「キャー!?」「ば、化け物だぁぁぁ!」「助けてー!!」  
何の変哲も無い商店街に、突如出現した怪人! 響き渡る悲鳴、逃げ惑う人々!  
このまま街は悪の手に落ちてしまうのか!? いや大丈夫、この街には彼女がいる! 彼女がきっと助けにきてくれる!  
街を守る正義のヒロイン! 美少女戦士『ローターピンク』!!  
 
「…だ、誰も居ないよね?」  
トイレのドアの隙間から辺りを確認する学生服の少女。そう、彼女こそがこの街を守る正義のヒロイン『ローターピンク』なのだ!  
ドアを閉めて鍵をかけて、気を落ち着かせるように深呼吸。外では怪人たちが跳梁跋扈。早く行かないと人々が危ない!  
ごそごそと鞄を漁って、取り出したものはピンクローター? いや違う! 見掛けは単なるローターだが、これこそが美少女戦士ローターピンクの力の源!  
このローターを身体の性感帯に触れさせ、電源を入れて振動させることによって、超絶ぱわぁーが彼女の身体に宿るのだ!  
さあ、今こそ出番だローターピンク! 君の力で怪人をやっつけろ!  
「…………」  
頬を染め、俯き加減で手にしたローターに視線を送る! なぜか涙目。  
どうしたんだローターピンク! 早くしないと、罪の無い人々が怪人に蹂躙されてしまうぞ!  
「…………うぅ」  
諦めたかのように肩を落とし、ローターを持った手をスカートの中にもぐりこませる! そしてもぞもぞ。  
多少手間取ったが装着完了! もしローターがずれると超絶ぱわぁーが半減してしまうので、自由になった手でスカートの上から押さえておく。  
そして余ったもう一方の手! 握られているのは携帯電話? いや違う! ローターのコントローラーだ!  
さあ、今こそ出動だローターピンク! 君の力で悪を倒し、街に平和を取り戻せ!  
「……………………」  
何を戸惑っているんだローターピンク! 時間が無いぞ!  
「……………………ううぅ…」  
半泣きのような表情を浮かべ、じっとコントローラーを見つめたあと、覚悟を決めたかのように大きく息を吸って、  
 
スイッチ…オンっ!  
 
「…きゃ!? あっ、ちょ…ちょっ…あっ」  
ローターの微細な振動音が、狭いトイレに僅かに響く! 同時に呻くローターピンク!  
「あっ、だ…めっ! まってまってまってまってやだ…ぅうう」  
身体を小刻みに震わしながら、正面のドアにすがり付く! 身体を押し付け、自身を襲う感覚に耐える!  
しかしのんびりはしていられない! 人々の危機を救うのが彼女の使命!  
それに、得られる超絶ぱわぁーには時間制限もあるのだ! 具体的には、達するまで。  
「くぅぅっ…。は、早く…しないと。…あっ、だ、だめっ」  
下半身に力が入らないのか、ドアノブを握り締めたままくずおれる!  
急げローターピンク! こうしている間にも、怪人は街を襲っているぞ! 身体をよじってる場合じゃない!  
今こそ立ち上がるときだ! 街を守る正義のヒロイン! 美少女戦士『ローターピンク』!!  
「行かないとっ…! 早くしないと…! だめ、行かないとっ…!  
 いや…ぁ…急いで、急がないと、行かないと、行く、いっ…ちゃう…ぅぅ…」  
 
………………………………  
………………  
………  
 
 
 
…がくっ  
 
 
時は現代。人々の見えないところで、悪の手は着々と広がっている。  
正義のため、平和のため、戦えローターピンク! 頑張れローターピンク!  
 
Fin  
 
 

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