「あ、どうでしたか? お風呂は?」  
「うん、すっごく気持ちよかった!」  
「はい、とてもよかったですよ」  
風呂からあがった僕たちを見て、女将さんが、にこやかに声を掛けてきた。  
元気よく返事をする千奈美と、にっこり微笑む雪枝さん。……確かに、風呂は気持ちよかったけどさ。  
「そうでしたかあ。気に入っていただけて、何よりでしたわあ。  
で、夕食の支度は出来てますが、どないしましょ?」  
「ごはん!? わたし、すっごくおなか空いた〜!」  
女将さんの言葉に、千奈美がぱっと顔色を変えた。  
「あ、そ、そうですね。お願いします」  
「はいはい。さ、食堂はこっちどす」  
千奈美のはしゃぎぶりを見て、雪枝さんは苦笑いしながら、女将さんに返事をした。  
 
「あれえっ!? 久弥くんじゃないのお!?」  
「えっ!? ……ち、千奈美…ちゃん?」  
食堂に向かう途中、廊下の角で出会い頭に出会った男の子に、千奈美が明るく声を掛けた。  
声を掛けられた男の子は、一瞬目を丸くさせながらも、返事をしていた。  
……いつか、出会ったことあったっけ?  
「あらら。昼間の……久弥クンも、こちらにお泊りだったの?」  
「う、ううん。ここ、ボクの家だもん」  
雪枝さんが、優しく男の子に声を掛ける。男の子は、首を振りながら答える。  
……昼間? ああ、スイカ割りのときの一人か。でも、何で後ずさってるんだろうか?  
「あらあら久弥。お客様に、もうお会いしていたのですか?」  
「うん。さっき言ったでしょ? スイカ割りしてたって」  
女将さんの問いかけに、コクリと頷く男の子。  
……あ、やっぱり。ということは、二人は……親子? にしては、年の差が少ないような……って、  
ふと思ったけど、僕と千奈美も世間からは、そう見られているんだろうなあ……。  
「ああ〜、お客さんたちだったんですかあ。一緒に遊んでいただき、どうもありがとうございます。  
久弥がご迷惑とか、お掛けしませんでしたか?」  
「え? い、いや、そんなことはないですよ」  
「気にしなくていいよ〜。だって、大勢のほうが楽しいじゃない!」  
そんなことを考えていると、女将さんは何かを納得したように頷き、こちらにペコリと礼をしてきた。  
雪枝さんは多少戸惑い気味に、千奈美は対照的に元気よく返事をしている。  
……そういえば、スイカ割りのときも、千奈美の悪戯が炸裂したんだっけか。  
もっとも、その結果はといえば、砂浜に千奈美の人柱が完成したんだけど。  
 
久弥くんと別れ、食堂に案内された僕たちを待っていたのは、数々の豪勢な料理だった。  
木で出来た船に乗った数々の刺身、鯛のお頭つき、イセエビの姿造り、山菜の天麩羅、  
いい香りが漂ってくる、お吸い物などなど……。  
「うわ、すっご〜い!」  
料理を目にした千奈美が歓声をあげながら、椅子に座る。  
「さ、御主人さんも、奥さんもどうぞ」  
「あ……は、はい」  
椅子に座る千奈美を見て、にこやかに微笑む女将さんは、僕たちにも椅子に座るように促してきた。  
僕たちは、料理の数々に圧倒されながらも、おとなしく椅子に座った。  
……でもこれ、本当にタダでいいの?  
 
「わ〜い! いっただっきま〜す!」  
「あ、お注ぎしますえ。………どうぞ」  
満面の笑みを浮かべ、千奈美は料理にパクつき始める。  
ビールを飲もうと、逆さになったコップを元に戻した僕を見て、女将さんは瓶を手に取った。  
「ど、どうも。……ところで女将さん、ここには来たばかりなんですか?」  
「……! な、何故それを……?」  
何の気なしに、女将さんに話しかけたひとことで、女将さんはいきなりうろたえだした。  
……そ、そんなにマズイこと、聞いたかな?  
「な、何故も何も、訛りが凄いですもの。……京都のご出身ですか?」  
僕の次に、女将さんからお酌を受けている雪枝さんが、僕の代わりに答える。  
……やっぱ、雪枝さんでもそう思うか。  
「ええまあ。あちらは、何かと過ごしづらくて……」  
雪枝さんの問いかけに、女将さんは曖昧に答える。……あまり、触れないほうが、いいみたい。  
「ふうん、そうなんですか。それにしても、お一人で働かれてるのですか?  
女性一人で、こういう場所を切り盛りするのも、大変でしょう?」  
「その辺りは大丈夫どす。何だかんだとウチも楽しんで、この仕事やってますんで」  
どうやら、雪枝さんも空気を察したようで、話題を変える。  
女将さんも、話題が変わったのにほっとしたのか、いつものにこやかな微笑みに戻っていた。  
 
 
「ふあ〜あ……。食べた食べた〜」  
夕食を食べ終え、部屋に戻った千奈美は、布団の上で大の字になって大あくびをしながら、  
自分のお腹をポンポンと叩く。……それにしても、あの小さな身体の、どこに入ったというのだろうか?  
「まあ、千奈美ちゃん。女の子がはしたない……ふ、ふあ〜あ」  
千奈美をたしなめようとした、雪枝さんも大あくびをする。……あくびは移る、って言うし。  
「ん〜。むにゃ……すう…すう………」  
雪枝さんの声を、聞いていたのかいないのか、千奈美はすぐにその姿勢で寝息を立てだした。  
「ん……亮太さん、私も眠くなってきたので、眠らせていただきますね。……おやすみなさい」  
「え? あ、あ……」  
千奈美の体に、布団を羽織らせたかと思うと、雪枝さんは自らも布団に潜り込んだ。  
……あ、あのう。お風呂でお預けを食らった僕としては、今後の展開を、正直期待していたのですが。  
「すう……すう………」  
一縷の望みにすがりつき、雪枝さんの肩を揺さぶったが、既に熟睡の域に達しているようで、  
目を覚まそうともしない。………ほ、本当にあんまりだ……。  
 
「ふう………」  
部屋を出た僕は、自動販売機でビールを買い込みながら、ため息をつく。  
……風呂場でお預けを食らわされた状態で、素直に眠れるとは思えなかった。  
かと言って、眠っている雪枝さんをどうこうしようなんて、度胸も甲斐性もなかった僕は、  
酔いの勢いで、そのまま眠ってしまおうと考えていた。  
「あら、御主人さん? 食後の一杯どすか?」  
「え? ええまあ……」  
不意に声がして振り返る。そこには、例によってにこやかに微笑む、女将さんの姿があった。  
曖昧に頷きかえす僕。……とてもじゃないけど、お預け食らった挙句の自棄酒、なんて言えません。  
「そうですか……。どうでしょう? ウチも仕事は終わりですし、ご一緒に一杯いかがですか?」  
「え?」  
にこやかな笑みから、ほんの少しだけ艶っぽい笑みに変わり、女将さんは僕に話しかけてきた。  
……こ、これは………。  
「ううん……やっぱりウチじゃ、ダメですか?」  
「い、いいえ。構いません。ご一緒しましょう」  
小首を傾げ、軽く拗ねたような表情を見せる女将さん。  
その表情にドキリとした僕は、間髪入れずに返事をしていた。  
……雪枝さんには、お預け食らわされて、先に眠られたんだし、構わないよね。  
などと気がつくと、誰に対してだか、よく分からないけれど、心の中で言い訳している僕がいた――  
 
女将さんは、僕を一番奥の部屋に通してから、『何かつまみになるものを探してきます』と言い残し、  
部屋から出て行った。僕はおとなしく待っていた。待っていたけれど……。  
「こ、これって……い、いいのかな?」  
思わず漏れる独り言。――そう、すぐ隣にはしっかりと、布団が敷いてあったのだ。  
……もしかして女将さん、ここで寝泊りしているのかな……?  
女将さんが眠っている布団……か。そう思いながら、自然と手が布団に伸びる。  
い、いや何を考えているんだ、僕は。女将さんとは、あくまで一緒に飲むだけ、なんだから。  
「……あ、あれ?」  
などと葛藤していた僕は、自分の手に触れたものを見て、驚きの声を漏らす。  
手には、細長い毛が何本か、絡まっていたのだ。それも薄い茶色の。  
……女将さんの髪って、確か黒かったよね? だとすると、これは誰のだろう?  
 
「さ、お待たせしました。どうぞ召し上がれ」  
「すみません、わざわざ。もう仕事は終わったというのに」  
などと考えていると、女将さんが部屋に入ってきた。おつまみが盛られた皿を手にして。  
ホカホカと、湯気を立てているところを見ると、どうやら出来合いではなく、わざわざ作ってたみたいだ。  
すっかり恐縮した僕は、女将さんにペコリと頭を下げた。  
「まあ、そんな気にせんでも、ええですよ? ウチが好きでやってることさかいに」  
「そ、それでも……」  
「さあさあ、それよりも、乾杯しませんか?」  
礼をした僕を見て、いつものにこやかな笑みを浮かべ、女将さんは答える。  
なおも逡巡する僕に、女将さんはコップを差し出してきた。……ま、まあいっか。  
 
「へ〜え。それは、ご苦労されてますなあ」  
「ん〜。もうすっかり、慣れちゃったけどね。……まあ、いいことかどうか、よく分からんけれど」  
――小一時間後、僕はすっかり出来上がり、女将さんと飲んだくれていた。  
やれ、千奈美が悪戯ばかりするだとか、雪枝さんが買い物で失敗ばかりするだとか、  
そんな話をしていた、気がする。女将さんはうんうんと頷き、お酌してくる。  
「でも、ま。何だかんだと、楽しそうに暮らしているみたいどすな」  
「まあね。千奈美がいなかったら、こうして女将さんと一緒に飲んでいることも、なかったろうし」  
お酌しながら、僕の言葉に相槌をうつ女将さん。……だよね。千奈美のおかげ、だよねえ。  
「……まあ。そうすると、あの娘さんはウチたちを、引き合わせてくれたのかも、しれませんなあ」  
「え? お……女将…さん?」  
一瞬、女将さんの言葉の意味が分からなくて、思わず聞き返した。  
ふと見ると、女将さんの顔は赤く染まり、先ほどの艶っぽい笑みを浮かべている。  
と、女将さんは僕の手を取ったかと思うと、自らの着物の隙間へと潜り込ませてきた。  
「御主人さんを見ていると……ウチの体が……疼いて疼いて、仕方ないんどす」  
「え? あ……そ、その……」  
いきなりの告白に、僕の時間が止まった、気がする。……え? それは…え? ええ?  
「お願いどす……ウチに、恥をかかせんといてくらはい」  
「あ…あ……」  
女将さんは、潤んだ瞳で訴えかけてくる。胸に差し入れた手から、女将さんの心臓の鼓動が伝わる。  
気がつくと、僕は何かに操られているかのように、女将さんのくちびるを塞いでいた――  
 
「んふ……っ」  
「っ……お、女将さん………」  
「お、女将さんなんて……葉子…葉子と、呼んでくらはれ……」  
くちびるを離し、思わず漏れるひとこと。それを聞きとがめた女将さんは、  
そっと僕のくちびるに人差し指を添えながら、妖しく微笑む。  
「よ…葉子さん……」  
「………脱がして、くらはいますか?」  
「あ…う、うん……」  
言い直した僕を見て、満足そうに頷いた女将さん――葉子さん――は、すっくと立ち上がる。  
僕は葉子さんに釣られるように、フラフラと立ち上がった。  
 
「い…いきますよ……?」  
「は、はい……」  
帯の裾を両手で持ち、葉子さんに声を掛ける。葉子さんは妖しい微笑みを浮かべ、ゆっくりと頷いた。  
「…………っと」  
「あ、ああれえええ………」  
葉子さんが頷くや否や、僕は帯を一気に引っ張った。  
両手を真上に上げ、コマのようにくるくる回転しながら、悲鳴をあげる葉子さん。  
……時代劇では定番のシーンだが、自分がこんなこと出来るなんて、夢にも思わなかった。  
 
ま、待てよ? これが時代劇の定番だとすると、ここで桜吹雪の紋々を肩に施したおっさんやら、  
突如として、カベやら床やらを破壊して現れる超ド派手な、忍者って何? な忍者やら、  
風車を投げつけてくる、何故かジーパンを履いている忍者……は、もう亡くなったんだっけか。  
もしくは、今目の前でくるくる回転している葉子さんが実は、すでに50代だってのに、  
20代から体型がまったく変化していない、素で十分化け物な、くのいちだったとか……。  
 
「……ご、御主人さん? ど、どうかしたんどすか?」  
「あ……い、いや、何でもないっす。そ、それより……僕は、亮太って言うんだけど……」  
帯が解け、布団に倒れ込んでいる葉子さんが、怪訝そうな顔で僕を見上げる。  
妙な考えを振りほどくように、ブンブンと頭を振りながら、僕は葉子さんに返事をした。  
「……あ。りょ、亮太さん………どうぞ、こちらへ………」  
「う……うん……」  
葉子さんは、両手を僕に伸ばしながら、潤んだ瞳で訴えかけてくる。  
僕はゆっくりと、葉子さんの上へ圧し掛かり、着物の胸元に手を掛けた。  
 
「あ…ああっ……」  
胸元を開けると、下着を着けてない、露わな胸が姿をあらわす。  
羞恥からか、はたまた別の感覚からなのか、葉子さんの口から艶めかしい吐息がこぼれだした。  
「んっ……あっ…」  
手のひらで、軽く胸を撫で回してみると、途端に葉子さんは身悶えしはじめた。  
雪枝さんの豊かな胸とは違うが、千奈美よりもずっと、揉み応えのある胸だった。  
……何だか、比較対照が滅茶苦茶な気がしてきた。千奈美がつるぺたなのは、当たり前だよね。  
でも、じかに見たことがある女性の胸って、雪枝さんと千奈美のしかないから、  
葉子さんの胸の大きさはと言えば、"その間"としか言い様が無かったりするし。  
「…あっ! ああんっ……」  
その葉子さんの胸に、軽く吸いついてみた。葉子さんは体をピクンと震わせ、喘ぎ声を漏らす。  
感じていたのか、すでに葉子さんの胸の頂は、硬くしこっている。  
「あは……っ………」  
と、僕は胸から舌を離し、両手で着物を左右に押し広げながら、葉子さんのくちびるを奪った。  
……正直言って胸に関しては、葉子さんより雪枝さんのほうが、大きくて柔らかくて気持ちいいし。  
「んふ……っ…んんっ…っ………」  
葉子さんの舌を、口中で絡め取りながら、そのまま口裏を舐め回す。  
と、葉子さんは葉子さんで、自らの舌を僕の口中へ潜り込ませてくる。  
僕たちはしばしの間、お互いの口中を堪能し合っていた――  
 
「……ぷは…あっ。りょ、亮太さんも………もう、こんなに……」  
「あ、ああっ……よ、葉子さん……」  
くちびるを離した葉子さんは、嬉しそうに微笑みながら、僕の下腹部をゆっくりと撫で回す。  
痺れるような甘い刺激に、思わず嬌声が漏れ出す。  
「さあ……ウチが、気持ちよくさせたげます」  
「…葉子さん……あっ」  
言うや否や、葉子さんは僕と体の上下を入れ替え、  
舌なめずりをしたかと思うと、ゆっくりと僕のズボンを脱がしにかかった。  
釣られてシャツを脱ごうとしたが、葉子さんが妖しい笑みを浮かべて制してくる。  
「……亮太さん……ウチに…ウチに、させてくださいまし」  
「あ……。う、うん…」  
「ふふっ……さ、いきますえ……」  
葉子さんの視線に射すくめられたかのように、手の動きがピタリと止まる。  
そんな僕を見て、葉子さんは嬉しそうにシャツへと手を掛けた。  
 
「んふっ、いい色に焼けてますなあ。………んっ」  
「よ…葉子……さ…ん……、あ、ああっ……」  
露わになった僕の胸板に、つつっと指を這わせたかと思うと、いきなり胸元に吸いつく葉子さん。  
不意を突かれた僕は、思わず上半身を仰け反らせ、声を上ずらせる。  
「…あ、ああ…葉子さん……。! い、痛っ……」  
胸から感じる刺激に、甘えた声を漏らすが、突然響き渡る痛みに悲鳴がこぼれる。  
葉子さんが、胸の頂に歯を立てていたのだ。  
「亮太さん、ウチの胸のこと、全然構ってくれなかったんどすもの。これはお返しどすえ」  
「く……あ…よ……葉子さ…ん……あ、あ、ああっ……」  
葉子さんは、くちびるを離したかと思うと、拗ねたような表情を見せ、両手で僕の胸の頂を摘みあげる。  
痛みと快感がない交ぜになって、その刺激にたまらず声が漏れ続けた。  
 
「ふふんっ、さて、お次はいよいよ……っと」  
「あ、ああっ。葉子さん……」  
胸からぱっと離れた葉子さんは、僕の上に馬乗りになりながら、ふたたびズボンに手を掛ける。  
一瞬、こちらを見つめた葉子さんと目が合い、僕は心臓を鷲掴みにされたような感覚を覚えていた。  
「………っと。んまあ、これは立派な……」  
葉子さんは僕のズボンを、パンツごと引きおろした。と、そそりたつモノを見て感嘆の声をあげる。  
……毎度のことなのですが、節操がないというか、なんというか……。  
「……ここまでご立派だと、奥さんもさぞ満足されてるでしょうね? ふふっ」  
「よ…葉子……さん…」  
モノの目の前に顔を寄せたかと思うと、カリ部分に沿ってつつっと人差し指をなぞらせ、  
葉子さんがひとこと。  
……お、奥さんって……雪枝さんは、別に夫婦なわけじゃ、ないんだけど。  
そう思いながらも、僕は快感に背筋をゾクゾク震わせるとともに、雪枝さんに対して、  
どこか後ろめたい気持ちを覚え、かすれた声で目の前の女性の名をつぶやいていた。  
「…………っ」  
「! うああっ! よ、葉子さんっ!?」  
おもむろに、葉子さんは僕のモノを根元まで咥え込んだ。  
油断していた僕は、思わず身悶えしながら、葉子さんの頭を両手で押さえつけてしまう。  
「く…ん……っ…。く……っ……」  
口中の柔らかさだけでなく、モノの先端が咽喉の奥に当たることで、微妙な刺激を生み出していた。  
「んふ……んっ……」  
「くあ…っ……あっ……」  
葉子さんはゆっくりと、顔を上下に動かし始める。  
僕は目の前に、火花が飛び散るような錯覚を覚え、無意識のうちにうめき声が漏れ出していた。  
 
「ん……っ……。ぷは……っ……」  
「うあっ! あっ……ああっ……」  
葉子さんはモノを咥えたまま、僕の右足にしがみついてきた。  
太ももに、葉子さんの胸の柔らかい感触が、じかに伝わってくる。  
……雪枝さんの胸もいいけど、葉子さんの胸もなかなか……。  
などと思っていると、葉子さんはゆっくりと、体を前後に揺らし始めた。  
当然、咥えられたモノも一緒に動くことになってしまう。  
さらに葉子さんは、時々モノに軽く歯を立てながら、顔を上下に動かし続けている。  
「くは……あ…あ…ああっ……」  
「ん! んふ……っ、んっ…ん……んんっ…」  
快感のあまり、体がビクビク震え、その弾みで足先に何かが触れる。  
同時に、葉子さんの体がビクンと硬直し、何かをねだるような、淫らな目つきで僕を見つめてきた。  
……何? 何があったの?  
「ああ……んっ。…り…亮太さん……ウ、ウチにも……もっと……」  
「あ……は、はい……」  
腰を振り乱し、僕の足先に自らの股間を擦りつけながら、  
モノから口を離し、媚びるような口調で話しかけてくる葉子さん。  
その迫力に押され、僕は無意識のうちに、右足の指を適当に動かし始めた。  
「ああっ! あっ! ああんっ! イイッ! 気持ちイイッ!」  
「くっ! うっ! ううっ!」  
指先が、葉子さんの割れ目をなぞるたび、葉子さんはあられもない声で喘ぎだす。  
あえぎながら、葉子さんは僕のモノを凄い勢いでしごき始めた。  
モノがしごかれるたび、快感がモノから全身へと伝わり、右足は半ば痙攣したように、  
反射的に動めいて、葉子さんの割れ目を刺激し続ける。  
……ちょ、も…もう、イッちゃう……かも。  
 
「ああ! イイッ! イイッ!」  
「よ、葉子さん! も、もうダメ! イッちゃうっ! イッちゃうよっ!」  
「イイッ! イイッ! もっと…もっと、ぐちゃぐちゃにしてえっ!!」  
狂ったように、叫び声をあげる葉子さんに向かって、僕は必死に絶頂を迎えそうなことを伝える。  
だが、葉子さんは僕の言葉など、まるで聞いていないかのように、  
腰を振り乱しながらモノをしごき続ける。  
「ああっ! あああーーっ!!」  
「うっ! くううっ!」  
弾みで右足の親指が、葉子さんの中へと潜り込んだ途端、絶叫とともにモノをきつく握り締める葉子さん。  
その刺激に耐えることなど出来るはずがなく、僕はあっさりと絶頂に達していた。  
絶頂に達した証である、モノから噴き出した白い液体は、次々と葉子さんの顔を汚し続ける。  
……さっきお預けされたせいか、いつもより大量に出ているかも……。  
「あ…あはあっ……いっぱい…いっぱい出たあ……亮太さんの…亮太さんの精子い……」  
葉子さんは、大量の僕の精を顔面に受けても、嫌がることなく、  
それどころか嬉々とした表情を見せ、手で拭って口へと含ませている。  
「んふ……っ。亮太さん……続きはお風呂で……ね?」  
「は…はい……」  
僕の精を口に含ませながら、葉子さんは艶めかしく微笑む。  
そんな葉子さんの、恍惚とした表情に魅せられた僕は、  
思わずゴクリと生唾を飲み込みながら、かすれ声で頷いていた――  
 
 
いっぽうその頃、二階の部屋では――  
 
 
ボクは出来るだけ、音を立てないように扉を開け、そっと部屋の中に入った。  
「くう……すう…」  
「むにゃ……んん〜……」  
予想どおり、部屋の中では、客である千奈美ちゃんと雪枝さんが、寝息を立てていた。  
客の中には男の人もいたはずだが、今は多分、葉子さんと一緒にいるはずだ。  
 
葉子さんは時々、客の男の人とハダカになって、抱き合ったりすることがある。  
偶然、それを覗き見たときは、ショックのあまり、声ひとつ出せずに立ち尽くしていた。  
そのことを、男の人が帰ってから葉子さんに話したら、葉子さんは青ざめた顔で、  
『昨日の出来事は忘れなさい。大きくなったら、大人になったら教えてあげるから』  
と、言ってきた。  
 
でも、あんなショウゲキテキな出来事、忘れることなんて、出来るはずが無かった。  
 
男の人のおちんちんを、すごく嬉しそうな表情で頬張っている、葉子さん。  
四つんばいになって、後ろから男の人に腰を押さえつけられ、嬉しそうに叫び声をあげる、葉子さん。  
『もっとお!』とか、『オマ○コめちゃくちゃにしてえっ!』などと、  
今まで、ボクが耳にしたことがないような、金切り声をあげる、葉子さん。  
 
そんな葉子さんを見ていると、何故かチクリと胸が痛くなると同時に、  
いつか自分も、葉子さんにそんなことをして欲しいと、密かに思っていた。  
 
そのときは決まって、何故かおちんちんが大きく膨らんで、カチンカチンに硬くなってしまう。  
しかも、そんなおちんちんを、手でにぎにぎしたりすると、全身がビクビク震えるような、  
不思議な気持ちになれるのだった。  
 
そんなときのおちんちんを、葉子さんのあの口に咥えてもらったら、  
自分はいったい、どうなってしまうのだろう?  
想像するだけで、胸が痛いくらいにドキドキしてきて、おちんちんが膨らんできてしまう。  
 
でもこんなこと恥ずかしくて、葉子さんに話すことなんて、なかなか出来なかった。  
まして葉子さんはあの日以来、この出来事には、触れようともしなかったのだから。  
 
 
だが、それからも時々、葉子さんは男の人と抱き合ったりすることが、何回もあった。  
男の人だけでなく、女の人が一緒に来ているときもあったけれど、  
そんなときは、女の人が食べる料理に眠り薬を混ぜて、起きてこないようにしているのだ。  
 
抱き合う場所はいつも同じ、一番奥の部屋。  
何がどう、とははっきりと言えないけれど、葉子さんがそういうことをするときは、仕草でわかる。  
そんな日は、ボクはこっそりと、屋根裏を伝って押入れに忍び込んで、  
大きくなったおちんちんを握り締めながら、葉子さんのハダカをこっそり覗き見していた。  
 
 
だが今日は、押し入れには忍び込まなかった。  
今回も同じように、千奈美ちゃんと雪枝さんには、眠り薬を飲ませたに違いない。  
ということは、二人は今、ぐっすりと眠っているはずだ――  
 
 
久弥の思惑どおり、千奈美と雪枝は布団の中で、夢の世界の住人と化していた。  
はやる気持ちを抑えながら、久弥はそっと、寝息を立てている雪枝の布団をまくり、  
パジャマ姿の雪枝の胸へと、手を伸ばした。  
――やっぱり、柔らかい。  
 
久弥の予想通り、雪枝の胸はパジャマ越しでも、ぷにぷにと柔らかかった。  
しかも、ただ柔らかいだけでなく、揉めば揉むだけ、押し返してくるような弾力があった。  
 
実は昼間、スイカ割りをしたときに目撃した雪枝の胸が、久弥の脳裏に焼きついて、離れなかったのだ。  
その姿を思い出すたびに、葉子の裸体を見たときと同じように、ペニスが勃起していた。  
久弥がラッキーだと思ったのは、雪枝が自分の住む民宿の客だったこと、  
そして葉子が、連れの男と抱き合おうと企んでいること、だった。  
 
「よ…ようし、こ、今度は………」  
しばらくの間、パジャマ越しに雪枝の胸を堪能していた久弥は、独り言とともに、  
雪枝のパジャマに手を掛けた。緊張のためか、その手はブルブル震えている。  
たどたどしい手つきで、パジャマのボタンを外し終え、そうっと胸元を広げた。  
パジャマの下は、何も着けていなかったようで、久弥が胸元を広げた途端に、  
形のいい豊かな胸が、まるで戒めを解かれたかのように、ぷるんと左右に弾けた。  
「う、うわあっ……」  
露わになった、雪枝の胸を目の当たりにして、久弥の口から感嘆の声が漏れる。  
昼間、太陽の下で遊びまわっていたおかげで、雪枝の肌は綺麗な小麦色に焼けていたが、  
水着に覆われていた胸だけは、昼間目撃したときと同じ、真っ白なままだった。  
その見事なまでに、対照的なコントラストが、久弥にさらなる興奮を与えていた。  
 
「す…すっごい………柔らかい」  
ふたたび右手で――今度はじかに――雪枝の胸に触れ、感想を漏らす久弥。  
柔らかくて弾力があり、ちょっと手を離すと、すぐに元の形に戻る。  
パジャマ越しと違って、じかに触った感触も、すべすべしていて心地よかった。  
乳首の周りの、ピンク色の部分だけ、多少のデコボコがあったが、その手触りも最高だった。  
「うっ……うう…ん………」  
不意に、眠っているはずの雪枝の口から、声が漏れ出す。  
飛び上がらんばかりに驚き、思わず雪枝の胸から手を離した久弥だが、  
雪枝が目を覚まさないのを確認して、ほっと胸を撫で下ろし、ふたたび雪枝の胸に手を伸ばした。  
それどころか、今の雪枝の艶めかしい声に、興奮の度合いが高まっていた。  
 
「あ……や、やっぱり………」  
下半身に疼くものを感じとり、そっと下腹部に手を当ててみる。  
すると久弥の予想通り、大きくなったペニスが短パンの隙間から、その先端を覗かせていた。  
――だ、誰も見てない、よね?――  
キョロキョロと辺りを見渡し、眠っている雪枝と千奈美しかいないことを、再度確認した久弥は、  
立ちひざの姿勢になって、ゆっくりと短パンとトランクスを下ろし始めた。  
露わになった久弥のペニスは、興奮のあまり、ピクピク震えながら天を向いていたが、  
まだまだ未熟で、その先端は未だに皮に包まれていた。  
「あっ…ううっ……」  
片方の手で、雪枝の胸を揉みながら、もう片方の手でペニスを握り締めると、思わず声が漏れ出した。  
――ああ、すごい…すごいキモチイイ……――  
久弥は夢中になって、雪枝の胸と、自分のペニスを揉みしだいた。  
 
ペニスを握り締めたり緩めたりしているうちに、身震いするような刺激が、  
少しずつ高まってくるとともに、次第に久弥の息が荒くなってくる。  
――もっと、もっと、キモチヨクなりたい。……で、でも…どうすれば……? あ、そ、そうだ……――  
快感で頭がぼうっとしてくる中、久弥はペニスから一旦手を離し、雪枝の手首を掴みあげた。  
――で、でもこれ以上は…マズイ、かな?――  
掴みあげた雪枝の手を見つめ、ほんの少しだけ後ろめたさが芽生える。  
――…い、いや、ここまで来たら、一緒さ……――  
が、欲望には勝てず、久弥はおもむろに、雪枝の手を自分の下腹部へと誘導させた。  
「あ、ああっ……! ああっ! あっ!!」  
雪枝の手に、自分のペニスを握らせた途端、久弥は快感の声を漏らすとともに、思わず腰を引いてしまった。  
その途端、今まで自分で握ったりしていたときとは、まるで比べ物にならないくらいの、  
痺れるような快感が全身を駆け巡った。  
――お…おちんちん……す、すごい、すごい気持ちイイ……こうすれば…いいんだ……――  
恍惚とした表情で、久弥は雪枝の手ごと、自らのペニスをしごきはじめた。  
 
――あ、あれ? な、何? 何なの、これ? お、おちんちんが……で、でも止まらないい……――  
ペニスを何回かしごきあげていると、ペニスの奥底からじわりとした快感がこみあげてきた。  
久弥は初めての快感に戸惑っていたが、ペニスへの刺激を送り込むことそのものは、出来なかった。  
「あく! うっ!」  
と、ひと際大きな叫び声と同時に、絶頂に達した久弥のペニスから、精液がまるで噴水のように噴き出した。  
「あ…あ……ああ……」  
初めて味わう絶頂に、頭の中が真っ白になりながらも、  
久弥はペニスを握り締めていた雪枝の手を、ひたすら動かし続けていた。  
ペニスが脈打つたび、鈴口から精液が噴き出し、そのたびごとに白い放物線を描いて、  
雪枝の体へと舞い落ち、小麦色の肌を白く染め上げていった――  
 
 
――あ、ああ……スゴイ…スゴイ、気持ちよかった………――  
ペニスの脈動が収まってきた頃、久弥は握り締めていた手を離した。  
が、雪枝の手はしっかりと、久弥のペニスを軽く握り続けている。  
――こ、これなら……これなら、葉子さんがナイショにしようとしたの、分かる気がする……。  
こんな……こんなことしちゃったら……――  
葉子の言葉を思い出しながらも、雪枝の胸を撫でている手は、ずっと動き続けていた。  
「あ…あれ……?」  
と、雪枝の胸を撫でていた手が、怪訝そうな声とともに、ピタリと止まる。  
――硬く…なっている……?――  
そう、いつの間にか、雪枝の乳首はピンと張りつめ、コリコリとした手触りになっていたのだ。  
――ま、まるで僕の…おちんちんみたい………――  
自分で思いついたことに、ドキンと胸が痛くなる。同時に、雪枝の手の中のペニスがビクンと脈動し、  
ふたたび勢いを取り戻しかけているのが分かる。久弥はゆっくりと、雪枝の乳首に顔を寄せた。  
――な、舐めてみよう、かな?――  
雪枝に自分のペニスを握らせていることで、大胆さに拍車が掛かっていたのかもしれない。  
久弥の舌が、今まさに雪枝の乳首に触れようとした瞬間――  
 
「あ〜っ! なにやってるのおっ!?」  
「えっ!? え? ええっ!? ち、千奈美ちゃん!?」  
不意に叫び声がして、久弥は驚きの声をあげながら、上半身を起こした。  
――なんで? なんで目を覚ましちゃってるの? 眠り薬がもう切れちゃったの!?――  
「キミ、久弥くんじゃない! いったいなにやってるって、聞いてるんだよお?」  
「あ……い、いやその……え? う、うああっ!?」  
四つんばいで詰め寄ってくる千奈美を見て、口ごもる久弥だが、  
不意にペニスに刺激が襲い掛かり、叫び声が漏れ出した。  
 
「も〜う、千奈美ちゃんったら。これからだったのに、野暮なことしちゃって……」  
「え? あっ! あっ! ああっ!」  
久弥のペニスを優しくしごきながら、雪枝が残念そうな声とともに、ゆっくりと起き上がる。  
快感に打ち震えながら、久弥の頭はすっかり混乱していた。  
――ど、どういうこと? もしかして、眠ったフリをしていただけなの!?――  
「さあってと、久弥クン。お客さんの部屋に、勝手に上がるんじゃないって、言われなかったのかな?」  
雪枝は精液にまみれた上半身を、ゆっくりと起こしながら、久弥に向かって諭すように声を掛けた。  
「え……あの、その…ご、ごめんなさ……ああうっ!?…」  
「ごめんで済んだりしたら、警察なんていらないのよ?  
久弥君には、二度とこんなことをしないように、お仕置きが必要かしら、ね?」  
謝罪の言葉を述べようとした、久弥のペニスを少しだけ強く握り締めながら、雪枝は妖しく微笑む。  
ペニスを襲う刺激に、全身をビクリと震わせながら、久弥は喘ぎ声を漏らす。  
――お仕置き!?――  
同時に、久弥の脳裏に葉子の下へ突き出される、自分の姿が思い浮かんだ。  
雪枝たちに何度も何度も頭を下げ、その後、泣きそうな顔で自分を叱る葉子の姿も。  
――い、いやだ。そ、それだけ…は――  
そう思った久弥は、無意識のうちに体をよじらせ、雪枝の手から逃れようともがいた。  
「あらあら。逃げちゃダメでしょう? 悪いことしたんだから、ね?」  
だが、男女とはいえ、対格差の大きすぎる雪枝は難なく久弥を押さえ込み、羽交い絞めにした。  
「あ……あ、ゆ…許して……えっ!?」  
涙をポロポロこぼしながら、謝罪の言葉を口にする久弥だが、突然驚きの声が漏れ出す。  
雪枝が突然、久弥のシャツを脱がしだしたからだ。  
「さて……と。千奈美ちゃん、ズボンはお願いね?」  
「うん、分かった〜!」  
「え? ち、千奈美ちゃん! いや、やめて! 許してっ!」  
雪枝の言葉を受け、自分の短パンに手を掛けた千奈美に向かって、  
久弥は体をよじらせながら、懇願していた。  
 
「あれ〜? 久弥くんったら、雪枝さんにはこういうこと平気でするのに、されるのはイヤなの〜?」  
「あ……うう…」  
千奈美の言葉に、久弥は痛いところを突かれたと感じ、一瞬うなだれる。  
「そ〜れっ」  
「うわあっ!? い、いや! いやああっ!!」  
その瞬間を見逃さず、千奈美は一気に、久弥のズボンを引き摺り下ろす。  
不意を突かれた久弥は、我を忘れて叫び声をあげていた。  
「うわ〜。何だか久弥くん、女のコみた〜い」  
「まあ、千奈美ちゃん。久弥君をいじめるのはそれくらいにして、さっそくお仕置きを始めなきゃ」  
「え? あ、ああっ! い、いや! いやだっ! いやだよおっ!!」  
はしゃぎ声をあげる千奈美を、軽くたしなめた雪枝は、久弥の両手を後ろ手に縛り上げた。  
久弥は必死に上半身をよじらせ、抵抗の声をあげるが、二人はまるで聞く気配が無い。  
「よい……しょっと」  
「ああっ! だ、だめえっ! ゆ、許して! 許してよおっ!」  
両手が自由になった雪枝は、久弥の膝の後ろに手を掛け、左右に押し広げた。  
まるで、雪枝におしっこをさせてもらうような姿勢になった久弥は、恥辱に震え、涙声を漏らしていた。  
「うわあっ。久弥くん、おちんちん、まるみえ〜」  
「い、いやっ! 千奈美ちゃん! お、お願い! 見ないで! 見ないでっ!」  
千奈美の感想に、顔がかあっと熱くなるのを感じながら、  
久弥は子どもがいやいやをするように、何度も首を振り、千奈美に向かって叫んでいた。  
――こ、こんな……こんなの、恥ずかしいよおっ! で、でも…でも……――  
鼻をすすりながら、ぎゅっと目をつぶる。  
だが、早まる心臓の鼓動とともに、ペニスもビクビクと脈を打っているのが、自分でも分かっていた。  
――こんな目に遭わされているのに、こんな目に遭わされているのに……っ……――  
 
「はああっ!? ち、千奈美ちゃん!?」  
突然ペニスから、背筋へと伝う刺激に襲われ、カッと目を見開いた久弥は、思わず叫んでいた。  
千奈美が、自らのペニスをちょんちょんと、つっついてきたからだ。  
「うわあ。久弥くんのおちんちん、すっかり大きくなってる〜。  
あれ? 雪枝さ〜ん、久弥くんのおちんちん、おにいちゃんとカタチ違うよお?」  
「それはね、久弥君のおちんちんは、亮太さんと違って、まだ子どもだからなの」  
久弥のペニスをしげしげと見つめ、千奈美は疑問の言葉を口にする。  
そんな千奈美を見て、雪枝はにっこりと微笑みながら答えた。  
雪枝の言葉を耳にして、不意に久弥の頭の中に、葉子の言葉が思い浮かぶ。  
 
―――大きくなったら、大人になったら教えてあげるから―――  
――確かに、確かにあのとき、葉子さんはボクに言った。子どもってのはこういう意味なの?  
だから……おちんちんが子どもだから、葉子さんはボクを相手にしてくれないの?  
それに二人とも、何で親娘なのに、お互いのことを、『〜さん』って呼び合っているの?――  
ふと、久弥の頭にそんな疑問が浮かびあがった。  
 
「ふ〜ん、そうなんだあ。で、どうすれば、おとなのおちんちんに、なれるのかなあ?」  
だが、久弥の葛藤になど気づくはずも無く、千奈美は久弥のペニスの目の前で頬杖をつきながら、  
雪枝に向かって上目遣いに問いかけた。その言葉を耳にして、久弥は我に返る。  
「まあ、千奈美ちゃん。久弥君のおちんちんを、大人にしてあげたいの?」  
「え? あ、あの……ちょ、ちょっと……」  
「うん!」  
雪枝の返事に、千奈美は元気よく頷いた。戸惑う久弥の意思は、そこに存在していない。  
 
「そうですか……。それじゃあ、久弥君のおちんちんの先っぽを、そっと摘んでみて」  
「うん、……こう?」  
「ふあっ! ああっ!」  
千奈美は雪枝の言うとおりに、ペニスの先端を覆う皮を親指と人差し指で挟み込んだ。  
その途端、久弥は悲鳴とともに悶えるが、両手を縛られ、両足を開かされていては、どうにもならない。  
「そうそう……で、そのままそっと、下にずり下ろしてみて……ゆっくり、優しくね……」  
「う、うん……あっ、先っぽが出てきた〜」  
「あっ! ああっ、あああっ!」  
千奈美はゆっくりと、久弥の包皮をめくりあげていく。と、露出し始める亀頭を見て、歓声をあげる。  
「ん、そこまで来たら、大丈夫かな? 千奈美ちゃん、イッキに皮を下ろしちゃっていいわよ」  
半分ほど、亀頭が露出したのを確認した雪枝は、千奈美にそう指示した。  
「うん! ………えいっ」  
「うああんっ! あ…ああっ……」  
指示のとおり、いっきに包皮を下までずり下ろす千奈美。  
突然の強い刺激に、久弥は快感交じりの悲鳴とともに、思わず上半身を仰け反らした。  
が、諦めたのか、快感に溺れかけているのか、久弥に抵抗の意思は見られない。  
「うわあっ……雪枝さん、これでおにいちゃんと同じ、おとなのおちんちんになったよお?」  
「あ…あ……あ…ああ……」  
「そうね……。でも千奈美ちゃん、これだけじゃ、おとなのおちんちんとは言えないの」  
うきうきした声で、久弥のペニスのカリ部分を爪で軽くほじくりながら、雪枝に話しかける千奈美。  
雪枝は、久弥の耳たぶに舌を這わせながら、千奈美に答えた。  
「そうなの〜? じゃあ、これからどうすれば、おとなのおちんちんになるのお?」  
「ふあ……あ…」  
千奈美は小首を傾げ、雪枝に問いかけながら、ペニスを軽くしごき始めた。  
尿道口からは、透明な液体が次々とあふれだし、千奈美の手を汚していた。  
 
「ん? いつも亮太さんに、シテあげてるでしょう? あれと同じコトをすればいいのよ」  
「そっか〜、そうなんだあ。はぐっ………むぐ……っ……っ……」  
「うああっ! ち、千奈美ちゃん! 千奈美ちゃあんっ! ……あ、あう…っ……」  
雪枝の返事を聞くや否や、千奈美は久弥のペニスをぱくりと咥え込み、顔を上下に動かし始めた。  
その途端、久弥は我に返ったかのように、大声をあげて体を揺さぶり始めた。  
が、雪枝が耳たぶに軽く歯を立てると、甘い吐息を漏らし、おとなしくなった。  
「まあ、久弥君。耳が弱いのかな? じゃあ、こうするとどうかな……?」  
「ふあああっ! ゆ、雪枝さあんっ!」  
言いながら、雪枝は舌を細く伸ばし、久弥の耳の穴へ潜り込ませようとする。  
久弥は、ペニスと耳から伝わる、両方の刺激に堪えきれず、涙をボロボロこぼしながら身悶えしていた。  
「んふふ……千奈美ちゃん、亮太さんのと大きさが違うから、根元まで咥えられるでしょう?」  
「ふ……ふん…ん……んっ…うん。でも雪枝さん、久弥くんのおちんちん、ちょっと臭いよ〜?」  
「うっ…あ、ああっ………」  
雪枝の問いかけに、千奈美は顔をぱっとあげ、軽くしかめっ面を見せる。  
――こんな…こんなことしてくれって、頼んだわけじゃないのに……  
なんで…なんでそんなコト、言われなきゃならないの?……――  
あまりの惨めさに、久弥の目から涙が次々と零れ落ちる。  
「まあ、千奈美ちゃん。そんなこと、本人の目の前で、堂々と言うものじゃないですよ?」  
「はあ〜い。ごめんなさい、久弥くん……むぐ…っ……ん…っ……」  
「ううっ…あっ…あ……っ……」  
雪枝は、千奈美の言葉を耳にして、軽く眉をしかめながらたしなめる。  
千奈美は素直に頷き、久弥に詫びの言葉を述べたかと思うと、ふたたびペニスを根元まで咥えこんだ。  
「久弥君も。時々は、自分で皮をムイて、中もちゃんと洗ってあげないと、ダメですよ?」  
「あ……は…はひ……」  
千奈美がペニスを咥え込むのを見て、雪枝は久弥の耳元でそっとささやく。  
雪枝の言葉が、聞こえているのかいないのか、久弥は虚ろな目でコクリと頷いた。  
 
「ああっ! も、もう出る! 出ちゃう! 出ちゃうようっ!」  
「まあそうなの? 千奈美ちゃん、もう少しみたいだから、頑張ってね」  
「う……ふんっ……」  
不意に、久弥が全身をブルブル震わせ、叫び声をあげる。  
その言葉に、満足そうに頷いた雪枝は、千奈美に声を掛ける。  
千奈美は返事の代わりに、くちびるをすぼませ、ペニスを吸い上げ始めた。  
「だ、だめっ! ち、違うの! や、やめて! 出ちゃう! 出ちゃうよっ!  
お、お願い! やめてっ! もうやめてっ!!」  
「久弥君? 何を勘違いしているのかな? これは、お仕置きだって言ったでしょ?」  
必死に全身を振り乱し、悲鳴に近い叫び声をあげて懇願する久弥。  
だが無情にも、雪枝は久弥の懇願を聞き入れはしなかった。  
「あ、ああっ! だ、だめっ! あっ、ああっ! あああっ!!」  
次の瞬間、久弥は絶叫をあげながら、上半身を思い切り仰け反らす。  
同時に、久弥の臀部から、ふさふさしたものが、何本も姿を現した。  
「な……何これ? ……尻尾?」  
雪枝さんは、久弥の股間から新しく生えているものを見て、素っ頓狂な声をあげる。  
「うっわ〜、ふっかふか〜!」  
「うわわっ! ち、千奈美ちゃあんっ!」  
久弥の何本もの尻尾を目にした千奈美は、歓声を上げながらペニスから離れ、  
すべての尻尾をまとめて、抱えあげるようにして抱きつき、そのまま頬擦りし始めた。  
弾みで、千奈美の頭が久弥の睾丸を擦りあげた途端、久弥は絶叫とともに、ペニスから精液を迸らせた。  
「ん〜、ん〜、ふっかふか〜、ふっかふか〜」  
「うあっ! ああっ! あっ……!」  
ペニスから噴き出した精液が、千奈美の真っ黒な髪の毛を汚す。  
だが千奈美は、そんなことに委細構わず、上機嫌で久弥の尻尾に顔を埋めていた――  
 
 

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