「全く、お話になりませんわ!せっかくわたくしが的確な指示で奴らを追い詰めたというのに、
後一歩で攻撃役のあなたが戦闘不能になるなんて!!」
腰に両手を当てたまま、高価な学生服を身に着けた少女が
同じく学生服に身を包んだ目の前の気弱そうな少女をなじっている。
「うう……ごめんなさい、イエローさん……どうしてもその、耐えられなくて……」
それ以上返す言葉がないのか、俯いて黙り込むピンク。
「優秀なわたくしならあんなしっぱいはありえませんでしたわ!
とにかく、これ以上ミスをするならあなたとの共闘は金輪際ごめんですわ!!」
音を立てて扉を閉め司令室を出ていったイエローを、
すまなそうな視線で見送るピンク。
「司令官さん、私、ピンクを続けてもいいんでしょうか……」
それまで黙って二人のやり取りを見ていた司令官は静かに呟く。
「正義の戦士を続ける自信がなくなったのですか?」
「そうじゃないんです……ただ、この『ピンクの超絶ぱわぁーアイテム』を
私がつけたまま戦い続けても……みんなの足を引っ張るだけのような……
レッドさんのような、オートで、長時間戦えるアイテムのほうがいいかな、
なんて近頃考えてるんです……あたしにも、レッドの適性が」
「あなたは処女のままですよね?」
「え?……そ、そうですけど……」
「ならば、レッドの超絶ぱわぁ発生アイテムを身に着けるには
あなたは血を流すことになります。適性の有無に関係なく、そんなことは私が許しません」
「……でも……今のままだと長時間戦えなくて、折角のイエローさんの支援を無駄に……」
「だから自分を傷つけてでも新たな力を欲するのですか?そんな自己犠牲の精神は少しも美しくありません。
むしろ、目的のためなら犠牲を厭わないという考えは、
行き過ぎれば悪党達にならどんな無法や暴力を加えてもいいというあの悪の組織と同じ結論に至ります」
「でも私がこのままだと組織の行為をとめられません!」
「気にすることはありません、奴らにはなくあなたたちにあるものにさえ気づけば、
今のままのあなた達でも奴らに勝利するのは可能です」
「……悪の組織になくて、私たちにある物……?」
「そう、それは友情です」
悪の組織の活動の報告により、今日またあの二人の戦士が立ち上がる!
一人はピンク、一人はイエロー。
「ありがとうございます、イエローさん」
「何で感謝していますの?」
「だって……信頼を裏切ってしまった私と、またいっしょに戦ってくれるんですから。
イエローさんの友情のためにも、今日は絶対失敗しません!」
「な……べ、別にわたくしからあなたと一緒に戦いたいと言ったわけではありませんわ!
ただ……あなたのようなドンくさい子のサポートはわたくしのような優秀な人間でなければ
勤まらないから、仕方なくだからですわ!ほ、ほんと優秀すぎるのも困りものですわ!
ああ、もう、そんな子犬のようなつぶらな瞳で見つめるんじゃありませんわ!
もう戦いは……始まって、いるん、ですから……」
司令部が二人の超絶ぱわぁー発生アイテムを起動させる!
怪人が略奪の限りを尽くすビルの前で、イエローが腰を震わせながらビル内の様子を伺う。
ここは件のビルから50メートルと離れていない場所だ。
この程度の距離ならイエローもいつものようなポーズをとらずとも、
立ったまま『バイブラインドタッチ』を使用することが可能なのだ。
「ぁっ……ビルの出入り口は……下水から窓にいたるまで……組織が警報装置を取り付けて……
中には怪人が……一人で……宝石を掻き集めて……警報装置を迂回するのは、無理……」
どうやら、出入り口は地上から地下にいたるまで全て警報装置に固められ
怪人に気づかれず内部へ侵入するのは無理なようだ。
ならば方法は一つ。外部からの遠隔攻撃で直接怪人を叩く。
「今から……映像を送りますわ……早く額を……」
イエローに促され、ピンクがイエローと額をくっつけようとする。
額と額を合わせ手を繋ぎ合う事で、イエローは『バイブラインドタッチ』で得たイメージを
相手に贈ることが可能なのだ!
イエローの索敵能力でピンクの簡易遠隔射撃『バイブレスト』の精度を上げる!
これこそが二人の2プラトン攻撃!!しかし……
「あ、あのぉ……そんなに頭を動か、されると、額同士を、ぁわせられません……」
「わたくし、だけではありませんわ?わゎ、つっつょ……
あ、なたこそ、そ、そんなに、湿った息を、はぁはぁ吐かれると、
くすぐったくて、あ、あ〜〜ん、しゅっ、しゅーちゅ〜っできませんゎぁーー!」
汗でぬるぬるに濡れた手を繋ぎながら、二人は悩ましげに体をくねらせ何とか額を合わせる。
「ごめんなさぃ、でも、でも、私もアイテムが、ちょっと、ぁん、つ、つよくてっ
もうすこしで、あっ、だめぇ、だめになっちゃぅ」
「なにをっ、よわごと、いってますの、わたく、しのもうご、ですからーーっ
つらいのは、ひとりだけじゃ、ないことですわーーっっあ、ああ〜〜〜〜ん」
耐えられなくなったイエローが、その背をわずかに反らす。
その動きに連動して、彼女の顔も少しだけ上向きになる。
額同士をくっつけようと顔を接近させた状態で、顔の角度を上げてしまう。
その結果イエローの唇は、目の前のピンクの唇に触れる。
「……あ……」
臨界点スレスレで我慢していた少女の紅いふっくらとした唇を、
同じく柔らかくフルフルと戦慄く少女の唇が覆いかぶさる。
「……ああああああぁぁぁぁぁーーーーっ」
それは微弱な接触ではあったが、下半身へ意識を集中させていたピンクは
予期せぬ部分への刺激で止めを刺され、超絶ぱわぁー発生アイテムの振動に屈した。
「……また、イっちゃったよぉ……」
膝立ちになったピンクの瞳から、透明な液体が零れ始める。
意識が白く塗り固められる前に何とか攻撃を放ったが、
不完全な衝撃波はビルの壁面を壊すだけで中の怪人にダメージを与えるほどの貫通力を持っていなかった。
最初こそ異常に手を止めていた怪人もすぐさま宝石集めを再開する。
彼は第2撃が来ないことを知っているのだ。
作戦は失敗した。
ピンクは、いまだ悶え続けるイエローに泣きながら詫びた。
「ごめんなさい……また、信頼を……裏切っちゃいました……」
「ああ〜〜ん、だめですわぁ〜〜〜〜、ゆうしゅうなわたくしがぁ、
この子の、まぇでなんてえぇ〜〜〜〜」
しかしそんなイエローはいまだ稼動を続ける超絶ぱわぁーアイテムの刺激を押さえ込むのに必死で
ピンクの言葉は耳に入っていないようだ。
「まだ諦めるには早いです」
「司令官さん?……あ、イエローさんの超絶ぱわぁー発生アイテムで通信してるんですね……
でも、もう、私は超絶ぱわぁーを撃てません……一度、その……
あれしちゃったから、超絶ぱわぁーを完全には溜めれなくて……2発目を撃てません……」
「今だからこそ、二人の友情の力を発揮するときです。
今こそあなた達にもう一つの2プラトン、『シェルドッキング』を教えましょう」
「もう一つの2プラトン……?」
「あなたが全部溜められないのなら他の人にも超絶ぱわぁーを溜めてもらえばいい。
この意味、分かりますね?」
「……!そうか、そんな使い方があったんですね!」
司令官の説明が続く中、イエローの体がびくんびくんとひときわ大きく震える。
「ああああぁぁっああ〜〜〜〜〜〜んっああ〜〜〜〜〜〜ん、
あ、あっ、あああっ、駄目えええええええええええぇぇぇぇぇーーーーっ!!」
激しい叫び声とともに、司令官との通信が途絶えた。
ぐったりしたイエローに、目を輝かせたピンクが話しかける。
「イエローさん、司令官さんの作戦できますよね?大丈夫ですよね!?」
自称『優秀な戦士』イエローが作戦を聞き漏らすことなどないはずだ。
作戦を実行できないなどと言うわけがない。
少し呆けてボーっとしていた少女はすぐさま
「え……だ、だいじょ〜ぶですわ……、これしきの、ことで……その、イっ」
しかし彼女の呟きはすぐさま中断させられる。
なぜなら、ピンクがすぐさま彼女を地面に押し倒したからだ。
「え……?えっ、えぇっ、ちょ、ちょっとまって、なにを」
イエローの両足を持ち上げ、その両足の付け根にピンクはすぐさま自らの腰を押し進める。
「イエローさん……初めてだからうまくいくか分からないけど……いきます!!」
ピンクが叫ぶと同時に、自らの下着の中にある超絶ぱわぁ発生アイテムを
イエローの股間に押し付ける。と、同時にぱわぁー発生アイテムが再度駆動し始めた!!
「あ、あぁ、ちょ、そんな、だめぇ〜〜っ、おしつけちゃらめええぇぇ〜〜〜〜」
『シェルドッキング』、それは普段一人で使用する超絶ぱわぁ発生アイテムを
二人で使用する荒技だったのだ!
一度イってしまい力の溜まりきらないピンクと、『ピンクの超絶ぱわぁーアイテム』の適性はなくても
肛門しか刺激を受けていないイエローの二人分ならなんとか『バイブレスト』ほどの力は蓄えられるかもしれない!
もちろんただ押し付けあっただけの刺激では超絶ぱわぁーはすぐには溜まらない。
それゆえに、ピンクはより深い接触で超絶ぱわぁ〜が溜まり易くなるよう自ら腰をぐりぐりイエローに摺り合わせる!
「いえろーさん、いえろーさん、わたし、わたしっ、うれしいですっ、
こんなに、どじなっ、わたしのために、いえろーさんっ」
どれだけ失敗しても、最後まで自分を見捨てず助けてくれるイエローの友情に応えるため、
ピンクは必死かつ無心で腰を擦り付け続ける!
「あ、あ、あっ、ああぁぁ〜〜、らめぇ、らめええええぇぇ、
くちゅくちゅ、くちゅくちゅしちゃらめええええぇぇぇぇ〜〜〜」
「いえろーさん、たまります、たまってきます、あったかいのが、いえろーさんのがっ」
「ああ〜〜ん、かんじるっ、かんじちゃゃうぅぅっ、あついのが、ぁついのが
ぃっぱいいっぱいほとばしっちゃうよぉ〜〜〜〜〜」
「「ふわゎああああああぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜ん」」
二人のひときわ大きな喘ぎ声が重なり合った時、『バイブレスト』の神々しい光が放たれる!!
2撃目はないと思っていた怪人は吹っ飛び、悪の組織の企みは破られた!!!
目的を遂げた少女達は、ただただ抱き合いながら勝利の余韻を味わうのだった。
「あ、イエローさん、この間はありがとうございました!」
「ピ、ピっピっピンク?な、なぜ、ここに」
ピンクの無邪気な笑顔を見て、イエローの顔は火がついたように赤くなる。
「え……司令部ですから……どうしたんです、イエローさん?顔、真っ赤ですよ?」
「べ、べ、別に赤くなんかなってないですわ!何を変なことを!!」
「……やっぱり、怒ってるんですね……この前、結局1回目は失敗して、
イエローさんに要らぬ手間かけさせたから……」
「え……そ、そうですわ、ですからわたくしも怒りで赤面しているんですわ!
そ、それ以外に理由なんてありえませんわ!!」
「すいません……司令官さんには私から言っておきますから……
もう2度とイエローさんと組む事はないと思います」
「え、え、なぜわたくしとあなたが組むのをやめることになるんですの?!」
「だって『これ以上ミスをするなら共闘は金輪際しない』って言ってましたよね?」
「そ、それは……あ、あなたをやる気にさせるためのでまかせですわ!」
とたんに悲しんでいた顔がぱーっと華やかな笑顔に包まれる。
「じゃあ、じゃあ、これからも二人で戦えるんですね!」
ピンクのまっすぐな視線から顔を反らし、さっきよりも赤面しながらイエローは答える。
「あ、当たり前ですわ。あなたにはわたくしのような優秀な人間のサポートが必要ですわっ!」
一つの敗北を乗り越え、少女達の友情は深まった。
「そうですわ、こ、これは友情ですわっ!それ以外の理由は、ありえませんわ〜〜〜〜!!
正義の戦士のわたくしが不埒な思いなど抱くわけがありませんわ〜〜〜〜〜〜!!」
がんばれピンク!負けるなイエロー!
友情パワーで不埒なやつらをぶっ倒せ!!