「ぐ…ぐう…うっ……ううっ……」  
”アイリス”は、闇の中で悶えていた。無数の触手が、身体中をまさぐり続けていたのだ。  
ある触手は、胸に螺旋状に巻きつき、まるで何かを絞りだすようにうごめく。  
また、ある触手は”女性の部分”の奥深くに潜り込み、縦横無尽に暴れまわる。  
さらに別の触手は、すぼまりを激しい勢いで行ったり来たりしている。  
口の中で、うねうねとうごめく触手もある。四肢を動かして抵抗しようにも、  
その全てに無数の触手が絡みついているため、指一本動かすこともままならない。  
「ぐぶ…ん……ふあ……あ…ああっ……」  
だが、身体が動かない以前に、”アイリス”の意思が、すでに抵抗を諦めていた。  
というよりも、無数の触手によって及ぼされる、刺激の虜になりかけていた。  
「ごぼっ! ……うあ…あ……ああっ……あ…あっ……あっ……もっと…もっとお……」  
口の中を弄んでいた触手が離れると、”アイリス”はあえぎ声とともに、ねだるような甘えた声をあげる。  
まるで、その言葉を待っていたかのように、触手が一斉に倍の太さに膨らんだかと思うと、  
先端から白濁した液体を、”アイリス”目掛けてドクンドクンと噴き出させた。  
液体のあまりの量の多さに、あっという間に”アイリス”の体は真っ白に染まる。  
さらに、胎内に潜り込んでいた触手も同時に爆ぜたため、お腹がプクリと膨らみはじめた。  
「うあ……あっ!!」  
ぐちゅりという音を立て、触手の一本が”アイリス”の割れ目から抜け出る。  
同時に、割れ目から白濁した液体がごぽごぽと音を立てて、次々に溢れだしてきた。  
「あ…ああ……あ…あ……」  
お腹が倍以上に膨れているにも関わらず、苦痛を感じる様子も無く、  
”アイリス”は恍惚とした表情を見せ、あえぎ声を漏らし続ける。  
ぽっかりと開いた割れ目はヒクヒクと震え、さらなる快感を貪欲に貪ろうとしていた。  
「うああっ! あっ! あああんっ!!」  
そんな”アイリス”に、触手が再び絡まり始め、”アイリス”はさらなる快感に、身を委ねていた――  
 
「ぐ……ぐうっ!」  
どれだけ触手たちに弄られ続けていたのか、もはや覚えてはいなかった。  
だが突然、触手が一斉に離れ、宙に放り出された。  
受身を取る余裕も、羽ばたく余裕も無く、”アイリス”は、硬い床に叩きつけられた。  
あまりの痛さに悲鳴をあげ、しばらくの間うずくまってしまう。  
ふと顔をあげると、無数の人影が”アイリス”をじっと見つめている。  
”アイリス”は、痛みをこらえながらゆっくりと立ち上がり、目の前の石段を上り始めた。  
 
「俺がもらった」  
「可愛い尻尾をしてるわネ」  
何歩か上ったところで、人影の中の誰かが口を開いた。  
その言葉を耳にして、”アイリス”がゆっくりと振り向きながら叫ぶ。  
「私は私! アイリスのものだ! 誰のものでもない!」  
人影たちは一瞬たじろぐが、すぐに気を取り直し、再び”アイリス”の元へ歩み寄ろうとする。  
「よく聞きな! 私が、ここの主だ。よく覚えることね、私の名前を!」  
そんな人影たちに、”アイリス”は不敵な笑みを見せ、宣言した。  
「……ぐ、ぐわあっ!?」  
不意に背後から一人、”アイリス”に殴りかかったのがいたが、あっさりとかわされ、逆に蹴り飛ばされた。  
蹴り飛ばされた人影は、無様な悲鳴とともに何人かを巻き込んで、石段を転がり落ちていく。  
「フン。どうやらここには、頭の悪いのがいるみたいだね。  
……よし、今日は特別だ! 文句があるヤツは、どんどんかかってきな!」  
石段の頂上で、”アイリス”は吼える。  
その声に釣られたのか、無数の人影が次々と、石段を駆け上り始めていた――  
 

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