち上がる!
「…おそ、かった…?」
がっくりと肩を落とすローターピンク。現場に到着したものの一足遅く、強盗は既に逃走していたのだ!
しかし大丈夫! このような時のために、ローターピンクは様々な特殊能力を保持している!
その中の一つ、レーダー機能を使いさえすれば、強盗二人の居場所など一目瞭然!
使い方も実に簡単、音声入力! さあ、起動するんだローターピンク! キミの力を見せてやれ!
「…………うぅ」
どうした急げローターピンク! キミの力を見せてやれ! もうローターは装着済みだろう!?
音声入力でちゃちゃっと起動! ハリーアップ! ハリーアップ!
「………………ダー起動…」
声が小さいぞローターピンク! それでは起動しない、もっと声高らかに宣言するんだ!
「…ば、ばいぶれーだーきどうっ」
聞こえんなあっ! もう一度!
「ば、バイブレーダー起動ぅぅぅっ!」
きゅいいいいん!
音声に反応し、ローターが激しい光を放つ! 辺りに響き渡る起動音!
同時に特殊な磁場が足元に展開! ふわりと浮き上がるスカートと格闘し始めるローターピンク!
これぞローターピンクの超絶特殊能力の一つ、『バイブレーダー』!
人工衛星も裸足で逃げ出す超高性能超方位超感覚レーダー機能で、あらゆる敵を逃がさない!
さらに、相手との距離が遠ざかると、自動的にローターの振動が強くなって知らせてくれる親切機能まで付いているのだ!
「…って、きゃああああああっ!?」
ちなみに現在、強盗たちは高速道路をスピード違反バリバリで逃走中だ! もの凄い勢いで遠ざかっている。
それでも大丈夫! ローターを使用中のローターピンクは、超絶脚力を得ているのだ!
ひとっ走りで強盗の自動車に追い付けること間違いなし! さあ、出動だローターピンク!
「…は、走れるかぁー!!」
誰に向かって怒ってるんだローターピンク!
時は現代。悪化の一路を辿る経済事情の下で、人々の心は荒んでいく一方であった。
民間のため、社会のため、戦えローターピンク! 駆け出せローターピンク!