「こんばんは、貴方の司令官です。本日は、皆さんから送られて来る様々なご質問に答えたいと思います。
それでは、30分前から中継が繋がっているローターピンクさん? ローターピンクさーん?」
『…ぁ、…はい…』
「ちなみに我々は現在、ローターピンクの特殊能力の一つ、“超絶通信機能”を利用して会話をしています。
ローター使用中ならいつでも本部との無線連絡が可能。こちらから強制的にかけることもできてとっても便利」
『……あの』
「何か?」
『…こ、これ、素直に、携帯電話を、使ったほうが…ぁ、ぃいいんじゃ、ないですかっ…?』
「考慮しておきましょう」
『…そも、そも…ぅ、な、何でわたし、さ、三十分も、待たされたんですか…ぁあっ…』
「はい、それでは最初の質問に参ります。ローターピンクさん、ミニスカですか?」
『は…い?』
「ミニスカですか?」
『…い、今は、ねまっ、きぃ…! ぱ、パジャマです…ぅ』
「だそうです。謎が一つ解けましたおめでとうございます。ではここでひとまずCMに移りましょう。
ぱんぱかぱーん、本日ご紹介するのは、この便利な包丁40点セット。使用方法は順番に…」
『ちょっ…!? んっ…は、早くして下さいっ…!』
「40本重ねると踏み台になってとっても便利。では次の質問です。年齢は?」
『学生、です…ぅ…。く、クラスでは、ぃい委員長を、務めて、ます…』
「ローターピンクとして活動するときも、学校の制服のままですよね」
『は、はい…。放課後とか、下校中とかに、よく、怪人が現れるので…』
「当然、顔も隠していないと」
『ふぁ…はいぃ…。制服のまま、です…。で、できる限り、人に見られ…見られないように、がんばって…ます』
「なるほど。やはり、正体がばれてしまうのは正義のヒロインとして問題があると」
『い、いえ、そういうわけじゃ、ないんですけど…んんっ』
「ですが、それは重要な問題です。ローターピンクとしての貴方の負担を少しでも減らすのが本部の我々の務め。
ここは一つ、正体を隠すための専用コスチュームを用意するべきでしょう」
『は、はぁ…』
「というわけで、早速試作品を用意してみました。
体操服型高機動強化服“ぶるぶるブルマ一号”と、陸水両用局地防護スーツ“スクーブル水着・零”です」
『…ぶ、ぶるま? 水着?』
「どちらも見た目は学校で使用されるごく一般的な着衣ですから、着るのに抵抗は無いでしょう?」
『か、怪人が現れるのは、街中、なんですけど…』
「着替えて、走る!」
『いやっ…!? あ、いえ、ちょっとそれは…』
「どうも音声が悪いですねー通信機能を強化しましょう少しローターの振動が強くなりますよーえいっ」
『正直勘弁してくださきゃああああああ!? あああぁんんんんぁやあああっっ!』
「コスチューム云々については、こちらで前向きに検討するということで。
はーいそれでは最後の質問でーす。好きなローターのタイプは何ですかー?」
『待ってまってだめです強すぎぃぃぃっ! やめてああんあああっ! だめぇぇぇ!』
「なるほどー。ローターのタイプは強いの好きぃぃぃっ!ですかー。よく分かりましたー」
『ちが、ううぅあぁあ、ふああああんっ!』
「ところでさっきから随分と愉快な声が届いてきますがー。これ、録音してますよ?」
『えっあっだめっ! ちょっいやまってやだやだ止めてくだ、だめ、だめえぇぇぇっ!』
「ああ、最後にあともう一つ」
『止めてえぇぇふああぁぁぁっ!』
「…………そんなに喘いで。えっち」
びくんっ
『(ぷつっ)』
「……ふう。さて、今日はそろそろ帰って寝るとしますか。お疲れ様」
「お疲れ様です、司令官。ところで、このテープですが…」
「私が持って帰ります。…ラジカセはベッドの脇でしたか。そこにでも放り込んでおきましょう」