「マラソンね…」  
つまらない種目だ。元々面倒な体育の中でも、最も嫌いなのがこれだった。  
しかも年に一回の大会の今日は、やたら体育教師がはりきるためサボる事も不可能だ。  
嫌々なのは自分だけではないようで、他の生徒達もどこかかったるそうに道路を走っている。ゴールの正門までは、まだ半分以上残っていた。  
「…暇つぶし、するかな」  
周囲に聞こえないよう呟くと、少年は両手にぎゅっと力を込めた。指先が徐々に熱くなっていく。  
…誰にしようか? ターゲットを探して目を動かすと、すぐ目の前を一人の少女が追い越したのに気付いた。陸上部の副部長で、この大会を純粋に楽しんでいる数少ない生徒だ。  
短く髪を切ったボーイッシュな雰囲気とは裏腹に、体育着の奥の胸はかなりのボリュームで、そのアンバランスさが、男子の間ではひそかに人気を呼んでいた。  
以前から彼女に興味を持っていた彼は、ポケットの中の右手を開き、指を動かした。彼の指には生まれつき不思議な力があった。念じるだけで視認した対象に自由に触れる事が出来るのである。  
瞬間、少女の身体がかすかに震えた。少年の見えない指が、彼女の胸をつまみあげたのだ。  
…な、何、今の。誰かが胸に触ったような…。少女はきょろきょろとあたりを見渡したが、そばには誰もいない。気のせいだと思った刹那、更なる刺激が胸に与えられた。  
そのままそこを挟まれ、くいっと引っ張り上げられると、微かに吐息が漏れる。  
「…ぁっ…はぁっつ」  
くりりと指の腹で円を描かれ、時折きゅっと爪が立てられる。もちろん全ては少年のポケットの中で行われているのだから、不審に思う者はいない。  
「あ…くぅっ…はんっ…」  
辺りを気にし、声が出ぬよう唇をかむ彼女の横へ走り寄ると、彼は親切そうに声をかけた。  
「あの、苦しそうだけど大丈夫?」  
当然その間も、胸への責め苦は続いているのだが、彼女は必死に平静を装った。  
「だ…い丈夫っ、はぁっ…ちょっ…と疲れただっけ…な、の」  
「そう? ならいいんだけど」  
言って彼は、暇にしていた左手を動かす。今度はブルマーの奥に照準を合わせた。  
ぷっくりと膨らんだ突起を突付くと、彼女は小さく悲鳴を上げた。  
 
「ひぁっ…んん!」  
「何か言った?」  
「…なっに、も…あぁ…」  
ひくひくと身体を震わせて答える彼女の痴態に少年は興奮の色を隠せなかった。既に彼女の顔は赤く染まり、運動中だというだけではきかない量の汗が首筋に光っている。  
一旦離れ、後ろから観察しながら長い指を彼女の膣へゆっくりと挿入する。一度に2本はきついかと思ったが、案外楽に入っていった。ぎりぎりまで沈めた指で中をかき回すと、彼女は倒れ込むようにして立ち止まり、道路脇の電信柱に手を突いた。  
「…ひぁあっつ…い…やぁっ」  
一度ずぷっと引き抜き、指の数をもう一本増やす。ぎちぎちと出し入れを繰り返すと、ブルマの内側はもう粘液にまみれていて、よくよく目を凝らすと染みが出来ているのがわかるほどの状態だった。  
少年はまた近づいて、何も知らないふうを装い話しかける。  
「あの…ハンカチ使う?」  
声をかけられた少女は驚いて振り返った。さっきからやたら気をかけてくれる親切なクラスメイトの顔がある。  
いまだ自分に何が起こっているか理解できていない彼女だったが、それでもなんとか相手と話そうと努力した。  
「…ぇっ…はんっ…なっんでぇ…」  
「ブルマ濡れてるみたいだから。さっきの給水所で水こぼしたの?」  
「…!あ…い、いよっ、自分のあ…るから」  
「そう」  
こんな明るい路上で男の子に恥ずかしい染みを見られるなんて…。  
あまりのことにめまいがするのを感じながら、彼女はハンカチを手にした。  
その間にも、そこはどんどん快感の汁で溢れていく。脚の間は少年の右手が嬲っているから、熱さと羞恥が同時に身体を襲っている事になる。  
ポケットから出したハンカチで、彼女は忠告どおり腿に垂れた雫をふき取った。彼は心配そうに見つめながら尋ねる。  
 
「でもずっと気になってたんだ。顔も赤いし呼吸も荒いから」  
「なんっでも…ない…のぉ。だ、から…見ぃないでっぇ」  
「へ?」  
「お…ねがだから…はぁんっ…先、に行っ」  
一秒でも早く立ち去ってほしいのに、クラスメイトはそこをどこうとはしない。彼女の我慢ももう限界に達していた。口の端からはつぅっとよだれが垂れ、目も虚ろだった。  
「そんな、ほうっておけないよ」  
あくまでも正義感の強い少年役を演じながら、彼は奥まで押し込んだ指を激しく上下に動かした。乱暴に突き、狭く熱い中をぎちぎちと押し広げながら、空いた左手は豊かな胸を痛いほど強く揉みしだく。  
「ねえ、本当に平気?」  
「ふあっ…うんっ本、とに…」  
「え、何?」  
「あ…へい…きぁっあぁっ…あた、し…ぃっちゃぁっ!」  
失神してしまった彼女の肩を抱えると、少年は急いで一番近くの休憩所へと向かった。  
顔を出した養護教諭に、彼はにっこりと笑って説明する。  
「あの、彼女僕の前で倒れちゃって。…日射病かな?」(終)  
 
 

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