「司令部、増援はまだなんですか?」
「落ち着きなさいレッド、格闘戦で無敵なあなたに敵から仕掛けてくることはありません。
現在ピンク、イエロー、ブルー、シアン、グリーン、ホワイトがそちらへ向かっています」
「大変です、レッドの救援に向かっているフィンガーグリーン、途中で力尽きました!!」
「そんなぁ……敵に取り囲まれてるのに……グリーンが……」
「戦いを前に倒れたグリーンの無念は、あなたが晴らすのです。転送開始」
「きゃあぁっ、……え……なんでボクの指にグリーンのアイテムが……」
「グリーンの超絶ぱわぁー発生アイテムをワープさせました。
グリーン本人はいなくても、彼女の意思はその右手に宿っています。
すぐさまその右手をあなたのスパッツの上に当て、グリーンの技と力と魂を受け継ぐのです」
「うぁ……中と外からこすれて……まだ振動弱いのにすぐにおかしくなっちゃうよぉ……」
「大変です、マッサージャーシアンも失禁したまま動けません!」
「ええ、またですかっ!?」
「戦いを前に漏らしたシアンの屈辱は、あなたが晴らすのです。転送開始」
「やだぁ……この電動マッサージ器……じゃなかった、アイテムなんか濡れてるんですけど……」
「それは平和を愛したシアンの汗です。悪と戦えない彼女の無念さが流した涙なのです。
きっとそのアイテムには、シアンの正義感が宿っていることでしょう」
「大変です、パールホワイトが叫び声を上げ卒倒!」
「戦いを前に力尽きたホワイトの」
「ちょっ、無理ですぅ、もうアイテムが来ても両手がふさがってとりつけられませんっ」
「大丈夫です、しかるべき場所に直接ワープさせるので。というわけで転送」
「きゃあぁぁ、ちょっこれ前のと後ろ2ほんはいってあいだがこすれ」
「大変です、ピンクがしゃがみこんだまま動かなく」
「戦いを前に」
「無理ですっ、無理です無理ったらむりぃっっ」
「レッド、その否定はつまり、グリーンとシアンとホワイトは仲間と思っていても、
ピンクはかたきを討ってあげようと思うほど仲間と思っていない。そういうことなんですね。
この話を聞けば仲間はずれにされたピンクは心から悲しむでしょう。
正義の味方の、しかも隊長ともあろう人間がそのよう」
「わかりましたぁっ、てんそうを、てんそうをぅ、てんそうしてくださぃっ」
「3回も転送を口にする、あなたの決意確かに伝わりました。
さっそく予備の2つを合わせて3個転送させましょう」
「……いやあああぁぁっ、う、うえとみぎとひありからクリがはさまれちゃうょぉ」
「大変です、ディルドーブルーが」
「戦」
「むりむりむりむりむりむりむりむりいいいぃぃっっ」
「五月蝿いですね、これではまともな指令ができません。口の中にでも転送しておきましょう」
「ああむううううぅぅぅ?むぷううううぅぅ!!」
「こうなると転送していないイエローだけ仲間はずれのようでかわいそうですね。
イエローはまだなんともないようですが、ついでにイエローのも転送させましょう」
「むううぅぅっ、おむううぅぅぅぅぅぅぅっぅっ」
「さて、これで用意はできました。今彼女は、自身の白兵戦用の超絶ぱわぁ発生アイテムだけでなく、
索敵用や遠距離攻撃用など様々な超絶ぱわぁ発生アイテムを身に着けています」
「理論上、今の彼女に死角はありませんね!」
「それでわ、全ての超絶ぱわぁー発生アイテムの振動を『微弱』から『激強』へ」
「む?ムウウウウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」
「レッド、全身を痙攣させながら活動停止!涎をたらしたまま、動き出す気配がありません!」
「……ただいたずらに絵の具を混ぜ合わせても、鮮やかな色は出せずかえってくすんだ鈍色にしかならない。
今の彼女は、安易に様々な力を求める者が迎える当然の結末なのでしょう。
全ての力を備えた究極戦士など幻でしかない、そのことが分かっただけでも収穫でした。
そうでしょうレッド?」
「むぐぅ…………………………あむぅぅぅぅ…………………ぅぅ………………………」
「何言ってるのか全然分かりませんよ、レッド」
「司令官、口のアイテムを出してあげないと喋れないと思います」
「あ、それもそうですね」