今、私の下着の中では通販で買ったローター(¥1280)がクリトリスに密着している。
まだスイッチは入れていない。
コードを伸ばしてスカートのポケットに忍ばせてある。
(だって疼いてしかたがなかったんだもん…)
自分に言い訳をするように呟いた。
とある電車の中、ラッシュに紛れて気持ち良くなってしまおうとしているのだ。
(そろそろいいかな…?)
会社の最寄り駅まで残り30分程。段々と人が増え、中年オヤジに囲まれ窮屈さも増してきた。
これなら下を見る事なんてできないからバレないだろう。
オナニー自体は初めてではない。ただ場所が電車なだけ。
ドキドキしながら震える手でポケットの中のスイッチを入れた。
「…っ!ぅ…あぁ…んっ」
危なく声が漏れそうになったが、歯をくいしばりなんとか耐えた。
(すご…いつもよりイイ…)
羞恥心からだろうか。それともこんなところでスルという背徳感だろうか。
かなり気持ち良く、すぐにイきそうだ。限界は近い。
名残惜しいがあまり長くスルのも周りの目が気になる。
それにしても思っていたよりかなり音が気になる。まぁ『気になる』だけなんだろうが…
バレてしまうんではないかと思うだけでさらに背中が震える。
(もぅ…イきそう…)
近づいたソレに備え下半身に力を入れ、倒れないように足を踏ん張った。
…本当にすぐだった…。
「…っ…くっ!…ふぁっ……」
下を向き歯を食いしばる。
腰から突き抜けるような快感の波が襲う。
何度か小さく痙攣をし、息を整える。
(早くスイッチ止めなきゃ……って、えぇっっ!?)
ドドドドドッッ…
夢中で気付かなかったが、丁度駅に着いていたらしく、新たに乗車する人の波に流される。
事もあろうにスイッチ側の手が、伸ばされたまま人に挟まれ身動きが取れない。
もちろんまだローターは動いている。
(やばいっ!早く止めなきゃっ……ぅぅ……ぁん…)
焦った所でなかなか腕は抜けない。
(…んっ…やばいって……また……あっっっ…ぅ)
ヴヴヴヴヴヴ…
…10分程たっただろうか…
まだローターは動いている。
(…もぅ…助けて……ひっっ……また…またイっちゃうよ………んんっっ……ぁぁっ…)
ビクビクと体を震わせながら、なんとか倒れないように耐える。
本日3度目の絶頂を迎え、そろそろ足に力が入らなくなってきた。
…と、やっと目的地に着き人が減り手が自由になる。
慌ててスイッチを切った。
その場に倒れ込みたい程の倦怠感におそわれながらも力の入らない体で駅のトイレに駆け込んだ。
(…危なかった……もう一回イってたら叫んでたかも……)
まだ少し荒い、熱のこもった息を吐き出しながら身支度を整える。
会社へ向かう道すがら考える。
(…しんどかったけど………気持ち良かった………)
(………明日もしよーっと!)
END