「先生、変な歩き方してるけど大丈夫ですか?」
「え?だ、大丈夫よ。ちょっと転んで足を痛めちゃって…」
慎重になりすぎたことを反省しつつ、それでもゆっくりと6限目の授業に向かう。
足を交互に出すたび、股間に異物感を感じてしまう。
そう、私は自らの職場であり、教育の場である学校で…バイブレーターを入れさせられているのだ。
誰もいない…そう思ってしてしまった、夜の学校での一人遊び。
それを彼女に知られてしまってから、彼女の要求には逆らえなくなってしまった。
彼女の名前は、高田綾。活発で英語の成績も良く、人気のある子だ。
昼休み、私は今日も、高田さんに呼び出された。
「じゃ先生、今日の午後はコレ入れて過ごしてね」
「え?そ、そんなこと、出来るわけ…」
「出来ないの?へー、つまり、私の命令が聞けないって事?先生」
「あ、や、やり…ま…す、やらせて…下…さい」
見せびらかすように開かれた携帯には、私のあられもない…なんて言葉では表せない痴態が写っている。
最初はこんなこと…身体の関係を要求されるなんて、思いもしなかったし
一部の女子生徒がよく憧れる、禁断の恋「ごっこ」かと思っていた。
だけど…初めて高田さんを家に呼んだ夜。
私は自分の生徒に、あっさりと絶頂を迎えさせられ…甘い考えと自尊心を捨てることになってしまったのだ。
(ホント、いまどきの子はみんなあんなにうまいのかしら?この前だって…)
キーンコーンカーンコーン
淫らな思い出をかき消すようなチャイムに驚きつつも、2-C…高田さんのクラスに入る。
きっとバイブを着けている私を見て楽しむつもりなんだろう。
下腹部にぐっと力を入れ、背筋を伸ばす。
「それでは、授業を始めます。前回の続きからで、テキストの35ページから。野口君、読んで下さ…きゃああっ!」
思わず悲鳴を上げてしまう。
バイブが小さく、細かく…動き出したのだ。
「え?先生、どしたの?」
「な、なんでもないわ!ゴ、ゴキブリがいたみたいに見えたんだけど、気のせいだったみたい…」
「なんだよー、先生の叫び声で、俺予習してきた内容忘れちゃったぜ!」
「嘘つけ!お前授業前に俺のノート必死で写してたじゃねーか!」
笑いさざめく生徒の中で、彼女…高田さんだけは、違う笑みを浮かべていた。
私を弄ぶときの…普段からは想像できない、サディスティックな微笑み。
(動くなんて…うそぉ、無理よこんなのっ…)
昼休みから着けっぱなしでいた…それだけでも、かなり私の身体は反応していた。
それでも、あと少しなら耐えられる…そう思っていたのに。
(お願い、やめてっ…)
高田さんに視線を投げ、懇願する。
しかし、返事として帰ってきたのは、魅力的な笑顔と…やや強くなった振動だった。
(ああ、やっぱりやめてくれないのね…)
幸い、音はとても小さく、周りに聞こえることは無さそうだったし
一緒に着けさせられた下着とパンストのおかげで、落ちてしまうこともないようだった。
授業を始めて、何分経っただろうか?だんだん、振動は強くなっていった。
テキストを読む生徒の声も、耳に入らない。身体は汗ばみ、チョークを持つ手は震え、膝がカクカクと笑う。
(あんっ…うっ…いやぁっ…垂れて…きちゃった…)
下着と固定具を伝わり、一筋のしずくがつ…と太股に感じられる。
そのしずくが汗でないことは、私自身がよく知っていた。
(わ、私…こんな、授業中に…いやぁぁぁ…)
もう、振動が強くなっているのだか、自分が敏感になってきたのだか、よくわからない。
身体中が熱い。恥ずかしさなのか、快感なのか、あるいはその両方なのか。
腰が、操られているかのように動いてしまう。快感が欲しい、もっと気持ちよくなりたい…
そんな浅ましい私の願望を見抜かれたのだろうか?
バイブが振動したまま、ゆっくりと回転を始めたのだ。
「―――――っ!」
喉まででかかった喘ぎ声を、必死で飲み込む。
崩れ落ちかけた身体を、教卓に手をついて支える。
(気持ちいいっ…もう、もう…っ)
教卓の陰に隠れた下半身は、さらなる快感を求めてイヤらしく動いている。
「単語帳の…20から25ページまでを…30回ずつね。小テストやるからっ…ちゃんと、やる、こと…っ」
かすかに残る意識をかき集めて、指示を出す…これでいい。しばらくはみんなこっちを見ないだろう。
私は教卓の角に近づき…そっと秘所を押しつけた。
少女の頃に経験した、小さな快感。
机の角に擦りつけるという、あまりにも小さく、幼稚なオナニー。
そんな小さな快感でも、今の私には充分だった。
(んっ、あっ、いいよぉっ…)
ぐりぐりと押しつける秘所から、快感がどんどん湧き上がる。
(こ、こえでちゃ…声出して、いっちゃ…)
絶頂まで残り数段、というところで…バイブの動きがピタリと止まった。
(そんな…あと少し、なのに…お願いします、綾様ぁ…)
私の痴態をただ一人見つめている、その目に視線を投げてみるものの
いっこうにあの快感が戻ってくる気配はなかった。
「ご、ごめんねみんな…先生、ちょっと調子悪くて…後は自習にしておいて…」
「えー!大丈夫?保健室一緒に行く?」
「ううん、大丈夫だから…それよりもみんなが、ちゃんと自習、してくれた方が…嬉しいから、ね」
ふらふらと腰砕けになりながら、職員専用トイレに向かう。
(今は授業中、誰も使っていない…あそこなら…)
個室に入り、パンストを脱ぎ、便座に腰をかけ…ハンカチを口にくわえる。
そして、鍵を閉めたドアに向けて…大きく脚を開いた。
誰かに見せるように…そう、私は目の前に高田さん…「綾様」がいることを想像していた。
綾様はあのサディスティックな笑顔で私を見下ろし、見つめるのだ。
必死でハンカチを噛みながら声を殺し、バイブを出し入れする。
絶頂近くまで上り詰めた身体は、あっけなく達してしまった。
ぐったりとしながらも、私は自分の身体に、まだ小さな炎が燻っていることに気がついていた。
何故だろう、今イッたばかりなのに。
その疑問の答えは、わからないのだろうか、認めたくないのだろうか?
高田さんの顔が思い浮かび、そのとたん炎が少し大きくなった気がした。